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fld_nor.gif 『転生少女ミリアの冒険』
投稿日 : 2025/06/15(Sun) 05:02
投稿者 ベンジー
参照先 http://www.benjee.org
『転生少女ミリアの冒険』の本文です。

ちょっと長いです。
掲示板の仕様上、下から上に読み上げる形になっています。
ちょっと読みづらいかもしれませんが、
エッチな要素を挟みつつ、割と本格的なファンジー物になっていると思います。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
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件名 第二十九話(続き)―妄想娘 vs 魔王軍幹部!開幕、無敵タイム!―
投稿日 : 2025/06/26(Thu) 05:15
投稿者 ベンジー
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第二十九話(続き)―妄想娘 vs 魔王軍幹部!開幕、無敵タイム!―

魔王軍幹部・マレヴァの甘美な檻から脱出したミリアは、もはや誰にも止められない。

「ふふん♪ さっきまで“キャルルン♡”してたのは演出ですからねー!」

手を腰に当て、どや顔で仁王立ち。だが――

「……ていうか、うわ! この格好のまま逆襲って! ちょっと待って、服……服ー!!」

「今さらですか!? さっき自分で脱ぎましたよね!?」
クラウディアの絶叫が飛ぶが、もうミリアは突撃体勢に入っている。

マレヴァは瞳を細めて、じわりと距離を取る。

「……いいわ、その力。やはりただの転生者ではないようね。あなたには……“何か”が宿っている」

「うん! 宿ってるらしいよ! あ、ちなみにチートスキルもあるらしいんだけど、フィーフィが忘れてたんだって!」

「え、ええぇ……」

クラウディアとマレヴァ、同時に引き気味のリアクション。

「で、どんなスキルなの?」

フィーフィが空中でちょこんと手を上げる。

「えーっとね、『異界適応(イセカイ・ブースト)』ってやつ!」

「おおっ、なんか名前からして厨二くさいっ!」

「異世界に来た転生者が、本来の世界の知識と想像力を現実化できるスキルらしいの。本人の妄想が強ければ強いほど、効果が……」

「つまり、“ビキニアーマーでも最強!”って妄想すれば、実際に最強になるのかぁ……。すっご!」

「ミリア様、それを早く教えていただければ……!」

「いや~、なんか聞きそびれちゃって?」

「あなた、本当に転生者?」

「たぶん!」

マレヴァの額に青筋が浮かぶ。

「……もういいわ! 黙ってなさい、ペットに戻ってなさいッ!」

「いやですぅ♡(キリッ)」

――そして、ミリアの拳が輝く。

「さぁて、そろそろ魔王軍相手に“現実改変パンチ”のお時間かなっ!」

光と音が爆ぜ、檻が完全に砕け散る。

マレヴァ「ふざけた小娘が……ッ!」

クラウディア「やっぱりこの方、ただ者ではありませんわ……!」

フィーフィ「これからが本番だよっ!」

――ミリアの本格的な“逆襲”が、今、始まる。

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件名 第二十八話 ―ペットって、こういうものでしょ?―
投稿日 : 2025/06/26(Thu) 05:14
投稿者 ベンジー
参照先 http://www.benjee.org
第二十八話 ―ペットって、こういうものでしょ?―

「ふふふ……。檻の中がお似合いね、転生者ミリア。お前のような小動物は、こうして私の足元で飼われるのが一番似合っているわ」

艶やかな微笑を浮かべ、ミリアの顎を持ち上げるのは、魔王軍幹部の一人、《マレヴァ》。
漆黒のドレスに身を包み、長い指でミリアの髪を撫でながら、まるで本物のご主人様のような振る舞いであった。

「……くっ。なんて屈辱……! はずかしっ、うわヤバ、ちょっとこれテンション上がるぅ……!」

ミリアは地べたに座り込み、檻の中で首輪をつけたまま顔を真っ赤にしている。
だが、その表情には困惑でも苦痛でもない。――どこか期待に満ちた“ノリノリの妄想笑顔”だった。

