奈那菜の場合


[1] 奈那菜 ハダカでハイキングに
こんにちは!
ご報告が遅くなりました
暑くなる前に おじさまたちに全裸ハイキングに連れて行ってもらいました
暑くも寒くもなくて虫が少ないいい時期なんだそうです 

夜明け前に おじさまたちに迎えに来てもらいました
わたしは家を出る時から全裸 くつも何も身につけていません
家のそばの路地まで 何かを踏まないように気を付けて進みます
家から裸で出たことはあるけど 靴も履かないで出たのは初めてです

路地に行くとおじさまたちが乗ったクルマが停まっていました
まだ暗い時間でおそるおそる歩いて遅くなったみたいです
おじさまたちに謝ると いいよいいよと許してくれました

行き先はナイショだと言われてアイマスクを渡されました
朝でクルマが少ないけど、すれ違うクルマとか 追い越していくクルマとかいて
そのたびにおじさまが 今こっち見てた 写メ撮ってた とか言われて
隠れようか そのままでいようか 慌てちゃいました

行き先はナイショと言われていましたけど カーナビの案内でわかっちゃいました
クルマで1時間ぐらいの地元では有名な山で
小学校の遠足とかでも行くところで わたしも何回も行ったことがあります

着いたよと言われて 何度も来たことがある山ですけど見覚えがないところです
???としていたら ここは裏登山ルートであまり使う人がいないと言われました
でも 狭い駐車場に2台停まっていて おじさまたちが こっちのルート使う奴がいるんだとか
何かの作業かな 裏ルート登山かなとか話していました

クルマから降りようとすると 駐車場は砂利が敷いて会っていきなり痛そうです
どうしようと思ったら さすがに登山靴は履いていいからと靴をもらえました
何かあった時用にと 水 ホイッスル GPS付キッズ携帯 エマージェンシーブランケット
がはいっいて クマよけの鈴がついただ小さなポーチを渡されて
体を隠せないように背中側にかけるように言われました

歩き始めたときはちょっと寒かったけど 歩いていると太陽も登ってきてちょうどよくなってきました
素肌に吹いてくる風が気持ちいいです
おじさまは少し離れて付いてきてくれるので安心です

誰もいない登山道を昇っていくと 道が大きい岩を回り込むように曲がっていて
岩陰から出ると 登山スタイルの年配のご夫婦が岩の上で休んでいました
人がいると思っていなかったので 裸のまま何も隠さずに出てしまって
お二人はびっくりした顔でわたしのことを見つめています
わたしもびっくりしたけど 「こんにちは!」 と挨拶したら
奥様が 「こんにちは? 何かに襲われたの? 大丈夫?」
「いえ、大丈夫です 裸でいるのが好きなんです」
ご主人は無言で わたしの顔と裸体を何度も見つめていました

また歩き始めて しばらくして曲がった道の向こうから 男の人が来ました
クマよけ鈴が聞こえていたので 心の準備ができていました
「こんにちは」
「………こんにちは」
びっくりオメメで わたしのことを見つめまくっていましたが あいさつを返してくれました
それから もう一人とすれ違いましたけど 驚いているだけで あいさつは返してもらえませんでした
後ろからずっと見つめられていたみたいで 長い間 視線を感じていました


山頂に行く前におじさまが様子を見に行ってくれて
「展望台に2〜3人いるけど 変な奴はいないから行けるかな」
「はい」
展望台に行くと先にいた人たちは帰るところで わたしが裸なのは気がついていないみたいでした
それから数人登ってきましたが 登山姿の男の人だけでわたしを離れたところから見て驚いているだけで何も言われませんでした

「そろそろ降りようか。下りは普通のルートで行くから、あそこを歩いている人たち全員とすれ違うぞ」
展望台からふもとの駐車場から登山道が見えて 途切れることなく人が歩いています
あんなに大勢の人たちに裸を見られちゃうんですね
そろそろ行こうとしたら 駐車場にバスが入ってきました
おじさまが双眼鏡でバスの方を見て怖い顔をして もう一人のおじさまとスマホで話し始めました
もうひとりのおじさまは 一緒に来ないで 今から行く駐車場にクルマを回してくれていました

「〇国人のバスだって インバウンドでこんなところに来るんだ 〇山の方がいいと思うけど
元の道を戻ろうか 中〇人だと 裸の日本人女性を見つけたら 何するか分からないからなあ」


下りは年配の男の人ふたりに見てもらいました
木が茂っているところだったけど クマよけ鈴をつけていたので来るのが分かっていたから 心の準備ができました
姿が見えたところで
「こんにちは!」
と声をかけたのですけど びっくりしていて 挨拶を返してもらえませんでした

大きい岩のところにいたご夫婦も下ったみたいです


駐車場に着くと止まっていたクルマはいなくなっていて、もうひとりのおじさまがクルマのところにいました

「ユキちゃん お疲れさん 今日はあんまり見てもらえなくて残念だったね」
「でも、裸でハイキングができて うれしかったです」
「それなら よかった」


それから小さな河原に行って ランチして 送ってもらいました
河原の上の道をゆっくり走っていくクルマがあったけど 裸に気が付いてもらえたでしょうか

[2] ベンジー
全裸ハイキングに行って来たのだね。
家から全裸で出かけて、男の人たちに車に乗せられて、目隠しをされるなんて、見ようによっては拉致誘拐みたいだ。
それだけ、おじさまたちを信頼していると言うことだね。
行先はカーナビが教えてくれたか。
目隠ししたのは、行先がナイショだからじゃなくて、おじさまが「今こっち見てた」とか「写メ撮ってた」とか言って、奈那菜をからかうためだったのかも。
登山道では、全裸以外の装備は用意してくれていたのだね。
すれ違う人たちに裸を見られながらのハイキングだ。
いろいろな反応があるみたいだね。
年配のご夫婦には、本気で心配されてしまったようだ。
クマ避けの鈴も必須と言ったところか。
最近、いろいろにところで熊の出没報告が聞かれているからね。
下山の際は外国人の姿を見つけて接触を回避したのだね。
おじさまたちがいてくれて良かった。
そして何より、裸でハイキングが実行できて良かったね。