読者投稿小説




   町の写真館 〜父戀娘〜(前編)

                作:鷲葉

 丈史は42歳の男。娘の敦子が遠方の大学に進学したのをきっかけに、単身赴任の孤独な生活を送っていた。妻の敬子は3年前、愛犬の散歩中に忽然と姿を消し、行方不明のままだった。夫婦のベッドは失踪前から長らく冷え切り、丈史は「きっと俺を捨てたんだろう」と、諦めにも似た絶望を抱いていた。夜毎、妻の柔らかな肌の感触を思い浮かべるが、それは遠い幻のように薄れていた。
 かつて家族3人と1匹で温かく暮らした家は、今は無人だが、そのまま残されていた。丈史と敦子は、盆と暮れに掃除に来ることを約束していた。あの家は、甘い記憶と苦い空白が染みついた場所だった。リビングのソファでは、かつて敬子の吐息が耳元で響き、敦子の幼い笑い声が満ちていた。
 単身赴任先の独身寮に、毎月奇妙な郵便が届き始めた。無地の封筒の中には、覆面を被った裸の女性の写真が30枚、時には31枚。彼女の豊満な乳房は重く垂れ下がり、ピンクの乳首が硬く尖り、濃密な陰毛は黒く湿り気を帯び、秘部を覆い隠すように茂っていた。陰唇の縁がわずかに覗き、蜜の光沢が妖しく輝く。その姿に、丈史は見覚えのある背景を見つけた。自宅の周辺、新婚旅行の熱い砂浜、そして敦子が生まれてからの家族旅行の風景……。柔らかな肌の曲線、吐息が聞こえてきそうなポーズに、丈史の股間が熱く疼き、陰茎がズボンの中で膨張を始めた。
「敬子か……?」
 そう疑いつつも、長年の夫婦の空白が、確信を曖昧にしていた。彼女の体を最後に抱いたのはいつだったか。記憶は薄れ、代わりに写真の女が、丈史の夜を支配し始めた。女の陰毛の奥に隠れたクリトリスの膨らみを想像し、丈史の指が無意識に股間に伸びる。
 単身赴任後初めての盆。久しぶりに自宅で敦子と顔を合わせた丈史は、封筒のことを口にできなかった。成長した娘の無防備な姿――薄いTシャツから浮き出る豊かな胸の輪郭、乳首の突起が布地を押し上げ、短いスカートの下から覗く滑らかな太もも、内腿の柔らかな肉感――に、ふとした視線が絡まる自分に、激しい自己嫌悪が襲った。娘の体は、熟れた果実のように魅力的で、丈史の視線を吸い寄せ、股間の熱を呼び起こした。
 独身寮に戻ると、丈史は毎晩のように覆面女の写真を眺めながら、自慰に耽った。ベッドに横になり、ズボンを下げて硬くなった陰茎を握る。ゆっくりと皮を剥き、亀頭を指先で撫で回す。写真の女の乳房を想像し、柔らかな肉を揉みしだき、乳首を舌で転がす妄想に、腰が自然と浮く。陰茎の血管が浮き上がり、先走りが尿道口から滴り落ちる。摩擦の熱が快楽を増幅し、吐息が荒くなり、ついに熱い精液が腹に飛び散る。白濁の液体が肌を伝い、余韻に震える。送り主の思惑に乗せられている自覚はありながらも、孤独な夜を埋めるその写真の官能的な曲線、陰毛の奥に隠れた秘裂の想像に、いつしか心待ちにするようになっていた。射精の瞬間、写真の女に注ぐ妄想が、丈史を震わせ、獣のようなうめきを漏らした。
 盆が明け、寮に戻った丈史のもとに、また分厚い封筒が届いた。はち切れんばかりの爆乳が、夏の光を浴びて輝き、濡れそぼった陰毛が秘部を覆うように滴る。陰唇がわずかに開き、ピンクの内側が覗く。丈史は部屋に入るなり、ズボンを脱ぎ捨て、硬く勃起した陰茎を激しく扱いた。指の摩擦が快楽を呼び、写真の女の乳房を揉みしだく想像に、喘ぎが漏れた。陰茎の根元を強く握り、上下に激しく動かす。亀頭が膨張し、尿道口から先走りが滴る。写真の陰毛を掻き分け、秘部に指を挿入する妄想に、体が痙攣し、何度も射精し、疲れて眠った数時間後。丈史は写真の背景が独身寮の周辺であることに気づいた。
