露出小説お姉ちゃんのキッス 作;ベンジー 第八章 お姉ちゃんがカノジョでいいの?(後編) 6 由衣が、ラブホテルの内装を見るのは初めてだった。 オレンジ色を基調にした照明は暗めで、壁には、大きな薄型テレビが掛けられていた。部屋の片隅にはステージが設置され、マイクスタンドが二本、立っていた。 部屋の真ん中にはダブルベッド。由衣と悠人のベッドを並べたよりも、大きそうだ。 由衣は両手で、悠人の二の腕を掴んだ。 隣にいるのが一輝だったら、由衣は部屋から逃げ出していただろう。もちろん、一輝がそれを許してくれればの話だが。 「お姉ちゃん……」 悠人が、向き直る。何か言おうとする前に、由衣は先を切った。 「お風呂、入れてくるね」 一人でバスルームに入る。 浴槽は、二人で一緒に入れるようにできているのだろう。ダブルベッドを、そのままバスタブにしたようなものだった。 由衣は、コックを捻ってお湯を注いだ。 立ちこめる湯気で、バスルームが霞んでいく。このお湯がたまったら、悠人と二人で入ることになるのだろう。 由衣は、瑞穂と一輝のキスシーンを思い出していた。 (お手本だなんて。悠人と私は姉弟なのに……) 今日一日の気持ちは何だったのか。 一輝の積極的なアタックは、正直、悪い気がしなかった。悠人以外の男の子に手を曳かれて、遊園地を歩き回る光景を、思い浮かべたことも一度や二度ではない。 それでも、不安のほうが大きかった。悠人の顔色ばかり、気にしていた。 悠人には、瑞穂がべったりと貼り付いていた。 由衣の胸がチクチクと痛んだ。弟にカノジョができるかもしれないのだ。本来なら、もっと応援してあげなければならないはずなのに。 由衣と一輝、悠人の瑞穂がペアになる度に、由衣は居心地の悪さを感じた。 瑞穂が上級生ぶって悠人の世話をやく姿を見れば、自分の役目なのにと瑞穂を恨んだ。 (私は、悠人を愛している……?) 由衣は「そんなのムリよ」と頭を振った。 ――ファーストキスがまだなんて、順番が逆じゃない 瑞穂に言われるまでもなかった。 心の奥底では、悠人にキスをしたいと願う由衣がいた。 ファーストキスは、大好きなカレシとするもの……そう思って、今まで悠人のキスを拒んできた。 (なんで悠人ではいけないの。こんなに大好きなのに) 押し込めていた気持ちが押さえきれない。「でもダメ。悠人は弟なんだから」と、由衣は、もう一度、大きく頭を振った。 救いのない堂々巡りを続けている内に、バスタブのお湯が溢れていた。 ソックスに染みる熱さに、由衣は「きゃっ」と悲鳴をあげた。 立とうとして足を滑らせ、タイルにお尻を付く。ワンピースの裾からお尻までがお湯に浸かり、下着まで染みてきた。 「お姉ちゃん、どうしたの?」 悠人が飛び込んで来た。 状況を理解した悠人に、由衣は後ろから抱き上げられた。 悠人が片手でコックを閉じると、由衣を脱衣場まで連れていく。これでは、どっちが年上だかわからなかった。 「ソックス、乾かさなくちゃね」 由衣は、悠人に促されるまま、片足ずつ上げてソックスを脱がされた。 悠人は、濡れたソックスを絞って、洗面台の角に広げると、 「ワンピもかあ」 チラっとだけ、由衣の顔に目を留める悠人。「何をするつもりなの」と思いながらも、口に出さない由衣。 悠人が背中に回り、ワンピースのホックを外した。 ファスナーを下ろし、裾をまくり上げる。 「えっ?」と思っている間に、ハイネックTごと、頭から抜き取られてしまった。 「お姉ちゃんに、何もしないって約束なのに……」 下着姿の由衣は、胸の前で、両手を交差させた。 「だって、どうせハダカになるんでしょ」 悠人は、脱がした服を、ソックスの脇に広げていた。由衣の視線を、背中に感じているのだろうか。 悠人が、振り向いた。 「ねえ。ボク、下着も脱がしたい。いいでしょ」 「ええっ!」と声にした時には、悠人に抱きつかれていた。