読者投稿小説小説『発表会の過激衣装』 作;ベル 1. 地元の服飾専門学校に通う野露勉子(のろ やすこ)は、 春の発表会に向けて徹夜で仕上げた自作ドレスを抱えていた。 今年の課題テーマは『解放』。 だが、その意気込みのまま布を削ぎ落としていくうちに 彼女のデザインは次第に際どい境界を越えてしまっていた。 仮縫いを終えて鏡の前に立つと 光沢のある薄布が身体の起伏をなぞるように絡みつき ほんの少し角度を変えるだけで 下に隠されるべき部分が透けて見えてしまいそうだった。 「これを着て舞台に立つの?いやいや、あり得ないでしょう」 しかし、発表会は自分がモデル役も務めるため ほとんど完成した衣装を作り直すには時間が足りなかったし 布地を増やすと作品のコンセプトが薄れてしまう。 勉子は止む無く、完成させることを優先した。 ***** ***** ***** ***** ***** 学校が主催する発表会には、卒業生をはじめ デザイナーや有名ブランドの関係者も多く来場していた。 この発表会をきっかけに就職先が決まることも多く 他の生徒も真剣だし、実用性よりも自身の感性を伝える作品が多かった。 当日、勉子は衣装を着てからも、ガウンを羽織り続けていた。 仲間内でも発表前に衣装を見せ合わない生徒は多かったので 特に勉子だけが目立ちはしなかったが、出番の瞬間は刻一刻と迫っていた。 舞台袖に移動して順番を待つ間、勉子は手を胸元に当てて深呼吸した。 観客席には恩師や両親、同級生たち。 誰もが真剣に『作品』として鑑賞してくれるだろう。 けれど、自分が纏うこの衣装は 『作品』と呼ぶにはあまりに肉体を露わにしているという意識が 勉子自身が拭えないでいた。 薄絹は肌の線をほとんど隠していなかった。 胸元から流れ落ちる布は、わずかに動くだけで谷間の奥までを照らし出し 腰の曲線はほとんど露わ。 下半身を覆う布地も、光に透かせば何も隠してはいないに等しかった。 「…いけません…このような場所でこの格好を…ああ…抑えきれなくなる…!」 舞台の袖で、勉子は小さな声でつぶやくと、思わず太腿を擦り合わせた。 羞恥と昂揚が混じり合い、胸の奥で熱が膨らんでいった。 「次はエントリーナンバー22番。野露勉子さんの作品です!」 名前を呼ばれて舞台に出た瞬間、スポットライトが勉子の全身を白く包み込んだ。 観客のざわめきが一斉に静まり返り 視線が自分に集中するのを意識すると、背筋がゾクッと震えた。 一歩進むごとに布は揺れ、流れる空気が隙間へ入り込んで肌を撫でるたびに 勉子は全身の神経が開かれていくような錯覚に捕らわれた。 舞台上のランウェイをゆっくりと歩きながら 彼女は事前に練習したとおり、衣装の裾をゆるやかに広げた。 観客には大胆で自信に満ちたモデルに見えているハズだが 内心では羞恥の炎が渦を巻いていた。 「これほど華やかな衣装なら…覆い隠してくれるでしょうか。 私の奥深くにあるものを…」 心の中ではそうつぶやきながら、勉子は唇を震わせていた。 観客が注目しているので衣装のデザインだ。 もっと言えば、モデルが誰かなんてほとんど気にしていないだろう。 しかし勉子には、まるで自分の淫らな感情までもが 舞台上でさらされているように感じられてならなかった。 最後のポーズ。舞台中央で腰をひねると布の裂け目から白い肌が覗き 客席から小さな息を呑む音が洩れたが、やがて会場に拍手が広がった。 歓声とフラッシュが交錯し、勉子は一瞬、陶酔にも似た浮遊感に浸った。 羞恥と悦び、その二つが均衡を失って甘美な疼きに変わり 思考すら溶かすような『感覚』は初めて感じるものだった。 