『露出奴隷教師ユリエ』
作;青空和美
3.マネキン人形
六月第三週(日)
ピンポーン。チャイムが鳴った。
「おはようございます。ルミです」
「あ、今開けます!」
ルミが笑顔で入って来て紙袋を渡した。
「ハダカでいるのもう慣れたみたいね」
「いえ、不安でたまりません」
「そうは見えないけれど。まあいいわ、これを着なさい」
白いワンピースが入っていた。
ユリエは急いでワンピースを着た。
膝上二十センチのミニだった。
この六日間、学校に行く時に用意してもらったスカートは、膝まで長さがあったのでノーパンでいることにも少しは慣れてきていた。
しかし、これ程短いスカートを履くと不安と羞恥心を強く感じさせられた。
「こんなに短いと見えてしまうわ」
「大丈夫よ。じゃ、この靴を履いてね。私の家で、朝食にしましょう。今日、田中先生は急に大事な用が入ってお付き合いできなくなったの。だから私に任せられたのよ。楽しみだわ」
「ねえ、やっぱりこのワンピース短すぎるわ。めくれそうで不安だわ」
「文句言わないの。私の家は近いんだからそんなに心配することないでしょう」
ユリエは仕方なくルミの後を歩いて行った。
すれ違う人が振り返るのを感じ蜜壷が潤んでくるのを感じた。
ブティックに着く頃には体が火照って仕方がなかった。
「じゃ、朝食にしましょう。今日は日曜日だから、いつもよりはお客さん多いかもしれないわね。今日一日あなたにブティックでのお手伝いしてもらうの」
朝食が済んだ。
「さっ、食事が済んだらお風呂に入りなさい。」
「えっ、朝からお風呂ですか?」
「そうよ。朝風呂よ。いいでしょう」
ユリエはバスルームに案内された。
(えっ、銀色のお湯?)
「このお湯、何だか分かる?今日はあなたにマネキン人形になってもらうの。
先週、特殊な染料のこと説明したわね。このお湯にはその染料が入っているのよ。
でもその前に不精ヒゲが生えてきたわね。マネキンが恥毛を生やしていたらおかしいわね。剃らなくちゃね。仰向けになりなさい」
ユリエは仕方なく仰向けに寝て足を開いた。
「じゃあ、キレイに剃ってあげるわね」
ルミはうっすらと伸びた恥毛に石鹸を付けて剃刀剃り始めた。
ユリエはルミに見られていると思うだけで蜜壷が潤んでくるのを感じた。
「キレイになったわね。でもこれからは毎日自分で剃りなさい。剃刀はあなたに上げるから。じゃあ、お風呂に入っていいわ。お風呂に入ったら頭まで潜ってちょうだい。
そしたら頭の毛まで銀色になるから。でも潜る時は絶対に目を開けちゃだめよ。」
ユリエはお風呂に入り頭まで潜った。そして、目をつぶったまま顔を上げた。
「目はもう開けていいの?」
「タオル貸してあげるから顔を拭きなさい。それから目を開けなさい」
ユリエは顔を拭いて目を開けた。
「じゃ、立って。マネキン人形の出来あがり!カラダ中、銀色だわ。カガミ見て!」
「へえ、まるでSFに出てくる金属のロボットみたい!」
「最後に、この銀色のコンタクトレンズを嵌めれば出来あがり」
ユリエはルミにコンタクトを嵌めてもらった。
「わたしじゃないみたい!」
「じゃあ売り場に行きましょう」
「えっ、このままで行くのですか?」
「そうよ、あなたのその姿だとちょっと見ただけだと誰だか分からないわ。
だから構わないじゃないの。それに、サリーを巻いて肌が見えないようにしてあげるから」
(本当に分からないかしら?)
