『露出奴隷教師ユリエ』
作;青空和美
9.自由再び
翌日からはユリエはGパン姿に戻り開放感に浸っていた。
(やっと自由になったわ。これからは恥ずかしい思いをしなくて済むわ)
一週間が経った。
ユリエは、刺激が無い平凡な生活に物足りなさを感じ始めた。
(今日は気分転換にスカートでも履いて町を歩いてみようかしら)
ユリエは短めのワンピースを選び、化粧を少し派手にして商店街に向かった。
町を歩く男達に露骨な目で見つめられた。
ユリエはその視線に対して快感を覚えた。
「やあ、お姉ちゃん遊ばない?」
若者が声を掛けてきた。
チラッと見たが軽薄そうな感じの男だった。
(ああ、いつもわたしに声を掛けてくるのは軽薄そうな男ばかり。真面目そうな男性は、ただ見てるだけ…。いつもそうなんだから)
「悪いけど彼氏が待っているから、じゃあね」
ユリエは駅へ向かった。
長い階段をユリエはスタスタと上って行った。
スカートの下を覗く男達の気配を感じた。
(パンティを履いてるもの。見られたって構わないわ)
しかし、覗かれていることを感じて股間がゾクゾクしてきた。
(ちょっとランジェリーショップを覗いてみようかしら)
ランジェリーショップには、大胆なパンティやブラジャーが所狭しと並んでいた。
(こんなイヤらしい下着、誰が着るのかしら。見ているだけでも恥ずかしいわ)
自分がそれを着た姿を想像してドキドキしながら店内を歩いていたが、ついスケスケのレースのパンティを買ってしまった。
(どうしてこんなの買ってしまったんだろう。どうかしてるわね。ちょっとどんなものか興味を持っただけよ。履いてみたりはしないわ。でもちょっとゾクゾクするわね)
それから毎日、短いスカートを履いて町に出ないと気分が収まらなくなってきた。
それでも、だんだんと物足りなくなり欲求不満が溜まってきた。
(今日は、あのパンティを履いて町を歩いてみようかしら。ノーパンじゃないんだから問題ないはずよ。そういえば恥毛を剃らなくなって二週間くらい経ったわね。
中途半端に伸びてきて見苦しいわ。見られる筈は無いけど、また剃っちゃおうかしら)
バスルームに入り少し生えてきた恥毛に剃刀を当てて剃っているうちにカラダがゾクゾクしてきた。
レースのパンティを履いて鏡に写してみた。
レースの網目が大きい上に糸が細いため、前の方もお尻の割れ目もスケスケだった。
(ああ、いやらしいパンティね。恥ずかしいわ)
ノーブラのままブラウスを着け、超ミニのスカートを履いてみた。
(ちょっと大胆過ぎるわ。こんな服装で出かけちゃ目立ちすぎるわ。
やっぱりこんな格好で出かけるのは止めるべきだわ。どうしようかしら…)
迷っていたが、気が付いたらマンションの外にいた。
足が駅に向かっている。すれ違う男達が皆振り返ってユリエを見ている。
視線を感じているうちにカラダが熱くなってきた。
駅の階段が近づいて来た。
(スケスケのパンティを履いているのよ。覗かれたら困るわ。どうしようかしら…。
でもノーパンじゃないんだしスカートを履いているんだから、何も起こるはずがないじゃない。思いきって上っちゃおう)
ユリエは階段を上り始めた。
(男達が下から覗いているはずだわ。恥ずかしい!)
快感を覚え、股間が潤って来るのを感じた。
その時、下から女が大声で呼びかけてきた。
「あんた、そんな超ミニのスカートでスケスケのパンティ履いてよくこんな階段上れるわね!露出狂なの?お尻の割れ目までよく見えるわ。男の人達が沢山覗いてるわよ!」
ユリエは声のする方をチラッと振り返った。
小太りの中年の婦人だった。男の人が大勢ユリエのスカートの中を覗いていた。
(わあ、恥ずかしい!早く逃げなくっちゃ)
しかし急に下半身がジーンと痺れてしまい、うまく階段が上れなかった。
足がもつれて階段に両手をついてしまい、そのまま動けなくなってしまった。
(ああ、足がもつれて歩けない。こんな格好でいたら、お尻の穴まで見えてしまう!)