舞台を降りた時、膝は小刻みに震え、手のひらには汗がにじんでいた。 その一方で彼女の瞳は潤み、頬は紅潮していた。 抑えきれない『何か』を抱えながら。 2. 舞台袖に引っ込んでからも、勉子の耳にはまだ歓声の余韻が残っていた。 全身を走った熱は肌の下に留まり、ほんの一歩歩くだけで 薄い布が擦れて乳首の敏感な部分を刺激し、羞恥と快楽が入り混じり続けた。 「すごい、アレを発表会で着るなんて・・・」 「大胆過ぎるわ!彼女って何者なの?」 「でも、観客の反応は上々よ」 「そりゃ、そうだろう。学生の作品発表会だぜ?」 舞台裏に戻った途端、同級生たちの囁きが勉子の背に突き刺さった。 驚きと羨望、そして抑えきれない好奇心。 視線が集まっているのに気付いた勉子は、思わず腕で胸元を隠したが その仕草さえも衣装の奇抜さを示す結果にしかならなかった。 控室に入ると、友人の一人がため息まじりに近付いてきた。 「勉子、すごいよ。あんな衣装で舞台に上がるなんて、本当に勇気あるね。 観客はみんな、釘付けだったよ」 言葉の内容は称賛だったが、友人の瞳には明らかに別の色が宿っていた。 まじまじと胸元から腰のラインへと視線が這い 布の隙間に目を奪われているのが分かった。 勉子は短くお礼を言うと、すぐにその場を離れた。 まるで、もっと見られたいと告げる声が 自分の内側から響いているかのように感じ、それを悟られたくなかったのだ。 羞恥に押し潰されそうなのに、心の奥では何かが歓喜していた。 ふと、控室の鏡に映る自分を見つめた。 頬は紅潮し、瞳は潤み、呼吸は荒いまま。つまりは、欲情していたのだ。 衣装の下で震えているのは、恐怖か、それとも別の『何か』なのか。 「…いけません…このような場所でこの格好を…」 さきほど舞台袖で零した自分の言葉を思い出し、勉子は唇を噛んだ。 だが、感情を抑えようとするほど、子宮の疼きは強くなっていった。 何より、この衣装を制作したのは、他ならぬ勉子自身なのだから。 「これほど華やかな衣装なら…覆い隠してくれるでしょうか。 私の奥深くにあるものを…」 その時、控室の扉がわずかに開き、観客の一人が顔をのぞかせた。 学校関係者にしては場違いな、目を爛々と輝かせた中年の男性。 彼は勉子を見つけると、食い入るように彼女の姿を見つめた。 時間にすればほんの数秒だったかも知れないが 慌てて扉を閉じた彼の意図が分かると、余韻だけが全身に残った。 「あの人は、私の衣装を・・・。 いえ、この衣装を着た私の身体を見に来たんだわ」 勉子の羞恥心はこの衣装によって、観客の心にも刻み込まれてしまったのだ。 勉子はその事実を悟り、胸の奥で芽生えた甘美な疼きを深く抱きしめた。 3. 生徒たちの全ての作品発表が終わり、あらためて司会の声が会場に響いた。 「では最後に、本日参加した学生たち全員で、舞台に並んでいただきます!」 その合図と共に、再び舞台袖に集まった仲間たちが一斉に動き出した。 華やかなドレス、個性的な衣装に彩られた列の中で 勉子も導かれるように舞台へと進んだ。 エントリー番号順なので、勉子は舞台のやや右寄りに立つが 照明係は観客が求める相手にスポットライトを向けた。 観客による拍手の波。 けれど耳に届くのは音だけではなく、無数の眼差しの重みだった。 多くの観客は口元に笑みを浮かべ、評価するような表情をしていた。 彼らにとって勉子の衣装は『大胆なデザイン』の範疇であり 斬新なファッションとして受け取られているのだろう。 だが、一部の視線だけは、明らかに異質だった。 食い入るように勉子を見つめ、唇を湿らせる者。 眉をひそめながらも目を逸らせない者。 