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投稿日 | : 2025/06/15(Sun) 05:02 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
件名 | : Re第十九話 運命の狂詩曲(ラプソディ)! 新たな仲間と、敵と: 『転生少女ミリアの冒険』 |
投稿日 | : 2025/06/26(Thu) 04:59 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第十九話 運命の狂詩曲(ラプソディ)! 新たな仲間と、敵と
王都フィルガルド。祝勝ムードの冷めやらぬ街中を、ひとりの男が歩いていた。
ボロ布のようなマント、風にそよぐ長髪。手には一本のリュート。
吟遊詩人――彼の名は、レーヴェ=シュトラウス。
「英雄が眠る王都にて、運命の楽譜を奏でる刻が来たようだ……ふふ、彼女はどんな顔をするのだろうね?」
* * *
その頃、ミリアたちは王都のギルドにて、新たな依頼の選定中。
「魔王軍の動きもあるし、変なモンスターも増えてるし……」
クラウディアが地図を見つめる中、ミリアはあくびをかみ殺していた。
「ふあぁ……ねぇ、レオくん。王都のおすすめスイーツとか知らない?」
「今その話する!? 世界の命運がどうとかじゃなくて!?」
「甘いものは別腹っていうでしょ。むしろこの世界、スイーツ文化薄くない?」
「ミリアさん、私も気になってました! プリンが存在しない世界とか、不当です!」
「フィーフィ、プリン言いたいだけでしょ」
そんな中、ギルドの扉が開いた。
「失礼。こちらに、ミリア嬢はいらっしゃいますか?」
現れたのは、例の吟遊詩人・レーヴェ。
「ミリア……この街の英雄に、ぜひ一曲、捧げたいと思いまして」
彼がリュートを鳴らすと、空気が震えた。
旋律は、なぜかミリアの心をざわつかせる。
(……これ、知ってる……? でもなんで……)
歌詞は古代語。それなのに――ミリアには意味が分かった。
> 「星の記憶を紡ぐ者よ、かつて遥か遠き地にて命を落とせし少女よ――」
どくん。
ミリアの心臓が跳ねる。
> 「偽りの運命の輪が、今また回り出す。鍵は、覚醒を拒む魂にあり」
「待って、それって……私のこと……?」
彼女の脳裏に、一瞬、白い部屋のビジョンがよぎった。
モニター。管。誰かの声。
(……これは、前世……?)
レーヴェは、静かにリュートを置いた。
「この曲を聴いたことで、あなたの中にある“記憶の封印”が緩んだはずです」
「あなたはいずれ、“世界の外側”を見ることになる。どうか、そのときに問うてください。
あなたが、なぜこの世界に選ばれたのかを」
そして彼は、ふっと微笑む。
「また会いましょう、“選ばれし、異端の魂”よ」
そう言い残し、姿を消した。
「……なんだったんだ、あいつ……」
「ミリアさん、今、変な感じしませんでした?」
「うん……なんか、すっごく懐かしい感じと、すっごく怖い感じが混ざってた」
* * *
その夜。ミリアは宿のベッドで眠れずにいた。
(前世って、やっぱり……普通の人生じゃなかったのかな)
(私がこの世界に来た理由って、なんなんだろ……)
窓の外を見る。
月が、まるでこちらを見ているように輝いていた。
* * *
一方、魔王軍本拠地・奈落の尖塔。
リルゼが玉座の前で跪く。
「申し訳ありません、ミリアの捕獲に失敗しました」
玉座に座る、魔王ディアヴォルトは静かに頷いた。
「構わん。むしろよくやった。彼女の覚醒を早められたのなら、十分な成果だ」
「……覚醒?」
「この世界を、壊す鍵となる少女――」
その目は、すべてを見通すかのように赤く光った。
---
### 次回予告
**第二十話『陰謀と予兆!襲撃の街フェルメリア!』**
新たなクエストは、平和な港町での調査依頼。
だがそこには、魔王軍の“新たな幹部”が待ち受けていた!?
触手より厄介な、〇〇〇系モンスターがミリアを襲う!?
---
王都フィルガルド。祝勝ムードの冷めやらぬ街中を、ひとりの男が歩いていた。
ボロ布のようなマント、風にそよぐ長髪。手には一本のリュート。
吟遊詩人――彼の名は、レーヴェ=シュトラウス。
「英雄が眠る王都にて、運命の楽譜を奏でる刻が来たようだ……ふふ、彼女はどんな顔をするのだろうね?」
* * *
その頃、ミリアたちは王都のギルドにて、新たな依頼の選定中。
「魔王軍の動きもあるし、変なモンスターも増えてるし……」
クラウディアが地図を見つめる中、ミリアはあくびをかみ殺していた。
「ふあぁ……ねぇ、レオくん。王都のおすすめスイーツとか知らない?」
「今その話する!? 世界の命運がどうとかじゃなくて!?」
「甘いものは別腹っていうでしょ。むしろこの世界、スイーツ文化薄くない?」
「ミリアさん、私も気になってました! プリンが存在しない世界とか、不当です!」
「フィーフィ、プリン言いたいだけでしょ」
そんな中、ギルドの扉が開いた。
「失礼。こちらに、ミリア嬢はいらっしゃいますか?」
現れたのは、例の吟遊詩人・レーヴェ。
「ミリア……この街の英雄に、ぜひ一曲、捧げたいと思いまして」
彼がリュートを鳴らすと、空気が震えた。
旋律は、なぜかミリアの心をざわつかせる。
(……これ、知ってる……? でもなんで……)
歌詞は古代語。それなのに――ミリアには意味が分かった。
> 「星の記憶を紡ぐ者よ、かつて遥か遠き地にて命を落とせし少女よ――」
どくん。
ミリアの心臓が跳ねる。
> 「偽りの運命の輪が、今また回り出す。鍵は、覚醒を拒む魂にあり」
「待って、それって……私のこと……?」
彼女の脳裏に、一瞬、白い部屋のビジョンがよぎった。
モニター。管。誰かの声。
(……これは、前世……?)
レーヴェは、静かにリュートを置いた。
「この曲を聴いたことで、あなたの中にある“記憶の封印”が緩んだはずです」
「あなたはいずれ、“世界の外側”を見ることになる。どうか、そのときに問うてください。
あなたが、なぜこの世界に選ばれたのかを」
そして彼は、ふっと微笑む。
「また会いましょう、“選ばれし、異端の魂”よ」
そう言い残し、姿を消した。
「……なんだったんだ、あいつ……」
「ミリアさん、今、変な感じしませんでした?」
「うん……なんか、すっごく懐かしい感じと、すっごく怖い感じが混ざってた」
* * *
その夜。ミリアは宿のベッドで眠れずにいた。
(前世って、やっぱり……普通の人生じゃなかったのかな)
(私がこの世界に来た理由って、なんなんだろ……)
窓の外を見る。
月が、まるでこちらを見ているように輝いていた。
* * *
一方、魔王軍本拠地・奈落の尖塔。
リルゼが玉座の前で跪く。
「申し訳ありません、ミリアの捕獲に失敗しました」
玉座に座る、魔王ディアヴォルトは静かに頷いた。
「構わん。むしろよくやった。彼女の覚醒を早められたのなら、十分な成果だ」
「……覚醒?」
「この世界を、壊す鍵となる少女――」
その目は、すべてを見通すかのように赤く光った。
---
### 次回予告
**第二十話『陰謀と予兆!襲撃の街フェルメリア!』**
新たなクエストは、平和な港町での調査依頼。
だがそこには、魔王軍の“新たな幹部”が待ち受けていた!?
触手より厄介な、〇〇〇系モンスターがミリアを襲う!?
---
件名 | : 第十八話 進化解放!? 欲望と本能のバトルフィールド! |
投稿日 | : 2025/06/24(Tue) 18:43 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第十八話 進化解放!? 欲望と本能のバトルフィールド!
