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   小説『絵画教室の純潔講師』

                              作;ベル

1.

美術大学を卒業して画廊に数年勤務した後
より多くの人に芸術を広めたい一心で、地元に絵画教室を開設し
デッサンや水彩画をはじめとする美術全般を教えている若い女性講師:結子。

生徒も少しずつ増え、経営自体は順調だったが
それは「2年目からはヌードデッサンの授業を受講出来る」という
開校当時からの約束が大きかった。
当初は経営が軌道にのるまでの『釣り文句』のような約束だったが
年齢を問わず、思いのほか熱心な生徒が集まり
地元のコンテストに入賞する者も輩出するほど順調な経営が出来ていた。

***** ***** ***** ***** *****

「結子先生。もうすぐ開設2年目を迎えますけど、あの約束は大丈夫ですか?」
その話題を最初に結子に尋ねたのは、意外にも女性の生徒だった。
彼女の年齢は、結子より5〜6歳年上の30代半ばくらいだったが
個別の会話ではヌードデッサンを描いた経験もあるらしい。
高校時代も美術部員だった彼女は、教室開設時からの生徒の一人だった。

「ええ。今も母校の恩師を介して、モデルさんを探しているわ。
でもコチラまで来てもらうとなると、なかなか見つからないみたいなの」
探している・・・というのはウソではなかった。
しかし学生時代のツテを当たってはいるものの
大学と地元とが離れているため、モデル役の目途は立っていなかった。

「だったら先生がモデル役をやってはどうですか?
若くてスタイルも良いし、何より絵画に精通していらっしゃるんですから」
「いえいえ、私なんてそんな・・・」
そうは答えたものの、モデル役が見つからなければ
場合によってはそうするしかない・・・と考え始めていた。
しかし結子には、苦い経験があった。

美術大学の学生時代に1度だけ
学生同士が交代でヌードモデルをやる機会があった。
しかしBカップしかない結子は
「美人でスタイルも良いけれど、女のくせに毛深いし
ヌードモデルとしての魅力がなかった」
と男子に言われていたと知り、ショックを受けたことがあった。

「私の生徒さんたちから、そんな事を言われるとは思わないけれど
口には出さなくても、もしそんな表情をされたりしたら・・・」
結子にとっては、生徒たちの前で裸になることよりも
自分の裸を見てガッカリされることの方が怖かったのだ。
「もう一度、大学のゼミに電話してお願いしてみよう。
それでも目途が付かなければ、その時は・・・」
結子はスマホに登録してある恩師に電話を掛けた。



2.

「結子先生、あの件のモデルさんは見つかったんですか?」
別の日、授業を終えた結子にそう尋ねたのは、男性の生徒だった。
40代後半の彼は、絵画の腕前はなかなか上達しなかったが
学ぼうとする意欲は旺盛で、一度も授業を欠席したことがなかった。

「ええ。昨夜もモデルさんを探してくれている母校の恩師に電話をしたわ。
でもコチラまで来てもらうとなると、なかなか見つからないみたいなの」
実は恩師には、希望日までには見つからないだろうと告げられていた。
それどころか良い機会だから君がモデルをやってみては?とまで言われていた。
「やっぱり大学と地元とが離れているから、しょうがないわよねぇ」
結子があきらめたように首を振ると、男性の生徒がいたずらっぽく言った。

「だったら先生がモデル役をやってはどうですか?
若くてスタイルも良いし、何より絵画に精通していらっしゃるんですから」
「いえいえ、私なんてそんな・・・」
そうは答えたものの、全く別の生徒から同じようなことを言われて
いよいよそうするしかない・・・と思い始めていた。

「まあ、無理強いするつもりはありませんから、安心して下さい。
モデルさん、早く見つかると良いですね」
彼はリュックを背負うと、手を振って帰って行った。
「でも、開設当時からの約束を反故には出来ないし
学生時代の『苦い体験』を私が克服する機会になるんだったら・・・」
こうして結子は、自らモデル役を務める決意をした。



3.