「ふぅん、じゃあ尋ねるけど……ペットって、服着てたっけ?」

「――ッ!?」

マレヴァの口角がぴくりと上がる。クラウディアは全力で顔を覆った。

「ミリア様!? 何をおっしゃっておいでですの!? 正気ですか!? 頭が湧いておられますの!?」

「だってだって~、ペットでしょ? 犬とか猫とか服着てないし~。リアリティ大事! むしろここで脱がないと名乗れない気がする!」

「誰も名乗ってとは言ってないですわーッ!!」

パチン、とマレヴァが指を鳴らす。檻の中に香しい香の煙がたちこめる。

「ふふ……リラックス効果と、軽い催眠成分を含んでいるわ。さぁ……そのままおとなしくしてなさい、私の愛玩生物さん」

「うへへ、なんかクル……ふにゃぁ~……これが“催眠モノ”のやつかぁ……なるほど……」

――そして。

「……え、フィーフィ、まだ!? そろそろ助けてくれていいよ!? 結界張ってくれて――」

《ピコン》

フィーフィの小さな声が頭の中に響く。

「えっと……今いいとこなの?」

「うん。……ううん? いや違う、もう限界。助けて。ちょっと気持ちよくなってきたからマジでヤバいやつ」

「ほんとに!? じゃあ、張るねっ!」

光が瞬き、ぱぁん! と檻が内側から弾け飛んだ。

ミリアはピカピカの無傷状態で、煙の中から仁王立ち。

「……よーし、解禁! そろそろ、私のターン行ってみよっかぁ!」

「!? え、何? 今までの全部……演技だったの!?」

「え? うん。ノリで♡」

マレヴァの眉がぴくりと跳ね上がった。

「この娘……!!」

「さ、ミリアさんの逆襲モード、いっきまーす!!」

――戦闘モードへ移行。
次回、ペットの檻を壊した“妄想系最強少女”、その本気の一撃が炸裂する!!

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件名 第二十七話 『“鍵”と“扉”と、“お約束”の罠』
投稿日 : 2025/06/26(Thu) 05:13
投稿者 ベンジー
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第二十七話 『“鍵”と“扉”と、“お約束”の罠』

 

薄暗い遺跡の通路を進むミリアたち一行。

空気はひんやりと湿っていて、古の魔法陣が刻まれた壁はうっすらと魔力を帯びていた。クラウディアは警戒しながら、剣に手をかけていた。

 

「何か……気配がします」

 

「魔物か?」

 

「いや……もっと、人のような……」

 

その瞬間、ミリアの足元の床が「カチリ」と音を立てた。

 

「え?」

 

──ズドン!!

 

天井から網が落ち、ミリアを包み込む。そして、床がぱっくりと開いた――

 

「あっ、また罠ァァァァァ!?」

 

 

◇ ◇ ◇

 

ミリアが気がついたとき、彼女は石造りの小部屋の中――牢のような空間にいた。

 

「……うわ、なんかデジャヴ……」

 

首にはいつの間にか、銀色に鈍く光る首輪。

手足は自由だが、どう見ても「そういう檻」の中。

 

「ちょ、これさ……絶対にあの人の趣味だよね。ペットごっこ、前にも言ってたもんね……」

 

そう。そこは、魔王軍幹部・ドミナの罠だった。

檻の外では、優雅に椅子に座ったドミナが笑みを浮かべている。

 

「ようこそ、私の可愛い小鳥ちゃん。また会えたわね。今回はちゃんと“ペット”になってもらうわ」

 

「はーい、来ましたー! これですよこれ、異世界ファンタジーで一回はやるやつー!」

 

まるでアトラクションのように楽しげなミリアの反応に、ドミナがわずかに目を細める。

 

「……楽しそうね。もっと怖がると思っていたのに」

 

「いやぁ、むしろサービス精神ありがとうございます!」

ミリアは首輪に手をかけて、くるっと回って見せる。

 

「でもさ……」

少し真顔になったかと思えば、次の言葉が飛び出す。

 

「ねぇ、ペットって……服、着てないんじゃないの?」

 

「!?」

ドミナが思わず咳き込む。

 

「え、ちょっとミリア!? それ以上はストップよ!? 倫理コード!!」

フィーフィの声が脳内で響くが、ミリアは真剣そのもの。

 

「だってだって、こういうイベントで中途半端に服があると“惜しい”ってなるじゃん? むしろこっちから脱ぐべきじゃ――」

 

パアァァァン!

魔法の衝撃が檻の外で炸裂した。どうやらクラウディアが突破口を開いたようだ。

 

「ミリア! 何やってるの!? 服を脱ぐな!!」

 

「あっ、クラウディア! 来てくれたんだー!」

ミリアはぱっと笑って両手を上げて手を振る。

その姿は、首輪をつけたまま、牢の中から助けを求める……“どこか幸せそうなペット”だった。

 

「おい、なんで嬉しそうなんだよ!?」

「むしろ助けられたくなさそうなんだけど!?」

 

アユムとレオナルドもやってきて、目を見開いていた。

 

「えへへ……あたし、今いい感じだったのに~」

「いい感じとは……?」

 

ミリアの“変なスイッチ”がまたひとつ、伝説になった瞬間だった。

 

――つづく。

---

次回予告:
**第二十八話『開かれし扉、そして“鍵”の意味』**
地下遺跡に眠る封印と、“勇者の剣”が導く真実。
ミリアは果たしてペットから戻れるのか!?
そしてついに明かされる、彼女の**隠されたスキル**とは――?