正面から手を伸ばし、由衣の背中でブラジャーのホックに手を掛けた。 「これ、どうなってるんだ」 由衣は戸惑いを隠せない。ハダカは何度も見せているが、自分で脱ぐのと、脱がされるのでは、ぜんぜん違う。 胸の締め付けが外れ、悠人が、肩ひもを滑らせた。 カップを押さえた由衣だが、悠人の目に催促されて手をどける。ブラジャーが、由衣の身体から離れた。 「こっちも濡れちゃったね」 あくまでも無邪気な悠人だが、由衣は「ひゃあっ」と後ずさりした。 ちょっとした勘違いだ。 悠人はパンツが濡れていると指摘したのだろうが、由衣は、女の子の部分に甘い疼きを感じていた。 (ブラを脱がされて、濡れるなんて……) 由衣は、自分の身体が信じられない。「どうして?」と考える間もなく、悠人の手がパンツに掛かった。 「ダメよ、悠人。自分で脱ぐから……」 由衣は、片手で胸を隠したまま、もう片方の手でパンツを押さえた。 「ダメじゃないよ。お姉ちゃんは、ボクのモノなんだから」 いつになく強い語調に、由衣はたじろいだ。 悠人が一気にパンツを下げた。 「いやぁああああああーー」 脱衣所のマットの上に、由衣は座り込んだ。股間の飾り毛を隠そうとすれば当然の行動なのだが、却ってパンツを足から抜き易くさせてしまった。 「お姉ちゃんのパンツって、こんなに小さいんだね」 悠人が、指先で摘んで見せた。 「やだぁ、もう。返して」 全裸になってしまった由衣は、手を伸ばすこともできない。 「ダメだよ。干しておかなくちゃ」 悠人は、洗面台にブラジャーとパンツを並べた。 由衣は、パンツに恥ずかしい染みを作っていないか心配だったが、すでにワンピースごと、バスタブから溢れたお湯でビショビショになっていた。 服を着た悠人の足元に、ハダカでうずくまる由衣……悠人に脱がされてしまったのだ。 二人の立場が変わってしまった。 ――お姉ちゃんは、ボクのモノなんだから 由衣は、本当に、そうなってしまったのだと思う。ラブホという特別な空間だからだろうか。縛られてもいないのに、由衣は悠人の思うがまま。 もう、何もしない約束なんて、通用しないだろう。 「ボクもハダカになるね」 隣で悠人が脱ぎ出した。由衣とお風呂に入るためなのだが、由衣はまるで、これからエッチする相手を待っているような心境だった。 「お姉ちゃんを脱がしてたら、こんなになっちゃった」 ハダカになった悠人の股間から、硬直したおちんちんが、いきり立っていた。 由衣は、右手をおちんちんに添え、口を近づけていた。その、あまりにも自然な動作に気づき、由衣は顔が火照った。 (やだぁ、私ったら何を……) 悠人が腰を低くしたかと思うと、由衣は、全裸のまま抱き上げられた。 「きゃっ、何?」 いわゆるお姫様抱っこというやつだ。 悠人は、バスタブまで歩いていく。由衣は、悠人の首に手を回した。素肌が触れあっていた。普通のカップルならば、よくある光景かもしれない。 二人は、身体を洗うこともなく、そのままお湯に身を沈めた。 少し熱かったが、気持ちはリラックスしていた。 手足を伸ばしても、十分なほど大きな浴槽だった。由衣は悠人にも寄り添い、バスタブの縁に頭を乗せ、目を閉じた。 睡魔に誘われた刹那、由衣の唇に、柔らかな温もりが触れた。 すぐに、キスされているのだとわかった。 悠人には「カノジョとしてね」と拒んで来た由衣だが、不思議と避けようとはしなかった。むしろ、積極的に受け入れようとさえしていた。 瞳を閉じ、招き入れるように唇を開く。 悠人の舌が、口の中に入って来た。由衣の舌先と触れ合う。お互いに、それ以上はどうしたら良いのかわからない。 暗闇で手探りするように、舌がもつれる。 最初は遠慮ぎみだった悠人の舌も、次第に活発さを見せ始めた。歯の裏側を舐め、上あごの内側まで伸ばす。喉の奥まで入り込みそうな勢いだ。 由衣の口の中を、余すところなく這い回ると、悠人の唇が離れた。 