「さ、ここに立ちなさい。この場所だったら外から見えないし、お客さんが見えた時だけじっとしていればいいのだから楽でしょう」
そこはショーウインドウからは最も離れた場所ではあったが、通路の傍なので手を伸ばせば届く位置にあった。
「ルミさんは、近くにいてくれるんでしょ」
「いえ、私は奥にいるわ。ここに書いてあるでしょう」
見ると、レジ横に『お買い上げや・ご質問がある場合にはベルを押してください』と書いた案内板が置いてあり呼び鈴が置いてあった。
「誰かにいたずらされたら困るわ」
「大丈夫よ。狭いお店だし、女のお客様がほとんどだから」
「何かあったら、すぐに来てね」
「わかったわ、じゃサリーを巻いてあげるから、そこに立って」
ピンク色の絹のような薄い生地の布だった。ルミはサリーを緩く体に巻きつけた。
「ねえ、本当に胸とかあそこ見えない。何だか軽くて不安なんですけど」
「大丈夫、でも外から風が入って来たらちょっと危ないかな。まあ、その時はその時よ。何とかなるわよ。あっ、もう一〇時の開店の時間だわ。入り口の鍵を開けて来るわね」
(ああ、どうしよう。じっとしていたら本当にマネキンに見えるかしら)
しばらくするとドアが開く音がした。
(あっ、誰か入って来た。じっとしていなくちゃ)
その女性客はユリエの前に来ると立ち止まり不思議なものを見るようにしげしげと眺めた。
人形じゃない雰囲気を感じたのかもしれない。
(そんなにジロジロ見ないで。恥ずかしいわ。わたし息を止めているのよ。苦しいわ!
早くあっちへ行って!)
「精巧にできているわね。本当に人間みたい。何だか気味が悪いわ」
独り言を言って立ち去って行った。
(ああ、やっと行ってくれた。長い間は息を止めていられないわ。おなかで浅く息をすることにしよう)
その後も、ほとんどの客は、ユリエの前に来るとジーっと眺めるのでヒヤヒヤしていたが、見破られずに済んだ。ただ体は興奮してきた。
(私、サリー一枚だけの裸で立っているのよ。変態みたいね。あそこから蜜が溢れそう)
こうして何とか午前中は無事に済んだ。
昼過ぎにルミがやって来た。
「ねえ、そろそろお昼にしましょう。何かハプニングがあるかと期待したんだけどな。
ユリエさんも、あまりスリルを感じなかったんじゃない?午後からはサリーをもっと短くして肌がもっと見えるようにしてあげるわね」
「ハプニングなんて起きたら大変です。それに、お客さんにジッと見つめられる度にビクビクしていました」
食事が終わった。
「じゃあ、おなかも一杯になったことだし、サリーをもう一度巻き直してあげるわね」
二人は先程までユリエが立っていた所に行った。
ルミはサリーを肩から乳房の上と腰に一重に巻き、後は床に垂らした。
(えっ、それじゃオッパイの下が隙間だらけよ。それに、おへそも出ているし、股間が見えてしまうかもしれないわ)
「ねえ、布をもっと巻いてもらえない?カラダが見えてしまうわ」
「マネキンらしく、じっとしていたら分からないわよ。このくらいの方がスリル感じるでしょ?午後からが楽しみね」
「ねえ、これじゃあ肌が見え過ぎるわ。お願いします。もう少し隠して下さい」
「肌を見てもらおうと思っているのよ。銀色の金属みたいだから分らないわよ。
あなたは私の奴隷なのよ。逆らう権利はないわよ」
ルミは奥に行ってしまった。
午前中以上に肌がいっぱい出ているので、客は一様にユリエのカラダをジロジロと見つめていた。
(そんなに見つめないで、わたしはマネキンなのよ!ドレスを見に来たんでしょ)
股間が潤んで来て仕方がなかった。
(うちに帰るまでの心棒よ。もうあと数時間だわ)
中年の女性がやって来た。
「このマネキン、このお店にしては場違いね。これから洋服を着せるのかしら。でも人間みたい…。えっ?おなかのあたりが、かすかに動いてるわ。気のせいかしら」
(早く行ってよ!じっとしているのはつらいの。)
女性は手を伸ばし布をめくりユリエの下腹部に触った。
(やめて!触らないで)
「あっ、柔らかくて暖かいわ。それに割れ目まであるじゃない」
その婦人はユリエの顔をマジマジと見つめた。
「あなた人間でしょう。人にハダカの姿を見られたいのでマネキンの格好しているんでしょう?何かの本で読んだことあるわ、露出狂よね。ハダカを見られると興奮するのよね。あそこが濡れているみたいよ。ちょっと触ってみるわね」
婦人はユリエの股間に手を伸ばした。さらに蜜壷に指を突っ込んだ。
(ああん、やめてよ!)
