露出小説




   小説『最後の秘宝館』

                              作;ベル

1.

「現代の日本にまだこんな施設があったなんて!」
それが紅葉(くれは)の率直な第一印象だった。
その施設の名は『熱海秘宝館』
昭和レトロな雰囲気をたずさえた、少しエッチな娯楽施設だった。

***** ***** ***** ***** ***** *****

彼女の名前は尾崎紅葉(おざきくれは)。とある地方大学の4年生だ。
「せっかく親元を離れているんだから、今しか出来ないことをやろう」
そう思い付いてからは一人旅に興味を持ち
最近は泊まり掛けで遠出することもあった。
卒業後は親が世襲で継いで来た仲卸問屋を手伝う予定なので
就職活動をする必要がなく、同級生と違い暇を持て余していた。

高校時代は陸上部で三段跳びの選手だった紅葉は
175cmのスレンダーな長身で
大学入学後もフィットネスジムに通い、身体を鍛えて続けていた。
モデルのアルバイトを何度も経験している紅葉は
長い髪と小顔のおかげもあって、自分でもモテる方だと自覚していた。
紅葉の悩みは彼氏との関係が続かないこと。
さっぱりした性格が災いして彼氏相手にも譲らないことが多く
さらに自分から謝ることが出来ないまま自然消滅するパターンだった。
先日も彼氏とケンカし、もう1週間も連絡が来ないままだった。

「ああ、今度のヤツもダメかぁ。草食系男子が増えているっていうけれど
ちょっとケンカしたぐらいで音信不通になるなら
最初から『付き合って下さい』とか言わないで欲しいのよね」
紅葉は彼氏と別れるたびに傷心旅行(という名目の気分転換)
を繰り返していたが、次の旅行先をネットで検索しているうちに
冒頭に挙げた『熱海秘宝館』のHPにたどり着き
今まで考えたこともないような施設があることを知ったのだ。

「2014年末に『鬼怒川秘宝殿』が閉鎖されたから
もう日本には熱海にしか秘宝館がなくなったのね。
まあ、こんな施設が今でも残っていたことの方が意外な気もするけれど」
正直、魅力的な施設とまでは言えないが、温泉街でもあるし
たまには少し変わった場所に行ってみるのも面白いかも知れない
と考え直して、さっそく今週末に行ってみることにした。



2.

「昔ながらの観光地って
どうしてこういう独特の廃(さび)れた雰囲気を持っているのかしら?」
以前に訪れた、とある滝の名所を思い出しながら
紅葉は今回の旅行を早くも後悔し始めていた。

熱海の繁華街自体は結構にぎわっていた。
駅前のロータリーも改装されていたし
街並みも店もきれいに整備された所が多く
観光地としては頑張っている方だと思えたが
秘宝館に続くゴンドラ乗り場は熱海のはずれにあり
ついさっきのような感想を待合室で口にしてしまった。

「ううん、こんな所に一人で来る女子大生が言うセリフじゃなかったわ。
今回は『昭和レトロ』を探求しに来た旅なんだ、と思えば良いのよ」
しかし晴天だと言うのに、頂上に着いても客足はまばら。
その観光客ですら紅葉がいるのに気が付くと
後ろめたさからか、そそくさとその場を離れて行ってしまうのだ。
「若い女の子に見られたくらいで気まずいと思うなら
秘宝館になんか来なければ良いのよ!」
気弱だった彼氏を思い出した紅葉は、ますます気分を害した。

「もういいわ。外をウロウロしているだけの草食系に用はないの。
私が求めている男は、秘宝館の展示を見て目をギラギラさせるくらいの
野性的な男なんだもの」
紅葉は力強い足取りで入口をくぐった。
しかし受付を過ぎると、館内も人気(ひとけ)がほとんどなく
その先に並んだ展示品も「何これ?」とあっけに取られる物ばかりだった。

和服を着た芸者のマネキン人形が、男のマネキン人形に両側から裾を捲られ
繰り返し丸いお尻を見せていた。
その先には、浮世絵風の絵で性行為を描いた版画(模写?)が飾られていた。
天井には実物大の鯨のオスの性器の模型が設置され
床に置かれたメスの性器に挿入しようとする場面を再現していた。

「こんなのがずっと続くの?マジで?ちょっと勘弁してよぉ」
紅葉は引き返したくなったが、順路は一方通行で
出口への近道はないようだった。
その代わり、他に客がいないので
人目を気にせずじっくりと展示品を鑑賞することが出来た。