悠人が、由衣の隣に、身体を投げ出した。 「キス、しちゃったじゃない」 由衣は、ボソッと声にした。 「ゴメンよ。でも……」 「キスはカノジョとしてって、言ったのに」 受け入れてしまった後では、説得力がないのもわかっていた。 「だってボク、お姉ちゃんとキスしたかったんだ」 悠人は身体を起こし、由衣の馬乗りになる。両手をバスタブに付いて由衣を見つめた。 「お姉ちゃんは、悠人のお姉ちゃんなんだよ」 「でも、お姉ちゃんが好きなんだ。毎日、エッチだってしているし……」 悠人が真剣な顔つきで訴えてくる。 「いくら好きでも、お姉ちゃんとは、結婚できないんだよ」 「それでもいい。後のことなんかわからないよ。今はお姉ちゃんが一番好き。お姉ちゃんと一緒にいたいんだ」 悠人が、男の子の顔になっていた。 由衣は、胸に重みを感じた。 (何だろう。こんな気持ち、初めてだ) 今まで由衣の後ろから追いかけてきた弟が、はっきりと自分の考えを持ち、意志を伝えてきた。悠人がたくましく見えた。 悠人が目を離さない。由衣も離すことができない。 もう一度、唇を重ねてきた。 抵抗するどころではない。由衣も普通に応えた。恋人同士のするキスと、何ら変わりなかったことだろう。 お湯の中で、二人の裸体が絡み合った。 「お姉ちゃん、しよう」 悠人が、由衣の股間に手を伸ばして来た。 由衣の返事も聞かずに、身体を求める悠人。わがままなところだけ弟のままだった。 「ここでするの?」 「うん、もうガマンできないよ」 悠人が、由衣の足を持ち上げ、その間に身体を割り込ませた。 「ダメよ、悠人。ここではダメ」 「何でだよ。キスだってしたのに」 「だからここではダメ。するなら、ベッドに連れて行って」 由衣は、悠人の首に両手を絡めた。 もう身体を洗っている余裕はない。悠人に抱き上げられ、脱衣場まで連れて行かれた。バスタオルで乱暴に身体を拭かれた。 いつもなら、由衣が悠人にしている行為だ。 悠人は、自分の身体も大雑把に拭くと、由衣をまた、お姫様抱っこで抱え上げた。 由衣は、大きなダブルベッドの真ん中に下ろされた。 「意外と、強引なのね」 布団に潜り込み、悠人が上になって肌を合わせる。 自然な動作で、由衣は両手を悠人の背中に回した。ハダカで抱き合うのは、初めてだ。ロープで縛られていない分、新鮮だった。 胸がときめく。悠人の顔を見るのも恥ずかしい。 こんなにドキドキするなんて。 まるで、今日が初めてのセックスのようだ。 「好きだよ。お姉ちゃん」 悠人の言葉が、胸の奥深くに染みていく。 昨日までは「お姉ちゃん、大好き」と言っていた悠人。ただ順番が逆になっただけだと言うのに、全く別の意味に聞こえるのは気のせいだろうか。 「私もよ。悠人」 由衣も、言葉を返していた。 三度目の唇を重ねようとする悠人。由衣は、悠人の口を両方の掌で塞いだ。 「お姉ちゃんがカノジョでいいの?」 一瞬、戸惑った様子を見せた悠人だが、すぐに最高の笑みに変わる。 「もちろんだよ。お姉ちゃんがいいんだ」 曇りのない瞳で見つめられ、由衣の心をしっかりと掴まれた。もう逃げることはできない。見えないロープで、全身を縛られてしまったようだ。 「ああ、悠人……」 まだ愛撫も受けていないのに、由衣の吐息にあえぎが混ざる。悠人の唇に当てられていた掌は、左右に分かれ、悠人の頬を滑っていく。 「お姉ちゃん!」 重なる唇。 誰も止める者はない。由衣は素直に受け入れた。 二人の唇が合わさる。悠人の舌が割り入りって来る。押し返さんばかりの勢いで、由衣は迎え撃つ。 もつれ合う舌と舌。互いの唾液が混ざり合う。 誰に教えられたわけでもないが、由衣にとっては最高の口づけだった。 悠人の唇が頬に流れ、由衣の顔を這っていく。 頬から目尻に、目蓋に、額にと、唇の感触を残していく。まるで、これは全部、自分のモノだと言わんばかりに、キスの軌跡を残していく。 