股間がジクジクとうずいてきた。快感が全身をよぎった。
(ああオシッコが漏れそう。どうしてなの?ああ出ちゃダメ!)
オシッコが漏れ始めた。両手を階段についてお尻を高く上げた格好のままオシッコがパンティや太腿を濡らし始めた。なかなか止まらない!
覗いていた男達も時間が止まったように視線を向けたまま動かなかった。
オシッコが全部出ると、やっと足が動くようになった。
(恥ずかしい!早く逃げなくちゃ)
駅のトイレまで走って逃げ込んだ。
扉を閉じると濡れたスカートやパンティも脱いで、下半身裸になりオナニーを始めた。
(アッ、アッ、アッ、アッ、ああ、行っちゃう!)
洋式便器にしばらく座りこんでいて、やっと興奮が収まってきた。
(ああ、わたしどうかしている。本当に露出狂になってしまったみたい。
パンティは濡れちゃって履く気になれないわ)
ユリエは濡れたパンティとスカートを便器の中で洗った。
パンティはハンドバックにしまい、濡れたままのスカートを履き、ノーパンのままで
ランジェリーショップに向かった。
まともなのを選ばなくちゃと思いながら結局ヒモパンをつかんでしまった。
店員は探るような眼差しでこちらを見ながら、そのヒモパンを受け取った。
店員は、一旦それを大きく広げて前後を確かめて、ゆっくりと包装し始めた。
(広げないで早く包んでよ。こんな買い物をしているだけでも恥ずかしいんだから!)
パンティを受け取ると再びトイレに入って包装を破りそれを履いた。
(ヒモパンの後ろの部分がお尻の穴に直接触っているの、なんだか変な感じだわ)
ユリエはパンティの食い込みを感じながらレストランで昼食を採り店を見て歩いた。
人がチラチラと振り返って自分を見ているのを感じて体が火照って来た。
(映画でも見ようかしら)
ユリエは映画館に入り前から二番目の席に座った。
席はかなり空いていて、近くに座っている人はいなかった。
(ヒモパンって気持ちが悪い。脱いじゃえ。映画に集中できないもの)
ユリエは後ろを振り返って近くに誰もいないのを確かめるとパンティを脱いでハンドバッグに入れた。それでも映画に気持ちを集中できなかった。
(そうだ。スカートが濡れたままで気持ちが悪いからだわ。映画が終わるまで脱げばいいのよ。どうせ暗くて分からないわ)
ユリエはスカートを脱ぎ自分の膝の上に置いた。
(ここでオナニーをしてみようかしら。暗いから人に気付かれる心配はないわね)
また後ろをチラッと見て近くに誰もいないのを確かめた。
そしてスカートとハンドバッグを隣の席に置き目をつむり両手の指でオナニーを始めた。
(ああ、いっちゃう!)
気が付くと映画も終わり最後の字幕の表示に変わっていた。
後ろの観客達も少しずつ帰り始めていた。
(ああ!明るくなったら困るわ。早くスカートを履かなくっちゃ!)
ユリエは急いで横に置いてあったスカートを取ろうとした。
(あっ!ないわ。ハンドバッグもない。どうしたのかしら。早く見つけないと会場が明るくなってしまう)
ユリエが隣の座席やその周りを焦って捜していると、突然、肩に手を置かれた。
ユリエが振り返ると後ろの席から男が話しかけてきた。ビクンとした。
貧相な感じの中年男だった。歯はヤニで真っ黒で不潔な感じがして嫌悪感を覚えた。
「あんた、こんな所でよくやるよな。
あんたがオナニーに夢中の間にスカートとハンドバッグは貰っておいたよ」
「返してください!早く履かないと明るくなってしまうわ」
「じゃあ、隣の席に座ってもいいかな。この映画、もう一回見ようぜ」
「分かったわ」
男はユリエの隣に座るとスカートを返した。
ユリエが履こうとするとそれを制して男は言った。
「明るくなってる間はスカートを膝の上に置いて隠せばいいさ。履くことないだろ」
ユリエは諦めてスカートを膝の上に置き下半身を隠した。
「どうして分かったの?ちゃんと後ろを見て確かめたのに」
「若くてキレイな女が一人で入って来て誰もいない前の方に座るんだもの気になるさ。
それで遠くからあんたの様子を伺っていたら、チラチラと後ろを確かめてから、ごそごそ何やら始めるんだもの怪しいと思うよ。
様子を伺っていると頭がゆっくりと前後し始めたから、そっと後ろから近づいてあんたのハンドバッグとスカートを拝借したというわけさ。
全然気が付いた様子もなく盛んにオナッてたよな。相当に欲求不満みたいだね」
館内が暗くなり次の上映が始まった。
しばらくして男が話しかけて来た。
「おい!少しだけ、おまえの欲求不満を解消しに行こうぜ。
映画が終わったら今度は十分に解消してやるから」
「えっ、どういうこと?」
「ちょっとトイレに行こうぜ」
男はユリエの手を引っ張ろうとした。
「わたし、下を履いてないんです。少し待って下さい」
「いいよ。どうせ暗いから分かりゃしないよ。スカートなしで行こうぜ」
男はユリエからスカートを奪い取ると、ユリエの腕を引っ張ってドアを出た。
外には誰もいなかったが、明るい所で下半身ハダカで歩かされ不安だった。
(誰かに見られるかもしれない。どうすればいいの?)