獣王バルザックの巨体が、暗い回廊に立ちふさがる。
「貴様ら、ここで終わりだ……!」
金属のように硬化した毛並み。鋼鉄を裂く爪。
ただの一撃で、王国の精鋭部隊を壊滅させたという噂は伊達ではない。
レオナルドが剣を抜こうとするが――
「レオくん、後ろに下がってて」
ミリアの瞳が、赤く煌めいた。
「今、なんか分かった気がする。私のチートスキル――それは、“**欲望による進化**”」
「欲望、だと……?」
「そう! さっき、リルゼに追い詰められて、ドキドキしてたら――なんかパワーが湧いてきて……」
「いや、その説明いる!? お色気で覚醒!? そっち系なの!?」
「いいの! 前世ではよくある設定だったから!」
ミリアの肌が、うっすら光を帯びる。
フィーフィの声が脳裏に響く。
> 『ああっ、思い出しましたっ! それです、ミリアのチートスキル!』
> 『“エボリューション・インパルス”――欲望や感情が爆発した瞬間、一時的に身体能力が限界突破するんですっ!』
「つまり、ワタシ、ムラムラすればするほど強くなるんだね!!」
「やめて、ミリア、レオくんの前でそういう発言控えてぇええ!!」
と、クラウディアの幻影が現れるほどに、場違いな発言だった。
だが、その効果は絶大だった。
ミリアの体がふわりと浮き上がり、筋肉の可動域が倍増する。
「……はあぁぁぁぁ……!」
右拳を握る。その瞬間、空気が砕けた。
バルザックの一撃を正面から受け止め――
「うおらああああっっっ!!」
一閃。
拳が、獣王の胸板をぶち抜いた。
「な、なんだと……この、力……ッ!?」
「これが、私のチート……“ムラムラモード”!!」
「名前が最低!!」
バルザックは、吹き飛ばされて壁に激突し、意識を失う。
ミリアはふう、と息を吐いた。
「はー……スッキリしたぁ」
「……あの、俺が囚われてた間に、世界の勢力図変わった?」
「いや、私もさっき知ったとこ」
「なんでキミが平然としてるのかが、一番こわいよ」
* * *
ミリアとレオナルドは脱出に成功。
夜が明け、王都に凱旋すると――
「ミリア殿、お主が……勇者様を救出なさったと……!」
「えへへ~、ちょっとムラムラしただけなんですけどね!」
「誤解を招く言い方やめてぇええ!!」
その夜。酒場で祝勝会が開かれる。
クラウディアも駆けつけ、フィーフィは酔っぱらってミリアの髪飾りで寝ていた。
「……にしてもさ」
ミリアは、酒の入ったグラスを揺らしながら、ふとつぶやく。
「この世界、なんか変だよね。私、チート持ちだったけど、勇者は囚われるし、魔王軍も妙に洗練されてるし……」
「……君も、感じてるんだな」
レオナルドが真顔になる。
「この世界……“誰かが造った世界”のような気がする。まるで、舞台装置みたいに、都合が良すぎる」
ミリアが目を細める。
「まるで、私たちが“観察されてる”みたいに?」
――何かが、蠢いている。
世界の真実に迫りながら、次回、物語は大きく動く。
---
### 次回予告
**第十九話『運命の狂詩曲(ラプソディ)! 新たな仲間と、敵と』**
王都に現れる“謎の吟遊詩人”。
彼の歌は、ミリアの記憶に封じられた“前世の秘密”を呼び覚ます――!?
そして、魔王軍の新たな刺客もまた、動き出す。
---
獣王バルザックの巨体が、暗い回廊に立ちふさがる。
「貴様ら、ここで終わりだ……!」
金属のように硬化した毛並み。鋼鉄を裂く爪。
ただの一撃で、王国の精鋭部隊を壊滅させたという噂は伊達ではない。
レオナルドが剣を抜こうとするが――
「レオくん、後ろに下がってて」
ミリアの瞳が、赤く煌めいた。
「今、なんか分かった気がする。私のチートスキル――それは、“**欲望による進化**”」
「欲望、だと……?」
「そう! さっき、リルゼに追い詰められて、ドキドキしてたら――なんかパワーが湧いてきて……」
「いや、その説明いる!? お色気で覚醒!? そっち系なの!?」
「いいの! 前世ではよくある設定だったから!」
ミリアの肌が、うっすら光を帯びる。
フィーフィの声が脳裏に響く。
> 『ああっ、思い出しましたっ! それです、ミリアのチートスキル!』
> 『“エボリューション・インパルス”――欲望や感情が爆発した瞬間、一時的に身体能力が限界突破するんですっ!』
「つまり、ワタシ、ムラムラすればするほど強くなるんだね!!」
「やめて、ミリア、レオくんの前でそういう発言控えてぇええ!!」
と、クラウディアの幻影が現れるほどに、場違いな発言だった。
だが、その効果は絶大だった。
ミリアの体がふわりと浮き上がり、筋肉の可動域が倍増する。
「……はあぁぁぁぁ……!」
右拳を握る。その瞬間、空気が砕けた。
バルザックの一撃を正面から受け止め――
「うおらああああっっっ!!」
一閃。
拳が、獣王の胸板をぶち抜いた。
「な、なんだと……この、力……ッ!?」
「これが、私のチート……“ムラムラモード”!!」
「名前が最低!!」
バルザックは、吹き飛ばされて壁に激突し、意識を失う。
ミリアはふう、と息を吐いた。
「はー……スッキリしたぁ」
「……あの、俺が囚われてた間に、世界の勢力図変わった?」
「いや、私もさっき知ったとこ」
「なんでキミが平然としてるのかが、一番こわいよ」
* * *
ミリアとレオナルドは脱出に成功。
夜が明け、王都に凱旋すると――
「ミリア殿、お主が……勇者様を救出なさったと……!」
「えへへ~、ちょっとムラムラしただけなんですけどね!」
「誤解を招く言い方やめてぇええ!!」
その夜。酒場で祝勝会が開かれる。
クラウディアも駆けつけ、フィーフィは酔っぱらってミリアの髪飾りで寝ていた。
「……にしてもさ」
ミリアは、酒の入ったグラスを揺らしながら、ふとつぶやく。
「この世界、なんか変だよね。私、チート持ちだったけど、勇者は囚われるし、魔王軍も妙に洗練されてるし……」
「……君も、感じてるんだな」
レオナルドが真顔になる。
「この世界……“誰かが造った世界”のような気がする。まるで、舞台装置みたいに、都合が良すぎる」
ミリアが目を細める。
「まるで、私たちが“観察されてる”みたいに?」
――何かが、蠢いている。
世界の真実に迫りながら、次回、物語は大きく動く。
---
### 次回予告
**第十九話『運命の狂詩曲(ラプソディ)! 新たな仲間と、敵と』**
王都に現れる“謎の吟遊詩人”。
彼の歌は、ミリアの記憶に封じられた“前世の秘密”を呼び覚ます――!?
そして、魔王軍の新たな刺客もまた、動き出す。
---
件名 | : 第十七話 囚われの勇者!? 魔王軍の本拠突入作戦 |
投稿日 | : 2025/06/24(Tue) 18:42 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第十七話 囚われの勇者!? 魔王軍の本拠突入作戦
夜の王都に、緊急の鐘が鳴り響いた。
「魔王軍、王都南門を突破!」
「な、何だって!? どうしてこんな早く――っ!」
兵士たちが慌てて駆ける中、ギルドにも号令が届く。
だが、ミリアたちのもとに伝えられたのは、さらに重大な情報だった。
「勇者レオナルド=ヴァレンシュタインが――**魔王軍に攫われた**と……」
「え? ……うそ。あの勇者が?」
クラウディアが思わず口元を抑える。フィーフィも蒼白だ。
「レオくん……強かったじゃん。どうして?」
「……まさか、罠だったのかもしれないわね」
そうつぶやくクラウディアに、ミリアはニヤリと笑い返す。
「だったら――**助けに行くしかないっしょ♪**」
「一人で行く気!?」
「行くよ。だって、アイツ、ちょっとカッコよかったし!」
「理由、それだけ!?」
ギルドも王国軍も対応に手一杯。すぐに動けるのは――ミリアただ一人。
* * *
――数時間後。魔王軍の本拠、黒の城。
闇を駆け抜ける小さな影。
金の髪をたなびかせ、軽やかに城壁を越える少女が一人。
「ふっふっふ……この私に、忍びスキルはないけど、運動神経だけは最高だからねっ」
ステルス性皆無の白ビキニアーマーに身を包んでいるが、気にしない。
「さて、どこかな……レオナルドくんは」
ミリアは通路を走り、あちこちの扉を開けるが、どれもハズレ。
途中、なぜかお風呂場に迷い込んで、魔族女性たちの入浴シーンに遭遇。
「キャー! 変態ー!」
「ち、違う! 通りすがりの冒険者です!!」
「その格好で!?」
「……納得されたッ!!」
なんとか追手を振り切り、ミリアは地下牢へとたどり着く。
「いたっ……!」
そこには、鎖に繋がれたレオナルドが、薄く笑みを浮かべていた。
「……やあ、ミリアさん。まさか本当に来るとは」
「何言ってんのよ! これが主人公ムーブってやつでしょ?」
「……やっぱり、君、ヒロインじゃなくて主人公だね」
そのとき――
ガシャン!!
周囲の空間が揺れ、空気が凍る。
姿を現したのは、リルゼ。
「まったく……油断も隙もないわね、ミリアちゃん。来ると思ってたわよ」
「へへっ、読まれてるー! でも、私もその手は読んでたもんね!」
ミリアは腰の小袋を掲げた。
「さあて、今日の“お仕置きアイテム”は――じゃじゃん! やたら眩しい閃光玉!」
ポンッ!!
バァァァァァン!!