小さくても、甘い痺れを残すキス。 何度、されたかわからない。 キスの数だけ、悠人を好きになっていくようだ。 悠人の唇が、眉間から鼻筋を通り、鼻の頭で「チュッ」と音を立てた。 「あーん、もう……」 由衣は「イタズラ好きなんだからぁ」と続けたかったが、声にならない。口を塞がれてしまった。 主導権は、完全に悠人のモノだ。 口内深く、唾液を混ぜ合わせた後、悠人の唇は反対側の頬を伝って耳元に降りていく。耳の裏側に舌が這う。 くすぐったいようで、それでいて身体の奥まで痺れさせる刺激が、背筋を走る。 性感帯というのだろう。由衣は、耳で感じていた。 「はっふぅ……うーん」 由衣が首を捻る。悠人の舌が追いかける。捕まるのは時間の問題だ。唇で耳たぶを挟まれ、外周を舌で舐められる。 ゆったりとした動作で舌を這わせていた悠人だが、一回りすると耳たぶの内側に侵入してきた。 「あっ、イヤっ」 肩を揺すって逃げようとする由衣。 感じているのは見え見えだった。そうした反応に気を良くしたのだろう。悠人は耳の穴の奥にしゃぶり付く。 舌先を尖らせて、最深部をチロチロと突いた。 「はぅううう……あ、あーん……」 耳を舐められただけで、こんなになるなんて。気持ち良さが全身に広がり、脳天まで戻って来る。頭がおかしくなりそうだ。 身体がドンドン火照っていく。 身体の内部で神経が繋がっているのだろう。耳たぶで得た快感が、乳首を勃たせ、女の子の秘苑を湿らせる。 外側からの刺激を求めて止まない。 それなのに悠人は、首から下に触れようとしない。堅くなったおちんちんを、下腹部に押し付けているだけだ。 おっぱいを揉んで欲しいのに。 乳首を吸って欲しいのに。 アソコをいじって…… (私ったら、何て恥ずかしい女の子なの) 由衣は、全身にあふれるもどかしさに、頭を振った。 両手が自由だからと言って、オナニーをするわけにはいかない。悠人に愛撫して貰うしかないのだが、このままでは生殺しだ。 「悠人……」 それ以上、何を言おうというのか。 由衣は、口をつぐんだ。「お姉ちゃんを気持ち良くして」と頼むなんて、恥ずかし過ぎる。 悠人は、相変わらず耳たぶをくわえていた。 「ああーん、悠人のイジワルぅーー」 由衣は、背筋を反らした。 「どうしたの? お姉ちゃん」 耳にかかる息もこそばゆい。悪気はないのだと、由衣は思った。それだけに、どうしたら良いか、わからない。 「お姉ちゃん、ハダカなんだよ」 由衣は、それだけ言うと、両手で顔を覆った。熱いお風呂でのぼせた時以上に頬を火照らせ、「これ以上言わせないで」と祈っていた。 「身体も……触って欲しいの?」 悠人が上体を起こし、由衣を見下ろす。由衣は「バカぁ」と顔を背けた。 「そうなんだね。ボクの愛撫で感じてくれたんだ。身体が疼いてるんだ。お姉ちゃん、今、エッチしたくてたまらないんだ」 悠人が早口になっていた。 由衣を、より辱める言葉だと、悠人は知らない。思ったままを口にしていた。由衣が感じていることを喜んでいた。 悠人の素直さに比べたら、由衣の恥じらいも、つまらないモノに思えた。 「当たり前じゃない。こんなふうにされたら、女の子なら誰だって……」 ここまで言うのが、やっとだった。 「それじゃ、まず、おっぱいからだ」 悠人が布団に潜り、右のおっぱいにシャブリ付いた。 放置されていた乳首が、敏感に反応する。 全身に向かって電気を走らせた後、甘い痺れが湧き上がる。乳首から、身体の奥深くに降りていく。 「ひぃいいいーー、はぅん……あああ……」 悠人は、乳首を一度大きく吸うと、乳輪に沿って舌を回し出した。 グルグルと、何回転も回る舌。耳の回りを責めて来た時と同じくらいの執拗さだった。 ロープの縛り方といい、悠人は色々なことを覚えて来る。また、どこかのサイトで調べたのだろうか。 