「やっぱりビショビショになってるじゃないの。もうわたしにはバレてるのよ。
何か言いなさいよ。返事しないとつねっちゃうわよ」
女はユリエのわき腹をつねった。
(痛い!ねえ、ルミさん、助けに来て!)
「何か言わないと、もっと痛い目にあわせてあげるわよ。それともマゾなのかしら?
痛い目に合わされた方が嬉しいのかしら?」
(ルミさん!早く助けに来て)
「そうだ、安全ピンがあるわ。返事しないと、これで体中刺してあげるわよ。
先ずオッパイから刺してあげようか」
(ああ、やめて、オッパイなんか刺さないで!)
婦人はユリエの乳首にピンを刺した。
「痛い!もう許して」
ユリエは話し始めた。
「わたし、ご主人様に逆らったバツとして羞恥プレイをやらされているの。
マゾじゃないですから痛い目に合わすのは許して下さい!」
「やっぱり、人間だったんだ。ご主人様って、ここの女主人のこと?レズなの?」
「そうよ。だけど人には黙っていて!」
「人の趣味に深入りする気はないわ。黙っていてあげるわ。
芸術品みたいにキレイなカラダをしていていいわね。露出趣味があるのも無理ないかもしれないわね。私みたいなカラダじゃ、とても人様には見せられないものね。羨ましいわね。だけどこんな格好してて平気だなんて、あなたには羞恥心ってものがないのかしらね…」
その婦人は高笑いをしながら出て行った。
奥からルミが出てきた。
「私がレズだって?よく言うわね。そんな話が広まってしまったら、ここでやっていけなくなるわ。もっと上手なウソをつきなさい!」
「ごめんなさい!でもルミさん聞こえていたの?奥にいたのに…。」
「フフフ、天井にビデオカメラが据え付けてあるの。万引きとかあると困るでしょ。
私は奥からモニターを見ているというわけよ。あなたの姿は全部録画してあるから、面白い場面については後で田中先生に見せてあげることになっているの。
先程の作り話の件は許してあげるわ。全部ウソという訳ではないしね。ちょっとハラハラしたわね。でも今度こんなことがあったら、私に関係ないような言い訳をしてよね」
「すみません」
「まあ、夜7時の閉店まで頑張ってね。じゃあ奥に行ってるから」
ユリエには時間が経つのが遅く感じられた。
(ああ、やっと六時になったわ。あと一時間ね。でもおしっこが漏れそう。
ガマンできるかしら。あっ、またお客さんだわ)
「ねえ、ここあたしのお気に入りのお店なのよ。
他の店とはちょっと違ったアクセサリーとか洋服があるのよね」
「あたし、学校に近いのに今日始めて入ったわ。こんなのを灯台元暗しというのかしら」
(あっ、タカ子とレイ子だ。よりによって、何故、クラスで一番の不良が入って来るのよ。近づいて来るわ。気が付かないで!)
「あれ?このマネキン変わっているわね。銀色のマネキンなんて始めて見たわ!」
「ねえねえ、この顔なんだかユリエ先生に似てない?」
(早く行って!ねえ、お願い!)
