『露出奴隷教師ユリエ』
作;青空和美
1. プロローグ
六月第二土曜日
ユリエはベッドの上で真っ裸のまま手足を折り曲げ丸くなっていた。
右手には唯一の持ち物である小さなタオルハンカチをしっかりと握り締めていた。
ユリエは暗い部屋を見まわした。ベッド以外家財道具は何もなかった。
カーテンもないので外から見える心配をしなければならなかった。
アパートの二階に住んでいたが周りは二階建ての住宅街でもあり覗かれそうで不安だった。
外から見られるかもしれないと思う不安感の中でいつしか被虐感が快感に変わって来た。
あそこが潤んで来た。オナニーをしたくなってきた。
ユリエは両方の乳房を掴んだ。乳首も大きくなって感度が良くなっていた。
甘味な電流が走った。
蜜壷に指を伸ばしてみた。
蜜壷はしとどに濡れていた。クリトリスも大きく膨らんでいた。
ビビッと全身に震えが来た。
思わず声が出た。
「アアーン。感じる。こんなに感じたの始めて」
何度もいってしまった。
「アアーン。アアーン。感じる…」
ユリエはまどろんだ体を横たえながら、どうしてこんな事になったのだろうと昼間の
出来事を思い出していた…。
今日は土曜日の補習授業で落ちこばれの生徒だけを集めて授業をした。
今までの授業と勝手が違って、生徒達は雑談ばかりして先生の話を聞かないので授業にならなかった。
ユリエはいらいらを我慢するのが精一杯だった。
授業が終わり職員室に戻ると何やら言い争っている声が聞こえた。
(また、あのいやみの内田先生だ。)
「鈴木先生、そんな事だから生徒がつけあがるんだよ。もっとしゃきっとした態度で接しなきゃだめじゃないか!」 神経質そうなキイキイ声で叫んでいる。
「そんなこと言ったって、こんな性格だから…。」
鈴木先生は百八十センチもの大きな体なのに、こんな時は子供のように見える。
「生徒に、そんなに甘い態度を見せるから馬鹿にされるんだよ。おまえ、生徒達からマウンテンゴリラって言われてるんだってな。生徒に何を言われてもへらへら笑っているだけ。本当に馬鹿みたいで見ていられないんだよ。馬鹿にされたら叱り飛ばせよ。
先生の方が生徒より偉いんだからもっと強気に出ろよ」
先ほどの授業でいらついていたユリエは内田先生のキイキイ声にますますいらついた。
(ああ騒がしい。いつもそうだ。内田先生は鈴木先生に威張ってばかりいる。
鈴木先生も言い返したらいいのに。内田先生の方こそ生徒から陰で馬鹿にされているのも知らないで。鈴木先生の方がずっと人気があるわ。もうガマンできない!)
「内田先生!先生は生徒にどんなあだ名を付けられているのか知っていますか」
ユリエは思わず声を出してしまった。
「あっ、ユリエ先生、横から急に口を出さないで下さいよ。びっくりしましたよ」
(ああ、もう止まらない。)
「先生のこと、陰ではウーサンて呼ばれているんですよ。どういう意味だか解りますか?」
「あだ名じゃなくて愛称でしょう。内田のウですよ。そんなこと常識でしょう」
(あんた馬鹿じゃない)
「違いますよ。ウーサン臭い。つまり胡散臭いの意味ですよ」
「何!もう一度言ってみろ!女だからって付け上がるな!馬鹿にしやがって」
内田先生の青白い顔が見る見る紅潮してきた。
「わたしが言ったのではありません。生徒達が言っているのです」
「おまえ、生徒にちょっと人気があると思って付け上がるな!」
(そうよ、あんたは生徒に全然人気ないわよ。怒鳴ればみんなが言う事を聞くと錯覚しているんだから。そのキイキイ声、耳に障るんだよ)
ユリエも興奮してしばらく言い争っていると、校長先生が校長室から顔を出してユリエを呼んだ。
「ちょっと、ユリエ先生。校長室に来てくれないかな」
「はい、校長先生、何でしょうか?」
ユリエは校長室に入った。
「失礼します。校長先生、何の用でしょうか?」
校長先生はなんだか厳しい顔をしている。
「ユリエ先生。あなたがこの学校に新任として赴任して、数学の全国模試が10点も上がりました。あなたがこの学校に勉学の件では貢献していること、それは認めますよ」
(そうよ、わたしの授業は解りやすいと生徒に人気があるわ。今日は別だったけど)
「でもね、他人の話に割り込んで事を荒立てるのは止めてください。この平和な学校に波風を立てるのは止めてくださいね」
(えっ、この学校のどこが平和なの。いつわたしが波風を立てたっていうの?)
