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エピローグ

〇Y子 全裸コンビニを実行しました

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大分、時間が経ってしまいました。
なかなか、課題を実行する決心が付かなかったのです。
A子から出された課題は三つでした。

・脱いだ服を鞄に入れて、トイレに置いて行くこと。
・身体には一片の布も着けずにトイレを出ること。
・その格好でコンビニの店内を一周してから外に飛び出すこと。

これだけでも実行する勇気が出なかったのに、グズグズしていた罰だって、A子はさらに酷い課題を追加して来たのです。
それが手錠でした。
トイレで全裸になったら、後ろ手に手錠を掛けるのです。
恥ずかしいところを全然隠せない状態にして、店内に出るのです。
それも自分の手で。
どこまで変態なんだって格好ですよね。
でも、やるしかないんです。
準備を整えて、バッグを持ってコンビニに行きました。
繁華街のハズレにあるコンビニですが、昼の日中です。
お店の前を人が行き来しています。
自動ドアの前で深呼吸。
ここから出る時のことを考えると、入るのが怖くなります。
A子が、向うの路地から見ています。
「早く行きなさい」と全身で訴えています。
人の気も知らないで。
心の中で「あかんべ」をして足を踏み出しました。
自動ドアが開きます。
「いらっしゃいませ」とお姉さんの声。
帰る時は、どんな声を掛けてくれるのでしょうか。
ここで怪しまれる訳にはいきません。
お客さんの顔を見ないようにして、トイレへと駆け込みました。
さあ、ここからです。
個室に入って、中から鍵を掛けて。
一応、安全地帯の筈なのに、身体の震えが止まりません。
でも、時間を掛ける訳には行かないのです。
すぐに服を脱ぎ始めました。
一気に全部脱ぎました。
途中で手が止まったら、二度と脱げなくなってしまうと思ったからです。
全裸になると、バッグを開けて手錠を取り出しました。
靴も脱ぎました。
トイレで素足です。
生まれたままの姿ではないのはコンタクトレンズくらいです。
脱いだ衣類をバッグに入れてファスナーを南京錠でロックします。
鍵は持っていません。
これでもうハダカでいるしかなくなりました。
次は手錠です。
もちろん手錠の鍵もここにはありません。
一度掛けてしまったら、自力では外すことができなくなってしまいます。
でも、
「やらなければ罰ゲームだからね」
A子が言っていました。
やるしかありません。
自分でも、やると決めたことです。
右手の手首に手錠を掛け、両手を背中に回します。
左手の手首に手錠を……
ガチャリと言う金属音がして、手錠は外れなくなりました。
もう後戻りはできません。
バッグはここに置いたまま、トイレから出るしかないのです。
個室を出るだけでも躊躇してしまいます。
店内に出るとなれば尚更です。
洗面所の前を通過する時に、大失敗をしてしまいました。
鏡に映った自分の姿を見てしまったのです。
おっぱいがモロに映ってました。
自分のおっぱいですが、こんなところで見ると、とってもいやらしいんです。
思わず胸を隠したくなりましたが、背中の手錠が許してくれません。
おっぱいもヘアーも隠せないんだって、思い知らされました。
そんな姿で、人がいる店内に出なければならないのです。
お客さんは何人くらいいるのでしょうか。
さっきは夢中で数えていません。
数の問題ではありません。
女子高生が全裸で後ろ手に手錠を掛けたまま、コンビニの店内を歩くことが問題なのです。
その瞬間は、思いがけずやってきました。
OL風のお姉さんがトイレに入って来たのです。
「きゃっ!」と言う声に押し出され、店内に出ました。
店員も、お客さんも、声の方向へと振り向きます。
そこには全裸の女の子が。
一気に注目を浴びてしまいました。
いきなりの展開で、どうして良いのかわかりません。
本当はこのまま店内を一周しなければならないのに。
急激な恥ずかしさに襲われ、眩暈がしました。
このまま気を失ってしまうことができたら、どんなに幸せだったか。
でもそれは叶いませんでした。
もうダメっ。
そう思った私は、真っ直ぐに逃げ出すことにしました。
罰ゲームでもいい。
A子に謝って、許して貰おうと。
硬直から抜け出し、歩き出した私の前を一人の男が通過しました。
たった今、自動ドアから店内に入って来た男です。
男は一目散にレジへ進むと、
「金を出せ。ありったけだ。騒ぐとケガをするぞ」
そんなことを言っていました。
これってまさか、コンビニ強盗!?
男は先の尖った刃物を店員に突き付けていました。
「早くしろ」みたいな感じで、こっちには気づいていません。
その隙に逃げ出すことができていれば、この後の悲劇はなかったのですが、その時の私は動くことができませんでした。
「おい、こら。何をやってる」
お店の奥から店長らしき人が出て来ました。
男は、レジから掴めるだけのお札を掴むと、逃げに入りました。
そこで私を見つけてしまったのです。
「なんだぁ、お前は」
驚くのも当然です。
私は羞恥と恐怖に襲われました。
