小説『初夏の思い出』


                              作;ベル

1.

私が幼い頃、田舎の祖父母を訪ねて家族と一緒に海に行った時、
私は兄と一緒に磯遊びをしていた。
そこには砂浜がなく、大きな岩が並んでいて
一般の海水浴客が来るところからは離れていたが
幼い私たちでも歩きやすく、潮溜りに小さな生き物が探せる穴場だった。
私たちが遊んでいると、一人の若い女性がやって来た。
年は高校生から大学生くらいだろうか?
幼かった私たちから見れば「大人」だったが
着ていた水着の印象から水泳選手のように思えた。

「何をしているの?」
「海の生き物を探しているの」「小さい生き物がいるんだって」
「お姉さんも一緒に探して良いかな?」
「いいよ、一緒に探そう」
しばらくするとバケツには様々な生き物が集まった。
田舎には親戚以外の知り合いが居なかったので
私たちと遊んでくれたお姉さんとはすぐに仲良くなった。

「ねえ、今日は子供だけで来たの?」
「ううん。お父さんとお母さんと一緒」
「どこにいるの?」
「お母さんがおじいちゃんのお家にお財布を忘れたから
お父さんと取りに行った」
「じゃあすぐに戻ってくるかな?」
「分かんない。でも焼きそばを買ってくれる約束だから、そっちに並んでいるかも」
「そうなんだ」
そう言うとお姉さんは着ていた水着を脱ぎ始めた。

「どうして水着を脱ぐの?」
「えっと・・・、日焼けの跡が残らないようにかな」
肩紐をずらして左右の腕を抜くと、お姉さんの乳房が露わになり
兄の目は釘付けになった。
「すげぇ、オッパイ見ちゃった」
「君だってオッパイ見えてるじゃない」
「だって男だもん」
「あら、女は胸を見せちゃダメって決まりはないのよ?」
話をしながらお姉さんは水着を膝まで引きずりおろすと
あっという間に足首を引き抜き、脱いだ水着をクルッと丸めて岩の上に置いた。

「すげぇ、素っ裸だ。スッポンポンだ!」
お姉さんははにかんだ様な笑顔を見せながらも
身体を隠そうとはしなかった。
「お兄ちゃん、そんなにジロジロ見ちゃダメよ」
兄を戒めた私も、目の前のお姉さんの身体から目を離せなくなっていた。
「別に見たって良いのよ。私が自分から脱いだんだから」
お姉さんは両手を腰に当て、胸を張って微笑んだ。

「聞いただろう?見ても良いんだってさ」
ニヤリと笑う兄の頭をクシャクシャっと撫でると
お姉さんは小さめの乳輪から乳首をツンと突き出させたまま
再びバケツを置いた岩場に戻り、小魚を探し始めた。
「・・・お母さんの裸とは全然違う」
今思えば、水着からはみ出ないように陰毛は整えていたのだろうし
現役学生の引き締まった身体と、2人の子供を産んだ母の身体とでは
比較にならなくて当然だったが
子供心にもキレイな裸と思いながら見ていた。

「あまり捕まらなくなったわね」
「そ、そう?」
「ここら辺の生き物は、もう捕まえちゃったのかな?」
前屈みになったお姉さんは、水着を着ていた時と同じように振舞ったが
すでに兄と私はもう生き物集めどころではなかった。
私たちのすぐ近くで裸の女の人が、惜しみなく全てを晒け出しているのだから。
特に兄は、見ても良いと言われたせいもあってか
お姉さんの裸を(特にオッパイを)食い入るように見つめ、全く手が止まっていた。
お姉さんもそれに気付いているはずなのだが、咎めたりしなかった。