マリリンモンローのマネキン人形は、スカートが風でめくれると
パンティーからはみ出た陰毛が見えるようになっていた。
ビーチを模したセットに足を広げて寝そべる全裸のマネキン人形は
股間に乗せたタオルを蟹に引っ張られ
その隙間から陰唇が見え隠れしていた。
時代を感じさせられる展示品の数々に、紅葉は苦笑させられた。

「割と精巧には作られているけれど、昭和の古臭い娯楽施設じゃない。
家庭にビデオデッキすらない時代なら
これでも刺激的だったんでしょうけれど
今となっては時代遅れもいい所ね。わざわざ来るほどじゃなかったわ」
そう言いながら予約していたホテルに戻った紅葉だったが
自分の心に引っ掛かる、モヤモヤした『何か』を感じていた。

***** ***** ***** ***** ***** *****

翌日も早朝からホテルの大浴場を楽しんだ後
海岸沿いをジョギングしたり、バスを使って散策をしたが
何となく旅を心から楽しめないもどかしさを感じた紅葉は
夕方になって再び秘宝館を訪れた。
昼前から降り始めた雨天のせいで、昨日にも増して客足は少なかった。
2回目ということもあってどんどん奥に進んでしまったが
不思議な空間に居続けたせいなのか、ふと悪ふざけしてみたくなった。

「これだけ誰も居ないんだから、ちょっとぐらい構わないわよね」
紅葉は巨大な男性器のオブジェ『珍木馬』に触れてみた。
触れても良い展示品の1つなのだが、しかし全然物足りない。
「当たり前よね。ただ触っただけだもの」
紅葉は周囲に誰もいないことを再確認し
自らポロシャツとブラを捲り上げ、オブジェに自分の乳首を押し付けてみた。

「オチンチンのオブジェに胸を押し付けるだなんて
我ながら、これ以上ないくらいマヌケな姿よね。
でも『昭和レトロなエロス』には少し近付けた気がするわ」
紅葉はもう一度周囲を見回した後
思い切ってポロシャツとブラを脱ぎ、トップレスになってみた。
「うわぁ、さすがにコレはヤバいわ。自分からやっておいて何だけど
ココでシャツとブラを脱いでいる理由が全然思い付かないもの。
いくら秘宝館だからって、こんなことする人はそうそういないわよね?」
だが紅葉は、やってはいけない事をしている『スリル』を感じていた。

「誰も来ないうちに、もうちょっとだけ」
紅葉はトップレスのままオブジェに跨り、亀頭部分を両手で撫で回してみた。
「悪ふざけとはいえ、こんなコトをしてみただなんて誰にも話せないわ。
でもこういう『ちょっと変態的な感じ』が昭和レトロなエロスっぽいかも(笑)?」
そう言いながら、紅葉はここでしか出来ない悪ふざけが次第に楽しくなり始めた。
「こうなったら『昭和レトロなエロス』を本気で探求してみちゃおうかな(笑)」
紅葉は脱いだ服を拾い上げると、バッグに押し込み
トップレスのまま次の展示コーナーに向かった

「あっ!」「えっ?」
紅葉が角を曲がるとすぐに
ちょうどその場に居合わせた男性客の3人組に出くわした。
彼らは怪訝そうな顔をしながら紅葉を見つめていた。
紅葉は彼らを意識しながらも、あえて乳房を隠さないまま
展示物の説明書きを読むフリをして同じコーナーにとどまった。

「あの子、秘宝館の関係者なのか?」「客ならトップレスになったりしないだろ?」
「前に来た時は、そんな女いなかったけどなぁ」
視線こそ合わせなかったが、彼らは紅葉の乳房を何度もチラチラと見た後
ようやく次の展示コーナーへ去っていった。

「あはは、私どうしちゃったんだろう?
見知らぬ男たちにオッパイを見られちゃったのに、隠しもしないだなんて!」
しかしこの経験が紅葉の心の中に大きな変化を生んだ。
「でも何だか『昭和レトロなエロス』っぽくなってきたんじゃない?
昔のTV放送は規制も緩くて、深夜番組やコント番組では
オッパイやお尻も普通に見せていたって聞いたことがあるわ。
そもそもココは『秘宝館』なんだから
オッパイを見られても隠さないくらいでちょうどいいのよ」
テンションが上がった紅葉はそう自分に言い聞かせ
トップレスのまま、さらに次の展示コーナーに向かった