その時でした。
お客さんの誰かがケータイで呼んだのでしょうか。
制服警官が駆けつけました。
「おい、こら。何をやってる」
大きな声でした。
警官が来なければ、男は私を突き飛ばして逃げていたかもしれません。
でも、その時は咄嗟に私を抱き寄せ、首元に刃物を突き付けました。
私は人質にされてしまったのです。
両手の自由が利かない身ですから、ちょうど良かったのでしょう。
男は、私には「おとなしくしろ」と言いながら、警官には、その場からどくように指示しました。
逃げられないからです。
「言うとおりにしないと、この女の命はないぞ」
型どおりの脅し文句ですが、効果は充分でした。
警官がジリジリと後退すると、男は私を片手で抱きかかえたまま、コンビニから出ていきました。
外にはすでに人だかりができていました。
大勢の人が囲む中を、私は全裸のまま引き摺られていきました。
男は必死でした。
目の前の刃物が、いつ喉元に突き刺さるか。
気が気でないのと同時に、ハダカで通りを歩いている自分が信じられませんでした。
人の数がドンドン増えていくようです。
警官も集まって来ました。
パトカーのサイレンも近づいて来ます。
男は、通りを渡ると、近くの公園へと入って行きました。
警官たちに誘導されていたのかもしれません。
公園の真ん中、噴水のある池の脇まで進んだところで、男は警官に囲まれました。
「もう観念して人質を解放しろ」
警官たち、そういうようなことを言っていましたが、男は意味のわからないことを叫ぶばかりです。
野次馬の数がますます増えて来ました。
一体、何人いるのでしょう。
そうした群衆の真っただ中に、私は全裸でいるのです。
後ろ手の手錠はそのままですから、体のどの部分も隠すことはできません。
おっぱいもお尻もヘアーも丸出しです。
群衆の中からは、
「あの子、すげぇ。スッポンポンだぜ」
「JKだよなあ」
「マジ、変態」
「ハダカだよ。素っ裸」
「映画の撮影じゃねぇの」
「それってAV?」
「おっばい、でけぇ」
「手錠まで掛けられてるぜ」
「写メ、撮っておこう」
「お姉ちゃん、こっち向いて」
無神経な野次が私を責め立てました。
こんなことになるなんて。
今日、全裸コンビニを実行してしまったことを後悔していました。
不思議と恐怖がなくなっていきました。
恥ずかしくて、恥ずかしくて、そればかりが脳裏を占めるようになっていました。
女の子が裸身を晒しているのですから当然です。
見られている。
こんなに大勢の人にハダカを見られているんだ。
そう思うと、身体がドンドン熱くなります。
恥ずかしさで宙を彷徨っています。
ダメよ、こんなところで。
私は気づきました。
アソコが痛いくらいに疼いています。
本気のオナニーに狂っている時でも、ここまではならないだろうと思う程です。
このまま群衆に視線に焼かれていたら、イッてしまうかもしれせん。
それだけはイヤです。
お願い、見ないで。
私を、もう開放して。
祈ることしかできませんでした。
「私、知ってるかも。○○高のY子じゃない?」
恐れていたことが起きました。
とうとう、私を知っている人が現れたのです。
噂が広がることでしょう。
Y子は全裸コンビニの課題をしているところをコンビニ強盗に捕まったんだって。
学校の皆からも白い目で見られるのです。
「そんなにハダカが好きなら、今ここで脱いでみろよ」と命令されるのです。
何かある度に晒し者にされるのです。
この上ない羞恥に縛られるのを感じました。
その後は覚えていません。
私はイッてしまったのでしょう。
気づいた時には土の上に横たわり、毛布を掛けられていました。
男がどうなったのかはわかりません。
大変な目に遭ってしまいました。
この投稿は病院のベッドで書いています。
精神的に大きなダメージを受けたからと言う理由で入院させられたのです。
有名な先生に、何とかって言う治療を受けるのだとか。
あの出来事が頭から離れません。
思い出す度に恥ずかしくなります。
一生分の恥を掻いてしまった思いです。
それなのにA子は、
「課題ができなかったことに変わりないです。罰ゲームをやって貰いますね」って。
ひどいと思いませんか。
生きるか死ぬかの思いをしたばかりなのに。
「何をさせる気なの」と尋ねると、
「写メを撮って貰います。ヌード写メ。あの公園がいいですねぇ。せっかく露出させて貰えたのに写真が残ってないなんて残念でしょ」
何てことでしょう。
A子は、私にとっては悪夢とも言える場所に行って、ハダカの写真を撮って来いと言うのです。
「そんなこと、できるないわ」って答えたのですが、A子は聞いてくれません。
それどころか、
「あっ、でも手錠はしなくて良いですよ。ヌードを自撮りできなくなってしまいますから」なんて言うのです。
A子が何を考えているのか、信じられない思いです。
でも、信じられないのは私の方でした。
A子に言われた一時間後には、写メを撮る気になっていたのです。
退院したら、きっと撮りに行ってしまうことでしょう。
その時は、また投稿しますね。
(おわり)



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