「・・・本当に見ても良いんなら」
私は生き物を探すフリをしながら、お姉さんの背後に回った。
短く刈り揃えられた陰毛はアナルの近くにも生えていて
ワレメとアナルの周りだけ、肌の色が濃くなっていた。
「・・・これが大人の女の人のアソコなの?私と全然違う。
でも大人になったら私もこうなるんだ」
その時、お姉さんが何か生き物を見つけて水の奥に手を伸ばした。
さらに前屈みになったせいでワレメがパックリと開き
私もお姉さんのピンク色の膣壁から目が離せなくなった。

「やった、獲れたわ。ほら、ヒトデよ。キレイな色しているわね」
お姉さんに対し後ろめたい兄と私は、素直に目を合わせられなくなっていた。
雰囲気を察したお姉さんは、私たちにこう提案した。
「良かったら君たちも裸にならない?ここなら誰にも見られないでしょう?」
お姉さんに勧められて、兄と私も水着を脱いで素っ裸になった。
お互いに裸になったことで後ろめたさがなくなり
まだまだお姉さんと遊べるんだと、兄と私は素直に喜んだ。

「そう言えば、あっちにもっと大きいくぼみがあったわ。
続きはそこで探さない?」
お姉さんは履いていたサンダルも水着と一緒に岩の上に乗せ
私たちのバケツを手に取ると、素っ裸のまま岩場を移動した。
「裸足の方が滑りにくいわよ」
「待って。おいて行かないで」
兄と私も裸足になり、お姉さんの後を追いかけた。



2.

少し先まで行くと、お姉さんが言っていた通り大きなくぼみがあった。
「あ、あそこ!何か動いた」
「魚だ。でもちょっと深いよ。網がないと無理じゃないかな?」
まだ幼い兄と私は、深さのあるくぼみに躊躇した。
「そうね。残念だけど溺れちゃうのはイヤだもんね。
だったら何か別のことしない?」
「するする。何して遊ぶ?」
「実はお姉さん、やりたいことがあるんだけれどなぁ」
「何?」
「お医者さんごっこ。お姉さんが患者さんで、君たちがお医者さん。どう?」
お姉さんはそう言うと、大きく平らな岩の上で横になった。

「先生、まずは私の身体に悪いところがないか探して下さい。
頭のてっぺんから足の先まで、よーく探してね」
お姉さんは私の手首を握り、自分の身体に引き寄せて目をつむった。
「私たちに任せておいて。だってお医者さんだもん」
兄と私は聴診器を持ったフリをしながら、お姉さんの身体をくまなく調べ始めた。

「あ、ソコは!・・・ううん、何でもないわ。先生、続けて下さい」
お姉さんは時々ピクッと身体を震わせながらも、自由に触らせてくれた。
何かいけないことをしている気がしながら
兄と私はお姉さんの身体を調べ続けた。
ふと気が付くと、兄はお姉さんの乳首を摘まんでいた。
「先生。そこが悪いんですね?病気なんですね?」
「はい、そうです。すぐに手術しましょう」
兄はそう答えたものの、それからどうすれば良いか分からない様子だった。

「では手術を始めて下さい。
初めにオッパイの中にある悪い病気を真ん中に寄せ集めて下さい」
お姉さんは兄の手首を握り、自分の右の乳房を揉むように促した。
「反対側はもう一人の先生にお願いしましょう。良いですか?」
「は、はい」
私もお姉さんの左の乳房に手を添えて、なるべく優しく揉んであげた。

「ん、んふっ。そう、そのまま。いい感じですよ。先生、そのまま続けて下さい。
時々乳首をギュッと摘まんで引っ張るのも良いみたいですよ」
「こう?」
兄が無造作に乳首を摘まんだので、お姉さんは眉間にシワを寄せた。
「ゴメンなさい。痛かった?」
「いいえ、今ので良いんです。少し強くないと効き目がありません。
そういう病気なんです。先生、もっと続けて下さい」
兄と私はお姉さんの乳首を摘まんでは引き上げ
指先から抜け落ちるとまた摘まみ直した。