「そうねえ、よく似てるわね。なんだか人間みたいな感じ」
レイ子はユリエが着ている布をつかんだ。
(あっ、めくらないで)
「あれ、割れ目がある!もしかすると…」
乳房を覆っている布もめくってみた。
「やっぱり乳首もある。精巧に出来ているわね。」
「ちょっとレイ子!もう行きましょうよ」
「どうしてよ」
「まあ、いいから、いいから」タカ子はレイ子を引っ張って出て行った。
(ああよかった。でもどうして急に行っちゃったのかしら。まあいいわ。早く七時にならないかな。もう漏れそうだわ)
ユリエはタカ子とレイ子が悪巧みの相談をしているとは気が付かなかった。
店を出るとタカ子はレイ子に言った。
「あのマネキン、人間だと思わない?」
「あたしもそう思うわ。ボディーペインティングしているのだと思うわ」
「そうよね。レイ子、あなたデジカメ持っていたわね」
「持ってるわよ。あのマネキンを撮るのね。面白そうね」
「じゃあ、早く持ってきて。でも写す間は、絶対に人間だと気づかない振りをするのよ」
「どうして?」
「決まってるじゃない。気が付いたと分かったらそれでお終いでしょ。気が付かない振りしていたら、あの女マネキンのまねをずっと続けると思うわ」
「そうかもしれないわね。じゃあ、急いで取って来るね」
しばらくすると、また二人が戻って来た。
(また、あの二人だ!どうして戻って来たの?あっ、カメラ持ってる。写さないで!)
「ねえ、このマネキンを写真に撮ってユリエ先生に見せたら何て言うかな?」
「明日、プリンターで印刷して持って来るわ。A4の大きさで印刷できるから普通の写真より迫力あるわよ」
(イヤよ!写真なんか撮らないでよ)
「どうせ撮るなら、この布、全部剥がしちゃえ」
(えっ、やめて!ひどいことしないで!)
ユリエはハイヒールを履いただけの全裸にさせられてしまった。
タカ子がユリエの肌を触った。
「このマネキン柔らかいわね。肌がゴムみたい。それにちょっと暖かいわ」
二人はユリエのカラダを上から下まで舐めるような目で眺めた。
(そんなに見つめないで!)
レイ子はユリエにカメラを向けた。
パシッ!パシッ!フラッシュが何度も光った。
(ああ、どうしたらいいの!)
「今度は後ろ姿よ!」パシッ!パシッ!
「顔も撮らなくちゃ!」パシッ!
「このマネキン、本当に精巧に出来てるわね。関節も動くみたいよ。よいしょっと」
上半身を腰から曲げられて股覗きの格好にさせられてしまった。
「足をもっと開いてと。この格好だと、顔も、割れ目も、お尻の穴も見えるわ。」
「ハレンチな格好ね」パシッ!パシッ!
(ああん、こんな姿、写真に撮らないで)
「ねえ、こんな精巧なマネキン見た事ないわね。ちょっと外に出して撮ってみない?」
「そうね、外の風景と一緒に撮るのも面白いかもね」
(ねえ、やめてよ!外になんか出さないで。ルミさん助けて!)
タカ子とレイ子はユリエを肩に担いでドアの方に歩き出した。
(この二人、わたしが人間だと気づいてるのよ。でも今更、人間だなんて言えない。
どうしたらいいの?裸のまま外に出されちゃう)
とうとうユリエは駐車場まで連れ出された。
まだ、外は明るくユリエの姿は夕焼けにキラキラと輝いて見えた。
「じゃあ、車道をバックに撮ってみようか」
パシッ!パシッ!ユリエは車道を走る車や歩道を歩く人間をバックに何枚も撮られた。
行き交う車はユリエの姿を眺めるため速度を落として通り過ぎて行った。
何事かと野次馬が集まってきた。
(ああ、恥ずかしい。人間だとばれたら大変だわ)
「じゃあ、今度は四つん這いにさせてみようか」
ユリエは四つん這いで、お尻を高く上げた格好にさせられた。
「じゃあ、このスタイルで撮ってみるね」
パシッ!パシッ!
「じゃあ、今度は股覗きのスタイルで撮ろうよ」
また、店の中と同じ格好をさせられたが、今度は夕日がまともに顔とお尻を照らしている。
(眩しい!ああっ、大勢の人にも見られているわ)
「こんな格好を見ると、いたずらしたくなるわね」
タカ子がお尻の穴に指を入れようとしている!
(ねえ、タカ子!もうやめてちょうだい)
指がくねくねとお尻の穴に入って来た。
「指が入っちゃった!」
(あっ、あっ、中で動かさないで!変な気持ちになる…。アーン、おしっこ漏れちゃうわ!)