「今日は皆さんにお話があります」
その日の授業を終えて、そう切り出したのは結子からだった。
「この絵画教室も、もうすぐ開設2年目を迎えます。
学生時代に美術部だった方とか
デザインに関わる仕事をしている方ばかりでなく
この教室で初めて絵画を学ぶという方もいらっしゃいましたが
皆さんに共通しているのは『美術に対する姿勢』だと思います」
大きく頷いたり、照れくさそうにしたりと
生徒たちの反応は様々だったが、結子は話を続けた。

「皆さんの『美術に対する姿勢』は、立派だと思います。
だからこそ、私も開設当時からの『約束』を果たそうと準備していました」
「それはヌードデッサンの授業のことですか?」
「・・・はい。当初は人を集める目的で提示した条件でしたが
年齢を問わず、今この教室にいる人たちは
熱心な生徒さんたちばかりだと思っています。
それはコンテストに入賞していない人も含めてです」
結子は生徒たち一人一人に目を向けて話を続けた。

「だからこそ私は、皆さんにヌードと接する機会を設けたい。
芸術としてのヌードを、皆さんの感性で描いて欲しい。
あたらめてそう思いました」
「という事は、モデルさんが見つかったんですね?」
「・・・いいえ。出来る限りのツテを当たりましたが、見つかりませんでした。
なので、私がモデルを務めます」
「えっ?」
生徒たちは目を丸くして、結子の顔を見つめた。

「多少の準備期間が欲しいので
来週のこの授業をヌードデッサンの授業とします。
なお、私がモデルを務めることは、他のクラスの人には話さないで下さい。
彼らにもいずれ、ヌードデッサンを描く機会を設けるかも知れませんが
その時はちゃんとしたモデルさんが見つかるかも知れませんので」
「話さないことは約束しますけど、本当に結子先生がモデルを?」
生徒の一人が問い掛けると、結子は黙って頷いた。



4.

それから結子は、ヌードモデルの準備を始めた。
美術大学出身なので、結子にも多少は知識があった。
例えば、下着の跡がつかないよう
モデルは前日から下着やストッキングを着けないとか
デッサン当日も、バスローブのような肌に優しい服装を選ぶとか。

しかし結子には、Bカップしかないという理由の他にも
モデルを務めるのに躊躇していた理由がもう1つあった。
彼女の陰毛は、太くちぢれた『剛毛』なのだ。
髪や全身の体毛は普通だと思うが、陰毛だけが濃く密集し
陰唇の回りまでしっかりと生えていた。

「だけど、そのために脱毛までするのは不自然だし・・・」
悩んだ末、結子は陰毛に一切手を加えないことにした。
その代わり、何度も風呂に入り、髪を洗い、肌の手入れをしつつ
バランスの良い食事と十分な睡眠を取って、当日に備えた。

デッサン当日、結子はゆったりとしたワンピース姿で
イーゼルスタンドや画材を用意しながら、生徒たちを待った。
一人、また一人とやって来る生徒たちは
いつもと違って緊張した面持ちで結子に会釈し、デッサンの準備をした。
結子は一旦控室に戻ると、バスローブを羽織って再び教室に戻った。

「全員、揃いましたね?それでは、ヌードデッサンの授業を始めます。
休憩を挟みながら、20分を3セット。私は3回とも同じポーズをとります。
最後は作品を一旦回収し、しっかり見させてもらった上で
翌週の授業で、それぞれの作品を講評します。良いですか?」
結子はなるべく普段通りの説明を心掛けたが
緊張のせいでやや早口になっているのが自分でも分かった。

「では、始めましょう」
部外者は誰も来ないと分かっていても、結子は教室の扉にカギを掛けてから
教室の隅でバスローブを脱ぎ、椅子の上に畳んで置いた。
「おおっ」「すげぇ、本当に素っ裸だ」
結子が振り返って、教室の中央の丸椅子に向かい
彼女の一糸纏わぬ姿が露わになると
それまで冷静に振る舞っていた生徒たちも、思わず息を飲んだ。

「あの、結子先生?・・・前貼りはしないんですか?」
そう結子に尋ねたのは、元美術部員の女性だった。
彼女はヌードデッサンを描いた経験もあるので、違和感を感じたのだろう。
「・・・(そうだった。モデルさんはそうしていたっけ)」
しかしココで動揺するわけにはいかないと思った結子は
ニコッと笑ってこう返した。

「ええ、前貼りはしません。
先週、私は『皆さんにヌードと接する機会を設けたい』と言いましたが
出来るだけ人為的な物を排した、ありのままの自然な裸を描いて欲しいんです」
結子はそう言いながら丸椅子に腰掛けた。
「さあ、書き始めて下さい。残り時間は限られていますよ」
結子が足を組んでモデルっぽいポーズをすると
生徒たちはようやくその姿を描き始めた。



5.