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件名 第二十六話 『地下遺跡と、勇者の剣』
投稿日 : 2025/06/26(Thu) 05:10
投稿者 ベンジー
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第二十六話 『地下遺跡と、勇者の剣』

 

王都ファルメンティアの西側、貴族街のはずれにある古井戸の跡地――そこに“地下遺跡”へ続く秘密の入り口があるという情報を得たミリアたちは、夜の闇に紛れて現地に向かっていた。

 

「まさか勇者様と一緒に探索できるなんて……あたし、生きててよかった……」

ミリアは両手を胸に当ててうっとりしていた。

 

「お前、これがただの井戸探索じゃなくて“禁忌の遺跡”ってこと、わかってるよな?」

アユムが冷静に突っ込む。

 

「わかってるけど、でもさ、王道展開ってこういうのだよね! “地下で一騎打ちして惚れられる”とか、“敵に捕まって助けに来てくれる”とか……」

「それ、もう誘拐される前提だろ……」

クラウディアが呆れ顔でため息をつく。

 

「でもミリア、勇者さんとは前に少し話しただけでしょ? もう惚れてる感じなの?」

フィーフィが不思議そうに尋ねる。

 

「うーん、惚れてるというより“推し”だよ、推し! 拝めるだけで元が取れる!!」

 

その“推し”――レオナルドはというと、遺跡の入口に慎重に魔力を流し込んで結界を解析していた。神聖魔法の使い手でもある彼は、精霊術の扱いにも長けている。

 

「……やはり、ここに魔封の結界があります。しかも……これは、古代エラディス教の形式」

 

「エラディス教って、魔王を封印した宗教だよね!?」

ミリアが目を丸くする。

 

「そうだ。だが、千年以上前に教団は分裂し、今では異端視されている。そんな封印が、ここに残っているのは――」

レオナルドが言い終える前に、結界がぱちんと音を立てて弾けた。

 

「開いちゃった☆」

 

「おい! ミリア、何やった!?」

 

「ちょっと押しただけなんだけどなー?」

 

「お前、押すなよって書いてあるボタン押すタイプだろ……!」

 

煙が立ち上り、石造りの階段が地下へと続いていく。そこには涼やかな冷気と、何かが目覚めるような不穏な魔力の気配があった。

 

「……これは、危険な領域だ。全員、気を引き締めてかかれ」

レオナルドが静かに言うと、ミリアもぴしっと背筋を伸ばす。

 

「うん、やる時はやるよ! あたし、勇者の隣に並ぶヒロインってことで!」

「そういう意味で気を引き締めるんじゃないだろ!」

 

一行は、慎重に階段を降りていく。暗闇に包まれた地下遺跡――そこには、思いもよらぬ“遺産”が眠っていた。

 

◇ ◇ ◇

 

同じころ、遺跡の最奥。

 

「……結界が解かれた? ふふ……ミリア、やっぱりあなたが開けに来たのね」

魔王軍幹部“ドミナ”は、檻の中の“鍵”を見下ろしながら微笑む。

 

「ようやく本気で“遊べる”時間がきた。私の可愛いペット候補……今度こそ、ちゃんと“躾けて”あげるわ」

 

その言葉と同時に、遺跡全体がゆっくりと――うねるように、目を覚ました。

 

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次回予告:
**第二十七話『“鍵”と“扉”と、“お約束”の罠』**
ミリアたちが遭遇するのは、かつて封じられた“遺産”。そして、誰かが囚われたままの“檻”。
罠に落ちたミリア、今度こそ本当に――**ペットの危機**!?

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件名 第二十五話 王都ファルメンティア、陰謀の街
投稿日 : 2025/06/26(Thu) 05:07
投稿者 ベンジー
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第二十五話 王都ファルメンティア、陰謀の街

 

王都ファルメンティアは、広大な石造りの城壁に囲まれた、かつての栄光を今なお誇る巨大都市だった。ミリアたちが門をくぐった瞬間、その規模と喧騒に彼女の目はキラキラと輝いた。

 

「すっごーい! 人がいっぱいいる! 屋台も! 貴族っぽい人も! イケメンも!!」

「最後だけ声のトーンおかしかったぞ」

クラウディアが肩をすくめる。アユムも「まったく変わってないな」と苦笑した。

 

王都には数日滞在する予定だった。情報収集と、“黒き精霊”の痕跡を探るためだ。

フィーフィは、街の魔力の流れを敏感に感じ取っていた。

 

「うーん、この街、なんか“重たい”感じがする……地下に何かあるかも?」

「地下に……?」

 