「おい!あの女、上半身裸だぞ?」「マジで?おお、オッパイ丸見えだよ!」
たいていの客は少し距離をおきつつ、紅葉の乳房を見てくれた。
もともと胸の形には自信があった紅葉だったが
見られていることを意識し始めると、乳首も立ったままになった。
その後も紅葉は数少ない来客を待ち伏せるように展示物の陰に潜み
男女を問わずやって来た客に近付いては、露わにした乳房を見せつけた。

「あはは、楽しい!自分のオッパイを見られるってテンション上がるぅ〜!
『昭和レトロなエロス』バンザ〜イって感じ(笑)?」
紅葉はすっかり上機嫌になっていた。
「でも上半身だけでコレなんだもの。
館内だし、もう少し脱いだって大丈夫よね?」
紅葉は自分に言い訳しながら、何度も周囲を確認すると
観音像のオブジェの前でカプリパンツ(膝下位の丈の半ズボン)も脱ぎ
パンティーと靴だけの姿になってしまった。

「うわぁ、ヤバいよ。アソコが濡れてきちゃってる。
でももうオッパイ丸出しの姿は見られているんだから
今さら取り繕う方がおかしいわよね。
私を知っている人が来ているワケじゃないんだし
見られるだけならって割り切っちゃおうかな?」
紅葉はカプリパンツを布バッグに押し込むと
迷いを振り払うかのように、セミヌード姿のまま順路を進んだ。



3.

その後も紅葉は数少ない来客を待ち伏せ
展示物の陰からスッと現れては自分から近付いて
パンティーと靴だけになったセミヌード姿を何度も見せつけた。
客足はまばらだったが、紅葉のテンションは少しも下がらなかった。
「秘宝館の中だと、まるでこういう姿でいることが許されているみたい。
そんな気がするのは秘宝館のマネキン人形がどれも裸だからよね?
それとも私の中に『裸になりたい』という願望が眠っていたのかしら?」
紅葉は自分の独り言にハッとした。

「・・・そうよ。私、気付いて欲しいんだわ!
自分がこんな姿になって、露出プレイに興じていることに!
昨日、秘宝館に来てからずっと心に引っ掛かっていた『何か』は
ココのマネキン人形みたいに裸になった自分の姿を
誰かに見られたいという『露出願望』だったのかも?」
やがて、同僚同士と思われる中年サラリーマン5人組がやって来た。
「昭和世代のおじさんみたいね。
これはしっかり見てもらえそうな予感がするわ」
紅葉は自分から彼らに近付き、セミヌード姿を披露した。

「うはぁ、すごい子が現れたぞ!」
「お姉チャン、大胆だね。恥ずかしくないのかい?」
中年サラリーマンたちはニヤけた顔をしながら紅葉の登場を喜んだ。
今までの客と違うのは、相手側から積極的に話し掛けられたことだった。
「だって、ここは秘宝館ですよ?
エロスを楽しむための施設では、裸の方が正装だとは思いませんか?」
「ははは、こりゃ一本取られたな」
「お姉チャンの言うとおりだ。服を着たままの俺たちの方が邪道なんだよ」
「裸になり、なおかつ隠そうともしない。
うん、確かに君の姿こそ秘宝館に相応しい女性の姿だ」
彼らはそう言いながら紅葉の身体をジロジロとながめた。

「いや、しかし・・・だよ。エロスを心から楽しむためには
お姉チャンにも、もう一歩踏み出せる余地があるよな?」
中年サラリーマンの一人が紅葉のパンティーを指差した。
「そうですね。でも誰でも出入り出来る娯楽施設で
そこまでサービスする義理はないですし・・・」
「いやいや。我々が楽しむためではなく
君自身がエロスを心から楽しむために、だよ。
一糸纏わぬ姿になってこそ、感じられるエロスがあるハズだ!」
「お前は本当に理屈っぽいな。
要するに、このお姉チャンが素っ裸になった姿を見たいだけだろう?」
「当然だ!だが、この子も楽しめる。俺たちも楽しめる。何が悪いんだ?」
「そうだな。うん、何も悪くないよな。その通りだ。うん、むしろ良いくらいだ」
この時、紅葉もようやく気付いたが
別の男が相槌をうった様子からすると、彼らはかなり酔っているようだった。