「ぎゃあああっ、目が、目がぁああ!!」
混乱に乗じ、ミリアはレオナルドの拘束を解除する。
「立てる?」
「ああ……さすがにちょっとふらつくけど、大丈夫だ」
「んじゃ、行こうか! 逃げ足だけは自信あるよっ!」
しかし、脱出途中――
ミリアの脳裏に、声が響く。
> 『ミリア……気づいていないの? まだ……その力に』
「……っ、え……?」
> 『欲望が高まるほど、あなたは――進化する』
「……だれ? 今の声……」
「ミリア! こっちだ、早く!」
「う、うん!」
出口は目前。
だがそのとき、天井を破って現れたのは――魔王軍の最強幹部、“獣王バルザック”。
「ここから先は……通さんッ!!」
「ちょっ、聞いてないよ!? なんでこんな強そうなヤツがラストに控えてんの!?」
「ミリア、行くぞ! 二人で――」
「……違うよ、レオくん。**私がやる**」
ミリアの瞳が、赤く光った――
---
### 次回予告
**第十八話『進化解放!? 欲望と本能のバトルフィールド!』**
ミリアの封じられていた“進化チート”が、ついに覚醒する!?
牙を剥く獣王バルザックとの、激闘が始まる――!!
---
夜の王都に、緊急の鐘が鳴り響いた。
「魔王軍、王都南門を突破!」
「な、何だって!? どうしてこんな早く――っ!」
兵士たちが慌てて駆ける中、ギルドにも号令が届く。
だが、ミリアたちのもとに伝えられたのは、さらに重大な情報だった。
「勇者レオナルド=ヴァレンシュタインが――**魔王軍に攫われた**と……」
「え? ……うそ。あの勇者が?」
クラウディアが思わず口元を抑える。フィーフィも蒼白だ。
「レオくん……強かったじゃん。どうして?」
「……まさか、罠だったのかもしれないわね」
そうつぶやくクラウディアに、ミリアはニヤリと笑い返す。
「だったら――**助けに行くしかないっしょ♪**」
「一人で行く気!?」
「行くよ。だって、アイツ、ちょっとカッコよかったし!」
「理由、それだけ!?」
ギルドも王国軍も対応に手一杯。すぐに動けるのは――ミリアただ一人。
* * *
――数時間後。魔王軍の本拠、黒の城。
闇を駆け抜ける小さな影。
金の髪をたなびかせ、軽やかに城壁を越える少女が一人。
「ふっふっふ……この私に、忍びスキルはないけど、運動神経だけは最高だからねっ」
ステルス性皆無の白ビキニアーマーに身を包んでいるが、気にしない。
「さて、どこかな……レオナルドくんは」
ミリアは通路を走り、あちこちの扉を開けるが、どれもハズレ。
途中、なぜかお風呂場に迷い込んで、魔族女性たちの入浴シーンに遭遇。
「キャー! 変態ー!」
「ち、違う! 通りすがりの冒険者です!!」
「その格好で!?」
「……納得されたッ!!」
なんとか追手を振り切り、ミリアは地下牢へとたどり着く。
「いたっ……!」
そこには、鎖に繋がれたレオナルドが、薄く笑みを浮かべていた。
「……やあ、ミリアさん。まさか本当に来るとは」
「何言ってんのよ! これが主人公ムーブってやつでしょ?」
「……やっぱり、君、ヒロインじゃなくて主人公だね」
そのとき――
ガシャン!!
周囲の空間が揺れ、空気が凍る。
姿を現したのは、リルゼ。
「まったく……油断も隙もないわね、ミリアちゃん。来ると思ってたわよ」
「へへっ、読まれてるー! でも、私もその手は読んでたもんね!」
ミリアは腰の小袋を掲げた。
「さあて、今日の“お仕置きアイテム”は――じゃじゃん! やたら眩しい閃光玉!」
ポンッ!!
バァァァァァン!!
「ぎゃあああっ、目が、目がぁああ!!」
混乱に乗じ、ミリアはレオナルドの拘束を解除する。
「立てる?」
「ああ……さすがにちょっとふらつくけど、大丈夫だ」
「んじゃ、行こうか! 逃げ足だけは自信あるよっ!」
しかし、脱出途中――
ミリアの脳裏に、声が響く。
> 『ミリア……気づいていないの? まだ……その力に』
「……っ、え……?」
> 『欲望が高まるほど、あなたは――進化する』
「……だれ? 今の声……」
「ミリア! こっちだ、早く!」
「う、うん!」
出口は目前。
だがそのとき、天井を破って現れたのは――魔王軍の最強幹部、“獣王バルザック”。
「ここから先は……通さんッ!!」
「ちょっ、聞いてないよ!? なんでこんな強そうなヤツがラストに控えてんの!?」
「ミリア、行くぞ! 二人で――」
「……違うよ、レオくん。**私がやる**」
ミリアの瞳が、赤く光った――
---
### 次回予告
**第十八話『進化解放!? 欲望と本能のバトルフィールド!』**
ミリアの封じられていた“進化チート”が、ついに覚醒する!?
牙を剥く獣王バルザックとの、激闘が始まる――!!
---
件名 | : 第十六話 ビキニアーマー祭りと欲望の迷宮! |
投稿日 | : 2025/06/24(Tue) 18:41 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第十六話 ビキニアーマー祭りと欲望の迷宮!
その日、王都近くの大広場では、謎のイベントが開かれていた。
その名も――
**『ビキニアーマー祭り』**
「はい、こっちのステージは、“最も機能性ゼロなビキニ”コンテストでーす!」
「こっちは、“モンスターに破られてもすぐ直る不思議素材”の展示販売!」
「なにこれ……イベントの方向性が迷子なのでは……?」
レオナルドが困惑する中、ミリアは目を輝かせていた。
「これよ! これが異世界の真髄よッッ!!」
「いや、たぶん違うから!」
案の定、イベントは魔王軍の策略だった。
参加者の中に紛れ込んでいた魔族たちが、次々と催眠香や甘言で冒険者たちを取り込んでいく。
そして、ミリアのもとに再び姿を現す、女魔将軍リルゼ。
「ようこそ、ミリアちゃん。さぁ、今日こそあなたを**わたしのペット**にしてあげるわ」
「えっ、いきなり!? もっと段階とか踏まないの!?」
「首輪も用意してあるのよ。檻もね。ふふ……似合うと思うわ」
「……って、ちょっと、見せなくていいから! 見せなくて!!」
リルゼの指パチンと同時に、魔法陣が発動。
ミリアの足元にバチンと檻が現れ、彼女を包み込むようにせり上がってくる。
「ほら、今なら逃げられるわよ? でも……逃げるの?」
「……うう、なんかこの展開、妄想してたやつと似てる……!」
ミリアは一瞬、うっとりと目を閉じて――
「……わんっ♪」
「おい!!」
後方からクラウディアの怒号が飛ぶ。
「あなた、本気で乗るつもり!? あたま冷やしなさいっ!」
「いや、違うの! これには深い戦略が――あっ、ちょっ、投石禁止ぃ!」
ガシャーン!!
檻はクラウディアの一撃で粉砕され、リルゼの魔法も解除される。
「ちょっとぉ〜、せっかくの“わんこイベント”だったのにぃ……」
「何が“わんこ”よ! 反省しなさい!」
「うぅぅ……でも、ちょっとだけ楽しかった……」
その後、魔王軍の策略はレオナルドとクラウディアの活躍により阻止され、イベントは平和裡に(?)終了した。
フィーフィはミリアに飛びついてきて、泣きながら叫ぶ。
「もぉ〜〜〜! ペットになってどうするのぉ〜〜〜!!」
「だって、リルゼさん、いい匂いするし、強くて綺麗でさ……ちょっとだけなら、いいかなーって」
「だめぇええええ!!」
* * *
夜。宿に戻ったミリアたち。
彼女はベッドに寝転がりながら、天井を見つめてつぶやいた。
「でもさ……“欲望で進化する力”ってことは、こういうのも全部、強くなるための経験ってこと……なんだよね?」
「まさか、今後もこういうイベントに積極的に参加する気じゃ……」
「ふふ……今後もいろいろ、試してみようかなっ♪」
「クラウディア、寝込みで縛っておいた方がいいんじゃ……」
「賛成……」
---
### 次回予告
**第十七話『囚われの勇者!? 魔王軍の本拠突入作戦』**
魔王軍がついにレオナルドへ直接手を伸ばしてきた――!
ミリアは“仲間”のため、単独で敵地へ突入する!
そこでついに明かされる、リルゼの過去と、ミリアの“進化チート”の真の力とは……?
