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fld_nor.gif 『波のフラッグ』をアレンジしてみました
投稿日 : 2026/09/04(Fri) 23:29
投稿者 ベル
参照先
波のフラッグ(アレンジ版)

唯(ゆい)と明里(あかり)は、再び『伊豆・裸の岬海水浴場』に向かっていた。
2028年の夏、合法的なヌーディストビーチがオープンして数ヶ月。
二人は前回の訪問で味をしめ、週末の予定をココに決めていた。
明里は広告代理店の営業職、唯はIT企業で人事関係のアウトソーシングを担当。
大学時代からの親友で、互いに裸体をさらけ出した『共有経験』が
二人の絆を少しだけ特別なものにしていた。

この日は唯の軽自動車で出発。
後部座席にクーラーボックス(スポーツドリンクとおにぎり)、パラソル、
ビーチシート、日焼け止め、タオルを積み込んだ。
伊豆の細い道を抜け、駐車場に着く。
ビーチの入場料金を払い、荷物を抱えて受付へ。
プレハブの小屋で、スタッフがリストバンドとロッカーキーを渡す時に教えてくれた。

「今日はビーチイベントの日です。ぜひ、ビーチフラッグ大会に参加して下さい。
賞品は地元の特産品セットです」
唯は目を輝かせながら明里に相談した。
「面白そうじゃない!やる?」
「もちろん。裸でビーチフラッグだなんて、ココでしか出来ないよ」
明里も笑って頷いた。

ロッカーにスマホと財布を預け、そのままビーチへ。
水着姿で端っこの岩陰近くにパラソルを立て、シートを広げ、
クーラーボックスを置いて『拠点』を完成させた。

「家でサンオイルを塗っておいたのに
3時間近く経っちゃったら、やっぱり乾いちゃったわね。
到着したらすぐ塗り直そうって思っていたけれど・・・」
「じゃあ、今のうちにサクッとやろうよ。
どうせなら、全部脱いで塗り直した方が良いし」
二人は同時にその場で水着を脱ぎ始めた。
陽射しが直接肌に当たる感覚に、唯は少し身を縮めたが
初めてではないせいかすぐに慣れた。
まずは自分で胸から腹、太ももまで。
パラソルの下のシートに座って、サンオイルを手に取った。
次は背中だが、届きにくい所は誰かに頼るしかない。

「明里、ちょっとお願い」
「OK。任せて」
明里がサンオイルを手に取り、唯の背中に指先を滑らせた。肩甲骨から腰へ。
冷たいオイルと温かい手のコントラストに、唯は小さく息を漏らした。

「唯って本当に肌がスベスベだね。羨ましい」
「やめてよ、くすぐったいんだから。今度は私が明里の背中をやるよ」
場所を入れ替えて、唯が明里の背中を塗り始めた。
背骨のラインをなぞるように指先が行き来する。
イヤらしい行為ではないが、海風が混じってサンオイルの匂いがフワッと広がり
互いの息遣いを近くに感じた。

「はい、終わり!これで大丈夫かな」
二人が笑い合って立ち上がると、近くを通り掛かったグループが目を丸くした。
ヌーディストビーチとはいえ、全裸になっている人はまだ4割くらいで
若い女性に限って言えば水着を着用している方が明らかに多いのだ。
時間が経つにつれて、脱ぐ人も増える傾向があるのは事実だが
唯と明里のように到着してすぐに全裸になる女性は少数派だった。

しかしそれは、二人にとってはむしろ都合が良かった。
なぜなら二人は裸になっている姿を見られたくて、再びやって来たのだから。

「・・・ほら、あそこにも私たちの方を見ている人たちがいるわ」
「そうね。だって彼らはそれを期待して来た人達でしょう?
だったらココまで来て、話し掛けてくれれば良いのにね」
事前の打合せで、相手も全裸だったらある程度は応じようと決めていた。
唯と明里は大きめのサングラスを着けると、陽の光で肌を焼き始めた。
しばらくすると仮設テントのスピーカーから、イベントを告知する声が流れて来た。

「午前11時から、ビーチフラッグ大会を開催します。
どなたでも参加出来ますが、衣装による『ハンデルール』が適用されます。
詳しくは運営本部のチラシをご覧の上、参加者名簿にご記入願います」
「ハンデルール?」
確認すると、競技自体は男女別々なのだが
着ている物が少ないほどスタート地点が旗に近くなるらしい。
つまり、『この場所に相応しい姿』になった人の方が有利になるルールなのだ。