前戯は、しつこいくらいでちょうど良いとか…… もう片方のおっぱいを、悠人の掌が鷲づかみにする。舌で責められるのとは、全く違う刺激に襲われ、由衣は身体をくねらせた。 今の由衣は、何をされても快感に置き換えられてしまう。 そんなにも、焦れていたのか。 悠人を求めていたのか。 由衣は、自分の身体を持て余ました。どの部位も、エッチな刺激を求めている。悠人の指を、舌を、欲して止まない。 素直な欲求を、口に出してしまいそうだ。 「悠人……あぅ、ゆう……とぉ」 息が切れ切れになる。何を言っても、甘い喘ぎに包まれていく。 「お姉ちゃん、いいの? ボクの愛撫で、感じてるの?」 悠人は、甘噛みしていた乳首から口を離すと、両手で大きく、揉みしだいた。 「はひぃ……言えない。そ、そんなこと……言えないよお」 やはり弟だからだろうか。普通の男の子ともセックスでも、「感じてるの」なんて質問をするのだろうかと、由衣は首を振る。 悠人は、尚も追及してきた。 「言ってよ、お姉ちゃん。そうじゃないと……」 乳首に痛みが走った。「ひぃいいい」と声を上げる由衣。甘噛みされていた部位に歯が食い込んだようだ。 一瞬、強烈と思った痛みも、甘美な刺激となって身体に吸い込まれていく。 「あふぅ、ん……はぁ、はぁああーん」 喘ぎは、もう隠しようもない。 「やっぱ、感じているんだ。お姉ちゃんもエッチなんだ」 「もう、バカっ。あっ、ああ、ああーん」 やりたい放題。悠人にとって、今の由衣はどうにでもできる存在だったのだろう。綿ロープなんかなくても、由衣が抵抗できないことに変りはなかった。 「歯形、付いちゃったかも」 悠人が乳首の根本を指先でさする。チリチリとした痛みも性感の疼きでしかなかった。 「はぁふぅううう……、ああ、いいっ……」 由衣が乱れるほど、悠人が張り切る。気持ちいいのだけど、どこか焦らされているような、もどかしさがあった。 おっぱいをなぶられるのは初めてではない。 今までは、アソコをいっぱいに埋め尽くされた状態で、触られていた。オマケのような愛撫だったとも言える。 今日の悠人は、おっぱいをなめ回し、揉みまくる行為に夢中だった。 放っておかれた股間にも、刺激はジンジンと伝わっていく。内部から疼いているというのに、悠人は何もしてくれない。 時折、硬直した肉塊が太ももに触れる。 由衣は腰をくねらせた。 女の子が、決して口にしてはならない――と由衣が思っている――言葉を、叫んでしまいそうだった。 (悠人、お願い。わかって) おっぱいへの愛撫は続いた。悠人は、忘れてしまったのだろうか。悠人のおちんちんだって、快感を求めているのに違いないのだ。 (どうしよう。もう我慢できない……言っちゃっていいのかなあ) 由衣は、甘美な刺激を受け続けるおっぱいと、放置責めにされて悶える股間との狭間に立たされ、理性を失い掛けていた。 もどかしさが、こんなに苦しいなんて。 「悠人……あふぅ、はぁ、た、助けて……」 由衣には、これが精一杯だった。 悠人が上体を起こし、由衣を見下ろす。 「お姉ちゃん、苦しいの?」 「そ、そうよ。悠人のせいなんだからあ」 由衣は、胸を抱く。堅く尖った乳首は、由衣の手がわずかに触れるだけでも、愛欲をかき立てた。 「ボクの……?」 訳がわからないという顔の悠人。由衣は、ぷいっと横を向いた。そうしなければ、言ってはならない言葉を、口にしてしまいそうだ。 (悠人のおちんちんが欲しいの) 由衣は、喉に支えているモノを飲み込んだ。 「お姉ちゃん、顔、真っ赤だよ」 言われなくても、十分にわかっている。なんてはしたない女の子なのだろうと、由衣は自分を恥じていた。 「もう、バカっ。悠人が……してくれないから……」 由衣の両手が、顔と口を覆った。このままでは、何を言い出すか、わからなかった。 「なんだ。して欲しかったのか。どれどれ」 悠人の右手が股間に割り入って来た。