「だがその最後の1枚が、君の理性を繋ぎ止めてしまっているんだ。
まるで囚人の足枷のようにね。
そこで提案だが、俺たちにその鎖を断ち切らせてもらえないだろうか?」
「お前は本当に理屈っぽいな。
しかも抽象的すぎて、何を言いたいのか分からないぞ?」
「じゃあハッキリ言おう。1万円で君のパンティーを売ってくれ。
この場で脱いで、そのパンティーを俺たちに手渡してくれ」
「ええっ?」
酔っぱらった中年サラリーマンの申し出は紅葉の予想を上回っていた。

「ただ脱ぐだけじゃなく手放してしまった方が
エロスの『もう一歩』をしっかりと踏み出せるんだ!」
「お前は本当に理屈っぽいな。
やっぱり、お姉チャンの素っ裸になった姿が見たいだけだろう?」
「当然だ!だが、この子も楽しめる。俺たちも楽しめる。何が悪いんだ?」
「そうだな。うん、何も悪くないよな。その通りだ。うん、むしろそうすべきだ」
「じゃあ一人2千円ずつだな?ほら、早く出せよ」
また別の男がその場で仲間からお金を集めると
半ば強引に紅葉に手渡していた。

「待って下さい。まだ売るとは言ってませんよ?」
紅葉がためらう素振りをみせると、さらに別の男が申し出た。
「いやいや。この提案は、君がエロスを心から楽しむためなんだよ?
俺たちは、君の理性を断ち切る手助けをしたいだけなんだ」
「おいおい、それならお前は目をつむっていろよ?
僕は素っ裸になったお姉チャンを見たいからお金を出したんだぜ?」
「そうだな。うん、手助けをしたい『だけ』じゃないよな。
その通りだ。うん、もっとお姉チャンの裸を楽しみたいんだ」
やはり彼らは酔っているようだった。

「でも・・・」
紅葉は少し困惑しながら考えた。
「この人たちの提案に応じるのはアリかも知れない。
パンティーの金額が妥当かどうかはどうでも良いけれど
『昭和レトロなエロス』を心から楽しむには
まだ私に残っている『理性の鎖』を断ち切るべきなのかも・・・」
紅葉は次第に、もし見知らぬ人の前で全裸になれれば
何かを得られるような気がしてきた。

「分かりました。私、皆さんの提案を受け入れます」
紅葉は手渡されたお金を布バッグに押し込むと
両手の親指をパンティーに添えた。
それから一呼吸置くと、彼らの目の前でゆっくりとパンティーを脱ぎ
丸まったパンティーを差し出すと、背筋を伸ばして顔を上げた。

「おっ!やった、素っ裸だ。ヘアヌードだ!」
「お姉チャン、アソコは結構毛深いんだね。まさにエロスって感じだよ」
「おいおい、見ろよ。こんなに染みが付いているぜ?」
「彼女がエロスを楽しんでいる証拠だよ」
「突き出した乳首、縮れた陰毛。しかし身体は隠さない。
これこそ秘宝館に相応しい女性の姿だ!」
中年サラリーマンの生々しい感想は、紅葉の理性をさらに揺さぶった。

「私、何やっているの?
秘宝館の中とは言え、見知らぬ人たちにそそのかされて
素っ裸になってしまうなんてどうかしているわ」
しかし、頭の中は目眩がしそうなほど混乱しているというのに
モデルのアルバイトをした時のように、少し歩いては何度もポーズを変えながら
ジムで鍛えた身体を余すところなく見せつけていた。
中年サラリーマンはその様子を目で追い、拍手と歓声を繰り返した。

「『昭和レトロなエロス』を心から楽しむって何?
一糸纏わぬ姿になってこそ感じられるエロスって何?
ああ、でも自分の裸を誰かに見られたいという『露出願望』が
私の中に眠っていたのは確かみたい。
だって、私に向けられた視線でこんなにゾクゾクしているんだもの!」
紅葉は彼らに背を向けると、壁に両手を突いてお尻を突き出し
オマンコとアナルを自分から晒した。