唯と明里はビーチ中央にあるイベントエリアで
全裸姿のまま参加者名簿に記入した。
「おい、あの子たちも大会に参加するみたいだせ?」
周囲の反応が聞こえると、二人は満足そうに微笑んだ。

「ビーチフラッグ大会、間もなくスタートで~す!
参加者はスタッフからリストバンドを受取って下さ~い」
午前11時になるのを待って唯と明里が会場に戻ると、他の参加者も集まっていた。
夫婦やカップルで全裸になっている人は何組かいたが
唯と明里のように若い二人組の女性は珍しく、すぐに注目を集めた。

「ゲームのルールはシンプルです。
砂浜でうつ伏せに並んで、合図と共にフラッグを目指してダッシュ。
その先にある旗を先に取った人が、2回戦に進めます。
対戦相手は、その都度くじ引きで選び直します。
服装は裸でも水着でもOKですが、裸の方が『ハンデ』が多くもらえますよ。
では、安全第一で頑張っていきましょう!」

参加者は男女合わせて20~30人くらい。唯と明里は女性枠で参加した。
すぐ隣には20代前半の現役女子大生3人組。
ビキニ姿だったが、まだ全裸にはなれないようだった。
前回ボールで一緒に遊んだOLの面々は、今日は来ていなかった。
他にも筋肉質の若い男の子グループもいて、股間を隠さずにストレッチをしていた。
唯は視線を逸らすが、好奇心が勝り『チラ見』が止まらない。
汗が陽の光で輝く彼らの身体は、彫像みたいだと思った。

第一回戦がスタート。まずは明里が対戦した。
スタッフがスターターピストルの引き金を引くと
明里は身体を起こし、砂を蹴って走りだした。
乳房と太ももが跳ねるように揺れ、尻が左右に振れると
風を切る肌感覚が新鮮なせいか自然と笑みがこみ上げた。
ハンデがなくても完全に圧勝していた明里は、手にしたフラッグを高く掲げた。

唯の第一回戦の相手は、ビキニ姿の女子大生の一人。
しかし、全裸になっている唯は4m近いハンデをもらっていた。
立ち上がった時点でほとんど横並びになったが、最終的には僅差で勝利。
旗を得るためにヘッドスライディングをした甲斐があった。

「悔しい、ホントだったら私が勝っていたのに!」
相手の女子大生は負け惜しみを言うが
運営側にすれば、全裸になった子が長く何度も挑戦してくれた方が良いのだから
脱がないと決めた彼女自身の選択ミスだった。
こうして、二人揃って第二回戦へと駒を進めた。

唯と明里は第二回戦も順当に勝ち残った。
正直、ハンデの差は大きく
しかも周囲からの視線を気にせずに走る二人には自然と声援が集まった。
「自然体であろうとするあの子たちこそ、日本人ヌーディストのあるべき姿だな」
周囲の反応が聞こえると、二人は満足そうに微笑んだ。
一方、ハンデがあれば勝てるとは限らず
全裸姿で参加したのに第二回戦で敗退した女性もいた。

しかし第三回戦ともなると、勝負は僅差になった。
勝負を勝ち抜いた人はいずれも速く、ハンデがなければ負けていた。
唯が対戦した相手は巨乳の熟女だったが
彼女が途中で砂地に足を取られてバランスを崩さなければ、勝てなかっただろう。
「きっとあの人、学生の頃は運動部に所属していたわね」
「うん。姿勢も良かったし、負けたと思ったもの」
唯と明里は気を引き締めて、決勝戦へと駒を進めた。

決勝戦は、波打ち際近くのコース。距離は今までの倍。
フラッグは波際の砂山の上に刺さっていた。
今までは1対1の勝負だったが、参加人数の関係で3人のサドンデス。
唯と明里の他に決勝戦へ進んだのは
ビキニ姿の現役女子大生3人組の一人だった。
ここまでハンデなしで勝ち進んだのは、純粋に足が速いからだろう。
しかし運営側が決勝戦のハンデを提示する前に
女子大生はその場でビキニを脱ぎ落した。

「ちょっと、本気?あなたまで脱ぐの?」
彼女の仲間が動揺する様子から、本人がこの場で決断したのが分かった。
「だってここはヌーディストビーチじゃない。
今までに敗退した仲間の分も含めて、私が雪辱を果たすわ」
とは言え、両手を乳房から離せないことからも
女子大生が無理をしているのも伝わってきた。

