『もう一人の私』


                          作;TEKE・TEKE

チャリン、チャリン。
私が歩くと、首輪につながれた鎖が音を立てる。
私の後ろで鎖を持つのは、巨漢の黒人ボブだ。私の監視人兼調教係り。
私は今、全裸に首輪だけの姿でステージへの通路を進む。
私の前で魅惑的なお尻が揺れる。私のご主人様のレイラ様だ。
ボンデージ衣装に身を包み、手には鞭を持っている。
ステージへの出口であるカーテンが開けられ、私達三人がステージに上がった。
ステージ中央には天井から鎖で吊るされた手枷が揺れている。
これから行われるのは、大勢の観客の前での私の公開調教ショーだ。

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つい1ヶ月前まで、私は平凡な女子大生だった。
彩、香織、美穂、理恵、私の5人は高校の同級生で、卒業後ばらばらになってからでも定期的に集まって女子会を開いていた。
女子会のネタは近況報告だがそこで決まって彼氏の話がでる。
グループに彼氏をとっかえひっかえしている彩という娘がおり、彼女が女子会で恋人とのベッドインの話をし始めると私はすぐに顔を赤らめてしまう。
オナニーこそ知っていたもののもちろん処女で、友達からは"ネンネの繭子"と呼ばれていた。
グループで恋人がいるのは彩と香織の2人、あとの2人は男性経験の有無を明かしていなかったが、処女は私だけたっただろう。
「繭子は、名前の通りほわんとしていて可愛いんだからもっと積極的になればいいのに・・・」
「・・・うん、がんばってみる」
そう答えてもなかなか積極的になれない。
もともと消極的な性格にくわえて、最近よく見る夢のせいで恋愛や性的なことに対して臆病になっていたのだった。
彩や香織の惚気話を聞いたときの夜は必ずといっていいほどその夢を見た。

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夢の中で私はスポットライトの中、全裸で両腕を吊られていた。
脚は肩幅より広く開かれており恥ずかしいところは全てが丸見えになっていた。
周りに大勢の人がいる気配はするが、真っ暗でなにも見えない。
ただ、私の胸と股間に視線が集中していることははっきりと感じられた。
腕を吊られているため、胸を隠すことは出来ないが、脚を閉じれば性器を見えなくすることはできる。
だが死にたいほど恥ずかしいはずなのに、私は脚を閉じることができなかった。
逆にもっとよく見えるように脚をさらに開き腰を突き出すようなポーズをとってしまう。
暗闇の中から無数の手が伸びてきて私の全身を撫で回す。
乳房を揉み、乳首をつねり、口を、性器を、お尻の穴を無数の指が弄り回す。
そのとき私はいつのまにかすぐ横に立っている人影に気がついた。
それは繭子自身だった。
弄ばれている自分をなぜが冷淡に見つめる自分がいる。
ふいに目の前に大きな影が立った。
逆光でシルエットしか分からないが巨人の男であり、その股間には巨大なペニスが生えていた。
私は無数の手に抱えあげられて脚を大きくひろげさせられた。
その中心に巨人のペニスがあてがわれる。
そして一気に貫かれて、私は悲鳴をあげた。

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私はそこで目が覚めた。
全身汗びっしょりであり、ショーツの中はぐっしょりと濡れて淫猥な臭いをはなっている。
誰かが部屋の中にいて、私をじっと見つめている気がする。
電気をつけてみるが、もちろん誰もいない。
シャワーを浴びて下着を取り替える。
また寝てしまったら夢の続きを見そうで怖かった。
もう1人の私。あれは何を意味するのだろう?
あの後私はどうなってしまうのだろう?