 覆面女を敦子に重ねてしまう自分に、恐怖と嫌悪が湧き上がる。確かに敦子は巨乳だった。敬子の失踪直後、服代をねだられた際、「Gカップのブラは高いの」と答えた娘の言葉を思い出す。三年前の無邪気な声が、今は官能的な響きを帯びて蘇る。娘の胸の谷間を想像し、丈史の陰茎が再び硬く脈打つ。
 試しにGカップのグラビアアイドルやAV女優の画像を検索したが、覆面女の乳房ほどの迫力はなかった。画面に映る女たちの胸は、敦子のそれに比べて物足りなく、「敦子ほどじゃないな」と呟いた自分に、丈史は戦慄した。娘の体を思い浮かべ、陰茎が再び硬くなるのを抑えきれなかった。指が自然と動き、娘の乳首を摘む妄想に、精液が漏れ出る。
 一ヶ月後、待ち焦がれた封筒が届いた。背景が敦子の大学の周辺であることを、ストリートビューで確認した丈史は呆然とした。 
 それでも一日一枚の写真で自慰を続け、覆面女が敦子であるという確信を深めていく。写真の女の陰毛の濃さ、乳首の色合いが、娘の体を連想させ、丈史の射精はより激しくなった。陰茎を握り、写真の秘部に突き刺す妄想に、精液が弧を描いて飛び散る。熱い液体が手と写真を汚し、娘の名前を呟きながら絶頂を迎える。だが、問いただす勇気はなかった。禁断の渇望が、心を蝕んでいた。
 次の封筒は薄かった。中には、覆面の裸婦と見覚えのある愛犬の写真。共に首輪を着け、四つん這いで交尾する姿。犬の太い陰茎が女の秘部を貫き、ピストン運動で濡れた肉壁を掻き回す。女の膣内が収縮し、蜜が滴り落ち、陰唇が犬の陰嚢に打ちつけられる音が想像される。揺れる乳房が汗に濡れ、乳首が硬く勃起する。背景は判然としないが、丈史は呟いた。
「敦子じゃない。敦子はもっと大きい」
 愛犬は人間で言えば42歳のはずだが、雄々しさと若々しさを保っていた。写真の枚数が半分以下だったことに、丈史は不満と苛立ちを覚え、同時にその感情に恐怖した。犬と交尾する女の絶頂の表情――口元が歪み、目が虚ろに――に、丈史の陰茎が疼き、獣のような衝動が湧いた。写真を眺め、自身の陰茎を握り、犬の動きに合わせて扱く。
 犬と交尾している覆面女は敬子だと感じていた。Iカップと推定される乳房の重み、柔らかさ――丈史は妻の裸身をほとんど覚えていない自分に愕然とした。失踪前の敬子の体は、こんなに官能的だったのか。写真の女の秘部から溢れる蜜が、丈史の想像を掻き立て、指先で自身の亀頭を刺激する。
 翌月、封筒はさらに薄くなった。犬と同じ皿から餌を食べる覆面をずらした女。四つん這いで片足を上げ、剛毛の股間を晒して放尿する覆面女。黄金色の液体が弧を描き、地面を濡らし、陰毛を伝って滴る。陰唇が開き、尿の熱気が立ち上る。犬と交尾し歓喜に叫ぶ覆面女の声が、想像の中で響く。犬の陰茎が深く挿入され、子宮口を叩き、女の体が痙攣する。金網の小屋で犬と抱き合って眠る覆面女の、汗ばんだ肌の温もり、犬の体臭が混ざる。
 写真からは撮影場所は判然としない。それでも丈史はズボンを脱ぎ、「畜生、畜生」と呻きながら陰茎を扱いた。獣姦のシーンに、丈史の射精は獣のような咆哮を伴い、精液が写真に飛び散る幻覚に囚われた。熱い液体が太ももを伝い、余韻に体が震える。