アユムは頷いた。

「王都の地下には、古代王朝の遺跡が広がっているって記録がある。王族でも自由に立ち入れない禁忌の領域さ」

「それってつまり、厨二ダンジョン!? やったー!! ロマンの塊じゃん!!」

 

「落ち着け」

と、そこへ――

 

「ミリア様、いらっしゃいますか!?」


騎士のような一団の中から現れたのは、見覚えのある青年。


「あっ、勇者だ!」


ミリアは、ぱあっと顔を輝かせた。あの、数日前に遭遇した“勇者様”――レオナルド=ヴァレンシュタイン。


「あら、再会ね。もっとラブロマンス風に現れてくれたらよかったのに~」


「お前、それが本音か」


クラウディアが小声でツッコミを入れる。


「お久しぶりです、ミリア嬢。王都へお越しと聞きまして。ようやく正式に、ご挨拶できそうです」


「むしろこっちから挨拶したい! このイケメンオーラに毎日会いたい!」


「もうダメだこの子……」

 
クラウディアが額に手を当てた。フィーフィも「あーあ」と肩を落とす。

 

「王都の一部で、不穏な動きがあると聞きまして。もしよろしければ、協力を仰げませんか?」

「も、もちろんでありますっ!」

 

あまりの返事の速さに、アユムとクラウディアが同時にむせた。

 

「や、やっぱりミリアってすごいね……」

フィーフィが呆れ顔で笑う。

 

 

◇ ◇ ◇

 

その夜。王都の地下にて。

 

黒きローブの女、魔王軍幹部“ドミナ”は、封じられた石柱に手を添えた。そこには“封印の楔”が穿たれている。

 

「レオナルド、ね……。あの勇者も面白い。けれど……ミリアの方が、ずっと“愉しい”」

彼女は檻の中に視線を移す。

その中には、かつて魔王の力を封じた魔法使いの末裔、“鍵”となる人物の一人が、眠るように座らされていた。

 

「さあ――遊びの時間よ。ミリア」

 

封印が、静かに軋む音を立て始めていた――。

 

---

次回予告:
**第二十六話『地下遺跡と、勇者の剣』**
レオナルドとの共闘!そしてミリアの“妄想スキル”がついにバトルに炸裂!?
迫り来る地下の魔と、王都を揺るがす真実が、今、明かされる!

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件名 第二十四話 転生者の選択と、黒き精霊の目覚め
投稿日 : 2025/06/26(Thu) 05:06
投稿者 ベンジー
参照先 http://www.benjee.org
第二十四話 転生者の選択と、黒き精霊の目覚め

 

「……アユムって、いつ転生してきたの?」

ミリアは、焚き火の前で温かいスープを啜りながら尋ねた。場所は村のはずれにある小さな広場。旅人用の簡易キャンプ地だ。

 

「五年前だよ」

「ごっ――年!? そんなに前!? え、ってことはミリアよりずっと先輩ってこと!?」

「うん。だけど、あまり人とは関わらずに、ずっと世界の裏側を調べていた」

「厨二感つよぉい……!」

 

フィーフィが小さな羽音を鳴らして舞いながら、ぽつりと呟いた。

「でも、それだけ長く生きてて、ミリアを“鍵”だと気づいたってことは……」

「そう。彼女は、他の転生者とちがう。魂の重なり方が特殊なんだ。……そして、黒き精霊と“響いて”しまう可能性がある」

 

「黒き精霊……って、なんなの?」

アユムはスープを置き、空を見上げた。

 

「この世界の“悪意”の結晶だよ。戦争、差別、欲望――長い歴史のなかで生まれ、封じられてきた“呪い”そのものさ」

「それが目覚めたら……?」

「世界が呑み込まれる」

 

ミリアは、じっと手のひらを見つめた。

「……私に、それを止められるの?」

 

「それが、君に託された“チートスキル”だ。フィーフィ、まだ伝えてなかったみたいだね」

「ひぃっ!? い、いま言おうと思ってたもん!! 本当に思ってたもん!!」

「……伝えなさい」

クラウディアの冷ややかな目線に、フィーフィがぷるぷる震える。

 

「えっと、ミリアのスキルは――《幻想接続(ファンタズム・リンク)》だよ!」

「なんかカッコイイ名前きたーー!!」

 

「なにそれ!? 厨二ポイント高め!? どんな効果!?」

「え、えっと、説明すると……ミリアは“妄想を一時的に具現化できる”の!」

「!?!?!?」

 

「つまり……妄想で思い描いた武器や力が、短時間だけだけど現実になるのよ!」

「……おい、それってつまり、“妄想ビキニアーマー”とかも……?」

「……うん、可能っちゃ可能……」

「やったぁああああ!! 私の変態パワーがこの世界を救うぅぅうう!!」

「誰か止めて……お願いだから……!」

 