「おおっ!やった、モロ見えだ。ビニ本も真っ青だ!」
「お姉チャン、アナルの周りまで毛深いんだね。まさにエロスって感じだよ」
「おいおい、見ろよ。ワレメの周りがこんなに濡れているぜ?」
「彼女がエロスを楽しんでいる証拠だよ。さっきも言っただろう?」
「突き出したお尻、濡れた陰唇。しかも隠すどころか見せつける。
まさに秘宝館に相応しい女性の姿だ!」
中年サラリーマンの生々しい指摘は、紅葉の理性を完全に断ち切った。

「私、本当にどうかしているわ。
見知らぬ人たちに自分からアソコを晒すなんて。
ああ、でも私の中の『露出願望』が目覚めたのは確かみたい。
だってこんなに恥ずかしいのに、アソコを隠したいと思うどころか
もっとイヤらしい姿を、秘宝館に相応しい姿を見て欲しいんだもの!」
紅葉は履いていた靴も脱ぐと布バッグと一緒にその場に残し
一糸まとわぬ姿になって、少し離れた明るく照らされている場所に移動した。
「さあ、『昭和レトロなエロス』を一緒に楽しみましょう!」
そう言うと、腰を下ろして仰向けになり、ゆっくりと両膝を広げた。

「おおーっ!やった、ご開帳だ。おっぴろげだ!」
「お姉チャン、アソコまで見せてくれるんだね。まさにエロスって感じだよ」
「おいおい、見ろよ。淫汁が溢れて内腿までベタベタになっているぜ?」
「彼女がエロスを楽しんでいる証拠だよ。何回言わせるんだ」
「開いた陰唇、ピンクの膣穴。それを余す所なく見せつける。
まさに秘宝館に相応しい女性の姿だ!」
しかし中年サラリーマンの歓喜の声は、周囲の客にも伝わってしまった。

「えっ、ウソでしょう?」「何、あの人?素っ裸で何しているのよ!」
「これも秘宝館のアトラクションなのか?」
紅葉の周囲には、その様子に気付いた他の客が集まり始めていた。
しかし理性を失った紅葉は逃げも隠れもせず、M字開脚の姿勢のまま
自分の裸を、オマンコを、アナルを、周囲の客にも見せ続けた。

「私、もう自分の『露出願望』が抑えられない。
だって私自身が『昭和レトロなエロス』を心から楽しんでいるんだもの!
ああ、もっと見て。私のイヤらしい姿を!私の裸を!私のアソコを!」
紅葉は足を広げたまま、自分の乳房を揉み始めた。
肌に指先が埋まるほど強く乳房を揉むと
全身に電気が走り、膣穴の奥から愛液が溢れてきた。

「すげぇ、マジありえねぇだろ」
「オマンコ広げて笑顔を見せている女なんて初めて見たよ」
学生らしきグループが紅葉の姿を撮影しようと
スマホを取り出したのに気付いた時は、一瞬だけ紅葉の動きが止まったが
彼らのシャッターを切る動作音が聞こえても
紅葉は自分から陰唇を指先で押し広げ、全てを行為を黙認した。

「マジかよ。撮影しても良いのか?」
「やべぇ、勃起してきた。こんなエロい美人がいるなんて」
「ドコか壊れているのよ。だってすごく嬉しそうだもの」
「こんな場面に居合わせるなんてラッキー。LINEで友達に送っちゃおうよ」
「秘宝館、やるなぁ。つうか、やり過ぎだろ」
周囲の客は遠慮なく写真や動画を撮り続け、紅葉はそれを承知の上で
右手の指先で陰唇をこね回すようにオナニーを始めた。

「あっ、すごい。感じる。感じちゃう。オナニーがこんなに気持ちイイなんて!
私の裸を何人もの人に、どこも隠さず見られているからだわ」
露出プレイで感覚が研ぎ澄まされた紅葉のテンションは、最高潮に達していた。
もしネットに拡散されたら、知り合いの誰かに気付かれるかも知れない。
それが分かっていても、もう紅葉は自制することが出来なくなっていた。

「誰かに淫らな姿を見られるって、こんなにゾクゾクさせられるのね。
この人も、あの人も、食い入るように私のことを見ているわ。
さあ、もっと性欲に満ちた視線を向けて、私を淫らな気持ちにさせて。
今の私は露出願望を体現した『エロス』そのものなんだから!」
次の瞬間、大勢の野次馬に囲まれながら
紅葉は全身を小刻みに震わせて絶頂に達してしまった。
今までのオナニーやSEXとは違う『最高潮の精神的アクメ』を迎えた紅葉は
恍惚の表情を浮かべ満足そうに微笑んでいた。