そしてあの運命の日が訪れた。
金曜日の夜、定例女子会は彩の行き着けのクラブで行われた。
オフィス街の一角にあり、隠れ家的な外観とワインの品揃えの豊富さから、セレブカップルが良く利用するらしい。
今、彩が付き合っている彼氏とはここで知り合ったそうだ。
ルックスの良い独身の男性客も多く、恋人のいない美穂と理恵は早くも狩りモードに入っていた。
授業のことやファッションなどとりとめのない話をしていると、1組の男女が入店してきた。
しかし彼らの姿を見たとたん、皆絶句してしまった。
男性は巨漢の黒人で、黒革のズボンをはき、上半身は素肌に黒革のライダージャケットを羽織っていた。
問題は女性のほうだった。店内に入り、女性は着ていたコートを脱いで男性に渡した。
彼女が着ていたのはシースルーのドレスだったのだ。
下着を着けておらず、乳房も性器も丸見えだった。
しかも性器は無毛であり、乳首には金色の環が輝いていた。
真っ先に気がついたのは彩である。
「ねえ、見て見て、あの人乳首にボディピアスしてるよ」
「えーっ!痛そう」
「やだ、全部丸見えじゃない。恥ずかしくないのかな?」
そのカップルはバーカウンターにゆき、若いバーテンダーにオーダーしていたが、彼はさすがに目のやり場に困っているようだった。
そして彼らはさらに驚くべき行動に出た。
女性が店内のほうに向き直ると、巨漢の黒人が女性の背後から片足だけ抱え上げたのだ。
シースルーのスカートが捲くれ上がり股間があらわになる。
すると女性はその場でオナニーを始めてしまった。
女性はラビアにも環状のピアスをしており、そこに人差し指と薬指を通して肉襞を広げると、中指をヴァギナに出し入れし始めた。
店内が静まり返り全員が注目するなか、彼女の嬌声がこだまする。
そこへ黒服のマネージャーらしき男性が慌てて飛んできた。
やはり女性の行為がまずいと判断して、帰ってくれるように頼んだ。
しかし女性の鋭い視線に一瞥され、すくんでしまった。
結局、女性が気をやるまでオナニーは続けられ、出されたカクテルには手もつけずにマネージャーに1万円札を握らせるとコートを着込み、店を出て行った。
そして去り際にその女性は、確かに私のほうを見てニッと笑ったのだった。
そのカップルが出てゆくと静まり返っていた店内に喧騒が戻ってきた。
聞き耳をたてると、みんな今のカップルの事を話題にしていた。
「なんだったのかしらねえ?」
「ねえ、彩、このお店ってあんなショーをするの?」
「ううん、そんなことないはずよ」
「あの人達、恋人同士には見えなかったけれど・・・」
「じゃあ何?」
「うーん、女王様とボディガード、かな?」
「妖しい臭いがするわね」
「あら、繭子、ぼーとしちゃって、あーゆうのに興味あったの?」
「毒気にあてられただけよね。ネンネの繭子ちゃん」
「繭子には刺激が強すぎたんじゃない?」
「・・・う、うん」
「ほーら」
キャハハハハ、と友人達が笑い転げる。
でも私はあの女の人の姿が目に焼きついてはなれなかった。
「あ、あの、私ちょっと頭痛いから帰るね」
「えー、繭子もう帰っちゃうの?」
「まあ、あんな刺激的なもの見ちゃったからしかたがないか・・・」
「気をつけてね。寄り道しちゃだめよ」
「う、うん、ゴメンね」
私はざっと計算して自分の飲食代をすこし多めに彩に渡した。
「じゃあ」
「うん、また月曜日にね」

私は店を出るとあたりを見渡した。
まだあのカップルが近くにいるのでは、と淡い期待をしたのだがどこにも見当たらなかった。
ちょっと落胆して駅のほうに歩き出す。
すると道の反対側のオフィスビルの前にそれらしきカップルの姿が見えた。
彼らはオフィスビルと立ち並ぶブロックの路地へと入ってゆく。
ちょうど信号が変わったので、私は彼らを見失わないように小走りで道路を渡った。
彼らの入っていった路地を覗きこむとちょうど奥の角を曲がるところだった。
曲がる瞬間、女性が私のほうをチラッと見た気がしたので反射的にビルの陰に隠れた。
呼吸を整えて、再び路地を覗き込むが彼らの姿はなかった。
あわてて奥の角まで小走りでゆき曲がったほうを覗き込むが誰もいない。
路地の先には車の通る明るい道が見えているが、あの短時間でそこまでいけるとは思えない。
見間違いだったのだろうか?
「私達に何か御用?」
いきなり声をかけられて私は振り返った。
あの女性がコートを脱ぎ、シースルーのドレス姿で立っていた。
その後ろには巨漢の黒人がいて素早く私の隣に移動した。
私はビルの壁面を背にして二人に取り囲まれる格好になった。
「私達に何の用かしら?あなた、さっきのクラブにいたわね。私達を追いかけてきたの?」
「・・・はい」
「なぜ?」
「あ、あの、興味があったからです」
「なぜ興味を持ったの?」
「とても綺麗でした・・・」
「それで自分もしてみたくなったの?」
「そ、それは違います・・・あっ!」
いつの間にかスカートが捲くられて、彼女の手が私のショーツに中に差し入れられていた。
「どうして嘘をつくの?こんなに感じているじゃない」
私のアソコは自分でも気がつかないうちにしっとりと湿っていた。
慣れた指使いで彼女は私の花びらをほぐしてゆく。
「ふわ、あ、あん、いやっ、やめて・・・」
「素直になりなさい。あなたは私が彼にされていることを見て自分もされたいと思った。違うかしら?」
「そ、そんなこと・・・」
「カラダは正直よ」
もうカラダに力が入らなかった。自分でするより何倍も気持ちいい。
こんな外で、しかも見ず知らずの人にこんなことをされて私は気をやろうとしている。
「ああん、いいっ、イクッ!」
今まで感じたことの無いほどの高い絶頂が私を襲った。
気が遠くなる。
崩れ落ちる私を巨漢がすばやく受け止める。
「ふふっ、自分から飛び込んでくるなんてとんだメス犬ね。天国に連れて行ってあげるわ」
彼女の言葉を聞きながら私は気を失った。