若草の茂みを通り越し、その奥の花園を探る。中指の先が湿地帯に到達した。 「いやっ、何を? あっ、はぁあーん……」 待ち望んでいた刺激に触れ、由衣は軽くイッてしまう。 それが点火スイッチとなり、全身に張り巡らされた導火線に火を付けた。身体が熱く燃え上がる。秘孔の奥から、蜜が溢れるのを感じた。 「ああーん、悠人。お願い! あうん、悠人」 腰が躍る。決してわざとではないが、言葉以上にモノを言っていた。 「こんなに熱くなっちゃって。お姉ちゃん、おちんちんを入れて欲しかったんだね」 悠人が、秘孔の入り口で指を動かした。 「ダメぇ、言わないで……お、お姉ちゃんを、いじめちゃダメぇーー」 由衣の腰が、さらに悶える。悠人の指から逃げ出したいのか、奥へと誘っているのか、由衣自身にもわからない。 「しょーがないなあ。入れてあげるよ」 「うん、うん。悠人、お姉ちゃんを愛して」 指先の感触がなくなったかと思うと、すぐにその何倍も大きく、堅い肉塊が押し付けられた。 悠人は、由衣の両脇に手を付き、覆い被さるように腰を進めていく。 「あひぃいいいいーー」 由衣は、自然な動作で、両手を悠人の背中に持っていく。 もう何度も味わっている悠人のおちんちん。 これまでは縄掛けの身で受けていた。由衣が望んでそうして来た。全く対等の立場で、セックスするのは、これが初めてだった。 「入ってくる。悠人の……がお姉ちゃんに、お姉ちゃんのアソコに入ってくるぅぅぅ」 悠人の想いが最大限に感じられる瞬間だった。 この感覚が、由衣は好きだった。快感の絶頂に追い詰められる刹那とは、対局の快感と言って良いだろう。 すべてが始める期待感に溢れていた。 耳やおっぱいへの愛撫で焦らされた秘孔は、とっくの昔に受入の準備を終えていたらしい。何の抵抗もなく、悠人の分身を飲み込んだ。 「奥まで入ったよ」 由衣の感動とは裏腹に、悠人には余裕すら感じられた。 それでいて、おちんちんの先端が子宮に届いたかと思うと、いきなり動こうとする。 「ち、ちょっと待って……あうっ」 聞いていないと言わんばかりに、悠人が腰を使い出す。 潤いに満ちた秘密の洞窟を、愛欲で固められた肉塊が、勢いよく行き来する。もう止められるものではなかった。 「ああーん、いやっ、そんなに……、あうっ、しないで。ああ、お願い、もっと……やさしく……ああ、ダメぇ、あん、あひぃいいいいいいーー」 由衣の意識が遠のいていく。 おちんちんが挿入されてから、まだいくらも経っていないというのに、心も、身体も、性感に浸りきっていた。 叩きつけるような悠人の腰遣い。その一突き一突きにめまいを起こしそうになる。 由衣は堪えた。 まだダメっ。今はまだ悠人だって…… かろうじてつなぎ止めていた意識をあざ笑うかのように、官能の炎が脳天を焦がす。扉が押し開けられるのも間近だった。 「ああ、悠人。ダメぇー。お姉ちゃん……壊れちゃう」 「お姉ちゃん、いいの? いいんだね。ボクのおちんちんで感じているんだね」 悠人の息も乱れて来た。腰の動きも緩やかになる。 あれだけ激しく動いているのだからムリもない。ただでさえ、朝から遊園地を引っ張り回されたてきたのだ。 もう終り……と思ったら甘かった。 「今度はお姉ちゃんの番だ」 悠人が由衣を抱え上げた。 掛け布団をはね飛ばし、繋がったままで器用に体位を入れ替える。由衣は、ハダカで悠人をまたがる形になり、身悶えた。 自分の体重で、悠人のおちんちんがより深く食い込んでくるのだ。 「こんな……ウソ。いいっ、あっ、ふうーん……」 由衣は、全く別の快感に襲われていた。 布団に隠れていた上半身が露わになり、誰も見ていないというのに、男をくわえた淫らな裸体を晒し者されているような錯覚に囚われた。 「お姉ちゃん、動いてよ」 悠人の言葉に気づかされた。この体位だと、由衣のほうから責めなければならない。 快楽を得るために、自分から腰を使う。 