---
その日、王都近くの大広場では、謎のイベントが開かれていた。
その名も――
**『ビキニアーマー祭り』**
「はい、こっちのステージは、“最も機能性ゼロなビキニ”コンテストでーす!」
「こっちは、“モンスターに破られてもすぐ直る不思議素材”の展示販売!」
「なにこれ……イベントの方向性が迷子なのでは……?」
レオナルドが困惑する中、ミリアは目を輝かせていた。
「これよ! これが異世界の真髄よッッ!!」
「いや、たぶん違うから!」
案の定、イベントは魔王軍の策略だった。
参加者の中に紛れ込んでいた魔族たちが、次々と催眠香や甘言で冒険者たちを取り込んでいく。
そして、ミリアのもとに再び姿を現す、女魔将軍リルゼ。
「ようこそ、ミリアちゃん。さぁ、今日こそあなたを**わたしのペット**にしてあげるわ」
「えっ、いきなり!? もっと段階とか踏まないの!?」
「首輪も用意してあるのよ。檻もね。ふふ……似合うと思うわ」
「……って、ちょっと、見せなくていいから! 見せなくて!!」
リルゼの指パチンと同時に、魔法陣が発動。
ミリアの足元にバチンと檻が現れ、彼女を包み込むようにせり上がってくる。
「ほら、今なら逃げられるわよ? でも……逃げるの?」
「……うう、なんかこの展開、妄想してたやつと似てる……!」
ミリアは一瞬、うっとりと目を閉じて――
「……わんっ♪」
「おい!!」
後方からクラウディアの怒号が飛ぶ。
「あなた、本気で乗るつもり!? あたま冷やしなさいっ!」
「いや、違うの! これには深い戦略が――あっ、ちょっ、投石禁止ぃ!」
ガシャーン!!
檻はクラウディアの一撃で粉砕され、リルゼの魔法も解除される。
「ちょっとぉ〜、せっかくの“わんこイベント”だったのにぃ……」
「何が“わんこ”よ! 反省しなさい!」
「うぅぅ……でも、ちょっとだけ楽しかった……」
その後、魔王軍の策略はレオナルドとクラウディアの活躍により阻止され、イベントは平和裡に(?)終了した。
フィーフィはミリアに飛びついてきて、泣きながら叫ぶ。
「もぉ〜〜〜! ペットになってどうするのぉ〜〜〜!!」
「だって、リルゼさん、いい匂いするし、強くて綺麗でさ……ちょっとだけなら、いいかなーって」
「だめぇええええ!!」
* * *
夜。宿に戻ったミリアたち。
彼女はベッドに寝転がりながら、天井を見つめてつぶやいた。
「でもさ……“欲望で進化する力”ってことは、こういうのも全部、強くなるための経験ってこと……なんだよね?」
「まさか、今後もこういうイベントに積極的に参加する気じゃ……」
「ふふ……今後もいろいろ、試してみようかなっ♪」
「クラウディア、寝込みで縛っておいた方がいいんじゃ……」
「賛成……」
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### 次回予告
**第十七話『囚われの勇者!? 魔王軍の本拠突入作戦』**
魔王軍がついにレオナルドへ直接手を伸ばしてきた――!
ミリアは“仲間”のため、単独で敵地へ突入する!
そこでついに明かされる、リルゼの過去と、ミリアの“進化チート”の真の力とは……?
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件名 | : 第十五話 女魔将軍の罠!? 甘い囁きと危険な接触 |
投稿日 | : 2025/06/24(Tue) 18:40 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第十五話 女魔将軍の罠!? 甘い囁きと危険な接触
「ねぇ、フィーフィ。転生者って、他にもいたりするのかな」
「んー……そのへん、あんまり情報がないんだけど……可能性はあるかも?」
温泉迷宮からの帰還後、ミリアはギルドの屋上で空を眺めながらそんなことを口にしていた。
「ほら、私、なんでこの世界に来たのかも、どんなチートもらってるのかも知らないし」
「うぐ……それ、今言われると耳が痛い……」
「うんうん、残念妖精だもんね♪」
「むー! それ、開き直ってない!?」
そんな折――ギルドに一通の“黒い封筒”が届けられる。
差出人は、**魔王軍幹部・リルゼ=ヴァルゼン**。
内容は「最近現れた転生者の力に興味がある。話し合いの席を設けたい」とのことだった。
「転生者……やっぱりバレてたのかぁ~」
「普通の人間なら、この誘いは無視するか、罠と見て逃げる……が」
クラウディアがミリアの視線を感じてため息をつく。
「行くつもりでしょう、ミリア?」
「うん! 罠っぽいけど、逆にワクワクするじゃん! しかも相手、あの“リルゼ姐さん”でしょ? 強い美人の幹部って、もうテンプレ通りだよね! これは接触イベント発生の予感……!」
「テンプレじゃないから……リアルだから……」
* * *
深夜、ミリアはレオナルドたちの静止を押し切って、単身、魔王軍の仮設拠点へ。
そこには、紅の衣をまとい、全身に妖艶な香りを漂わせる女将軍――リルゼが待っていた。
「やっと来たのね、小さな転生者ちゃん。ふふ、もっと早く会いたかったわ」
「うわっ、めっちゃイイ声……! ていうか、近っ! 顔近い!」
ミリアの距離感センサーがぐわんぐわん警報を鳴らすが、なぜか動けない。
「ミリア=ルーン……あなたには、まだ目覚めていない“才能”があるわ。それを目覚めさせてあげたいの」
リルゼは、ミリアの頬を指でなぞる。触れられた瞬間、全身がゾクっと震える。
(うぅ、なにこれ、なんか……くすぐったい? いや、でも……)
「ちょっと気持ちいいかも……」
「素直ね。ふふふ、大好きよ、そういう子」
だがそのとき。
ミリアの体に何かが“流れ込む”ような奇妙な感覚が走る。
視界が一瞬、金色に染まった――
「……っ!?」
リルゼの瞳が見開かれた。
「まさか……これは――」
その瞬間、ミリアの体から**強烈な魔力**が逆流するようにあふれ出す。
吹き飛ぶリルゼ。壁を壊して数メートル吹っ飛ぶ。
「な、なに今の……!? 力が……!?」
「チートスキル……あれ、ついに発動しちゃった系!?」
だが、混乱するミリアに、リルゼは息を荒げながら笑みを浮かべた。
「やっぱり……あなた、まだ気づいていないのね。その“力”の正体に」
「な、なんなのさ!? 私のチートって、いったい!?」
「それは――\*\*“欲望を糧に進化する”\*\*という、極めて危険な能力よ」
「えっ、なにそれめっちゃ厨二……最高じゃん!!」
「素直すぎるだろ!」
その場は魔王軍の兵が押し寄せて中断となり、ミリアはなんとか脱出。
戻ったギルドで、クラウディアが呆れ顔で迎えた。
「無事でよかったけど……いったい何があったの?」
「ふふ……私、ついに覚醒しちゃったかも……!」
「不安しかないわ……!」
* * *
そして翌朝――
ギルドの掲示板に、謎の新クエストが貼られていた。
【急募】
**“ビキニアーマー祭り”警備スタッフ募集!**
※魔王軍の潜入者が紛れている可能性あり
「なにこの神イベ!?」
「また行く気なの!?」
---
### 次回予告
**第十六話『ビキニアーマー祭りと欲望の迷宮!』**
進化チート発動の謎を探るため、ミリアが向かう先は……まさかのビキニイベント!?
誘惑、謎、そして露出度MAX!
勇者とクラウディアのツッコミが追いつかない!?
---
「ねぇ、フィーフィ。転生者って、他にもいたりするのかな」
「んー……そのへん、あんまり情報がないんだけど……可能性はあるかも?」
温泉迷宮からの帰還後、ミリアはギルドの屋上で空を眺めながらそんなことを口にしていた。
「ほら、私、なんでこの世界に来たのかも、どんなチートもらってるのかも知らないし」
「うぐ……それ、今言われると耳が痛い……」
「うんうん、残念妖精だもんね♪」
「むー! それ、開き直ってない!?」
そんな折――ギルドに一通の“黒い封筒”が届けられる。
差出人は、**魔王軍幹部・リルゼ=ヴァルゼン**。
内容は「最近現れた転生者の力に興味がある。話し合いの席を設けたい」とのことだった。
「転生者……やっぱりバレてたのかぁ~」
「普通の人間なら、この誘いは無視するか、罠と見て逃げる……が」
クラウディアがミリアの視線を感じてため息をつく。
「行くつもりでしょう、ミリア?」
「うん! 罠っぽいけど、逆にワクワクするじゃん! しかも相手、あの“リルゼ姐さん”でしょ? 強い美人の幹部って、もうテンプレ通りだよね! これは接触イベント発生の予感……!」
「テンプレじゃないから……リアルだから……」
* * *
深夜、ミリアはレオナルドたちの静止を押し切って、単身、魔王軍の仮設拠点へ。
そこには、紅の衣をまとい、全身に妖艶な香りを漂わせる女将軍――リルゼが待っていた。
「やっと来たのね、小さな転生者ちゃん。ふふ、もっと早く会いたかったわ」
「うわっ、めっちゃイイ声……! ていうか、近っ! 顔近い!」
ミリアの距離感センサーがぐわんぐわん警報を鳴らすが、なぜか動けない。
「ミリア=ルーン……あなたには、まだ目覚めていない“才能”があるわ。それを目覚めさせてあげたいの」
リルゼは、ミリアの頬を指でなぞる。触れられた瞬間、全身がゾクっと震える。
(うぅ、なにこれ、なんか……くすぐったい? いや、でも……)
「ちょっと気持ちいいかも……」
「素直ね。ふふふ、大好きよ、そういう子」
だがそのとき。
ミリアの体に何かが“流れ込む”ような奇妙な感覚が走る。
視界が一瞬、金色に染まった――
「……っ!?」
リルゼの瞳が見開かれた。
「まさか……これは――」
その瞬間、ミリアの体から**強烈な魔力**が逆流するようにあふれ出す。
吹き飛ぶリルゼ。壁を壊して数メートル吹っ飛ぶ。
「な、なに今の……!? 力が……!?」
「チートスキル……あれ、ついに発動しちゃった系!?」
だが、混乱するミリアに、リルゼは息を荒げながら笑みを浮かべた。
「やっぱり……あなた、まだ気づいていないのね。その“力”の正体に」
「な、なんなのさ!? 私のチートって、いったい!?」
「それは――\*\*“欲望を糧に進化する”\*\*という、極めて危険な能力よ」
「えっ、なにそれめっちゃ厨二……最高じゃん!!」
「素直すぎるだろ!」
その場は魔王軍の兵が押し寄せて中断となり、ミリアはなんとか脱出。
戻ったギルドで、クラウディアが呆れ顔で迎えた。
「無事でよかったけど……いったい何があったの?」
「ふふ……私、ついに覚醒しちゃったかも……!」
「不安しかないわ……!」
* * *
そして翌朝――
ギルドの掲示板に、謎の新クエストが貼られていた。
【急募】
**“ビキニアーマー祭り”警備スタッフ募集!**
※魔王軍の潜入者が紛れている可能性あり
「なにこの神イベ!?」
「また行く気なの!?」
---
### 次回予告
**第十六話『ビキニアーマー祭りと欲望の迷宮!』**
進化チート発動の謎を探るため、ミリアが向かう先は……まさかのビキニイベント!?