「だって、いつも内田先生が鈴木先生をいじめているから頭に来たんです。
内田先生と鈴木先生方の争う声が聞こえたでしょう。そうしたら校長先生こそ仲裁するべきじゃないですか!」
「私も来年退職だよ。校内を変な風に掻き回さないでくれないかな」
「来年退職なんて先生個人の問題でしょう。校長は給料を多く貰っているのですから、
それなりの役割を果たすべきじゃないですか。」
「もういい!あんたの言いたい事は分かった。
それはそうとユリエ先生はこの学校に赴任してから、もう二年目にもなるがいつもズボンばかりだね。たまにはミニスカートでも履いて来て、お茶でも配ってくれたまえ。
もっと人気が上がりますよ!」
(ああ、頭に来る。そんなこと関係ないじゃない。もう止まらない!)
「その言い方はセクハラです。それにズボンじゃなくてスラックスです。
わたしが何を着ようと自由です!校長先生こそ校内の揉め事を上手に治めて、来年は皆に惜しまれながら退職して下さい。もっと頑張って下さい!」
「忠告しただけなのにセクハラとは何て言い方するんだ。分かった分かった。もういい。今度の査定では協調性がないということでC評価にしてやるからな!」
「なんですって!」
「もういい、もう用は無いから部屋から出て行きたまえ。自分の話し方が、周りにどんな嫌な雰囲気を振りまいているのか月曜日までに考えておきなさい。」
「わかりました、失礼します!」
席に戻ると鈴木先生がやって来た。
「すみません。僕のせいで叱られてしまったようで」
「あなたのせいとは思っていませんからご安心下さい」
「おわびにお昼おごらせて下さい」
「そんなの必要ありません。今日は用事が有りますからお先に失礼します」
(ああ、こんな学校に赴任してしまって最低!ああムシャクシャする。気晴らしにデパートでも覗いてみるか)
怒りが治まらずカッカしながらデパートを歩いていると、数人の高校生が階段に座り込んでタバコを吹かしていた。
「あなたたち、どこの学生?タバコを吸ってると補導されるわよ。それにあなた達のタバコを吹かしている姿って、大人の猿まねをしている馬鹿者にしか見えないわよ」
「なにー!、馬鹿にしやがったな。女のくせに。ぶっ殺してやる!」
高校生達が追いかけてきた。
(ああ、バタフライナイフを持っているわ!何てこと言ってしまったの?どうしよう、
どこに逃げればいいの)
ユリエは特別展示会場に飛び込んで行った。
すると目の前に真っ裸の女性が立っていた。
(え?どうしてこんな所に真っ裸の女が立っているの!ぶつかってしまう)
激しくぶつかって倒してしまった。
『ガラーン!』大きな音がした。
それは陶器で出来た等身大の女性像で頭や腕がこなごなに割れてしまっていた。
「なんて事をするんだ!わしの傑作を!」
七十歳くらいの老人が驚いて飛び出して来た。
「弁償すればいいんでしょう、弁償するわよ!入り口近くに置いてあるのが悪いのよ。
それに、こんな女性のハダカばかり作って恥ずかしくないの!」
「これは、わしの女房をモデルにして作った陶器製の作品だよ」
「へえ、露出狂の女房という訳。奥さんのハダカの作品が皆に見られて嬉しいんだ。
あなたも変態ね」
興奮して口に出してしまったが、その言葉にユリエ自身狼狽してしまった。
(何てこと言ってしまったのだろう)
デパートの男性従業員が走ってきた。
「キ、キミ。謝りたまえ。この人は、陶芸家の田中陶周斎先生だよ!知らないのか?」
(田中陶周斎って誰なの?知らないわ。有名な人なの?)