20分後、最初の休憩時間になり、結子は姿勢を崩した。
いざデッサンが始まると、遠慮がちだった視線も真剣な眼差しに変わったが
休憩となった途端、女性はあまり結子の姿を見てはいけないという感じに戻り
逆に男性は見ていない振りをしつつ
結子の乳房と股間に視線を戻してしまうのだった。
しかし結子は休憩中も控室には戻らず
バスローブも羽織らずに、そのまま生徒たちの作品を見て回った。

「うーん、細部にこだわり過ぎている気がするわね。
全体像を先に決めておかないと、バランスが悪くなってしまうわ」
「こちらはバランス的には問題なさそうね。
でも印影は後からでもつけられるから、スピード感を上げて描きましょう」
デッサンの時、結子と生徒たちはある程度離れて座っていたが
彼女は全裸になっているにも関わらず
いつもの授業と同じように、生徒たちの制作過程をチェックして回った。

「結子先生。僕たちの方は構いませんが
その姿のまま僕たちに、こんなに近付いても良いんですか?」
そう尋ねたのは、結子がモデル役をやってはどうかと言った男性だった。
彼はヌードのまま近寄って来た結子に、違和感を感じたのだろう。
「・・・(そうだった。つい、いつもの授業と同じようにしちゃってたわ)」
しかしココで動揺するわけにはいかないと思った結子は
ニコッと笑ってこう返した。

「ええ、問題ありません。
ヌードデッサンは芸術活動ですから
裸になっている姿を見られることは、恥じることではないんです」
結子はそう言いながら、再び丸椅子に腰掛けた。
「さあ、描き始めて下さい。残り時間は限られていますよ」
結子が足を組んでさっきと同じポーズをすると
生徒たちはようやくその姿を描き始めた。



6.

20分後、2回目の休憩時間になり、結子は姿勢を崩した。
デッサンが進むにつれ、遠慮がちだった視線も真剣な眼差しに変わり
休憩となっても、結子の姿を見てはいけないという感じにはならず
作業を続ける生徒もいるくらいだった。
男性は結子の乳房と股間に視線を向けがちではあったが
女性は休憩中も控室に戻らない結子に積極的に話しかけて指導を請い
彼女もまたバスローブも羽織らずに、生徒たちの作品を見て回った。

「うん、バランスも良くなって全体像を掴めているわ。
あえて細部にこだわらず、この感じで進めて行きましょう」
「こちらはスピードを意識したおかげで、だいぶ進んだわね。
バランスが良いから、線を重ねて強弱をつけた描き方を意識しましょう」
2回目の休憩時間でも、結子はいつもの授業と同じように
全裸のまま生徒たちの制作過程をチェックして回った。

「結子先生。私たちの方は構いませんが
その姿のまま絵を指導しようと私たちに近付くと
時々、先生の胸が腕に触れてしまうんですが、それは気にならないんですか?」
そう尋ねたのは、結子の父親くらいの年齢の男性だった。
彼も裸のまま近寄って来る結子に、違和感を感じたのだろう。
「・・・(そうだった。つい、いつもの授業と同じようにしちゃってたわ)」
しかしココで動揺するわけにはいかないと思った結子は
ニコッと笑ってこう返した。

「ええ、問題ありません。
ヌードデッサンは芸術活動であり、非日常な時間でもあります。
そこから皆さんが何を感じ取り、どう表現するか。
大切なのはそれぞれの感受性で、それ以外は気にしなくて構いません。
でも、もし私の胸が当たって不快な思いをしていたのなら
お詫びしなくちゃいけませんね」
結子はそう言いながら、再び丸椅子に腰掛けた。
「不快だと思ったことなど一度もありませんよ」
「では、描き始めて下さい。残り時間は限られていますよ」
結子が足を組んでさっきと同じポーズをすると
生徒たちはようやくその姿を描き始めた。



7.

普段から慣れ親しんでいる、若くてスタイルの良い女性が
目の前で全裸になっているという状況に、生徒たちも戸惑いはしたが
結子がモデル役と同時に講師役も担い
いつもと変わらない態度で授業を進めるので
次第に生徒たちもこの状況を受け入れ
真剣にデッサンに取り組むようになっていった。

「ヌードデッサンと写真との最大の違いは
そこに『描き手の思い』が込められるという点です。
モデルの姿を描写しながらも、清楚な雰囲気や恥じらいを表現したり
あるいは性的な要素を一切排した表現にすることも出来るのです」
結子は顔を上げつつ、生徒たちと視線を合わさずに
モデル兼講師として彼らに語り掛けた。
いつもと同じように生徒たちに語り掛けていたのも
結子自身が何か話していないと落ち着かないからだった。
だが、結子は平静を装っていたものの
実はバスローブを脱いだ時から、性的な興奮がジワジワと高まりつつあった。

「・・・(本職のヌードモデルの人は、どうやって平常心を保つのしら?
モデル探しをあきらめたのは、やっぱり間違いだったのかも)」
実際にヌードになってみると、冷静であろうと思っているのに
結子の心臓の鼓動は次第に早くなり
普段はやや陥没気味の乳首が、今は大きく突き出していた。