 暮れが近づいても、次の封筒は届かなかった。焦燥感に胸をかきむしりたくなる丈史。敦子とのLINEのやり取りで、指は興奮と恐怖で震えた。娘の無邪気なメッセージが、覆面女の姿を重ねさせる。画面の向こうの娘を想像し、股間が熱くなる。
 久しぶりに会った敦子は屈託ない。無防備な娘の姿――胸元が緩んだシャツから覗く深い谷間、乳房の重みが布地を引っ張り、座るたびに揺れる尻の曲線、柔らかな肉感――を盗み見ながら、丈史は戸惑いを隠せなかった。娘の体臭が、甘く鼻をくすぐり、ムスクのような香りが陰茎を刺激する。
 敦子の入浴中、脱衣所に忍び込み、脱いだブラジャーを確認する。タグには「Kカップ」。三年前より成長著しい娘の乳房に、丈史は息を呑んだ。あの巨大な胸を想像し、陰茎が熱く脈打った。ブラの内側に残る娘の体温と香りに、指が震え、陰茎を握ってしまう。
 年末年始、丈史は悶々と過ごした。なぜ敬子は犬を連れて失踪したのか。最初の写真の覆面女は敦子ではないのか。問いが頭を駆け巡るが、穏やかな日々の中で口にできなかった。夜毎、娘の隣室で自慰に耽り、抑えきれない喘ぎを噛み殺した。敦子の寝息を聞きながら、陰茎を激しく扱き、娘の体を犯す妄想に射精する。精液がシーツを汚し、娘の名前を囁きながら絶頂を迎える。
 大晦日、敦子が口を開いた。
「昨年、お母さんからエアメールが来てた。自宅宛てで、伝えるか迷ってた」
 殴り書きのような字で「タイの田舎で幸せに暮らしている」と書かれ、同封の写真には敬子と犬が顔を寄せ合っていた。首から下は写っていないが、お揃いの首輪。丈史の呼吸が荒くなった。敦子が春休みにタイで敬子に会う計画を話すと、丈史は反射的に「絶対に駄目だ!」と叫んだ。丈史が必死に「危険だ」と心にもない熱弁を振るっている間、一瞬、敦子が薄ら笑いを浮かべたように見えた。あの笑みは、誘惑のように甘く、丈史の股間を疼かせる。
 年が明け、別れの日。新幹線のホームで見送る敦子に、丈史は父親としての感謝を覚えた。娘の体は、熟れた女のそれで、別れの抱擁で感じる柔らかさが、丈史を狂わせた。胸の膨らみが体に押しつけられ、甘い香りが鼻を満たす。
 発車のベルが鳴り、扉が閉まる。その瞬間、窓の向こうの敦子が頭から覆面を被った。毎夜見ていた、あの覆面だった。新幹線が動き出す。敦子の姿は遠ざかるが、覆面越しにこちらを睨む異様な視線が網膜に焼き付いた。視線は、欲望を煽るように熱く、丈史の陰茎を硬くさせる。
 トンネルを抜けた瞬間、スマートフォンが震えた。画面には、ホームで撮られたばかりの自撮り。覆面を被り、開いたコートの隙間からKカップの乳房を覗かせ、中指を立てる敦子。ピンクの乳首が硬く尖り、陰毛の影がコートの裾から覗く。陰唇の輪郭がわずかに見え、蜜の光沢が輝く。覆面越しの嘲笑と「お父さん、もう逃げられないよ」という娘からの宣戦布告を感じながら、丈史はほぼ着衣の敦子の写真に勃起していた。陰茎がズボンの中で熱く膨張し、先走りが染み出しているのを感じながら、丈史は新幹線の座席に沈み込んだ。
                 (続)




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