***** ***** ***** ***** ***** *****

「ちょっと!この騒動の首謀者は誰なの?」
突然、するどい叫び声が館内に響いた。
声がする方を振り向くと、事務員の服を着た女性が
入口方向からやって来るのに気が付いた。
彼女は紅葉が脱いだ服を押し込んだ布バッグを手にしていた。

「・・・これ、アンタのよね?コッチのおじさんたちもグルなの?」
女性職員の低い声と毅然とした態度が
高揚していた紅葉の気持ちを一気に現実世界へ引き戻した。
中年サラリーマンを含め、周囲の客はそそくさと去って行き
紅葉だけがその場に残された。
心が萎縮した紅葉の足は、期せずしてガクガクと震え出した。

「ちょっと事務所まで来てもらえる?今すぐに!」
彼女はそれだけ言うと、クルリと向きを変えて歩き出した。
いずれにせよ布バッグを返してもらわなければ帰ることが出来ない。
財布も、スマホも、免許証も、全て布バックの中なのだから。
「ひょっとして警察に通報されちゃうの?私、どうなるの?」
紅葉は溢れそうになった涙を堪え、必死で後を追った。



4.

「みんな。この騒ぎの張本人、連れて来たわよ」
女性事務員は紅葉を手招きし、従業員控室に入るよう促した。
控室の中には初老の男性が2人居た。服装からすると男性従業員なのだろう。
興奮が冷めた紅葉は、両腕で乳房と股間を隠したが
荷物を返してもらえないので全裸のまま控室に入った。

「もうダメだわ。自業自得とはいえ、秘宝館の従業員に見つかるなんて。
両親になんて説明したらいいの?
警察沙汰にでもなれば、大学も中退させられちゃう・・・」
紅葉は血の気の引いた頭で必死に考えたが
状況が好転する要因は全く思い浮かばなかった。

「ほう、この娘さんが久しぶりの『実行犯』か。ずいぶん若いな」
「それに結構美人だよね。お連れさんは?」
「それが居ないみたいなのよね。
それらしいのには囲まれていたんだけど、違ったみたい」
それらしいのとは、さっきの中年サラリーマンを指しているのだろう。
だが彼らはとっくに立ち去ってしまっていたし
もし残っていたとしても頼りになるとは思えなかった。

「ゴメンナサイ。心からお詫びします。ほんの出来心なんです。2度としません。
だからどうか警察沙汰にだけはしないで下さい。お願いします」
観念した紅葉はその場で深く頭を下げて、必死に懇願した。
「館長、どうします?」
女性事務員は最も年配の男性の方を振り返った。
「コチラとしても警察沙汰は不本意だが、無罪放免って訳にもいくまい。
こうなった以上、それなりの代価を支払わなければならないって事は
アンタ(=紅葉)にも分かるだろう?」
「なん・・・」
何でもします、と言いかけて、紅葉は言葉をグッと飲み込んだ。

「冷静にならなきゃ。私はもう素っ裸になっているのよ?
アソコを見られたリ写真に撮られたりする程度で済むなんて考えちゃダメ!
オチンチンを舐めろと言われても、SEXさせろと言われても
今の私には拒否出来ないんだから」
そう思うと、紅葉は急に自分が情けなくなり
乳房が露わになるのも構わず、こぼれ落ちる涙を何度も両手で拭った。
困惑したのは秘宝館の従業員たちの方だった。

「まいったな、クスリが効き過ぎたようだ。
何も無理矢理、アンタを服従させようってんじゃないんだ。
脅されたと感じたんなら、取り消して言い直そう。
コチラからの要望は『秘宝館の新企画に協力すること』なんだ」
「協力?」
館長の真意が分からず、今度は紅葉が困惑した。

「アンタもそう思っただろうが、ココの展示品はどれも古い。
懐かしさを憶える世代がいるうちはまだ良かったが
彼らの精力が衰えるに従い、来館者は減る一方だ。
令和の時代を生き残るには『新しい要素』を取り入れないとダメなんだ」
「とは言え、秘宝館の企画に参加するような若い女などいるハズがない。
風俗でもAVでも、もっと他に魅力的で稼げる場所があるからな。
だから損得ではなく、秘宝館の魅力に共感してくれるような
『エロス』を心から楽しめる若い女。そんな女が必要なんだ」
「その点、あなたは申し分ないわ。いいえ、理想的なくらいよ」
今日、紅葉が秘宝館を訪れたことは偶然なのに
従業員の思惑は、以前から一致しているようだった。