ゾクゾクしてきた。
男はユリエを男子便所に連れ込むと個室に入った。
「ブラウスも脱げよ」
ユリエはブラウスを脱ぎ全裸になった。
「おまえブラも着けてなかったのか。それにしてもすごい美人だしナイスバディーだな。あそこも剃っちゃって、そうとう露出狂だな。これから俺のペットになれ。」
男はユリエの股間を触った。
「おう、ビショビショじゃないか。じゃあ直ぐに入れてもいいな」
男はユリエを壁に手を付いて立たせ、後ろから乳房を掴み挿入を開始した。
「うん、うん、うん、うん!うー」
男は直ぐに終わってしまった。
「ちょっと早くいってしまたな。映画が終わったらホテルでちゃんとやろうぜ」
二人は再び館の中に戻った。
(いやだ。こんな男のおもちゃにされるなんて!)
しばらくしてユリエが言った。
「わたしオシッコしたくなっちゃった。ちょっと行っていい?」
「行っていいよ。だけど、おまえ相当露出狂だから下半身裸でも平気で逃げられるかもしれんナ。念のため上も脱いで全裸になりな」
「逃げたりしないわ」
「全裸になった方が露出の快感を味あえるんだぜ、文句言うなよ」
「見られたらどうするの」
「うるさい。暗いから見られないよ。なんなら、ここですればいいじゃないか!」
「分かったわ」
ユリエはブラウス一枚も脱いで全裸のままで腰を丸めてトイレに向かった。
(逃げなくっちゃ!ハンドバッグには身分を知られるものは入ってないはずだわ。
財布は諦めるしかないか。でも、こんな格好でどうやって逃げるの?)
女子トイレの窓を開けて外を見ると大勢の人が歩いていた。
(だめだわ。どうしよう。夜遅くなるまでどこかに隠れているしかないわ)
ユリエはそっと館の中に入り画面の幕の後ろに行ってみた。
上を見上げると幕の上がる所に隠れることの出来そうなスペースが見つかった。
(あそこに隠れているしかないわ。他の所じゃ見つかってしまう)
ユリエは必死に登って隠れた。
男はユリエがなかなか戻って来ないので捜し始めた。
女子トイレはもちろん、映写室にまで行って捜した。
受け付けの女性に聞いて外に出ていないのを確認すると、閉館まで入り口近くのソファーに座って待った。
男は閉館で館内が明るくなっても、しつこく捜し始めた。
男は従業員に帰るように何度も言われたのでやっと諦めて映画館を出た。
男は人通りが多い中をマッパダカで逃げて行った姿を想像し悔しがった。
ユリエは夜遅くなってやっと降りてきた。
館はシーンと静まり返り非常灯のみが暗く光っていた。
ユリエはトイレの窓を開け、誰もいないのを確かめると外に飛び降りた。
(ああ、裸で外を歩いているのよ。ぞくぞくするわ)
まばらではあったが深夜でも人が歩いていた。
また車の通りもあったので、なかなか自宅に返り着かなかった。
ユリエは自宅近くになって気が付いた。
(そうだハンドバッグに部屋の鍵が入っていたんだ。こんな格好でどうすればいいの?)