誘惑、謎、そして露出度MAX!
勇者とクラウディアのツッコミが追いつかない!?
---
件名 | : 第十四話 温泉と勇者と触手と……!? モフモフ迷宮の冒険 |
投稿日 | : 2025/06/24(Tue) 18:38 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第十四話 温泉と勇者と触手と……!? モフモフ迷宮の冒険
「おめでとうございます、ミリア様! 本日、見事“初級妄想魔法”に成功されました~!」
フィーフィが拍手をしながらくるくる舞う。
「ふふーん、当然でしょ♪ 妄想は誰にも負けないからね!」
クラウディアが顔をしかめて口を挟む。
「その発言、誇っていいのかどうか悩ましいけれど……それより、本当にこのクエストでいいの? “迷宮に突然現れたモフモフ触手獣の調査”?」
「うんっ。だって“モフモフ”と“触手”だよ? 絶対何かあるに違いないじゃん!」
「“ある”から問題なのよ……」
* * *
依頼主は、温泉町セリュノアにある迷宮の管理人だった。
最近迷宮の最下層で謎の“モフモフ系魔獣”が出没し、観光客(特に女性)に人気という噂が流れていた。
「……人気になってるなら、放っておけばよいのでは?」
とクラウディアがぼやくが、
「問題はそれが“触手型”で、温泉客の服を脱がせたり、泡で隠したりする“イタズラ”をすることなんだ」
と、勇者レオナルドが補足した。
「つまり――これは公然猥褻スライム事件ってことね!」
「なんでそんな事件名で理解するの!?」
* * *
セリュノア温泉郷。
一行はまず、現場での聞き込み調査を行った。
「そのモフモフ、ほんとにフワッフワなのよ~。でも気がつくと、タオルがなくなってて……!」
「私なんて、背中洗ってもらってたのに、急に泡まみれで転ばされて……うふふ♡」
「うーむ、これは明らかに……」
「エロいやつだね!」
「ミリア、やっぱりお前はおかしい」
その夜、一行は迷宮の最下層へと向かった。
ミリアは“泡まみれでも透けない水着”という名の布面積少なめバトルスーツを着用。クラウディアは赤面しながら魔術防護服、レオナルドは普通の鎧。
「暗いねー……おっ、見えてきた!」
そして、姿を現したのは――
もふもふの巨大な毛玉に、無数のふわふわ触手が生えた、奇妙な生物だった。
《もふもふ・スライム(変異体)》
分類:ぬいぐるみ系魔獣
属性:愛撫/癒やし/泡
「こ、これは……思ってたより可愛い!」
だがその瞬間、ふわっと空中に舞う泡――そして!
「ちょ、待っ、何これ泡やばっ!?」
ミリアがたちまち泡に包まれ、胸元や太ももにモフ触手が絡みつく。
「ぬおおおお!? い、意外と痛い!? ちょっ、やばっ、やっぱやめ――」
**「……でも、ちょっと気持ちいいかも」**
「やっぱりかあああ!!」とクラウディアが叫ぶ。
――が、その時。
ミリアの目が光る。
「そうだ……これ、妄想魔法のチャンスじゃん!」
次の瞬間――
「《妄想開発魔法:泡ジェット大爆発》!!」
迷宮内に派手な泡爆発が巻き起こり、スライムはスピンしながら吹き飛んだ。
「ふふふ……触手には触手で対抗ってね」
「いや、それただのノリでしょ!?」
* * *
スライムは温泉の魔力で暴走していたが、本来は癒やし魔獣。ミリアたちの手で鎮静化され、町のマスコットに昇格した。
「いやぁ~いいお湯だったー♪」
ミリアは温泉に浸かりながら、ぼーっと空を眺めた。
「……なんか、こういうのも、冒険だよね」
「まあ、ミリアが満足しているならいいけれど……」と、クラウディアは苦笑しながら肩まで浸かっていた。
レオナルドも隣でぽつりと呟く。
「……お前といると、本当に飽きないな」
「えっ、今のちょっとキュンと来た!?」
「そんなつもりはなかったのだが……」
ミリアの妄想は、まだまだ加速する――!
---
### 次回予告
**第十五話『女魔将軍の罠!? 甘い囁きと危険な接触』**
いよいよ魔王軍との直接対決!?
転生の秘密を知るあの女幹部が、ミリアをペットにしようと接近する!?
ギャグ・バトル・お色気の三拍子で贈る、波乱の新章突入!
---
「おめでとうございます、ミリア様! 本日、見事“初級妄想魔法”に成功されました~!」
フィーフィが拍手をしながらくるくる舞う。
「ふふーん、当然でしょ♪ 妄想は誰にも負けないからね!」
クラウディアが顔をしかめて口を挟む。
「その発言、誇っていいのかどうか悩ましいけれど……それより、本当にこのクエストでいいの? “迷宮に突然現れたモフモフ触手獣の調査”?」
「うんっ。だって“モフモフ”と“触手”だよ? 絶対何かあるに違いないじゃん!」
「“ある”から問題なのよ……」
* * *
依頼主は、温泉町セリュノアにある迷宮の管理人だった。
最近迷宮の最下層で謎の“モフモフ系魔獣”が出没し、観光客(特に女性)に人気という噂が流れていた。
「……人気になってるなら、放っておけばよいのでは?」
とクラウディアがぼやくが、
「問題はそれが“触手型”で、温泉客の服を脱がせたり、泡で隠したりする“イタズラ”をすることなんだ」
と、勇者レオナルドが補足した。
「つまり――これは公然猥褻スライム事件ってことね!」
「なんでそんな事件名で理解するの!?」
* * *
セリュノア温泉郷。
一行はまず、現場での聞き込み調査を行った。
「そのモフモフ、ほんとにフワッフワなのよ~。でも気がつくと、タオルがなくなってて……!」
「私なんて、背中洗ってもらってたのに、急に泡まみれで転ばされて……うふふ♡」
「うーむ、これは明らかに……」
「エロいやつだね!」
「ミリア、やっぱりお前はおかしい」
その夜、一行は迷宮の最下層へと向かった。
ミリアは“泡まみれでも透けない水着”という名の布面積少なめバトルスーツを着用。クラウディアは赤面しながら魔術防護服、レオナルドは普通の鎧。
「暗いねー……おっ、見えてきた!」
そして、姿を現したのは――
もふもふの巨大な毛玉に、無数のふわふわ触手が生えた、奇妙な生物だった。
《もふもふ・スライム(変異体)》
分類:ぬいぐるみ系魔獣
属性:愛撫/癒やし/泡
「こ、これは……思ってたより可愛い!」
だがその瞬間、ふわっと空中に舞う泡――そして!
「ちょ、待っ、何これ泡やばっ!?」
ミリアがたちまち泡に包まれ、胸元や太ももにモフ触手が絡みつく。
「ぬおおおお!? い、意外と痛い!? ちょっ、やばっ、やっぱやめ――」
**「……でも、ちょっと気持ちいいかも」**
「やっぱりかあああ!!」とクラウディアが叫ぶ。
――が、その時。
ミリアの目が光る。
「そうだ……これ、妄想魔法のチャンスじゃん!」
次の瞬間――
「《妄想開発魔法:泡ジェット大爆発》!!」
迷宮内に派手な泡爆発が巻き起こり、スライムはスピンしながら吹き飛んだ。
「ふふふ……触手には触手で対抗ってね」
「いや、それただのノリでしょ!?」
* * *
スライムは温泉の魔力で暴走していたが、本来は癒やし魔獣。ミリアたちの手で鎮静化され、町のマスコットに昇格した。
「いやぁ~いいお湯だったー♪」
ミリアは温泉に浸かりながら、ぼーっと空を眺めた。
「……なんか、こういうのも、冒険だよね」
「まあ、ミリアが満足しているならいいけれど……」と、クラウディアは苦笑しながら肩まで浸かっていた。
レオナルドも隣でぽつりと呟く。
「……お前といると、本当に飽きないな」
「えっ、今のちょっとキュンと来た!?」
「そんなつもりはなかったのだが……」
ミリアの妄想は、まだまだ加速する――!