「でも、私に『協力しない』という選択肢はないんですよね?」
「たしかにその通りだが、もし君が今日のような事をしたいと思っても
そういった場所は、おそらく全国でも『熱海秘宝館』だけしか残ってないんだ。
残念ながら全国各所にあった秘宝館は、もうみんな閉鎖されてしまったからね」
「・・・」
「だったら、お互いの利害は一致していると思わないか?
コチラは、君が自分を解放させる場所を提供出来るんだから」
「秘宝館の魅力を後世に残したいんだ。協力してくれよ」
「あなたがいれば、それが出来るのよ」
いつの間にか、紅葉の方がお願いされる立場になっていた。

「もし彼らの申し出を拒絶して秘宝館の外に逃げ出せば
誰かに助けを求めることは出来るかも知れない。
でもそれは、自分から警察沙汰にするのと同じことじゃないの?
館内で自ら裸になったのは事実だし、そうなっては元も子もないわ。
むしろ、お互いの利害が一致している分
彼らの申し出に応じた方が、逃げ出すより良いのかも・・・」
紅葉が返事を決めかねていると、館長があらためて提案した。

「コチラは力尽くで屈服させる気はないし、SEXを強要したりもしない。
プライベートにも干渉しないと約束しよう。
そりゃあ、恥ずかしい思いをするのはアンタだし、リスクを負うのもアンタだ。
だけどアンタは好奇の目で見られるのを承知で
自ら服を脱ぎ、裸になったんだろう?
もし自分の『露出願望』を叶えるなら、秘宝館は最適な所だと思わないか?」
その一言で、紅葉はさっきまでの出来事を思い出した。

肌を露わにした自分に向けられた、性欲に満ちた視線。
トップレス姿やセミヌード姿を見られた時の高揚感。
そして『理性の鎖』を断ち切った全裸公開オナニー。
あの時の自分は間違いなく、露出願望を体現した『エロス』そのものだった。
もちろん紅葉もやり過ぎだったと思っているが
こんな事は秘宝館じゃなければ出来なかっただろう。

「具体的には、私に何をさせたいんですか?」
「急な話だから、詳細はこれから検討することになるが
まずはアンタのヌード写真や動画を
熱海秘宝館の『展示物』として使わせてもらうってことになるだろう。
撮影は私たちではなく、プロの写真家に頼むつもりだ」
「でも、秘宝館は写真ではなく立体造形。
それも実物大の展示物がメインだから
ゆくゆくはアンタから『人形の型』を取らせてもらえればと思っている」
「つまり、私の裸を型取りして展示するんですね?」
単純に型取りした物を展示するのか、誇張して加工されるのかは分からないが
そのまま使うとしたら、女性器を型取りする事も含まれるのだろう。

「自分の裸やオマンコが展示されるかも知れないなんて!」
もし実現すれば、紅葉にとっては罰ではなくご褒美に近かったが
知らず知らずのうちにそういう気持ちが表情に表れていたようだった。
「どうやら交渉成立、のようだな」
紅葉が頷くと館長は手を差し伸べ、二人はしっかりと握手をした。

「すっかり吹っ切れたようね。今はとても良い表情をしているわ」
「そうですか?自分では、今日だけでいろんな事が起きすぎて
まだ混乱している感じなんですが・・・」
「本当に?だってさっきから身体を隠さなくなったわよね?」
「えっ?あ、えーと、それは・・・」
指摘されるまで気付かなかったが
紅葉はずっと従業員に裸を晒し続けていた。
「私が秘宝館の『エロス』に魅せられたから、だと思います」
そう答えてから、紅葉は自分が発した言葉に身震いした。

「ああ、この背筋がゾクゾクする感じ!
やっぱり私には自分の裸を、
恥ずかしい姿を見られたいという願望があるんだわ」
紅葉は自分に向けられた従業員の視線を感じながら
あらためてそう確信した。

「だけど今日みたいに、次回も必ず全裸になれるとは限りません。
私が秘宝館の一員になれるように
初対面の人の前でも物怖じしないように、指導して下さい!」
紅葉はそう言うと、従業員控室のソファーに腰を下ろし
肘掛に両足を乗せて、自分の陰唇を広げて見せた。