ユリエはルミに頼み込むしかないと観念した。
ブティックに行くとベルを押した。
しばらくしてルミの声がした。
「誰?こんな夜中に」
「ユリエです。開けて下さい」
ルミはドアを開けてユリエを上から下まで舐めるように見た。
「へえ、真っ裸で来るとはビックリね。一人で夜のストリーキングをやっていたの?」
「ハンドバッグを奪われてしまって部屋に入れないんです。頼れる人がいなくて…」
「へえ、それで会いたくもない私を頼って来たわけ?」
「いえ、そんな…」
「まあ、いいわ。今夜は泊めてあげる。明日、不動産屋で部屋の鍵を貰ったらいいわ」
ルミはいきなりユリエの下半身を触った。ビショビショだった。
「いやーん」
「本当に露出狂になったみたいね」
ルミはユリエをハダカのまま明け方近くまで縛ったり浣腸したりして遊んだ。
「ちゃんと恥毛も剃っているわね。じゃあ今度は四つん這いになりなさい」
ユリエが四つん這いになると蜜壷にバイブレーターを突っ込んだ。
「ああああ!気持ちいいー」
ユリエの下半身が痙攣を始めた。そしてぐったりした。
ルミもハダカになりバイブをねだった。
「今度は私にして?」
ルミもバイブでいってしまった。
「ああ、久しぶりだと興奮しちゃうわ」
二人はハダカのまま抱き合って眠った。
ユリエが起きるとルミは朝食を用意していた。
「もう、開店の時間だわ。ワンピースと交通費をあげるから不動産屋に鍵を開けて貰いなさい。露出狂にはパンティはいらないわね。これからもこうして時々遊びましょうよ」
ユリエはワンピース一枚だけの姿でマンションを管理している不動産屋に出かけた。
不動産屋に着くと若い男がユリエのマンションまで鍵を開けに付いて来てくれた。
男は車を運転しながら、落ち着かなげにユリエのワンピース姿をチラチラと見つめていた。横から見ると胸の膨らみがかなり奥まで覗けた。
それにワンピースも短くて刺激的だった。
男のズボンを見ると前が膨らんでいるのが分かった。
ユリエも男性の隣に乗っていて下半身がジクジクしていた。
マンションに着き階段を上る時、男はユリエのかなり後ろに離れて上った。
(あれ、パンティが見えない。尻たぶが見えるみたいだ)
男はユリエに何か話したそうにしていたが、無視していると合鍵で部屋のドアを開けた。
ユリエが「ありがとうございました」と言うと、男は「じゃあ」と諦めて帰って行った。
ユリエは自宅に入るとすぐに鍵を掛けワンピースを脱ぎ去ると全裸になり玄関の前の廊下でオナニーを始めた。全身がビクビク震え始めた。「アアー、いっちゃうー」
そうして、全身の力が抜けてそのまま横になってしまった。
興奮が冷めてくると、だんだん理性が働いてきた。
(どうして、こんなにハレンチな行動をしてるんだろう。わたしは教師なのよ。
こんな事は、お終いにしないと大変な事になってしまうわ。もう露出狂やめよう)
ユリエは、これからは外ではちゃんとした服装をしようと誓った。
そのかわりに自宅に入ったらハダカになることで欲求不満を解消することにした。
玄関前にワンピースを置いておき人が来たらそれを着ることにした。
それからは、毎日ハダカで料理をしたり洗濯をしたり掃除をした。
恥毛も毎日剃るようになった。
(恋人が出来たら剃るのはやめよう。三ヶ月くらいで元の長さになるのだから大丈夫だわ。すぐに体を求めてくるような相手だったら、こちらから願い下げよ)
ユリエは堕落していく自分を情けなく思っていたが、元の生活に戻ることは出来なかった。
(もうじき二学期が始まるのに、こんな生活してちゃダメだわ。これからはシャンとして教師らしい服装をして頑張ろう。でももう一度だけ、本当にこれが最後。気晴らしに東北の混浴の温泉に行ってみよう。ルミにもらったバイブレーターと浣腸器も捨てなくちゃ)
バイブレーターと浣腸器は旅行中に捨てる事にした。新聞紙に包んでカバンの底に入れた。