---
### 次回予告
**第十五話『女魔将軍の罠!? 甘い囁きと危険な接触』**
いよいよ魔王軍との直接対決!?
転生の秘密を知るあの女幹部が、ミリアをペットにしようと接近する!?
ギャグ・バトル・お色気の三拍子で贈る、波乱の新章突入!
---
件名 | : 第十三話 チート覚醒!? ミリア式・妄想魔法開発開始! |
投稿日 | : 2025/06/24(Tue) 18:37 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第十三話 チート覚醒!? ミリア式・妄想魔法開発開始!
「えーと……で、あたしのスキルって結局なに?」
ギルドの個室にて、ミリアはテーブルに頬杖をつきながら、不満げに唸っていた。
再会から数日。彼女は勇者パーティとともに街に戻り、ギルドに再登録を果たしていた。
「ふふふ。お待たせしました、ミリア様!」
フィーフィがぴょんと飛び上がり、ポーズを決める。
「ようやく、私の大失態により長らく伝え忘れていた“本当のスキル”を発表する時が来ました!」
「いや、だいぶ遅かったよね!? 何この説明会、もっと早くやって!」
「……まあ、あのときはほら、うっかりしてたっていうか、空から落ちてくるのが想定外だったというか……」
「いやいや! どんな転生ガイドよ!」
クラウディアが呆れたようにため息をつきつつも、話を戻した。
「で、ミリア。お前のスキルはなんだったのだ?」
「それがね――」
――《フォース・カスタマイズ》――
既存の魔法やスキル、物理法則すら一部“いじれる”能力。
ただし、発動条件は明確。
1:ミリアが“それっぽい理屈”を思いつき、 2:ノリノリで「これいける!」と信じ込むこと。
その瞬間、“それが現実になる”。
「うん。やっぱチートだわ、これ」
「つまり……例えば、『あのアニメで見た“分裂魔法”を自分も使える気がする!』って思い込んだら?」
「分裂できる」
「『触手は女の子のロマンだよね!』って思ったら?」
「触手が生える……かもしれない」
「えええええええ!!?」
クラウディアが頭を抱える。
「ま、まって、それって、つまり“妄想具現化スキル”では……!? それ、危険すぎるわよ!?」
「妄想が世界を変える……これぞ主人公力……!!」
「違う! そういう“主人公補正”じゃないのよ!」
「ふっふっふ、これからは“ミリア式魔法体系”の時代だね!」
ミリアは紙とペンを取り出し、妄想メモを始める。
・火炎ビキニアーマー(着るだけで火属性攻撃)
・ぴっかぴかお風呂結界(温泉魔法)
・時間停止ビンタ(相手だけ一瞬止まる)
・分身くすぐり拳(たくさんの自分が攻撃する)
「これは……魔王軍より厄介な存在が生まれたかもしれませんね……」と、フィーフィがぼそっと呟いたのは秘密である。
――その夜。
宿屋のベッドで寝転がりながら、ミリアは天井を見上げた。
「……あたし、変われたかな」
前より少しだけ、仲間の大切さがわかって、
ちょっとだけ責任感が芽生えて。
けど、やっぱり“やりたいこと”がいっぱいあって――
「うん、でも今が一番楽しいかも」
明日からはまた、新しい冒険が始まる。
世界を救うかもしれないし、ただの温泉探しで終わるかもしれない。
けど、そんな日々が、ミリアは大好きだった。
「よーし! 明日は“空飛ぶ巨大ハムスターに乗る魔法”でも考えてみよーっと!」
――空を見上げて笑う彼女の姿を、
月が、やさしく照らしていた。
---
### 次回予告
**第十四話『温泉と勇者と触手と……!? モフモフ迷宮の冒険』**
ミリアの初・妄想魔法実戦投入!?
なぜか温泉、なぜかモフモフ、なぜかまた触手!?
冒険と妄想が交差する、お色気×ギャグ×バトル回です!
---
「えーと……で、あたしのスキルって結局なに?」
ギルドの個室にて、ミリアはテーブルに頬杖をつきながら、不満げに唸っていた。
再会から数日。彼女は勇者パーティとともに街に戻り、ギルドに再登録を果たしていた。
「ふふふ。お待たせしました、ミリア様!」
フィーフィがぴょんと飛び上がり、ポーズを決める。
「ようやく、私の大失態により長らく伝え忘れていた“本当のスキル”を発表する時が来ました!」
「いや、だいぶ遅かったよね!? 何この説明会、もっと早くやって!」
「……まあ、あのときはほら、うっかりしてたっていうか、空から落ちてくるのが想定外だったというか……」
「いやいや! どんな転生ガイドよ!」
クラウディアが呆れたようにため息をつきつつも、話を戻した。
「で、ミリア。お前のスキルはなんだったのだ?」
「それがね――」
――《フォース・カスタマイズ》――
既存の魔法やスキル、物理法則すら一部“いじれる”能力。
ただし、発動条件は明確。
1:ミリアが“それっぽい理屈”を思いつき、 2:ノリノリで「これいける!」と信じ込むこと。
その瞬間、“それが現実になる”。
「うん。やっぱチートだわ、これ」
「つまり……例えば、『あのアニメで見た“分裂魔法”を自分も使える気がする!』って思い込んだら?」
「分裂できる」
「『触手は女の子のロマンだよね!』って思ったら?」
「触手が生える……かもしれない」
「えええええええ!!?」
クラウディアが頭を抱える。
「ま、まって、それって、つまり“妄想具現化スキル”では……!? それ、危険すぎるわよ!?」
「妄想が世界を変える……これぞ主人公力……!!」
「違う! そういう“主人公補正”じゃないのよ!」
「ふっふっふ、これからは“ミリア式魔法体系”の時代だね!」
ミリアは紙とペンを取り出し、妄想メモを始める。
・火炎ビキニアーマー(着るだけで火属性攻撃)
・ぴっかぴかお風呂結界(温泉魔法)
・時間停止ビンタ(相手だけ一瞬止まる)
・分身くすぐり拳(たくさんの自分が攻撃する)
「これは……魔王軍より厄介な存在が生まれたかもしれませんね……」と、フィーフィがぼそっと呟いたのは秘密である。
――その夜。
宿屋のベッドで寝転がりながら、ミリアは天井を見上げた。
「……あたし、変われたかな」
前より少しだけ、仲間の大切さがわかって、
ちょっとだけ責任感が芽生えて。
けど、やっぱり“やりたいこと”がいっぱいあって――
「うん、でも今が一番楽しいかも」
明日からはまた、新しい冒険が始まる。
世界を救うかもしれないし、ただの温泉探しで終わるかもしれない。
けど、そんな日々が、ミリアは大好きだった。
「よーし! 明日は“空飛ぶ巨大ハムスターに乗る魔法”でも考えてみよーっと!」
――空を見上げて笑う彼女の姿を、
月が、やさしく照らしていた。
---
### 次回予告
**第十四話『温泉と勇者と触手と……!? モフモフ迷宮の冒険』**
ミリアの初・妄想魔法実戦投入!?
なぜか温泉、なぜかモフモフ、なぜかまた触手!?
冒険と妄想が交差する、お色気×ギャグ×バトル回です!
---
件名 | : 第十二話 ミリア、脱出成功!? 勇者パーティ再集結へ! |
投稿日 | : 2025/06/24(Tue) 18:34 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第十二話 ミリア、脱出成功!? 勇者パーティ再集結へ!
森の木々が風に揺れる――その中に、ミリアの姿があった。
見た目はただの旅人。でもその中身は、ちょっとやそっとじゃ語りきれない。
「いやー、まさかホントに出られるとは……。あのスキル、チートっていうか反則じゃない?」
《フォース・カスタマイズ》
物体・空間・スキルの一部を“改造”できる能力。
ただし発動条件は、ミリア自身が「自分サイコー!」と本気で思っていること。
「自己肯定感バフ最強……!!」
背後では、魔王軍の砦が小さくなっていく。
物音ひとつ立てず、結界を塗り替えて抜け出す。ミリアにとっては、もう“なんかうまくいった”レベルのノリである。
「けど――戻る場所、ちゃんとあるかな」
歩きながら、ふと心がチクリと痛んだ。
仲間たちが、自分のことをどう思っているのか。クラウディアは怒ってるかも。フィーフィは泣いてるかも。レオナルドは……?