そんな中、アユムが立ち上がる。

「だからこそ、君には選択してもらわないといけない。自分の力を、どう使うか」

ミリアは口を閉じた。珍しく真面目な表情だった。

 

「うん……わかった。私、ちゃんと考えるよ。厨二病だけど、命はかかってるんだもんね」

「その認識で正解だよ」

 

クラウディアが頷く。

「では、まずは王都だな。“黒き精霊”の気配は、そちらに向かっているようだ」

「だね。あそこに行けば、次の“鍵”が見つかる」

 

ミリアが勢いよく立ち上がった。

「よーし! 世界の平和と、ちょっとだけイケメンとの出会いを目指して、レッツ王都!」

「台無しだよ、全部」

 

 

◇ ◇ ◇

 

――その夜、王都の深部にて。

 

暗黒の結晶が、ゆっくりと脈動していた。

それを見下ろす漆黒のローブの女。

 

「……ミリア。あなたの力、そろそろ本格的に欲しくなってきたわ」

 

彼女の唇に浮かぶ、妖しい笑み。

次に彼女が狙うのは、“ミリアの心”――。

 

---

次回予告:
**第二十五話『王都ファルメンティア、陰謀の街』**
黒き精霊の影が忍び寄る王都にて、ミリアたちは運命の出会いと、衝撃の再会を果たす!

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件名 第二十三話 王都への道と、もう一人の転生者!?
投稿日 : 2025/06/26(Thu) 05:04
投稿者 ベンジー
参照先 http://www.benjee.org
第二十三話 王都への道と、もう一人の転生者!?

 

「ふあぁ~……やっぱ宿のベッドって最高~。旅の疲れがぜんぶ消えちゃうよね~!」

朝日を背に、ミリアがご機嫌に背伸びをしながら、町外れの街道を歩いていた。

 

「いや、あなたは疲れるようなことしてないでしょ。ずっと宿で寝てたじゃない」
クラウディアが呆れたように呟く。

「失敬な。私は寝ながら世界の平和について真剣に考えてたの!」

「ほう、どのへんが?」

「勇者様と手を取り合って、この世界に平和を――っていう夢の続きを」

「それ、ただの妄想だから」

 

そんなやり取りにフィーフィが笑っていると、道の向こうに小さな村が見えてきた。

 

「おお、あそこが次の補給地かな? ん~……なんか静かだね?」

「人の気配が薄いね。嫌な予感がするよ、ミリア」

「ええっ、またクエスト案件の匂い!? よっしゃ、ギルドスタンプ稼ぐチャンス到来!」

 

ミリアは張り切って駆けだす。

だが、村の入口に差しかかると、ひときわ目立つ青年がこちらを見つめていた。

 

「――ミリア、か」

彼は、穏やかそうな表情の中に、どこか達観した雰囲気を漂わせていた。

銀髪で中性的な顔立ち。瞳には不思議な光が宿る。

 

「え……誰?」

 

彼は、一歩前に出た。

「やっぱり……君も“転生者”なんだね」

 

ミリアの動きが止まる。

背後でクラウディアが手を伸ばし、剣の柄に触れた。

「誰だ。なぜ、ミリアが転生者だと知っている」

「自己紹介が遅れたね」

青年は微笑み、右手を胸に添えた。

 

「僕の名前はアユム=セリオール。元の世界では、日本人だった。たぶん、君と同じように――」

「マジで!? ほんとに!? うっそー!? 仲間!? 初の異世界トモダチ!?!」

「……おい、落ち着け」

 

ミリアはぐいっとアユムに詰め寄り、まるで握手を求めるかのように手を差し出す。

「うっわー、転生者って、こんなにフツーに遭遇するんだね!? やっぱ異世界テンプレって最高ー!」

「うん……たぶん、そういうノリの世界なんだろうね」

「テンションまで合う! え、私たち運命じゃない!?!?!?」

「落ち着け、ってば」

 

そんなミリアを引き剥がすように、クラウディアが前に出る。

「話を聞かせて。どうしてあなたが、ミリアのことを知っているのか」

「……正直に言うよ」

アユムの表情が引き締まる。

 

「僕は、“転生者の観測者”だった。君たちがこの世界に来る前から、その存在を知っていた。僕には“見える”んだ。魂の境界がね」

 

ミリアが目を丸くする。

「ちょっと厨二病っぽい……けどカッコイイ……!」

「ありがとう。たまにバカにされるからうれしいよ」

「えっ、むしろそこ評価されたい派なんだ!?」

 

「……で? その観測者さんが、こんな田舎に?」

アユムは少し躊躇したあと、静かに答えた。

 

「ミリア。君がこの先、“黒き精霊”と接触する可能性があると知って、ここで待っていたんだ」

「黒き……?」

「それが目覚めれば、世界は大きく揺れる。君の力が、鍵になる」

 