「ん、くひっ!・・・効いています。先生、とても効いています。
悪い病気が、どんどん減って・・・。あふっ!いい。もっと、もっとお願いします」
お姉さんは自分でも乳房を持ち上げるように寄せながら
兄と私のやりたいようにさせた。
何をしてもお姉さんは目をつむったまま開けなかったので
兄と私は躊躇せずに何度も繰り返した。
やがて乳首がさらに硬く、少し伸びたような感じがした頃
お姉さんは次の指示を出した。

「では次の手術に移りましょう。おヘソの下に毛が生えていますね。
そのさらに下に大きな割れ目が見えますか?」
「はい、見えます。オマンコですよね?」
躊躇いなく答えた私に、お姉さんは目をつむったままクスッと笑った。
「そうです。オマンコです。少し姿勢を変えるので、良く見ておいて下さい」
お姉さんは揃えて伸ばしていた両足を曲げ
両手で膝を抱きかかえるような姿勢を取った。

「オマンコが開いて、その中が見えるようになったと思います。
今、どうなっていますか?」
「茶色いビラビラした皮の中に、ピンク色の部分が見えます」
「濡れてますね。何だか口の中みたい」
「そのピンク色の所に穴が開いていると思います。
そしてピンク色の上の、毛が生えている少し下に
プクッと膨らんでいる所があると思います。分かりますか?」
「はい、あります」
「そこはクリトリスって言います。まずは優しく撫でてみて下さい」
兄がお姉さんのクリトリスを撫でると
ピンク色の穴とお尻の穴が同時にキュッと萎んだ。

「はふっ、く、んん〜!・・・そう、そうです。とても良い感じです。
男の先生はそのまましばらく撫で続けて下さい。
女の先生はピンク色の穴の中に指を入れて下さい」
「えっ、ココに?大丈夫なの?」
お姉さんの身体の中に指を入れるように言われた私は
戸惑いながらも人差し指を挿し込むと
濡れた膣穴は容易に受け入れ、一気に指の付け根付近まで飲み込んだ。

「ヌルヌルしている。でも温かい」
「次はもう1本増やして、指を2本入れて下さい。
奥まで入ったら内側からかき混ぜるように動かして下さい」
「こう?」
「そうです。・・・いいえ、もっとです。出したり入れたりする動きも混ぜて下さい」
お姉さんは眉間にシワを寄せていたが、私はお姉さんの言う通りにした。

「男の先生はさらに強くクリトリスをこすって下さい。
出来れば同時に乳首を舐めて下さい。
女の先生は指を3本に増やして、さらに激しく動かして下さい。
それと、もし私が変な声を出し始めてもやめないで下さい。
それは悪い病気をやっつけている証拠なんです。
手術を成功させないと、私は死んでしまいます。絶対にやめないで下さい」
「分かった。絶対に手術を成功させるよ」
もはや自分たちが何をしているのかも理解出来なかったが
私たちは手術を成功させようと必死になっていた。

「もっと強く、もっと激しく。乳首もよ、強く吸っていいのよ。
乳輪ごと吸い上げるつもりで、しゃぶりついて!
ああ〜っ、いい!クリトリスもイイっ!そこ、そこよ。もっと、もっと責めて。
おおお、すごい。感じる。オマンコすごい!オマンコ感じちゃうーっ!」
お姉さんがどんなにビクビクッと身体を震わせたり
喘ぎ声を上げながら身体をくねらせても
絶対にやめないでと言われた兄と私は、手を休めることなく責め続けた。
しかし一生懸命になり過ぎた私が
誤って4本の指を親指の付け根ぐらいまでお姉さんの膣穴に押し込んだ時
お姉さんは大きく身体を仰け反らせ、寝ていた岩の上から転げ落ちた。

「お姉さん、大丈夫?」
「へ、平気よ。心配いらないわ」
フラフラと立ち上がるお姉さんはちっとも大丈夫そうには見えなかったが
笑顔を見せてくれたので兄と私はホッとした。
「ありがとう。手術は大成功よ。私の中の悪い病気は全滅したわ。
こんなに感じちゃったの、初めてかも」
「感じる?」
「ううん、こっちの話。でもちょっと疲れちゃったかな。
悪いけれど私のサンダルと水着、取って来てくれる?」
「いいよ。お姉さんはココで休んでいて」
兄と私は集めた生き物を大きなくぼみに移し
空になったバケツを持って水着を置いた場所へ戻った。



3.