気がつくと私は全裸にされ、車に乗せられていた。
黒人が運転し、女性が私と一緒に後部座席にいて、彼女は私のカラダを弄んでいた。
「気がついた?高野繭子さん。白金台女子大英文科2年。こんなお嬢様とお近づきになれるなんて光栄だわ」
「わ、私をどうするんですか?」
「あなたに私達の世界を体験してもらいたいのよ。日曜日の夜にはちゃんと帰してあげるから。そのうえで私達の世界に来るか、元に戻るかあなた自身で決めなさい。強制はしないわ」
「あ、あの・・・」
「そういえば自己紹介がまだだったわね。私はレイラ、彼はボブよ。よろしくね」
そう言いながら彼女は指で私の乳首を転がし、クリトリスを嬲る。
「あっ、はん、いやん・・・」
車がスピードを上げた。
どうやら高速道路にのったようだった。
「ちょっと目隠しをさせてもらうわね」
アイマスクを掛けられた。
1時間ほど走っただろうか、目的地に着くまでに私は3回絶頂させられた。
大きな門の開くような金属音がしてから車はさらに5分ほど走った。
そうとう大きな敷地らしい。
停車すると目隠しがはずされ、私はボブにお姫様抱っこされて運ばれた。
周りに何台もの高級車が駐車してある。
駐車場をぬけると、うっそうとした森の中にホラー映画に出てきそうな洋風の別荘が建っていた。
「ここはナイトメアダンジョン、淫魔の迷宮よ。ありとあらゆる性的倒錯行為を体験できる場所なのよ。私はここの管理人なの」
ホールを抜け、奥へとすすむ。
そして厨房の横にあるはワインカーヴに入った。
先導していたレイラさんが突き当たりのレンガ壁の前に立ち何か操作した。
すると、レンガの合わせ目に沿って2人並んで通れるほどの壁が開いた。
すこし進むとさらに下におりる階段があった。
階段を下りてすこし進むと金属製のドアがあった。
壁に認証装置らしきものがある。
レイラさんがそれに手のひらを当てるとドアが開いた。
奥には廊下が続いており、両側にホテルのようにいくつもドアが並んでいた。
私達はその個室の1つに入る。
それはホテルのシングルルームにダブルベッドを設置したような部屋だった。
そこで私はボンデージ衣装を着せられ、首輪、リード、ボールギャグを着けられた。
そこからさらに1階おりて、地下2階に到達した。
観音扉があり、ボディガードが1人立っていた。
レイラさんが合図するとボディガードが重厚な扉を開けた。
そのとたん、大音量の音楽が耳に飛び込んできた。
扉の中は、50m四方はありそうな巨大な空間で一番奥にはステージがあり、横面には上の階のようにいくつもドアが並んでいた。
そこかしこにベッドやソファーが置かれ、半裸や全裸の男女が乱交にふけっていた。
みんなマスクをつけており、ゲストと思われる人々は高価そうなさまざまな仮装用のマスクを、性奴隷とおぼしき男女は革の全頭マスクをつけていた。
さらにおぞましいことに、何人もの性奴隷が様々な形で拘束され、椅子やテーブル、壁飾りや照明の一部などまさしく人間家具として使われていた。
私はそこから四つんばいで歩くよう命令された。
リードをレイラさんが持ち、私のあとからついてくる。
ボンデージ衣装とはいっても、乳房や性器、お尻が丸出しのものであり、私の胸や下半身を強調してしまい、かえって注目を集めていた。
私だけがマスクをしていないこともあり、皆の視線が集中しているのがいやでもわかってしまう。
「ああ、いやっ、見られてる。私、こんな恥ずかしい格好を大勢の人に見られている・・・」
普通ならその場でカラダを丸めてうずくまり、できる限り肌を隠そうとするはずだが、なぜかそれをせずに、お尻をふりふりしながら、むしろ回りに見せ付けるように歩いてしまう。
アソコが濡れ濡れになって、いまにも垂らしてしまいそうになっているのがわかる。
「新顔かい?」
ソファーに腰掛け、膝の上に乗せた女奴隷の乳房を揉みながら、ベネチア風の仮面をつけた男性が聞いてきた。
「町で拾ったメス犬よ。自分から尻尾を振ってついてきちゃったのよ」
「そうかい、そりゃあ楽しみだ。しっかり躾てやってくれ」
「そうね、筆おろしはあなたにやってもらおうかしら?」
「オイオイ、まさかバージンなのか?それなのにここに来ちまうとは末恐ろしいな・・・」
「まだ確認したわけじゃないけど、間違いないと思うわ」
「ふーん、どうせオークションにかけるんだろう?」
「ええ、そのうちにね。たっぷりご祝儀を弾んでちょうだい」
「いいだろう」
ステージにつくまでに似たような会話が何度も繰り返された。
私達はステージ横のカーテンの奥に入った。
そこは出演者の控え室になっていた。
私は性奴隷としてオークションにかけられ、どこかへ売られてしまうのだろうか?
不安な面持ちでレイラさんを見上げる。
「大丈夫よ。すぐに売ったりしないから。じっくり調教して最高の奴隷にしてからオークションにかけてあげるわ」
ひどい事を言われているはずなのになぜか私は安心してしまった。
「今日はとりあえずロストバージンショーね」
「えっ?」
「あら、あなたバージンでしょう?それとも経験済?恋人いるの?」
「い、いえ、いません。それにバージンです」
「じゃあ、何も問題はないわね。お相手は誰がいいかしら?ゲストから選ぶ?あなたなら皆こぞって立候補するわよ。ああ、うちには調教済のオス犬もいるからどうかしら?ロストバージンの相手がワンちゃんなんてゾクゾクすると思わない?」
「い、いやです。犬なんて・・・」
そう言って私はレイラさんの背後に立つボブに視線を向けた。
私はさっきからボブのことが気になってしょうがなかったのだ。
あの夢に出てくる私を犯す巨人。それがどうしてもボブと重なってしまう。
私の視線に気がついたレイラさんはボブを振り返った。
「この娘、あなたがいいみたいよ。良かったわね」
そう言ってホブのズボンのベルトを緩めてペニスを露出させた。
レイラさんはそのままボブのペニスを舐め始め、すっぽり口に含んでしまった。
夢で見ていたのとそっくりの巨根をほおばるレイラさんを見ているうちに私自身がボブのペニスをほおばっているような錯覚に陥る。
ペニスが十分に大きくなるとレイラさんは私を手招きした。
「さあ、どうぞ」
私はそそり立つ巨根をじっと見つめた。
見れば見るほど私が夢の中で犯されるペニスそっくりに思えてくる。
「これはあなたのものよ。好きにいしていいの。あなたの思うとおりにしてごらんなさい」
レイラさんが耳元で囁いた。
何かの本で読んだことがある。アイスキャンデーを舐めるようにするんだっけ・・・。
恐る恐る舌を出して先端を舐めてみる。
熱くて固くてとても大きい。
こんなものが本当に私の中に入るのだろうか?
必死で棹の部分を舐める。
全体を舐め終わったところで、口を大きく開けてペニスをほおばった。
最初口の開け方が足りなくて、ペニスにうっかり歯が当たってしまったけれどボブは微動だにしなかった。
出来るだけ奥まで飲み込み、オエッとなりそうになるのをこらえながら吸い上げる。
歯を立てないように気をつけながら、頭を前後に動かしてみる。
一生懸命に舐めたり吸ったりしているとこれがとても愛おしいものに思えてきた。
だんだんコツがわかってきて、頭を前後に動かしながら同時にペニスの下側を舌でなぞるようにすると、ボブが気持ちよさそうにしているのが感じられた。
口の中でペニスが膨れたような気がしたとたん、ガシッと頭をつかまれた。
その瞬間、喉の奥に勢いよく射精された。
出された精液は大量で、窒息しないようにするには飲み込むしかなかった。
頭を離されてペニスを口から引き抜かれても射精はとまらず、二度三度と精液を顔面に浴びせられた。
「あらあら、随分出したのね、ボブ。よっぽど気に入ったのかしら?」
私が精液まみれの顔で見上げると、ボブは私に初めて笑顔を見せた。
ぶっちょう面だったゴリラがニカッと白い歯を見せて笑ったようだったが、私は野の笑顔がとても可愛く思えた。