クラウディアが目を細めた。

「その“黒き精霊”、魔王軍が動かそうとしている存在じゃないの?」

「そうだと思う。だから、君たちには気をつけてほしい。ミリア、君の選択が、この世界の未来を左右する」

 

しん……と風が通り抜ける。

その重さに、ミリアでさえ口を閉じた。

 

「……え、じゃあこれ、めちゃくちゃ重大な展開ってこと?」

「そうなるね」

 

「……えっと。レオナルド様に会う前に胃が痛くなってきたんだけど、どうすればいいですか?」

「なんで勇者様基準なの!?」

 

◇ ◇ ◇

 

次回――アユムの過去、そしてミリアの新たな選択。
“黒き精霊”の正体が、ついに明かされる!

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次回予告:
**第二十四話『転生者の選択と、黒き精霊の目覚め』**
アユムの目的とは? ミリアの宿命とは?
テンションと厨二と世界の命運がせめぎ合う、異世界冒険譚加速!!

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件名 第二十二話 黒衣の騎士団と魔王軍の密約
投稿日 : 2025/06/26(Thu) 05:03
投稿者 ベンジー
参照先 http://www.benjee.org
第二十二話 黒衣の騎士団と魔王軍の密約

 

夜の帳が明け、港町フェルメリアの空に柔らかな朝日が差し込む。
戦いの痕跡は、まるで夢の跡のように、町の喧騒に紛れていく。

 

「……はあ、やっと落ち着いたね~」

ミリアは港の堤防で足をぶらつかせながら、潮風を浴びていた。

 

「それにしても、“精霊適性特級”って……そんなレアスキル持ってたんだ、私」

「うんうん、ほんとはすごいのよ、ミリアは!」
フィーフィは胸を張るが――

「忘れてたのが台無しにしてるわよ」とクラウディアの冷たい突っ込みが飛ぶ。

 

「でもまあ、これでちょっとは魔王軍とも戦える感じかな」

「油断しないで。昨夜のエルシリアは本気じゃなかった」

「……だよね。なんか余裕ぶっこいてたし」

 

そのとき――

 

「――あのぉ! ミリアさん!!」

息を切らして駆けてきたのは、ギルドの受付嬢・ミラだった。

「勇者レオナルド様からの伝言です!」

 

「へっ!? ゆ、勇者様から!? 直接じゃなくて!? わざわざ伝言なの!? いやちょっと直接来てくれても良くな――いや、いやでも緊張するからやっぱこれでいいかなあああ!」

「ミリア、落ち着いて」

「はい! 取り乱しました!」

 

ミラが手紙を差し出す。

クラウディアが受け取り、封を開けて読み上げた。

 

> ミリア=リヴィエール殿
> 君に聞きたいことがある。できれば一度、直接会って話をしたい。
> 東の王都“ファルメンティア”にて、数日中に再び君を迎える予定だ。
> 君の力は、世界を変える鍵になるかもしれない。
> 勇者 レオナルド=ヴァレンシュタイン

 

「……きゃあああああああ!! レオナルド様、私に興味あるってこと!? これって実質、異世界ラブコメイベントじゃない!?!?」

「落ち着け! 理性を持て!」

「もう! 行くしかないでしょこれ! ドレス着てくべき!? お風呂入っとくべき!?」

「行く理由は“世界の鍵”のくだりでしょ!? ラブコメじゃないからね!!?」

 

そんなミリアの妄想はさておき――

その頃、東の王都ファルメンティアでは、別の陰謀が渦巻いていた。

 

◇ ◇ ◇

 

「……なるほど。ミリア=リヴィエールが、ついに“鍵”を開いたか」

闇の玉座の間で、黒衣をまとう謎の騎士が呟いた。

その名は――**ラグナ=ナハト**。
魔王軍第三席にして、“黒衣の騎士団”を率いる影の将。

 

「エルシリアの報告では、精霊の適性を持つ少女だとか」

「面白い。ならば“あれ”との相性も良かろう」

彼の背後に立つのは、金色の仮面を被った魔王直属の密使。

「“あれ”とは?」

「……黒き精霊。忌み子の契約体だ」

 

重い沈黙が空間を満たした。

ラグナは、玉座の間の奥、結界で封印された漆黒の水晶に視線を向ける。

 

「ミリアを取り込めば、魔王軍の勝利は約束される。……だが」

「だが?」

「彼女の自由さは、剣よりも厄介だ」

 

◇ ◇ ◇

 

そして。
旅を再開したミリアたち一行は、王都への道すがら、ある村に立ち寄る。

 

そこには、ミリアにとって“運命”を揺るがす再会が待っていた――

 

---

### 次回予告

**第二十三話『王都への道と、もう一人の転生者!?』**
再会の地で現れた謎の青年。その名は――アユム。
「やっぱり、君も転生者だったんだね」
ミリアを知る彼の正体とは!?
チート対チート、転生者たちの運命が交錯し始める――!

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件名 第二十一話 操りの女王エルシリア!目覚めるは、チートの片鱗!?
投稿日 : 2025/06/26(Thu) 05:02
投稿者 ベンジー
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第二十一話 操りの女王エルシリア!目覚めるは、チートの片鱗!?