「……どんな顔されるんだろ」
──そのころ。
とある街道を馬車で進む一団があった。勇者パーティと、クラウディア、そしてフィーフィ。
「魔王軍の根城、あの地域一帯から魔力反応が一時消えました。ミリアが……何かをしたのかも」
報告する賢者タイプの女性・カティア。勇者の仲間の一人だ。
「俺たちが向かう前に、あの子は自力で……?」
「やるわね、ミリア……!」
クラウディアはぎゅっと拳を握る。その隣でフィーフィも、希望を取り戻したように笑った。
「ううん、きっと、すぐに会えるよ」
──そしてその夜。
とある宿場町の酒場で。
「ぎゃはははっ! そこの女の子、やけに飲みっぷりいいじゃねーか!」
「おじさん、もう一杯ちょうだい! 一番キツいやつでっ!」
場の空気を一瞬で明るくする少女――ミリア。
「チート脱出スキル発動記念に乾杯~!」
誰に言うでもなくジョッキを掲げるその姿に、数人の冒険者が「こいつ何者だ……」とザワつくが、本人はまったく気にしていない。
しかしそのとき。
「……ミリア……?」
小さな声が、店の入り口から漏れた。
「……え?」
振り向くミリアの前にいたのは、真っ直ぐな目をしたクラウディアだった。
その後ろに、フィーフィ。
さらに……勇者・レオナルド。
「……ただいま?」
その一言で、酒場が一瞬、静まり返る。
「ばっ……! バカ!! どれだけ、心配したと思ってるのよ!!」
クラウディアが叫んだ。
走ってきて、ミリアを思い切り抱きしめる。
「うぐっ……く、クラウディア……ちょ、ちょっと息できな……ぎゅーってしすぎぃ……」
フィーフィも涙目でミリアに飛びつく。
「ミリア様っ、もうっ、もうっ……!」
勇者・レオナルドは、安堵の笑みを浮かべながら、そっと一言だけ。
「……おかえり」
「……ただいま!」
ようやく、すべてが、戻ってきた。
だが――それは“新たな旅の始まり”でもあった。
---
### 次回予告
**第十三話『チート覚醒!? ミリア式・妄想魔法開発開始!』**
ギルド再登録、パーティ再結成、そして……妄想を具現化する魔法?
ミリアの暴走が世界を変える――!?
シリアスとギャグのバランスを取りつつ、次回も盛り上がっていきます!
---
森の木々が風に揺れる――その中に、ミリアの姿があった。
見た目はただの旅人。でもその中身は、ちょっとやそっとじゃ語りきれない。
「いやー、まさかホントに出られるとは……。あのスキル、チートっていうか反則じゃない?」
《フォース・カスタマイズ》
物体・空間・スキルの一部を“改造”できる能力。
ただし発動条件は、ミリア自身が「自分サイコー!」と本気で思っていること。
「自己肯定感バフ最強……!!」
背後では、魔王軍の砦が小さくなっていく。
物音ひとつ立てず、結界を塗り替えて抜け出す。ミリアにとっては、もう“なんかうまくいった”レベルのノリである。
「けど――戻る場所、ちゃんとあるかな」
歩きながら、ふと心がチクリと痛んだ。
仲間たちが、自分のことをどう思っているのか。クラウディアは怒ってるかも。フィーフィは泣いてるかも。レオナルドは……?
「……どんな顔されるんだろ」
──そのころ。
とある街道を馬車で進む一団があった。勇者パーティと、クラウディア、そしてフィーフィ。
「魔王軍の根城、あの地域一帯から魔力反応が一時消えました。ミリアが……何かをしたのかも」
報告する賢者タイプの女性・カティア。勇者の仲間の一人だ。
「俺たちが向かう前に、あの子は自力で……?」
「やるわね、ミリア……!」
クラウディアはぎゅっと拳を握る。その隣でフィーフィも、希望を取り戻したように笑った。
「ううん、きっと、すぐに会えるよ」
──そしてその夜。
とある宿場町の酒場で。
「ぎゃはははっ! そこの女の子、やけに飲みっぷりいいじゃねーか!」
「おじさん、もう一杯ちょうだい! 一番キツいやつでっ!」
場の空気を一瞬で明るくする少女――ミリア。
「チート脱出スキル発動記念に乾杯~!」
誰に言うでもなくジョッキを掲げるその姿に、数人の冒険者が「こいつ何者だ……」とザワつくが、本人はまったく気にしていない。
しかしそのとき。
「……ミリア……?」
小さな声が、店の入り口から漏れた。
「……え?」
振り向くミリアの前にいたのは、真っ直ぐな目をしたクラウディアだった。
その後ろに、フィーフィ。
さらに……勇者・レオナルド。
「……ただいま?」
その一言で、酒場が一瞬、静まり返る。
「ばっ……! バカ!! どれだけ、心配したと思ってるのよ!!」
クラウディアが叫んだ。
走ってきて、ミリアを思い切り抱きしめる。
「うぐっ……く、クラウディア……ちょ、ちょっと息できな……ぎゅーってしすぎぃ……」
フィーフィも涙目でミリアに飛びつく。
「ミリア様っ、もうっ、もうっ……!」
勇者・レオナルドは、安堵の笑みを浮かべながら、そっと一言だけ。
「……おかえり」
「……ただいま!」
ようやく、すべてが、戻ってきた。
だが――それは“新たな旅の始まり”でもあった。
---
### 次回予告
**第十三話『チート覚醒!? ミリア式・妄想魔法開発開始!』**
ギルド再登録、パーティ再結成、そして……妄想を具現化する魔法?
ミリアの暴走が世界を変える――!?
シリアスとギャグのバランスを取りつつ、次回も盛り上がっていきます!
---
件名 | : 第十一話 奪還作戦、始動! それぞれの覚悟と、ミリアの選択 |
投稿日 | : 2025/06/21(Sat) 03:34 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第十一話 奪還作戦、始動! それぞれの覚悟と、ミリアの選択
「ミリアは必ず、私が取り戻すわ」
クラウディアの瞳は、まるで鋼のように澄み切っていた。
フィーフィが涙をぬぐいながらうなずく。
「ミリア様の、あんな泣きそうな顔……初めて見た……。絶対助ける……!」
「うん、きっと、大丈夫よ」
その背後で、勇者レオナルドがゆっくりと剣を構えた。
「ミリアは、“この世界を変える力”を持っている。だが、それ以上に――あの子には、仲間を笑顔にする力がある」
彼の言葉に、仲間たちはうなずき、再集結の準備を始めた。
一方、魔王軍の拠点――
ミリアは未だに自分の置かれた状況に、ピンときていなかった。
「えーっと、つまり私、世界を変えられるかもしれない最強チート持ちで、魔王軍に誘拐されてるってことで合ってる?」
「ええ、ほぼ正解よ」
椅子に座ったまま紅茶を啜るリルゼ。まるで高貴な貴族のような態度だ。
「でも、あなたの“力”はまだ不完全。きっと、記憶と心が噛み合ったとき、すべてが覚醒するわ」
「ってことは、記憶喪失ってこと? 私」
「転生時の衝撃で記憶が歪んだのか、あるいは“誰か”が意図的に封じたのか――」
リルゼの言葉の裏には、淡く不穏な響きが含まれていた。
「……でもさ」
ミリアは机に肘をついて、頬杖をつく。
「ちょっとだけ……ちょっとだけでいいから、エッチなことにも使えたら嬉しいんだけどな~」
「本当に油断も隙もない子ね……」
その夜。
ミリアはひとり、魔王軍の廊下を歩いていた。監視がないわけではないが、リルゼは自由にしてよいと言った。まるで、彼女の“選択”を待っているかのように。
「このまま、ここにいれば、安全で、ご飯も出るし、自由もある。でも――」
ふと、クラウディアの叱責が、フィーフィの応援が、そして勇者の手が脳裏に浮かぶ。
「……違うよね」
ミリアは振り返る。
「私、やっぱり“あっちの方が性に合ってる”!」
不意に、胸の奥が熱くなった。
何かが目覚めたように、世界の“座標”が浮かぶ。
「――“編集モード、オン?”」
魔法のようなインターフェースが、彼女の視界に現れた。
スキル名《フォース・カスタマイズ》
発動条件:ミリアの“妄想力”と“自己肯定”
表示されたオプションは無限大。
「うっわ! これ、ヤバい! ていうか最高!」
笑うミリアの瞳が輝いた瞬間――世界が、ざらりと動いた。
その翌日。
魔王軍の城に、風が走った。
ミリアが、誰にも告げずに――消えた。
「“私をナメたら、痛い目見せるぞ☆”って言ってたそうです」
「……あの子、まさか……」
リルゼは静かに目を伏せ、つぶやいた。
「いよいよ“物語”が動き始めたわね」
---
### 次回予告
**第十二話『ミリア、脱出成功!? 勇者パーティ再集結へ!』**
チートスキルの発動!
帰還を目指すミリア!