「おおーっ!ご開帳だ。おっぴろげだ!」
「本当に館内でこんな姿を見せていたっていうのか?」
「ちょっと見て。淫汁が溢れてアソコがグチョグチョになっているじゃないの」
「まさに秘宝館に相応しい『エロス』を体現した女性だ!
俺たちが待ち望んでいた女性だ!」
紅葉の姿に従業員たちが歓喜する様子は
中年サラリーマンに脱いだパンティーを差し出した時を彷彿とさせた。

「では最初の指導だよ。
エロスに対して物怖じしないように、一番恥ずかしい姿をさらけ出すんだ。
乳首を突き出し、陰唇を広げ、快感に身を震わせる姿をさらけ出すんだ。
快楽に酔いしれる姿をさらけ出すんだ!」
館長の言葉にうなずいた紅葉は
右手の指先でクリトリスをこね回すようにオナニーを始め、喘ぎ声をあげた。

「ああっ、気持ちイイ!見られていると、恥ずかしいのに感じちゃいます!
でももっと見て下さい。『エロス』に魅せられた私の淫らな姿を。
どこも隠さず全て見せますから、オナニーで感じちゃう私を見て下さいっ!」
紅葉は右手の中指と薬指で膣穴を掻き回しながら
従業員たちの目を見て哀願した。
やがて紅葉は、全身を小刻みに震わせて再び絶頂に達してしまった。

***** ***** ***** ***** ***** *****

「私は秘宝館の一員になれたでしょうか?」
顔を上げた紅葉は、周囲を見回しながら言った。
「ああ、もちろんだよ。私たちはこれから君の『露出願望』を叶えるために。
そして熱海秘宝館を末永く存続させるために、協力を惜しまないと約束しよう」
館長の返事を聞いた紅葉は、笑顔で応えた。

「では、さっそく公式最初の1枚を!」
そう言いながら、男性職員の一人がカメラを取り出した。
従業員たちが紅葉を取り囲むように並ぶと
紅葉もソファーの肘掛に両足を乗せ直し
愛液で濡れた陰唇に指先を添えて、ピンクの膣壁を露わにした。
館内と控室の両方で、2度も全裸オナニーを披露した紅葉は
『理性の鎖を断ち切った露出狂』として覚醒し
恥ずかしい姿を見られることに全く躊躇しなくなっていた。

「本当に、そのポーズで良いのかい?」
「ええ。だってこの方が『秘宝館に相応しい姿』だと思いません?」
紅葉は足を広げたまま笑顔で応えた。
「これは本物の逸材だ。
今まで構想で終わっていた企画も、急に現実味を帯びてきたぞ」
カメラを構えた男性職員は嬉しそうにうなずきながら、シャッターを切った。
【おわり】





【あとがき】
今回の主人公:尾崎紅葉(おざきくれは)の名前は
明治時代の小説「金色夜叉」の作家:尾崎紅葉(おざきこうよう)
からいただきました。
熱海は、その「金色夜叉」の舞台です。

貧乏学生:間貫一(はざまかんいち)を裏切り
金持ちと結婚した許嫁:鴫沢宮(しぎさわみや)が、
熱海の海岸で貫一に許しを請うのですが
怒った彼が下駄を履いた足で彼女を蹴る場面が銅像にもなっています。

熱海秘宝館は現存する『実在の娯楽施設』です。
ネット上にはHPもあり、画像検索も出来ますが
基本的に館内は撮影禁止なので、ぜひ実際に足を運んでみて下さい。
そして、主人公が露出するきっかけとなった『珍木馬』に触り、跨ってみて下さい。

露出っ子の皆さんが秘宝館に行くなら
ぜひ全裸コート姿か、脱ぎやすいワンピースを着用して入館して欲しいですね。
上級者の露出っ子なら
主人公のように、館内で裸になってみる事をお勧めします。
来場客にここの読者がいたら
「おや、もしかして、あの投稿小説のモデル?」と思われるかも知れません(笑)。

秘宝館は『特別な場所』です。
ぜひ貴女にも『昭和レトロなエロス』を体験して欲しいと思います。



 今月号はいかがでしたでしょうか。
 こちらにアンケートを設けさせて頂きました。ご回答、よろしくお願いします。

期待通りだった
期待していたほどではなかった
イマイチだが次回に期待する
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