 

宵の霧が舞う港町フェルメリア。
ミリアは鉄格子の檻を背に、霧と糸を操る魔王軍幹部・**エルシリア**と対峙していた。

 

「ふふふ……素直に檻に入れば、あなたにぴったりの首輪を選んであげたのに」

「ごめん、趣味は悪くないと思うんだけど……さすがにペットプレイはちょっとねー!」

「“ちょっと”なら気はあるのね?」

「うぐっ……そ、そこはノーコメントで!」

 

エルシリアの人形たちが、糸に操られて舞うように迫ってくる。
フィーフィのバリアは健在だが、連続攻撃で徐々に光が弱まりつつある。

 

「ミリア、これ以上は――!」

「わかってる! ……でも、まだバリアあるでしょ? だったら――」

ミリアは飛び出した。

 

「ちょ、ま、待って!? バリア範囲から出たらダメだってばあああっ!!」

 

刹那。

ミリアの足元に走る影、上空から降りる糸――

しかし。

「え――?」

 

ミリアの周囲に、**紫銀の風**が渦を巻いた。

エルシリアの操糸が、ことごとく霧散する。

 

「……あら? これは、予想外ね」

クラウディアも思わず動きを止めた。

「ミリア……今の、それは?」

 

ミリア自身も理解できていなかった。

(……今、何が起きたの?)

(ただ、体が勝手に動いて、風が守ってくれた……ような)

 

フィーフィが空中で口をポカンと開けていたが――ふと、目を見開いた。

「……あーーーーっっっっ!!」

「な、何よ!? いきなり叫ばないでよ!」

「忘れてた! ミリア! あなた、本当はチート持ちだよ!!」

「はぁ!?!?!?!?」

「いやね!? 転生者特典、最初に渡す予定だったのに! あのとき、空から落ちてきた時点で、私うっかりパニックで忘れてて!!」

「えっ、それ今!?!?!? 今!?!?!?」

「思い出してごめん!!!」

「ひどすぎるううう!!」

 

クラウディアが冷静に割り込んできた。

「それで、どんなチート能力なの?」

「えっとね……『精霊との親和適性:特級』。要するに、**精霊の力を無意識に引き出せる**、みたいな!」

「なにそれズルい!!」

「ちょっと……それ、最強じゃない……?」

「でも、チートなのに全然発動してなかったのはなぜ?」

「それは、えっと……本人のテンションとかノリに左右されるっていう、ちょっと感情依存型で……」

「うっわ! いかにも私向けじゃん!! テンションが爆上がりしたときに、勝手に発動するやつだコレ!」

 

エルシリアが手を打って笑った。

「なるほど、あなた……かなり面白いわ。気に入った! もう一度だけ言うわね――」

彼女が手を差し出す。

「うちに来なさい、ペットちゃん♪」

 

ミリアは鼻で笑った。

「ふっふっふ……さっきまではちょっとヤバかったけど……! 今の私は、**覚醒状態**!!」

「……いけるの?」

「テンション的にはMAXよ!!」

「理屈がすごい雑なんだけど!?」

 

そしてミリアは、拳を構えた。

「いっくよぉぉぉおおおおおおおおお!! 精霊パンチ・第1式! 適当ネーミング!!」

 

紫銀の風が、渦を巻いて炸裂する――!

エルシリアの操糸がはじけ飛び、人形たちが吹き飛んだ。

 

「ふふっ……これは、ちょっと本格的に“しつけ”が必要かしらね」

エルシリアの口元に、不敵な笑みが浮かんだまま、霧の中へと消えていった。

 

ミリアは肩で息をしながら、拳を見つめていた。

「……私、本当に……チートだったんだ」

フィーフィが肩にちょこんと乗って、頭をなでた。

「おめでとうミリア! 思い出してくれて! うっかりしててごめんね!」

「もう! 許した!!」

クラウディアは呆れ顔でため息をついた。

「でも……この先、確実に狙われるわね。ミリアの力を知ってる者に」

「うん。――だけど、大丈夫。私にはみんながいるし!」

 

夜が明け、フェルメリアに静かな光が差し込んでいた。

新たな力と、新たな敵の気配。
そして……次なる旅の目的が、また一つ見え始める。

 

---

### 次回予告

**第二十二話『黒衣の騎士団と魔王軍の密約』**
エルシリアの背後に現れた、新たな魔王軍幹部たち。
一方、勇者レオナルドもついに動き出す。
ミリアたちの旅路は、少しずつ“核心”へと近づいていく――。

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件名 第二十話 陰謀と予兆!襲撃の街フェルメリア!
投稿日 : 2025/06/26(Thu) 05:01
投稿者 ベンジー
参照先 http://www.benjee.org
第二十話 陰謀と予兆!襲撃の街フェルメリア!