田中先生は真っ赤な顔をして、不気味に笑い顔になった。
(こわい)
「いいから、あんたは黙っていなさい。あんた、ワシの事を変態なんて言ったな。それに死んだ女房のことを露出狂なんて言ったな。自分のやったことを謝りもしないでワシの事をそんなふうにののしるとは見上げた根性だ」
(ああ、まずい)
「これは、わしの死んだ女房をモデルにして作った陶器製の作品だよ。
それに私は女性のハダカの作品ばかり作ってはいないよ。
こんな等身大の陶器製の女性像はそんなに簡単に作れるものではないよ。
何十回も失敗を重ねて、やっとこの一体が出来たんだよ。色を付けるのも大変だったしね。
もうこの歳では二度と作れないだろうな。弁償すると言ったね」
(ああ、そんなこと知らなかったわ。何てこと言ってしまったんだろう)
「それに弁償できるのかね。これは、売れば一億以上との評価がされているものだよ」
(うそ!こんな陶器がそんなにするなんて)
「譲ってほしいという申し出が沢山あったが、死んだ女房の思い出がいっぱい詰まっているから手元に残しておいたんだ。あんたいくら持っているんだね」
「あっ、あの二百万くらいかな」
(ああどうすればいいの)
「じゃ、どうやって返すんだね。それともあんたの実家はとても裕福なのかな。
ご両親にでも頼み込んで都合するのかな」
「両親はいません。それに兄弟だっていません。本当にゴメンナサイ」
「今ごろ謝ったって遅いよ。全額弁償するって約束したよな」
「そんなこと言ったって、そんな大金を借してもらえるあてもないし…」
「じゃあ、足りないぶんは身体で弁償してもらおうじゃあないか。
あんたが変態の露出狂になってな。わしの知り合いの所に行って話し合おう。着いてきなさい」
「すみません。わたし、今日はどうかしていたんです」
「まあ、いいから着いて来なさい」
厳しい顔でユリエは田中先生に腕を引っぱられデパートの外に連れて行かれた。
「おーいタクシー!」
ユリエが連れて行かれた先は、ユリエの通学路に面したブティックだった。
(えっ、ここ?そういえば、生徒が入っているのを見かけたことがあるわ)
ユリエは店の中に連れて行かれた。
「おい、わしだ!」
奥から三十代半ばという感じのキレイな女性が出てきた。
「ああ、いらっしゃい。この人は?」
「ああルミ。この人はユリエっていうそうだ。女房の像を壊してしまって、全額弁償するって言っているんだよ」
「ええ!あの大切にしていた奥様の陶器の像を壊してしまったの?それはひどい!」
「あんた、どうやって返す?」
「とても返せません。ごめんなさい。せいぜい百万円くらいだと思ったんです」
「えっ、たったの百万円?安く見られたものだな。
じゃあ、こうしようか。あんたの持っているもの全てを一千万円で買い取る。
残り九千万について、奴隷として合計九日間、わしの言いなりになること。
一日一千万というわけだ。
今日は六月第二週の土曜日だから、毎週一回として八月の上旬には全て終了するよ。
あんたを恥かしい目に会わせて露出狂に調教しないとわしの気が済まない。いいかね」
「分かりました。私が悪いんですもの、おっしゃるとおりにします」
(ああ、仕方がないわ)
「じゃあ、今すぐあんたの家へ行こう!ルミ、タクシーを呼んでくれないか」
「あの、わたしの家はここから二百メートルくらいのところにあります。
このブティックの前は通学路としていつも通っています。歩いて行きましょう。」
「えっ、通学って?あなた学校の先生?そんなに近いところに家があるの?へえ偶然ね。じゃあ、私の店にも来たことあるの?」
「いえ、オシャレに興味ないから」
「あなた、とてもキレイな顔とスタイルをしているのにおしゃれに興味がないの?もったいないわ。あら、あなたの掛けてるメガネ、度が入ってないわね。伊達メガネなの?」
「ええ、生徒にバカにされないようにと思って」
「そのメガネ貸してちょうだい。ああ、外した方がずっと美人よ。
このメガネ貰っておくわね。じゃ、あなたの家に案内して」
三人で歩いて行くと住宅街の手前にそのアパートがあった。
外階段を上がった二階にユリエの部屋があった。
「どうぞ、ここがわたしの部屋です。1DKマンションで狭いけれど。」
「一人で暮らすには充分じゃないの。キッチンもバス・トイレも付いているし。
じゃあ、あなたの持ち物、見せてもらっていいわね」
「どうぞ。あまり高価なものはないけど」
「ヘエー。スカートが全然ないわね。」
「わたし、大学に入った時からスカート履いたことないんです」
「どうして?」
「どうしてって、もしかしたら男性に性の対象として見られたくなかったからかも」
「へえ、変な偏見持っているのね。もしかしたらウーマンリブというわけ?」
「そんなんじゃないですけど…」
「引越屋さん、すぐに来るって。ユリエさん、今着ているお洋服早く脱ぎなさい」
「え、着ている服も?」
「そうよ。あなたの持っているものは全部引き取るって言ったでしょう。
あなたの着ているブラジャーもパンティも全てよ。引越屋さんにあなたのヌード見られたくなかったら、早くお風呂場に行って隠れることね」
「おい、来たみたいだぞ。車の音がする。急いだ方がいいぞ!」
ユリエはバスルームに入って着ている物を脱いでブラジャーとパンティだけになりモジモジしていた。
「何モジモジしているの。そのブラジャーとパンティも脱ぎなさい。」
「これで許して。」
「早くしなさい。全部脱ぐのよ!」
「何してる!早く脱がんかあ!それとも、おまえの壊した女房の像を元に戻せるのか!」
「すみません。」
ユリエはあわててブラジャーとパンティを脱いでルミに渡した。
「じゃ、荷物を全部運び出すまで、そこに隠れてなさい」
ピーンポーン「引越センターです」
「どうぞ、お入りください。開いてますから」
「これ、全部持って行くのですね?」
「いや、ベッドだけは残しておいてくれ」
(ああ、引越屋さんの足音が近づいてくる。開けないで!)
