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   月刊「野外露出」

                                玲奈

5

いつの間にか午後の日差しは少し傾きかけていた
そろそろ洗濯物を取り込む時間になっていた
ベランダの外は公園で遊んでいた子供たちの声も聞こえなくなっていた
外に誰もいないことを確かめ、洗濯物を取り込むためベランダに出た
エプロン一枚なのにこの恰好になれたせいだろうか
午前中より緊張はしなかった
電柱の陰は少し長くなり、マンションと公園を分けるせまい道路は
この時間にしては通る車も人も見当たらなかった
今なら誰も見ている人はいない
「さあ、エプロンを外してしまえ」
何処からか聞こえる声に玲奈はいやいやをするように首を振った
そんなことは出来ない、出来る訳は無いと思いつつも
後ろに回した手が結び目に触れる
「ダメ!そんなことダメ、明るいから見られてしまう」
必死に抗う心の叫びにその行動を止めた
「じゃあ、暗くなれば大丈夫だね」
そんな声がどこかで響いた
初夏の日は長く、夕暮れまでまだ2時間はあった
玲奈はその2時間の間に夕飯の支度を整えた
作ったのはカレーライスだった
これなら遅くに帰ってくる主人を待たせないからよく作っていた


日も傾きかけ、西の空は茜色から紫へと変わっていく
「いまなら大丈夫かも」
昼間やりかけて出来なかったことが今なら出来る
外から見られないように部屋の灯りを消した
リビングは暗く外の微かな灯りでうっすらと陰のように見えていた
玲奈はゆっくりとベランダに近づいていく
いつもならこの時間に遮光カーテンを閉めるはずだった
今は逆にレースのカーテンに手をかけそっと開いた
夕日はあっという間に沈み、夕闇が広がるまで時間はかからなかった
道を挟んだ公園の街灯の光が微かに部屋に忍び入り
玲奈の体を白く染め、浮かび上がらせる
玲奈はゆっくりとエプロンを外し床に落とした
サッシのガラス戸をあけるとガラガラと昼間より大きな音を立てて滑っていく
誰かにこの音が聞かれないか震える手で半分だけようやく開けた
日差しで暖まっていた部屋の空気が外へ流れていくのを感じる
その代わりに冷たくなった風が公園の木々の薫りとともに熱の籠った玲奈の体を包み込むように入ってくる
外気に包まれた素肌の感覚が一層敏感になっていくのがわかる
ベランダに一歩踏み出そうとして動き出そうとした体がとまる
「ダメ!やっぱり出来ない、誰かに見られちゃう!」
必死にあらがう心の声に思わず両手で胸を覆った
全裸、たった一枚の布が無くなるだけで緊張感は何倍にも感じる
玲奈の体の震えが止まらなかった
一歩ベランダへと踏み出したとたんおもわず胸を隠したまま
腰が砕けるように落ち座り込んだ
ベランダのコンクリートの床の冷たさが伝わってくる
こうすれば外からは見えづらくなる
「誰かに見られたいんだろう、もっと興奮したいのだろう、さあ・・・」
その声に促されるように四つん這いの体制でベランダの床に
手をつきながら這うように進んだ
足先まですべてがベランダに出た時、顔はベランダの手すりの近くに合った
手すりの隙間からは黒々とした空間に公園の照明だけが輝いていた
このままの体勢でいるのならここは2階
車が通っても裸を見られることは無いだろう
見られることは無いと思っても玲奈は全裸で外にいる
ベランダとはいえ初めての野外露出だ
まぎれも無く外気が体中を包み込んでいた
露わになった胸は興奮の緊張のため震えていた
乳首は痛いくらいに充血して勃起している
いやらしいくらい感じている
外で裸になっただけでこんなに・・・変態みたい・・・・
夜風は胸だけでなく、剥き出しのお尻や秘められた部分まで忍んで来た
「はぁ…はぅぅ」
吐息が漏れそうになるのを必死に堪える
「さあ、立ち上がってみよう」
心の中に宿る悪魔の声が段々と大きくなる
手すりの手をかけ体を引き上げるようにゆっくりと立ち上がった
誰かに命じられたことにして本当は自分から外に向けて全裸を晒し、
そして興奮している
公園とマンションの間の道は狭い一方通行の道路に
ヘッドライトを付けた車が走ってくるのが見えた
灯りが段々と近づいた時
「パチッ!」と小さな音がして玲奈の中で何かが弾けた
心の中にあった埋め火に掘り出され炎が灯ったようだった
「誰か見て…見て……いや!誰も見ちゃいや!見てはいや!」
否定しているのに体は勝手に動いている
誰かに恥ずかしい部分を車に見せつけるかのように
両膝は徐々に開いていった
あぁ、私なんて恥ずかしい恰好をしている・・・
玲奈の羞恥心は最上級まで達していた
今に自分があまりにも淫らな姿を晒しているのがわかる
この恰好を誰かに見られたら
もしそれが知り合いなら・・・このまま死んでしまうしかない
「駄目!そんなこと駄目!」否定しながらも指先は勝手の動き、
濡れた花弁を左右に開いていった
紅い花弁からは蜜のような雫が太腿を伝って床を濡らしていく
「み、見て……」
車が何事も無くテールランプをゆらしながら通り過ぎて行った
玲奈は官能の渦に飲み込まれるように頭の中が真っ白になり
冷たい床にお尻からペタンと尻餅をつくように崩れ落ち、ベランダを濡らし
しばらくは立ち上がることが出来なかった






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