そして、迫る魔王軍幹部たちの影――
---
「ミリアは必ず、私が取り戻すわ」
クラウディアの瞳は、まるで鋼のように澄み切っていた。
フィーフィが涙をぬぐいながらうなずく。
「ミリア様の、あんな泣きそうな顔……初めて見た……。絶対助ける……!」
「うん、きっと、大丈夫よ」
その背後で、勇者レオナルドがゆっくりと剣を構えた。
「ミリアは、“この世界を変える力”を持っている。だが、それ以上に――あの子には、仲間を笑顔にする力がある」
彼の言葉に、仲間たちはうなずき、再集結の準備を始めた。
一方、魔王軍の拠点――
ミリアは未だに自分の置かれた状況に、ピンときていなかった。
「えーっと、つまり私、世界を変えられるかもしれない最強チート持ちで、魔王軍に誘拐されてるってことで合ってる?」
「ええ、ほぼ正解よ」
椅子に座ったまま紅茶を啜るリルゼ。まるで高貴な貴族のような態度だ。
「でも、あなたの“力”はまだ不完全。きっと、記憶と心が噛み合ったとき、すべてが覚醒するわ」
「ってことは、記憶喪失ってこと? 私」
「転生時の衝撃で記憶が歪んだのか、あるいは“誰か”が意図的に封じたのか――」
リルゼの言葉の裏には、淡く不穏な響きが含まれていた。
「……でもさ」
ミリアは机に肘をついて、頬杖をつく。
「ちょっとだけ……ちょっとだけでいいから、エッチなことにも使えたら嬉しいんだけどな~」
「本当に油断も隙もない子ね……」
その夜。
ミリアはひとり、魔王軍の廊下を歩いていた。監視がないわけではないが、リルゼは自由にしてよいと言った。まるで、彼女の“選択”を待っているかのように。
「このまま、ここにいれば、安全で、ご飯も出るし、自由もある。でも――」
ふと、クラウディアの叱責が、フィーフィの応援が、そして勇者の手が脳裏に浮かぶ。
「……違うよね」
ミリアは振り返る。
「私、やっぱり“あっちの方が性に合ってる”!」
不意に、胸の奥が熱くなった。
何かが目覚めたように、世界の“座標”が浮かぶ。
「――“編集モード、オン?”」
魔法のようなインターフェースが、彼女の視界に現れた。
スキル名《フォース・カスタマイズ》
発動条件:ミリアの“妄想力”と“自己肯定”
表示されたオプションは無限大。
「うっわ! これ、ヤバい! ていうか最高!」
笑うミリアの瞳が輝いた瞬間――世界が、ざらりと動いた。
その翌日。
魔王軍の城に、風が走った。
ミリアが、誰にも告げずに――消えた。
「“私をナメたら、痛い目見せるぞ☆”って言ってたそうです」
「……あの子、まさか……」
リルゼは静かに目を伏せ、つぶやいた。
「いよいよ“物語”が動き始めたわね」
---
### 次回予告
**第十二話『ミリア、脱出成功!? 勇者パーティ再集結へ!』**
チートスキルの発動!
帰還を目指すミリア!
そして、迫る魔王軍幹部たちの影――
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件名 | : 第十話 ミリア、さらわれる!? 魔王軍の狙いと、勇者の決断 |
投稿日 | : 2025/06/21(Sat) 03:31 |
投稿者 | : ベンジー |
参照先 | : http://www.benjee.org |
第十話 ミリア、さらわれる!? 魔王軍の狙いと、勇者の決断
「――あれ?」
ふわり、と。
金色の魔法陣が消えたその瞬間、ミリアの足元が崩れ落ちた。
落下する、と思った次の瞬間。
真っ白な光に包まれ、視界が反転し――そして、静寂。
「……うそ。どこ、ここ?」
ミリアが目を覚ましたのは、黒曜石のような床が広がる、荘厳で冷たい空間だった。
空には星も月もなく、代わりに紫色の光が渦巻いている。
「ようこそ、ミリア。転生者の少女」
その声に振り返ると、そこにいたのは――
「リルゼ! 魔王軍の変な女!」
「ひどい紹介ね? 私はただ、あなたに興味があるだけ」
リルゼは優雅に笑い、椅子に腰かけたまま、指を組む。
「どうして、私なんかに?」
「あなたの中にある“力”よ。私たちが何年も探し続けていた、“世界を変える者”の力。……あなた、もう気づいてるでしょ?」
「《フォース・カスタマイズ》のこと……?」
「ええ。正確には、それは“世界に干渉する能力”。あなたの願いに応じて、戦場や自分自身の状態を、無意識に『編集』する……神に近い力よ」
「……」
言葉を失うミリア。
だが、胸の奥にひっかかっていた“モヤモヤ”が、少しだけ形を持ち始めていた。
一方、王都の町。
煙の中で、フィーフィとクラウディアが、ミリアが消えた場所を見つめていた。
「ミリア様が……いない……」
「転移魔法……いや、強制召喚かもしれません」
「クラウディア……わたし、案内役なのに……また、大事なことを忘れてたかもしれない……」
フィーフィの目に、ぽろぽろと涙が浮かんだ。
「“また”?」
「……ミリア様のチートスキル。本当は、もっと早く発動してたんだと思う。でも、あの子が楽しそうだから、なんか言い出せなくて……」
「……ふぅ。あなたって本当に、ダメな妖精ね。でも」
クラウディアはフィーフィの肩に手を置いた。
「それでも、ミリアが選んだ案内役でしょ。だったら、今こそ動く時よ」
そして――
砦の城壁の上。勇者・レオナルドは剣を腰に戻し、静かに言った。
「……ミリアを取り戻す。俺たちはまだ、“彼女のすべて”を知らない。だけど、あの笑顔だけは――守りたい」
彼の目に、まっすぐな決意の光が宿る。
――その頃、ミリアはリルゼに向かって、こう言っていた。
「ねぇ、ひとつだけ聞いていい?」
「なにかしら?」
「この“チートスキル”ってさ……あの、エロいことにも使えたりするの?」
「…………ほんと、君って愉快な子ね」
次回――
**『奪還作戦、始動! それぞれの覚悟と、ミリアの選択』**
---
「――あれ?」
ふわり、と。
金色の魔法陣が消えたその瞬間、ミリアの足元が崩れ落ちた。
落下する、と思った次の瞬間。
真っ白な光に包まれ、視界が反転し――そして、静寂。
「……うそ。どこ、ここ?」
ミリアが目を覚ましたのは、黒曜石のような床が広がる、荘厳で冷たい空間だった。
空には星も月もなく、代わりに紫色の光が渦巻いている。
「ようこそ、ミリア。転生者の少女」
その声に振り返ると、そこにいたのは――
「リルゼ! 魔王軍の変な女!」
「ひどい紹介ね? 私はただ、あなたに興味があるだけ」
リルゼは優雅に笑い、椅子に腰かけたまま、指を組む。
「どうして、私なんかに?」
「あなたの中にある“力”よ。私たちが何年も探し続けていた、“世界を変える者”の力。……あなた、もう気づいてるでしょ?」
「《フォース・カスタマイズ》のこと……?」
「ええ。正確には、それは“世界に干渉する能力”。あなたの願いに応じて、戦場や自分自身の状態を、無意識に『編集』する……神に近い力よ」
「……」
言葉を失うミリア。
だが、胸の奥にひっかかっていた“モヤモヤ”が、少しだけ形を持ち始めていた。
一方、王都の町。
煙の中で、フィーフィとクラウディアが、ミリアが消えた場所を見つめていた。
「ミリア様が……いない……」
「転移魔法……いや、強制召喚かもしれません」
「クラウディア……わたし、案内役なのに……また、大事なことを忘れてたかもしれない……」
フィーフィの目に、ぽろぽろと涙が浮かんだ。
「“また”?」
「……ミリア様のチートスキル。本当は、もっと早く発動してたんだと思う。でも、あの子が楽しそうだから、なんか言い出せなくて……」
「……ふぅ。あなたって本当に、ダメな妖精ね。でも」
クラウディアはフィーフィの肩に手を置いた。
「それでも、ミリアが選んだ案内役でしょ。だったら、今こそ動く時よ」
そして――
砦の城壁の上。勇者・レオナルドは剣を腰に戻し、静かに言った。
「……ミリアを取り戻す。俺たちはまだ、“彼女のすべて”を知らない。だけど、あの笑顔だけは――守りたい」
彼の目に、まっすぐな決意の光が宿る。
――その頃、ミリアはリルゼに向かって、こう言っていた。
「ねぇ、ひとつだけ聞いていい?」
「なにかしら?」
「この“チートスキル”ってさ……あの、エロいことにも使えたりするの?」
「…………ほんと、君って愉快な子ね」
次回――
**『奪還作戦、始動! それぞれの覚悟と、ミリアの選択』**
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ちょっと長いです。
掲示板の仕様上、下から上に読み上げる形になっています。
ちょっと読みづらいかもしれませんが、
エッチな要素を挟みつつ、割と本格的なファンジー物になっていると思います。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。