顔を清められた私は、再びリードに曳かれてステージに上がった。
ボブがリードをはずし、天井から吊られていた2本の鎖につい手枷に左右それぞれの手を嵌める。
鎖が上に引き上げられて、私はステージ上で万歳の姿で立つことになった。
この後すぐにボブに犯されるのかと思っていたら、私の前に立ったのは鞭を手にしたキャットウーマンのようなラバースーツを着た女性だった。
マスクから覗く目元になぜか見覚えがあるような気がした。
「これから彼女があなたを鞭打ちするわ。痛かったら我慢しないで声をあげていいのよ」
「で、でも、鞭打ちなんて・・・」
「これは罰を与えるためのものではないのよ。より気持ちよくなるためのものなの。適度な刺激は皮膚を敏感にして少しの刺激でもよく感じるようになるわ。彼女はプロ級の腕前よ。赤く腫れることはあっても決して傷つけたりしないわ。安心して快楽に身をまかせなさい。それとここでは余計な詮索は無用よ」
その一言で理解した。
私の前で鞭を持っている女性は、最近マスコミへの露出が少なくなっていたけれど、たぶんあの女優さんだ。
それがわかってかえってリラックスできた。全てをゆだねよう、という気になった。
鞭打ちが始まった。
レイラさんが言ったように、最初は痛くていっぱい悲鳴をあげた。
でもそれがいつの間にか気持ちよくなってきた。
自分であげた悲鳴がひどく淫らな声に聞こえて恥ずかしかった。
次に鞭が何処にくるのか待ち遠しくなった。
お尻、背中、胸、太腿。私の体は赤いあざだらけになったけれど血は一滴も流れていなかった。
柔らかいお腹、そして胸の先端、アソコにはまだ鞭を頂いていない。
体中がジンジンして、次の刺激が欲しくてたまらない。
アソコはすでに洪水状態で、足を伝った愛液と汗がステージ上にいくつも水溜りを作っていた。
次の瞬間、初めて下腹部を打たれた。
いままでにない鋭い痛みだったが、その一瞬が過ぎるとすごく気持ちよかった。
続いて右の乳房が打たれた。
乳首をぎりぎりはずした絶妙の位置だった。
さらに左の乳房が打たれる。
私はもっとも敏感な部分を早く鞭打って欲しくて身悶えた。
下腹部はあと2cm下ならクリトリスという場所を打たれ、あやうく達するところだった。
そしてついに、右の乳首が打たれた。
「ヒィー!」
私は瞬間的に達していた。しかしそれでは許してもらえなかった。
次の鞭は正確に左乳首を捉え、とどめはクリトリスから花びらの合わせ目にまっすぐに振り下ろされた一撃だった。
「ギャァァァァー」
私は断末魔のような悲鳴をあげて至上の快感に飲み込まれていった。

