弥生の場合
- [1] 弥生 全裸になってハイキング
- 三十路を迎え、長年妄想し続けていた快楽を、どうしても味わいたくて、秘密クラブ(露出クラブ)の戸をたたいた。そして、出された課題が山中に不法に作られた、産業廃棄物処理場に脱いだ服と下着を置き、全裸になってハイキングをすること。最低四時間は、全裸で居なければなりません。
- [2] ベンジー
- 長年妄想し続けた快楽が野外露出なんだね。
不法投棄されてゴミの中に服を置いてハイキングか。 4時間後に、服が処理されていないと良いね。
- [3] 弥生 君はこうされるのが好きなんだよ
- 私は、自分が夢見る快楽はアブノーマルなものと、自覚していたため心の奥に閉まったまま、普通の生活を送っていた。
心も身体も欲求不満が溜まっていくうちに、毎日サイトを検索しては、自慰をする夜が続く。 ある日、検索ワードを変えてスクロールしていくうちに、ある秘密クラブ「凛々花様の館」というサイトにたどり着く。 最初のうちは怪しいし危険だと無視していたが、どうしても行きたい気持ちが止まらない。 勇気を振り絞って、「アンケートに答えるだけだから」と言い聞かせて回答したものを送信した。 そこに届いたのは、「貴女は、紛れもないMなのだから、いつでもいらっしゃい。 このまま悶々と、普通の生活を送れるかしら?」というメッセージ・・・私は、今日も仕事から帰って食事と、お風呂を終えたあとパソコンを開いた。 スマホでは画面が小さいのと、何となく検索履歴が誰かに見られてしまうことが、あるのではないかという不安もあり、夜はいつもパソコンで自分の時間を楽しんでいた。 楽しむというよりは、理想の画像や動画を求めて、彷徨っていたといたと、言った方が正しいかもしれない。 自分の、性癖が普通ではないと、理解していたからこそ、その欲望は胸の奥にしまい込んでいたのだ。 子供の頃から、ドラマや小説の中で縛られるシーンなどが、出てくると説明のしようのない興奮が沸き上がった。 15歳の時に、いつもの女性漫画を買いにコンビニに行ったのだが、違う物を買ってきてしまったと、気づいたのは部屋に戻ってからだった。 読んでみると、それはいつもの日常生活を描いたような、漫画ではなくどれも露出やセックスシーン が、盛り込まれている内容ばかりだった。 おそらく主婦層をターゲットにしたものだろう。 「何これ」と思いながら読んでいるうちに、ある作品のページで手が止まってしまった。 そこには「君はこうされるのが、好きでたまらないんだよ」と言われながら、縛られ感じていく女性が描かれていた。 全裸姿で手首を括られ、股を開かれた状態で、感じていく女性のページで脳にものすごい刺激が走った。 すごい・・・
- [4] ベンジー
- 夢見る快楽はアブノーマルか。
それを自覚していのだね。 秘密クラブ「凛々花様の館」に辿り着いたのは当然の結果と言ったところか。 アンケートに答えるだけで済まないことはわかっていたのだろう。 むしろ、ただで済まないことを望んでいたに違いない。 メッセージに後押しされて、自分の欲求に正直になれたようだ。
> 「君はこうされるのが、好きでたまらないんだよ」
弥生の正体を、ズバリ、言い当てられてしまったようだ。 秘密クラブの思い通りにされてしまうのかな。
- [5] 弥生 貴女の性癖や欲望を分析
- 今夜も、ネットで自分が求める何かを探す。
革の手枷や足枷で拘束される女性の画像、縛られていたぶられている画像、手錠と首輪で支配されている女性の画像。 どれを見ても興奮するが興奮しきれない。 革が安っぽすぎる、ビニールじゃないか、女性が、完全にカメラ目線でプロのモデル、こんなのじゃない、動画は汚くて見たくない・・・!動画のほとんどが、男性用に作られているせいか、陰部ばかりをはっきり映してストーリー制がない・・・。 これなら小説の方が、自分にとって一番興奮する情景を想像できる。 そう思って小説を読む日もあれば、画像を探す日、やっぱり動画を探す日、色々な検索ワードとジャンルで彷徨い続けていた。 今日も、その快感を求めてネット検索を始めた。 しだいに、野外露出やSMクラブなど、女性用風俗も探すようになった。 実際に、そんなところへ行く勇気もないので、想像の範囲を超えることはないが、そういう場所を訪れる想像をして興奮していた。 今夜は、SMの拘束具を検索していた。 とてもしっかりとした革製品に、よく考えられているリングの位置。 買う勇気など無いのにとても興奮した。 そのサイトには、「緊縛サークル」や「SMバー・露出サークル」などのサイトもリンクされていた。 毎晩あちこちリンクをクリックしているうちに、あるサイトに小さなバナーを見つけた。 「彷徨ってばかりいないで、先ずはドアをノックしなさい」と書かれたその怪しいバナーの下には「アンケートに答えるだけで、貴女の性癖や欲望を分析」と書かれていた。 分析されたところで、どうしょうもないと思いながらも、分析結果が届くだけならやってみるかという気持ちにもなった。 クリックしてアンケートに答えていく。 最初は「YES」か「NO」の2択だったのが途中から5択になり、言葉で答えるようになり・・・・途中途中で「回答はここまでにして送信」というボタンもあるのだが、「より自分を知りたければ、もっと答える」という方を選んでしまう。 なぜなら、このアンケート自体がとても興奮するように作られていたから。 どうしても、次の文章や画像を見たくなってしまうのだ。 「どちらの画像がより興奮するか」とか「自分なら、どこを変えたらもっと興奮するか」などまるで催眠術に掛かったように、全てに答えて送信したときには、4時間近く経っていた。
- [6] ベンジー
- 夜になると、ネットで自分を辱める道具を探しているのだね。
いろいろ見ているようだが、なかなか満足させて貰える画像に巡り合えないか。 ストーリー性が大事なのだね。 SMクラブや女性用風俗にも興味があるのだね。 でも、行く勇気はない。 そんな弥生を待っていたのはエッチなサークルのアンケートか。 応えるのに夢中になってしまったようだ。 4時間近くもお疲れ様。
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