「きっとあの人、陸上部に所属しているわね」
「ハンデはなくなったけれど、恥ずかしいと思っているなら勝てる可能性はあるわ」
唯と明里は気を引き締めて、スタート地点の砂浜でうつ伏せになった。
周囲には全裸になった彼女たちの姿を見ようと、大勢の人が集まっていた。
「位置について。よーい、ドン!」
スタッフがスターターピストルの引き金を引くと、三人は跳ね起きて走り出した。

足元の砂が飛び散り、歓声が上がるビーチを全力で走った。
胸の揺れが気にならないくらいアドレナリンが出ていた。
水分を含んだ波打ち際は乾いた砂地よりも走りやすいが、その分遠回りになる。
一方、最短距離を走るルートは観客との距離が近くなる。
唯は波打ち際を、明里と女子大生は最短ルートを選択した。

序盤は最短ルートの方が有利に見えたが
決勝戦の距離が長くなったせいで、明里と女子大生は失速した。
「勝てる、勝てるわ」
唯が確信した瞬間、速い波が突然押し寄せてきた。
少しずつ風が強くなっていたとは思っていたが、高めの波に足を取られた。

「わっ!」
足元の砂が引いていく波と共に崩れ、唯は転倒。身体が砂と水にまみれた。
すぐに立ち上がろうとするが、もう一波来て
それに巻き込まれた唯の足が止まった。
観客たちから歓声と拍手が沸き起こり、スタッフが唯に駆け寄った。

「大丈夫ですか?足を痛めたのなら、棄権しても良いですよ?」
「いいえ、最後まで走ります」
唯は立ち上がると、砂まみれの身体のまま再び走り始めた。
濡れた砂は肌に張り付いたままだったが、誰も唯を嘲笑していなかった。
「頑張れ!」「カッコ良いよ」
唯は軽く手を振って、観客たちに応えた。

一方、明里と女子大生は真剣勝負を続けていた。
女子大生の方が終始先行するが、砂地で足を取られるせいで
その差はほとんど開かなかった。
「一度でも転べば、すぐに追い越せるわ」
その一念で必死について行った明里だったが
ゴール手前で転倒したのは明里の方だった。

「やった、やったわ!みんな、見てた?」
砂山の上に刺さっていた旗を取った女子大生は、ガッツポーズを繰り返し
勝負を制した喜びを爆発させていた。
結局、唯と明里は優勝を逃したが、ビーチフラッグ大会には満足していた。

「おめでとうございます。
メダルを授与した3人に、もう一度盛大な拍手をお願いしま~す」
簡易な木箱を積んだ表彰台の上に3人が並ぶと
観客たちから惜しみない歓声と拍手が送られた。
その後、運営委員会から「メダルを掛けた3人の写真を撮らせて欲しい」と頼まれた。

「名前は伏せてくれますか?YちゃんとかAちゃんでお願いします。
その代わり、もしホームページ等で公開する時は
モザイクは一切掛けなくて構いません」
「えっ?」
「良いじゃない。私たちがココで真剣に競い合った『記念』なんだから」
「それに、撮影禁止の厳格なルールがあるココで
ヌードになった姿を残せるのは、むしろ『特典』じゃない?ね?」
優勝した女子大生は最初こそ戸惑ったものの
唯と明里に説得されて、応じることになった。

大会終了後、二人は自分たちの拠点に戻り
クーラーボックスからドリンクを取り出して、ビーチシートに腰を下ろした。
全身が少し焼け、心地良い海風と波の塩気が香った空気に包まれた。

「波で転ぶなんて、ハプニング満載だったわね。
でも裸になっていたせいで、全部が新鮮だった」
唯の感想に明里も頷いた。
あえてメダルを着けたままにしたせいで、周囲から向けられる視線は絶えなかった。
時々、声を掛けて来る人もいたが、その相手が全裸であれば
二人は旧知の友達のように飲み物を差し出して、会話を楽しんだ。

優勝した女子大生を含む3人組は、帰り際に唯と明里の拠点に立ち寄り
連絡先を交換した。
残りの二人はビキニ姿のままだったが
「ここから更衣室までだけ、全裸になってみたら?」
という唯の提案に従い、全裸姿で帰って行った。

イベントの興奮と裸の交流が、日常の枠の『外』を体験させていた。
二人にとってヌーディストビーチは、ただの目新しい場所じゃなく
自分を解放する『冒険の場』になっていた。
(おわり)
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