「いた!ちょっと、二人揃ってなんて恰好をしているの?」
素っ裸で戻って来た私たちを見つけた母は、近付くなりペシッと頭を叩いた。
「早く水着を着なさい。お父さんが水族館に行くって言ってたわよ」
「待って。お姉さんに水着を持って行ってあげないと」
しかし風にあおられたのか、お姉さんの水着とサンダルは
岩の隙間の奥深くに落ちていた。
「無理だよ。あれじゃ大人だって届かない」
「でも水着がなければお姉さんは裸のまんまだよ?」
「だってしょうがないじゃん。子供じゃ無理だよ」
「じゃあどうするの?」
すでに母は、父の待つ駐車場に向かって歩き出していた。

「お姉さんならきっと大丈夫だよ。
自分で裸になるくらいだし、水着がなくても帰れるさ」
兄は母において行かれるのが嫌だったのだろう。
兄が母の後を追って行こうとしたので、しょうがなく私も兄の後を追った。

***** ***** ***** ***** *****



どこか現実離れした不思議な体験だったが
あのお姉さんがその後どうなったのか知る術はなかった。
だが幼い私たち兄妹を自分の性癖に利用したのは事実で
お姉さんが水着を失ったのは自業自得だったとも思う。

しかしこの話はこれで終わらなかった。

私は、幼い頃からあの日の出来事を何度も思い出し
あれからお姉さんがどうなったのか繰り返し想像するうちに
いつしか自分とお姉さんを重ね合わせるようになっていた。

そして、あれから15年経った今日。私はあの海に来ていた。
「あの場所で全裸になってオナニーしたい」
という欲求を満たすためだけに
わざわざお姉さんが着ていたのと良く似た水着とサンダルを買い
一人で田舎の祖父母を訪ねていた。
しかも今、同じ場所で、あの頃の私たちと同じような兄妹を見つけた。
「こんな運命的な偶然ってある?
でも、これからどうすれば良いかは分かっているわ。
全て体験済みなんだから」
あの日と同じようにすればきっと上手くいく。私はそう確信していた。

「何をしているの?」
私は期待に胸を膨らませながら、見知らぬ幼い兄妹に声を掛けた。

【おわり】





【あとがき】
子供の時の体験は記憶があいまいで、時間軸が矛盾したものが多くあります。
しかし同時に、記憶があいまいな体験だったとしても
その後の人生に大きな影響を与えることもあります。
『もし幼い頃に露出狂の女性と出会っていたら・・・』
今回はそういうコンセプトで書きました。
主人公よりお兄ちゃんの方が衝撃を受けていたかも知れませんね。

露出に限らず、アブノーマルな性癖に目覚めるには
何かキッカケがあると思います。
おそらくそれは中学生になる前。
すなわち、初潮や射精を経験する前なんじゃないかと思います
もちろん根拠はありません(笑)

でも、もし主人公のように、幼い頃に露出狂の女性と出会っていたら
その影響を受けないはずはありませんよね。
「あの日のお姉さんと同じことをするために、再びあの海へ」
と考えるのは、むしろ当然かも知れません。
ぜひ、あなたの性癖原体験をベンジーさん宛てに投稿して下さい。
きっと素敵な課題を考えてくれるハズです(笑)

読者の中に、海辺に近い所に住んでいる露出っ子がいたら
見知らぬ幼い兄妹を探して『お医者さんごっこ』を提案してみて下さい。
「もし私が変な声を出し始めても絶対にやめないで」
と頼んでおけば、思っている以上に楽しませてもらえるかも知れませんよ。
【ベル】

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