私は優しく愛撫される感覚で意識を取り戻した。
気絶していたのは30秒足らずのようだった。
足元には大きな水溜りが出来ている。
最後にイク瞬間、お漏らしをしてしまったことは判っていたけれど、それが恥ずかしいにも係らず気持ち良かった。
あの開放感が忘れられない。
私を愛撫していたのはレイラさんだった。
ボブはすでに私の前でスタンバイしている。
「さあ、次はボブのお相手よ」
ボブは私の右足を持ち上げるとペニスの先端を合わせ目にあてがう。
そして一気に貫いた。
脳天まで突き抜ける痛みよりも、ボブを受け入れることが出来た悦びのほうが大きかった。
ボブが突き上げると、左足も宙に浮いてしまい、全体重が結合部にかかる。
ボブの先端は私の一番奥を押し上げており、まるで喉まで貫かれているようだった。
もはや私は声すらあげることが出来なくて、ダッチワイフさながらボブのされるがままになっていた。
自分でも何度イッたのか、何度射精されたのかわからない状況で、いつの間にか鎖が緩められ、私は上半身を前に倒した上体でボブに後ろから貫かれていた。
正面を見ると大勢のゲストや奴隷達が自分達に注目していた。
(ああ、私はこうするために生まれてきたんだ・・・)
漠然とそんなことを思いながら私は快楽の渦に飲み込まれていった。