 

王都フィルガルドを離れたミリアたちは、新たなクエストの舞台である**港町フェルメリア**へと向かっていた。

道中の馬車の中――。

「……ねぇクラウディア、この間の吟遊詩人の歌、気にならない?」

「気にならないわけないでしょう。あなたの前世に何か関係がある可能性もあるし……」

「しかも“世界の外側を見る”って、ちょっと厨二心くすぐるよね!」

「まったく緊張感がない……」

「でも~前世の私は超有名なプリンセスだったのかもよ!? 科学国家の中心で目覚めたチートの申し子、みたいな!」

「むしろ実験体だった可能性の方が……」

「うぐっ」

 

フィーフィは浮かんだまま、くるくると回っていた。

「でも、ミリア。思い出すことが怖いなら、無理に思い出さなくてもいいんだよ? うっかりトラウマ級とかだったら心配だし!」

「……ありがと、フィーフィ。でも、私……知りたいんだ。せっかくこの世界に来たんだもん!」

「そのノリはちょっと違う気がするけど……まぁ、らしいっちゃらしい」

 

* * *

 

港町フェルメリア。

青い海に白い帆船、活気ある市場。観光地としても有名なこの街に、ミリアたちは浮き足立っていた。

「海だ~っ! ビキニ買ってもいいよね!?」

「出たな水着狂」

「ミリアさん、クエストの報告してからにしましょう!」

 

ギルドで受けた依頼は、**“夜にだけ現れる謎の怪異の調査”**。

最近、この街では夜になると倉庫街に謎の音や影が出没し、貨物の消失や人の行方不明が相次いでいた。

「なんかこういうの、都市伝説って感じでワクワクするよね!」

「ワクワクしてる場合じゃないわよ……あんたが捕まったら事件が倍増するんだから」

「えっ、そんなのちょっと得した気分!」

「何と戦ってるの、あなた……」

 

* * *

 

その夜。

ミリアたちは倉庫街の屋根に身を潜め、様子を窺っていた。

「クラウディア、なんか見える?」

「静かね。音も気配もないけど……あれ?」

霧のような影が、倉庫と倉庫の間からゆらりと現れた。

「……出た!」

クラウディアが叫ぶのと同時に、ミリアはもう走り出していた。

「こらミリア! 突っ込むなって言ってるでしょ!」

「いくぞおおおおお!!」

――が、霧に突っ込んだ瞬間、ミリアの体がふわっと浮いた。

「うえっ? な、なにこれ、浮いてる!? 重力操作!? くっ、油断したっ!」

フィーフィがすかさずバリアを張るが、霧の中から現れたのは、人のようで人でない存在。

「これは……人形?」

無数の糸で操られた人形たち。その奥に、艶やかな笑みを浮かべる女が立っていた。

「ふふ……ようこそ、可愛いウサギちゃん。さあ、“檻”にお入りなさい」

 

背後の倉庫の扉が、ガチャリと開く。

鉄格子の檻。その中心に、まるで迎え入れるように――首輪が置かれていた。

「え、ちょ、これ……本気でペットにする気!?」

「ええ、もちろん。“操りの女王”エルシリアのお仕置きは……ちょっと甘くて、少し痛いのよ?」

「やばいっ! フィーフィ!」

「バリア発動ぉぉぉおっ!!」

 

フィーフィの絶対防御がミリアを包み、糸が弾かれる。

しかしエルシリアの手元の人形が一斉に動き出す!

「クラウディア、サポート!」

「任せなさい!」

 

戦闘が始まった。だが、その裏で、ミリアの脳裏に再び“あの旋律”が響いていた。

(この声は……“レーヴェ”? 違う、もっと深い……何かが……)

視界がぐにゃりと歪む。

(このままだと、また――)

 

次の瞬間。

ミリアの瞳が、ほんのわずかに光を放った。

 

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### 次回予告

**第二十一話『操りの女王エルシリア!目覚めるは、チートの片鱗!?』**
人形を操る女幹部エルシリアと、ミリアたちの死闘!
その最中、ミリアの中に眠る“本当の力”が目覚め始める――!?
そして、前世の真実へと続く“記憶の断片”が浮上する!

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