おしっこが勢いよく出てきて自分の顔を直撃した。
「あれっ、どうしてマネキンがおしっこ漏らしちゃうの?」
タカ子は、驚いた風も無くニヤニヤしていた。
「どうしてでしょうね?」
レイ子も軽蔑した口調で、ニヤニヤした顔で見ていた。
「アアン、もう駄目!こんな酷すぎる…」
ユリエは周りを囲んでいた野次馬をかきわけてドアに向かって走って逃げて行った。
タカ子とレイ子はそれをニヤニヤして見ていた。
ユリエは店の中に入って座り込んでしまった。
(ああ、どうしよう。明日、あんな写真見せられたらどうすればいいの?)
ルミが奥から出て来た。「困ったことになったわね」
「あっ、ルミさん。どうして助けてくれなかったの!」
「面白かったわ。あなた、感じすぎてオシッコ漏らしちゃったの?マゾの気があるわよ」
「わたしは、マゾなんかじゃないわ。明日から、あの子達にどんな顔見せたらいいの?」
「なるようになるわよ。深く考えないことね。成り行きに任せなさい」
「人の事だと思って…。」
「じゃあ、お風呂でペンキ剥がしましょうね。それから食事しましょう」
バスルームにはお湯が入っていた。
「じゃ、お風呂に入ってね。塗料を剥がす液を入れておいたわ。
すぐに目をふさいで潜ってね!そうしたら塗料が水で洗い流せるようになるわ」
ユリエは言うとおりにした。
「じゃ、食事にしましょう」
「何か着せて下さい?一人だけ裸なんて恥ずかしい」
「このお店にいる間は裸でいてもらうわ」
ユリエはハダカのままで食事をさせられた。
「ご馳走さま。おいしかったですわ!」
「お粗末さま。じゃ、今日はお疲れ様。送ってあげるわね。朝と同じワンピースだけど、これを着てね!」
夜中でも道路は街灯で明るく、超ミニのワンピースでは恥ずかしかった。
それで人に顔を見られないようにうつむいて歩いた。
「さあ着いたわ。じゃ服を脱ぎなさい。一枚だから簡単だわね」
ユリエは玄関で服を脱がされて全裸になってしまった。
「明朝は7時頃でいいわね。じゃ、おやすみなさい」
次の朝…。
ピンポーン「おはよう!」
「おはようございます」
ユリエはドアを開けた。
「今日も、先生にふさわしいワンピース持ってきてあげたわよ。早く着替えて」
ユリエは急いでそのワンピースを着た。
「一枚だと早いわね。じゃあ、私の家に行って朝食にしましょう」
朝食が終わりユリエは学校に出かけた。
始業のベルが鳴った。
(ああ、タカ子とレイ子に会ったらどうすればいいの?)
「おはようございます。ホームルームを始めます」
(あっ、タカ子とレイ子がニヤニヤして見ている)
ホームルームが終わるとタカ子とレイ子がやって来た。
「先生、お昼休みに音楽室に来て!」
(ああ、あの写真のことだ。どうすればいいの?)
授業に集中できずに午前中が終わった。
ユリエは足取り重く音楽室に行った。
そこにはすでにタカ子とレイ子が待っていた。
(落ち着かなくちゃ。シラを切り通すのよ)
「何か用かしら?」
タカ子が言った。
「昨日の写真プリントアウトしてきたの。この写真見てよ。良く撮れているでしょう」
「昨日って何の事?それに、こんな変な写真を学校に持ってきちゃだめじゃないの。
わたしが預かっておきます」
「いいわよ。先生に売ってあげるわ。どうせまた家でプリントアウトしたらいいんだもの。二十枚もあるから家でよく見てね。その換わり、一〇万円ちょうだい」
「どうして、わたしが一〇万円も出さなきゃいけないのよ。こんな写真知らないわ」
「しらばっくれようとしても無駄よ。知ってるのよ。先生の帰り道、後をつけたんだから。これが証拠写真、白い超ミニのワンピース着てたわね」
ブティックから出て来る写真とマンションの入り口に入る時の写真が写っていた。
(ああ、もう駄目だわ。どうすればいいの?)