由衣には、それがとても淫らな行為に思えてならなかった。 「そ、そんな……あん」 由衣がためらっている内に、悠人が下から突き上げた。 「こんなふうにさ。ボク、もう疲れちゃったよ」 それで「お姉ちゃんの番」なのか。 悠人をためと言うのは、由衣にとって都合の良い口実だった。おちんちんが、膣の内側で擦れるようにと上下に振る。 「あふぅーん……」 悠人を喜ばすどころではなかった。 体重を掛けて埋め尽くされた秘孔は、わずかな刺激でも、大きな快感を呼び起こす。下腹部から、一気に頭の天辺まで駆け上がる。 意識が飛ばされてしまうそうだった。 (でもダメっ。悠人を気持ち良くしてあげなくちゃ) 由衣は歯茎を噛みしめ、背筋を伸ばして真っ直ぐに身体を上下する。自分で自分の子宮を突いているようだ。 「お姉ちゃん、いいよ。すっごくいい」 悠人が喜びの声をあげた。何よりも大きな励ましだった。 由衣は、腰をさらに大きく動かす。 悠人は、下から伸ばした手で、由衣のおっぱいを鷲づかみにした。力強く、乱暴な手つきで揉みしだかれ、由衣の性感が煽られる。 下腹部からの刺激と相乗効果を生み、より高い場所へと上り詰められる。 「ああーん、あん、あん……ああ、ダメっ、お姉ちゃん、もうダメぇーー」 どんなに悠人のためと思っても、めくるめく快感の波状攻撃には抗う術もない。とっくに白旗をあげても良いほどだった。 「ダメじゃないよ。ボクはまだ全然だ」 悠人は、両手の人差し指と中指の間に、それぞれの乳首を挟み、乳肉ごとグルグルを揉み回す。 どちらが責めているのか、わからなくなっていた。 「お姉ちゃん……も、もう、あっ、あん。おかしく……な、なりそうなの」 頭が霞む。白い闇が、もう目の前に見えている気がした。 「あああーん、いっ、イクっ、イクっ、イッちゃうよお」 由衣は、すでに何度もイッていたのかもしれない。 イッたその場で覚醒させられ、またすぐにイカされる、その繰り返しを続けていたのかもかもしれない。 下になって休憩していた悠人だが、さすがに表情が変わってきた。 「うぐっう。お、お姉ちゃん、ボクも……」 悠人が、おっぱいから手を離した。 お尻の裏側に掌を当て、由衣の腰を押し付ける。肉塊をねじ込んだまま、由衣の身体を前後左右に揺り動かす。 悠人の肉塊で、膣の内部をかき回されているようだ。 「ひやぁああああーー、そんなに激しく……だ、ダメぇえええーー、ああっ、死んじゃう。あああ……イヤぁあああーー。あん、ああっ、お姉ちゃん、死んじゃうぅぅぅ」 喉が痛い。由衣の声が掠れてきた。 「ボクも……、で、出るっ」 悠人も、いよいよ限界のようだ。 「ああ、悠人。来て。来て。一緒に、あああ、悠人、あっ、あああ……」 「お姉ちゃん、お、お姉ちゃああああーーん」 由衣は、背筋をのけ反らせた。 秘孔の奥に熱い迸りを感じ、今度こそ、真っ白な闇に包まれていった。 ベッドの真ん中に、大の字になる悠人。浅い寝息と共に、ハダカの胸が上下していた。 掛け布団を引き寄せ、由衣は、悠人の肩に甘える。 ついこの前まで、ただ、かわいいだけの弟だった。それが今では、こんなに好きなってしまって…… 姉弟なのに、これからどうするつもりなのかしら。 由衣には、どうしたら良いのかわからない。 悠人は堂々としていた。 後のことはわからないけど、今はお姉ちゃんが好きだなんて。 「こいつ、ナマイキだぞ」 由衣は、悠人の鼻を摘んで揺する。悠人が「うーん」と目を覚ました。 「あれっ、ボク、寝ちゃったのか」 寝起きの悠人は、弟の顔に戻っていた。 「そうよ。お姉ちゃんを放っておいて、悪い子ね」 悠人が「へへっ」と笑う。 由衣は、身を乗り出し、悠人の鼻先で囁いた。 「お姉ちゃんのキッスは高く付くかもよ。悠人に責任とれるのかしら」 何かを言おうとする悠人。 その口を、由衣は、唇でふさいだ。 (おわり)
|