「ああ、風呂場はいいから。それで全部だね。じゃ、よろしく」
「ありがとうございました。失礼します」出て行った。
ガチャ。ルミがバスルームに入ってきた。
バスタブの中でうずくまっているユリエを見てルミが言った。
「さあ早く出てきなさい。部屋が、どうなったか楽しみでしょう」
モジモジしていると、ルミに腕をつかまれ引っ張り出された。
「早くしなさい!」
ユリエは恥ずかしくて真っ赤になりながら股間と胸を両手で隠して出てきた。
「ああ、何もないわ」
「自業自得でしょ。床に一人で眠るのは可愛そうだからベッドは残しておいたわ。
でももう夏だから掛け布団はなくても風邪を引かないわね」
「いいスタイルしているね。それに震い付きたくなるほどの美人だねえ。
両手を下ろして気を付けの格好をしてくれないかな」
「でも…」
「早くしろ!」
ユリエは仕方なく腕を下ろした。田中先生はじろじろとユリエの身体を眺めまわした。
「おおすごくキレイだな、スタイルも抜群だしオッパイもいい形しているね。乳首も薄いピンク色だしいいねえ。恥毛もいい形をしているね。ミスコンテストには出たことないのかね。」
「いえ、そんなに美人じゃないです。それにそんなところに出るの恥かしいし…。」
「惜しいな。ミスコンテストに出たら優勝は間違いないと思うがな。わしが画家だったら絶対にモデルにしたいカラダをしているね」
ユリエは恥ずかしくて消え入りたい気持ちだった。
「そう言えば、あんたのことをもっと良く知りたいが、いくつか質問していいかな?」
「ええどうぞ」
「女性としては背が高い方に思うが、身長はいくつあるんだね?」
「百六十三センチです」
「スカートを持ってないそうだが、何故だね?
男性に見られたくないとか言っていたが何か事情があるのかね?」
「じゃあ、学生時代に自己分析をしたことがあるので、それを話しましょうか。
わたしの父は十才の時に亡くなったのですが、それまで母は父の暴力に泣いていました。
その後、再婚したのですがその義父も母に暴力を振るってばかりいました。それに機会があるごとに私の体をさわられました。お風呂に入っていると何か理由をつけては覗かれました。おぞましいったらありませんでした。いつも嫌らしい目で見るので貞操の危険を感じ義父と二人だけにはならないようにしていました。そして、わたしの大学時代に交通事故で母とその義父は一緒に亡くなってしまいました。そんなこともあって、男性恐怖心がトラウマになっているのだと思います。
それで男性の目が、義父の嫌らしく見つめる目と重なり合ってスカートを履けなくなったのだと思います。
それでも、いつか幸せな結婚が出来たらいいなと夢見てはいるんですけど…」
「今、話題になっているドメスティック・バイオレンスが心の傷になったというわけね」
「あんたもいろいろと苦労したんだねえ。少しは同情するが契約は契約だ。
明日から奴隷契約第一日目として頑張ってもらうよ。
明日の朝迎えに来るから、よく休養を取っておきなさい。じゃあ帰るよ」
「えっ、ハダカのまま置いて行くの?」
「服がないから、そういうことになるね」
「ねえ、外に行くときの服とか、食事はどうすればいいの?」
「明日の朝、ルミが服を持って迎えに来るよ。朝食と夕食は毎日ルミの家で食べなさい。じゃ、また明日!」
「ねえ、ハダカのまま置いてかないで下さい」
「でも、もう六月でしょ。ハダカでも寒く無いわよ。そうねえ、じゃあ武士の情け。
お風呂とかに入った時に拭けるようにタオルハンカチをあげるわ。じゃあね」
二十センチ四方のピンクのタオルハンカチを渡すと二人は出て行った。
(ああ誰か来たらどうすればいいの?カーテンもないから外から見えるかもしれないわ。これからどうしたらいいの)ユリエは、真っ裸のままで一人取り残されてしまった。
(つづく)
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