しかし彼らは、勉子の衣装を見てはいなかった。 若い女性モデルの薄い布の奥に透けている身体を つまり『裸』そのものを見ようといているのだ。 そんな視線を意識し始めると、勉子の身体は小さく震えた。 列の並び立つ同級生の笑顔を横目で見ながら 勉子は逃げ場のない舞台に立ち尽くすしかなかった。 ステージを降りることは許されない。観客に背を向けることも出来ない。 光に照らされ続ける自分の姿は、全裸で晒されている錯覚すら呼び起こすが そもそもそう言う衣装を『作品』として発表したのは自分自身なのだ。 その時、胸の奥からせり上がる熱に気付いた。 「・・・(疼いた膣穴から、愛液が溢れそうになっている!)」 羞恥が甘美な快感に変わり、ステージ上で身体を支配していく。 「・・・(観客の誰かにそこまで見抜かれたら、もうおしまいよ!)」 その恐怖と昂揚が渾然となって、呼吸が浅くなっていく。 ふと、観客席の一角に、さっきの中年男性の姿を見つけた。 先ほど控室を覗いた視線の持ち主は、口を半開きにして見つめていた。 勉子は全身を駆け抜ける震えで、身がすくむ思いだった。 「・・・(気付いているの?私が『甘美な疼き』に囚われていることを!)」 拍手が再び鳴り響く間、勉子もまた彼から目が離せなかった。 司会の声が発表会を称賛し祝福を告げていたが 勉子はもうそれどころではなく 耳鳴りのような自分の鼓動と、奥底で脈打つ疼きしか感じられなかった。 「ああ、もう抑えきれない。私の奥深くに芽生えた感情が、解き放たれていく・・・」 やがて勉子は、舞台の中央で華やかな衣装を纏ったまま 逃げられぬ光の檻の中で羞恥と悦びを抱きしめ 大勢の観客の前で、微笑を浮かべてアクメを迎えた。 【おわり】 ***** ***** ***** ***** ***** (あとがき) 本作は、2025年9月号の「編集部だより」で ベンジーさんが読者に問い掛けたクイズ(?)がキッカケで書きました。 >「…いけません…このような場所でこの格好を… >ああ…抑えきれなくなる…!」 >これって、どういう状況だと思いますか。 このセリフの出所や状況を全く考慮しないで、初期設定を独自に作り 生成AI《今回はChatGTP》を使って短編小説を書かせ 言い回しや表現を自分の作風に近付くよう微修正しました。 何だかんだ言っても、主人公の勉子(やすこ)が 自分の感性を表現する目的で作った服ですし それを着て発表会に出ることはあらかじめ分かっていたんですから 彼女に元々あった素質が目覚めた、と言えるでしょう。 そして、その『素質』は誰にでもあって 目覚めるきっかけさえあれば、誰でも露出っ子に・・・と思います。 だって人は誰でも、本質的には『叡智(エッチ)』なんですから(笑) ところで皆さんは、「恥じらい文庫」の中にある「習作BBS」って 見に行ったことありますか? 詳しくは「はじめに」という、ベンジーさんが最初に投稿した トピックスを読んでもらえれば、その意図が分かりますが 「本番の作品を作る前に、試しに描いたり書いたりする練習作品」 を習作と言います。 (要するに、気軽に投稿してねっていうBBSですね:笑) 露出っ子が自分の体験を「懺悔の部屋」で告白する ・・・という場とは少し違うので、「読者投稿小説」に近いかと思いますが 露出っ子が思い描く「こんな露出をしてみたい」とか 「こんな状況で裸になってみたい」という物語を書いてみるのに 向いているBBSだと思いますよ。 【ベル】
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