********************

「定例女子会のお知らせ
 繭子、最近連絡取れないけれどどうしているのかな?また、この前のお店で定例女子会をやりますので、連絡をください。今週の金曜日20:00からでーす。理恵」

私はメールを一読し、すぐに消去した。
そろそろ全てを処理しなければならない時期に来ているのだろう。
もうかつての繭子はいない。ここに居るのはメス犬奴隷のマユだ。
失踪したことが親にすぐにばれるとこまるのでアパートは家賃を6か月分前払いしてある。
荷物はすべて処分して、この携帯だけこのアパートに残してゆく。
でも、その前に彼女達には別れの挨拶をしておくべきかもしれない。

金曜日、私はボブとともにあのクラブにいた。
約束の30分前、19:30に店にはいり、ちょうどカウンターにいた金持ちのドラ息子風男性4人グループに声をかける。
ボブはすこし離れたところで待機している。
話をしながらさりげなくコートを脱ぎ、特注のドレス姿になる。
赤いレースをふんだんに使ったものだが、スカートの前後には腰までスリットが入り、隙間から下着が見えるようになっている。
もちろんショーツのような邪魔なものなど穿かないので性器やお尻が丸見えになる。
つまりスカートをわざわざ捲くらなくても、前も後ろもお触りできるようになっている訳だ。
胸の部分はマジックテープで留めてあるブラカップ部分をはずすと乳房が丸出しになる仕組みだ。
最初は驚いていた彼らだがすぐに興味津々でいろいろ話しかけてきた。
特に乳首のピアスには興味が沸いたようで触りたがった。
「こんなところにピアスして痛くないの?」
「もちろん穴を開けるときは凄く痛いわよ。でも敏感なところをずっと刺激されることになるからすごく気持ちいいの」
「すごいね、痛いと感じるなんてマゾなんだね。ねえ、触ってもいい?」
「まだ、したばっかりだから強く引っ張らないでね。ちゃんと定着したらチェーンをつけて引っ張ったり、錘を取り付けたりして色々遊べるのよ」
そんな話をしながら、彼らは私の乳房を揉んだり、お尻を触ったりしていた。
さりげなく入り口をチェックしていると、彩、香織、美穂、理恵の4人が入ってきた。
店内をきょろきょろ見回している。
多分私を探しているのだろうけど、男性4人に取り囲まれているうえに、以前の私なら絶対に着ないであろう赤いドレス姿に、私だとわからないようだ。
彼女達はテーブルに着き、ドリンクを注文してから、また店内を見回し始めた。
その様子をさりげなく見ていると、私と一番仲の良かった理恵と偶然視線があった。
訝しげなまなざしで私のほうをじっと見ていた理恵だったけれど、それが驚愕の表情に変わった。
どうやら私に気がついたようだった。
理恵の言葉に4人全員の視線が私に集中する。みんな呆然とした表情をしている。
これで、私の目的は達成できた。
もう、以前の繭子はいない。それを彼女達に理解してもらえればそれでいい。
私がボブに目配せすると彼が近づいてきた。
私は男性達に別れをつげ、その場を離れる。
ボブに怖気づいた彼らは私を追ってこなかった。
そして4人の脇を通りすぎるとき、彼女達のほうを向いて軽く会釈し、何事もなかったかのように歩き去った。

                               終わり




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