「あなた達、マネキンが誰なのか始めから知っていて、あんなに酷いことさせたの?」
「そんなことないわ。ユリエ先生に似てるなと思ったけど確信はなかったわ」
「ねえ、わたし、お金全然持ってないの」
「明日でいいわよ。明日のお昼にまたここで会いましょう」
「いえ、マンションにもお金全然ないの」
「バカ言ってるんじゃないよ。百万とか要求してるんじゃないのよ。たった一〇万よ。
先生が持ってないわけないでしょう。それとも、マンションでも買ってローンに追われてるってわけ?そうだとしても一〇万くらいは持ってるでしょ!」
「本当に持ってないの。だから許して!」
「いいわ、明日の昼持って来なかったら、酷い目にあわせてあげるから。
じゃあ、明日もここで待ってるわ!」
二人は出て行った。
(どうすればいいのよ、困ったわ)
帰りにルミのブティックに行き、写真を見せながら今日の出来事を報告した。
「どうしよう。一〇万持って行かないと、この写真何に使われるか分らないわ」
「よく撮れてるわね。田中先生に見せたいから預かっておくわね」
「田中先生にも見せるの?やめて下さい!」
「だめよ!あなたのことは全て報告することになっているの」
「分りました。でも本当にそれ以外の人には見せないで下さい」
「分かっているわよ。田中先生にしか見せないわ」
「お願いします。それに、あの二人のこと何とかしないと…」
「暴力団がからんでいるからとか何とか言って脅したらすぐに黙るわよ。試してみなさい」
次の日の昼…。
「お金用意した?」
「だから本当にないの!訳を聞いて!」
「あたし達を甘く見ると酷い目に会うわよ。放課後を楽しみにね!」
「ねえ、訳を聞いて!」
「うるさいわね!」
二人はぷんぷんして出て行ってしまった。
(ああ、あの写真を使うつもりなのだわ。どうしよう?)
放課後…。
掲示板に生徒達が集まっていた。
(ああ、あの写真かもしれない。急いで剥がさなくちゃ)
A4の大きさのヌード写真が貼ってあった。
顔は消されていたけれど股覗きの写真で秘部もお尻の穴もはっきりと写っていた。
(ああ、こんな写真を…酷い。でも顔を消してある。よかった!)
「ねえ、あなたたち何見てるの。こんなもの見ちゃいけないわ」
ユリエは急いで剥がした。
(早くあの二人を見つけて話さなくちゃ。また貼られてしまう!)
ユリエは学校のあちこちを捜したけれどタカ子とレイ子の姿は見つけられなかった。
職員室に戻ると、職員会議が始まっていた。
内田先生が前に立って先生方に写真を見せながら大きな声で話していた。
それも顔は消してあったがユリエのヌード写真だった。
(ああ、まだ他にも貼られていたんだ…。やめて、恥ずかしい。そんなの先生方に見せびらかさないで!)