「・・・(もし興奮しているのを見抜かれたら、絵画教室を続けられなくなるかも)」
しかし、しばらくすると結子は
自分が興奮していることに気付いている生徒がいるのではないか
という考えが頭に浮かんだ。
別に何か根拠があった訳ではなく、誰もが熱心に描き続けていたのだが
一度そう思ってしまうと、不安に歯止めが利かなくなった。

「・・・(ヌードモデルが見つからない以上、開校当時からの約束を守るためには
私がその役目を負うしかないと決断したけれど
私が生徒さんたちを相手に、自分の裸やアソコを見られたくて
わざと前貼りも用意しなかった・・・と思われているのだとしたら!)」
その瞬間、結子の子宮はキュッと締まり、背筋がゾクゾクしてきた。

「・・・(あ、ヤバい!想像し過ぎてイッちゃいそう!
でも今は、生徒さんたちが見ているこの状況ではマズいって!)」
こうしている間も、誰もが結子の姿に集中しながら熱心に描き続けているのだ。
本当に気付いている生徒がいなくても、目の前でイッてしまえば
間違いなく異変に気付かれてしまうに違いない。

「・・・(身体を触っている訳でも、足を開いている訳でもないのに!)」
むしろ何か原因があるなら、それをやめれば良いだけなのだが
何もしていない結子には抗う術(すべ)がなかった。
一方、結子の様子を心配した生徒たちの何人かは手が止まっていた。
「・・・(みんな見てる。でも、もうダメ!)」
結子は足を組んだポーズのまま目をギュッと瞑り、小刻みに身体を震わせた。

「結子先生、大丈夫ですか?」
一番近くに座っていた男性がおそるおそる声を掛けた。
おそらく彼は、何が起きたのか気付かなかったからこそ声を掛けたのだろう。
むしろ同性である女性の何人かは、何がどうなったのかを察したようだった。
しかしココで動揺するわけにはいかないと思った結子は
時計に目をやり、ニコッと笑ってこう返した。

「皆さんは私から・・・、目の前の私の姿や様子から
私が今、どんな『気持ち』でいると思いますか?」
「結子先生の気持ち?」「どういう気持ちなんですか?」
終盤になって妙なことを言い出した意図を探ろうと、生徒たちはざわめいた。

「でも、それを答えてしまう訳にはいきません。
モデル側ではなく、描き手側が受け止めた『印象』を描いて下さい」
結子はそう言いながら、丸椅子に深く腰を掛け直すと
再び足を組んだ姿勢に戻した。
「それぞれが感じたままに描いて下さい。残り時間はあとわずかですよ」
結子が生徒たち一人一人の顔を見回すと
生徒たちも一斉にデッサンの仕上げに取り掛かった。



8.

「お疲れ様でした。今日のデッサンの時間はココまでです」
結子が終了を告げると、教室の緊張感が一気に緩んだように感じた。
「では、皆さんの作品は一旦お預かりします。
個別の評価や注意点は、来週のこの授業で講評会を行います」
結子は最後まで講師の立場を保ち続け
バスローブも羽織らないまま、生徒たち全員が教室を去るのを見送った。

「描き手側が受け止めた『印象』を描いて下さい・・・だなんて
最後の言い訳は強引過ぎたかしら?
でも見られるだけであんなに興奮してしまうなんて、想定外だったわ」
結子はあらためて、ヌードモデルを務め終えたことを振り返りつつ
生徒たちの作品を見つめた。

どの作品も個性があって魅力的だったが
ほとんど見えていなかったハズの陰毛を、誰もがしっかりと描いていた。
その中でも、高校時代も美術部員だった女性の作品は
結子の表情が秀逸で、恍惚の表情で描かれていた。
「ああ、やっぱりね。彼女には何が起きたのか、伝わっていたんだわ」
しかし今回のヌードデッサンの授業を後悔していなかった。
むしろ不慣れなヌードモデルを務め終えた充実感すら感じていた。

「実際に、どこまで見えちゃっていたのかは分からないけれど
コンプレックスだった乳房や陰毛まで全てさらけ出したことで
結果的に、私自身の過去を克服出来たような気がするわ。
そういう意味では、ちょっと自分に自信が持てた授業だったかもね」
生徒たちが最後まで好意的だったこともあり
結子は心の殻を破ったような達成感で満ちていた。
しかし同じ頃、帰宅したハズの生徒たちは
全員が揃って居酒屋に集合していた。

