直美の場合


[1] 直美 セクハラ面接の次は身体検査
私が抵抗できずにいると、Yの行動はますますエスカレ―トしていきました。
「フフ、一対どうしたのかしら。エアコンが効いているのに随分汗ばんでいるわね。特に首筋から胸にかけてが暑そうね。少し涼しくしてはどうかしら。今日の面接官は私一人だから、ラフな格好も特別に許可するわ」
Yはそう言うなり、私のブラウスのボタンをひとつ、ふたつと外し始めたのです。
「ちょ、ちょっと!なにをするんですか・・・・・・」
「そんなに恐縮する必要はないわ。リラックスして楽しみなさい」
Yが襟から手を差し込もうとするに至っては、さすがに私も抗議せざるを得ませんでした。
「やっ、やめてください!こんな面接試験って・・・・・・あんまりです・・・・・・」
私はYの手を掴み、それ以上手が浸入するのを防ぎました。
Yはあっさり手を引っこめ、両手を私の肩の上に置いた。
「なにを勘違いしているの。私は貴女の健康状態を、生肌の感触で診断しようとしただけよ。若いのにぶよぶよの肉体じゃあ、入社後の仕事も期待できないでしょう」
「でも・・・それにしても・・・」
「なんなの、貴女は。まだ私のことを邪推しているの。何度も言うように、貴女はJ女子大学の代表として我が社を訪問していることを忘れないようにね」
効果的に弱味をつかれると、ドキリとして何も言い返せませんでした。
「そんなつもりは・・・す、すみませんでした。私が間違っていました」
「わかればいいのよ。それではこれから本格的な身体検査に入ります」
「えっ!?身体検査って、聞いてないですけど・・・・・・今日、これからですか・・・・・・」
「そうよ。ああ、勿論検査をするのは部下の女子社員だから、余計な心配をする必要はないわよ」
試験を受ける側という弱い立場の自分に断ることなどできませんでした。
面接が行われている会議室の隣に、ドアで続いている応接室があり、私はそこで下着になって待っているように言われました。
「廊下側のドアはロックしてあるから安心なさい。
直ぐに人事課の女子社員を連れてくるから、貴女ももたもたしてないで、服を脱いで準備しておきなさいね」
有無も言わせぬ口調で言うと、部屋のドアを閉めた。
(ああ・・・・・・大変なことになってしまったわ)
私はPSを志望したことを後悔し始めていました。
超一流メ―カ―で、いきなりセクハラまがいの面接が行われるとは全く考えてもみなかった。
しかし自分を推薦してくれた大学やA教授の立場を考えると、今さら逃げて帰るわけにはいかない。
それにやはりPSのエレクトロニクス開発部は、私にとって魅力的な存在なのだ。
自分の感性が現実の商品として結実する。
そんな仕事をしてみたかった。
PSほど女性の感性を活用している会社はないと、A教授も強く推しているのだ。
現実を知らない女子学生の甘さはあるにしても、私は真剣だった。
(頑張るしかないわ。中学や高校の身体検査だと思えばいいのよ。同じ女性にサイズを測られるだけだもの・・・・・・)
懸命に自分に言い聞かせた。
しかしいざ服を脱ぎ始めると、場所が会社の応接室だけに違和感を禁じ得ない。
本来、服を脱ぐべきではない場所で、下着姿になる。そう考えただけで身体が震えてきた。
それでも上着、ブラウス、スカートと脱いでいき、遂にブラジャ―とパンティ―だけになってしまった。
大事な面接ということもあり、気分の落ち着く白で下着の上下を統一していました。
ハ―フカップのブラジャ―と股の切れ込みが深いパンティ―は、自分の身体にはやや小さめですが、オ―ソドックスなデザインでした。
応接室に設置してある本棚のガラス戸に、下着姿で立ち尽くす自分の姿を認めた。
部屋には他に誰もいないのに、思わず両手で胸を覆ってしまった。
入社面接なのに、何故か下着姿になっている自分に、とてつもない恥ずかしさを感じるのだった。
(こんなこと・・・・・・早く終わってほしいわ)
ドアをノックされる音が、私の緊張を更に高めました。
「は、はい・・・・・・どうぞ。準備はできてます」
この直後、思いもよらない悲劇が、私を襲うのです。


[2] ベンジー
入社面接が、いよいよセクハラになって来たね。
ラフな格好を許可するって言いながら、ブラウスのボタンを外して来たか。
さすがにやり過ぎと思ったが、それも前ぶりだったのだね。
面接からいきなり身体検査か。
それは予想外だったことだろう。
他にも身体検査を受けている子がいるならともかく、一人だけで身体検査をするような場所でないところで脱ぐのは恥ずかしかったに違いない。

> この直後、思いもよらない悲劇が、私を襲うのです。

思いもよらない悲劇を楽しみにしているよ。

[3] 直美 身体測定
Yの部下の女子社員が入ってくるのだと思っていた。
頬を紅らめているのを見られるのが恥ずかしくて、俯いていました。
ドアのきしむ音と、足音が聞こえた。
見ているのが女性だと思っても、なかなか顔を上げることができなかった。
「あら、服を脱いでもなかなか立派な身体じゃない」
私はショックで息がつまった。
(そんな馬鹿なことって・・・・・いくらなんでも・・・・・・)
聞こえてきたのは女子社員の声ではなかった。
恐るおそる顔を上げると、そこには薄ら笑いを浮かべたYの姿があった。
「キャ―!こ、来ないでください・・」
「ひどいです、こんなことって!あんまりです。で、出ていってください」
さすがに強く口調で非難するが、Yは平然としていました。
「あらあら、またお嬢様のわがままなの。呆れたわね」
「わがままだなんて、そんな次元の話では・・・女子社員の方が来るとおっしゃったじゃないですか」
私が話している間も、Yの視線が痛いほど身体を刺してきた。
ハ―フカップのブラから盛り上がる乳房や、布一枚で隔てられただけの陰部。
身体を舐めまわしてくる視線に、全身が熱くなってくるのを感じた。
「あのねぇ、会社には業務上の都合というものがあるのよ。貴女の身体測定をする予定だった女子社員は別の用事ができたのよ。だから仕方がなく私が来たのよ」
「だったら、別の女子社員の方をお願いします。貴女にこんな姿を見られるなんて・・・・・た、耐えられません」
「ああそう・・・すると貴女は、私が貴女に対して性的な邪心を抱いていると言うのね。まったくもって失礼な話しだわぁ。こんな無礼な学生は前代未聞よ。これは貴女に一人でなく、J女子大学全体の評価と成るわよ」
私はハッとして顔を上げた。
自分の言動が、大学や後輩たちに影響してしまうことに気づいた。
「い、いえ・・・・そんなつもりはないんですけど・・・・・・。も、申し訳ありません・・・・・・いろいろ失礼なことを申し上げて・・・・・・」
Yは薄ら笑いを浮かべて、勝ち誇ったように私を見下ろしていたのです。


[4] ベンジー
身体検査のつもりで下着姿になったら、Yが入って来たか。
最初から、女子社員なんか来なかったのだろうね。
直美を脱がすための作戦だったみたいだ。
みごとに引っかかってしまったね。
でも、これで終わりではないのだろう。
Yの薄ら笑いは、何を意味しているのだろうね。