「こんな写真が学校の掲示板に貼られていました。皆さんどうしましょうか?」
その写真を見て先生達がガヤガヤと相談している。
「校長先生、どう思われますか?」
「世間に知れると学校の恥ですね。この事は内密に先生方で犯人を捜して下さい。たとえ犯人が見つからなくても、先生方が犯人を捜しているという素振りを見せたら事の大きさに気づいて二度とこんなバカな真似はしないと思いますから」
「分りました。じゃあ、もう少し様子を見るということにしましょう。この写真は証拠物件として私が預かっておいていいですね」
(エー!あんな写真、内田先生が預かるっていうの?いやだー。でも校長先生がコトナカレ主義で良かった。早くあの二人を説得しなくちゃ)
翌日、昼休みに音楽室に行った。
タカ子とレイ子がやって来た。
「一〇万円持って来た?」タカ子が入ってくるなり聞いてきた。
「いえ、違うの。よく聞いて!昨日、職員会議であの写真のことが問題になったの。
今度、こんなことがあると警察を呼ぶって」
「ちょっと、やりすぎたようよ」レイ子がタカ子に話している。
「それに、わたしのことを説明したいから放課後、先生の家に来て」
「分ったわ」
放課後、二人を連れてマンションに戻った。
「ここがわたしの部屋よ。部屋にはベッドしかないでしょ」
「本当に何もない!でも嘘だわ。毎日、着ている服が違うもの」
「そうだ!先生、これからも私達に脅かされると思って家財道具一切を隠したんでしょう。そして私達に芝居をしようとしているのでしょう」
「嘘じゃないわ。わたし、暴力団に脅かされて何もかも取られてしまったの。
あのブティックの女主人も仲間なのよ。その人に毎朝、服を届けてもらっているの。
当分の間、給料も全部取り上げられているし、夜はいかがわしい所で働かされているの。
日曜日は、いつも恥ずかしい事させられているの。あなた達も、あまりわたしにかかわると同じような目に会わされるわよ」
「イヤだ!それ本当のこと?先生何をやったの?どうしてそんな目に会ってるの?」
「学生時代の友人の保証人になったの。そうしたら、その会社が倒産しちゃって莫大な負債がかかってきたの。それが返せなくて…」
「そんな、保証人になったくらいで、そんな目に会わされるの?」
「そうよ、あなた達も本当に注意してね!」
「分ったわ。でも、あんなチャンスが無駄になるなんて諦められないわ。何か見返りが無いと納得できない。お金は諦めるわ。その代わり、ここで先生のヌードもう一度見せて!」
「えっ、そんな…」
「この間、じっくり見せてくれたじゃない。同じことでしょ!銀色じゃなくて素肌の先生のヌードが見たいの!」
「あたしも見たい!」
「仕方ないわね。じゃ、バスルームで脱いでくるから待ってて」
「イヤ!ここで脱いでみせて!」
(ああ、ノーブラ・ノーパンがばれてしまう)
「早く!」
「わかったわ。言うとおりにするわ」
ユリエはワンピースを脱いだ。
「えっ、ワンピース一枚しか着てないの?学校でずっとノーブラ・ノーパンだったの?」
「そうなの。下着までは貸してくれなくて…」
「スリルあるわね。教室でお尻見られるかもしれないって感じちゃうんじゃないの?」
「そんなことないわよ」
「先生、パイパンなの?」
「いえ、違うわ。契約が終わるまで、ずっと剃るように言われているの」
「ああ、恐ろしいわね!関わりにならない方が賢明みたいね」
「そうね、でも学校では構わないでしょ?明日から、他の人達には分らないように先生にいたずらしようっと」
「先生、感じているんでしょう。オッパイ尖らしちゃって」
「感じてなんかいないわ」
「本当に?じゃあ、ちょっと触ってみるわね」
タカ子が股間を触った。
びくっと電流が走った。
「何、濡れているじゃない。それに今ビクっとしたわよ。感じているんでしょう」
「ええ、ちょっとだけ」
「明日からが楽しみね。じゃあ帰るわ」
(ああ、帰って行った。何とか済んだみたい)
翌朝、職員室にタカ子とレイ子がやって来た。
「ユリエ先生、二人で決めたの。今日、席替えして!そしてあたし達が一番後ろに並んで座るようにして!これは、命令よ!学校では先生があたし達の奴隷になるの」
「分ったわ。じゃあ、そうするわ。全部見られたんだもの、逆らえないわね」
どうして今ごろ席替えするのかという文句が出たが、無理やり席替えを行った。
数学の時間。
「先生、ここ解らないんだけど」
タカ子が呼んでいる。
(何かいたずらされるんだわ)
「どこが解らないの?」
タカ子とレイ子がスカートをめくって前と後ろの穴に指を突っ込む。
ピストン運動を続ける。
(ああ、声が出ちゃう。もうやめて)
「よく解りました」
二人がニヤニヤしながら開放してくれた。
(これからも、こんな生活が続くんだわ。いつまで我慢すればいいのかしら)
ユリエは今後の学校生活を思うと憂鬱になった。
(つづく)
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