***** ***** ***** ***** *****

「いやぁ、大胆だったな。結子先生。前貼りナシのスッポンポンだもんな!」
「本当よね。若いってだけじゃ、あそこまで出来ないわよ」
「やっぱり絵画教室の開設当時からの『約束』だったから
今さらモデルが見つからないなんて、言い出せなかったんじゃないかな?」
「いやいや。美術学校の学生時代から、モデル役を数多くこなして来たんだろう。
彼女はヌードモデル経験が豊富だったってことさ」
「俺もそう思う。『モデルが見つからない時は私が』って思ってなければ
あんな『約束』は最初からしてないって」
「そうかしら?恥ずかしがっていた態度は本物で
ヌードになった経験が少ないせいなんだと、私は思ったんだけど?」
「だったら必死で足を組み続けたと思うよ?
それなのに休憩中もスッポンポンのままだ。これをどう説明する?」
「確かに、裸を見られるのが嫌だったら出来ないことばかりだったわね。
最後の方で、身震いした時の結子先生の表情は
恥ずかしい気持ちよりも嬉しいという気持ちの方が
勝っていたように見えたのよねぇ」
「いいや、それは違う。結子先生が芸術に対して『純潔』だから、
けがれない清らかな心で芸術に向き合っている彼女だから
嫌な思いをするかも知れないモデル役を、自分で引き受けることにしたんだよ。
でなければ、顔見知りの僕らの前でヌードになんかなれないよ」
「モデルをする状況に追い込まれて、素質が開花したっていう可能性もある。
私、この推理にはけっこう自信があるんですよ」
お酒が入っているせいもあり、彼らは好き勝手な感想を言い合っていた。

「もともと結子先生は美人だなぁって思っていたけれど
いずれにせよ、今日ほどこの教室を続けていて良かったと思った日はないよな」
「そうだな。来週の授業が楽しみだ。
結子先生は講評会でも裸になってくれると、俺は信じているぜ」
「もしそうだったら、私たちも冷やかしたりせずに、結子先生を応援しましょう」
「もちろんさ。こんな素敵な先生には、二度とお目に掛かれないだろうしな」
「結子先生が気持ち良く脱げる環境を作るのが、芸術仲間の礼儀ってもんだ」
「異議な〜し!では、我らが結子先生に乾杯っ!」
「カンパ〜イッ!」
果たして、来週の授業はどうなるのか?それはまた、別の機会に。
【おわり】

***** ***** ***** ***** *****

(あとがき)
昔、「芸術のためなら、私脱げます」と言った女優さんがいたらしいですね。
誰が言ったか知りませんが、おそらく昭和時代の映画作品とかで
監督かプロデューサーに詰め寄られた場面での発言ではないか、と思います。

しかし現在では、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の普及により
自分の裸を見せて稼ぐ手段は単純に増えただけでなく
ヤクザや業界関係者などに「中抜き」をされないという利点があり
AVや風俗店で働くよりは、Fantia(ファンティア)やX(旧Twitter)などに
女の子という人材が流出しているとかいないとか(笑)
本来は、クリエイター支援型のプラットフォームだったサービスですが
多くの人から認知されれば、怪しい人に騙されない分
良い稼ぎになるのかも知れません。
(Fantiaは、裸にならないコスプレーヤーさんも利用していますよ)

今回の主人公:結子は、『芸術』を理由に人前で裸になる・・・という
どちらかと言えば昔ながらの展開でしたが
やはりSNSではなく、直に裸を見られる方が
露出行為の魅力に気付けるのではないかと思います。
今でもヌードモデルという仕事はありますから
裸を見せるという体験は、若いうちにやってみても良いのでは?

もし露出っ子の皆さんが、ヌードモデルをやってみたいと思うなら
【デッサン・フォト撮影に出演するアートモデル】を募集している業者に
問合せをしてみてはどうでしょうか?
この場合、所属モデルとして仕事をするので
SNSよりも業者を介した方が安心だと思います。
ただし、単発の仕事料はそんなに高額ではないようです。
また、デッサンよりも写真モデルの方が、2倍くらいの報酬になるようです。
個人的には美術大学のヌードモデルをやると
学園祭で作品を見る機会がありそうなので、オススメなんですけれどね(笑)

もしヌードモデルを体験した露出っ子がいましたら
ぜひ体験告白を投稿して下さいね(笑)
【ベル】



 今月号はいかがでしたでしょうか。
 こちらにアンケートを設けさせて頂きました。ご回答、よろしくお願いします。

期待通りだった
期待していたほどではなかった
イマイチだが次回に期待する
もう読まない

その他 ご意見ご感想が頂ければ幸いです。