しかし、東北新幹線の中で露出の欲望が膨らんできた。
(パンティとブラジャーが暑苦しいわ。脱いじゃえ)
トイレに行ってパンティとブラジャーを脱ぎゴミ箱の中に捨ててしまった。
ユリエのワンピースは胸が大きく開いていたので乳首が覗けそうだった。
周りの男がチラチラ自分を見ているのを感じ余計に興奮してきた。
(パンティもブラジャーもなしで、ミニのワンピース一枚だけで旅行をしているんだわ。それに感じている。本当に露出狂の変態になってしまったわ)
温泉に着いた。温泉には脱衣所は男女別々だが中は男女混浴の風呂があった。
ユリエは昼間に何度も入り男の人に肌を晒す快感に酔いしれた。
男の欲望した目が心地良く下半身が疼いてきた。
(もっと良く見て。私、綺麗でしょ)
夜は体がもんもんとしてなかなか眠れなかった。
(もう夜中の三時。温泉に入っている人はいないでしょうね。これが最後の冒険よ)
ユリエは真っ裸になりタオルと部屋のキーだけを持って廊下へ出た。
(見られたらどうするの。どう言い訳すればいいの。でもこんな時間に人がいるわけないわね、見られるはずないわ)
廊下を歩いている時、ドアが開くのではないかと思うと体が火照って仕方がなかった。
もう少しで脱衣所に入ろうとする瞬間にマージャン部屋の扉が開いた。
(ドキッ!見られたかもしれない。どう言い訳すればいいの)
「あれ!裸の女が廊下を歩いていて温泉に入っていったぜ!」
「嘘言うなよ。もっと上手な冗談言えよ」
「本当に見たんだよ。俺達も温泉に入ろうぜ」
「期待してないけど入ってみるか」
四人の男達が温泉に入ると若い綺麗な女が温泉に入っていた。
男の中の一人は背中に神龍の刺青があった。その男が声を掛けてきた。
「おまえ、裸で廊下を歩いていなかったか?」
「失礼ね。そんなことするわけないでしょ。変態呼ばわりしないでよ。
それに女の体をジロジロ見るのは失礼よ」
「男に体を見られたいから混浴の温泉に来たんだろ」
「失礼ね。そんなに失礼な事言うと旅館の従業員に言いつけるわよ」
「おお、こわこわ」
見られないように三十分位温泉に浸かっていたが、男達はなかなか風呂場から出ようとしなかった。さすがにユリエものぼせてきた。
「早く上がってよ。女の私に失礼だと思わない!警察に言うわよ」
「おい、俺達は新宿の極道、中田組のもんだぜ。警察なんてこわくないぜ。
まあいいや、素人を脅すのは止めとこう。あんたの言うとおりにするよ。上がろうぜ」
男達は脱衣場に行くと相談を始めた。
「俺、女の脱衣場を見てくるから見張ってろ」
「分ったぜ」
しばらくすると女の脱衣場にあったバスタオルを全部持って戻って来た。
「服も浴衣も見つからなかったぜ。やっぱり真っ裸のままでここまで来たんだ。
おまえデジカメ持ってたな。早く取って来い」
「急いで取って来る」
ユリエは男達が外で待っているかもしれないと思いなかなか風呂場から出なかったが、
外が明るくなってきたので戻る決心をした。
ユリエが勇気を出してタオル一枚の裸で廊下に出て行くとフラッシュが光った。
「やめて!」
「やっぱり裸で来たんじゃねえか。露出狂のお嬢さんよ」
「さっきは警察に言うとか大きな口をきいていたけどよ。」
「そうか、変態なのか。じゃあ満足するように縛ってやるぜ」
男達はユリエの持っていたタオルを奪い、それでユリエを後ろ手に縛り蜜壷に指を突っ込んだ。
「パイパンじゃねえか。剃ったのか。それにあそこもビショビショじゃねえか。
本当に変態の露出狂なんだな。新宿のストリップ劇場で働かしてやるぜ。嬉しいだろう」
ユリエは観念して男達を怒らさないように言った。
「本当に極道なんですか。すみません。さっきは大きな口をたたいて…。部屋に戻して下さい。誰かに見られるといけないから。そこで話しをしましょう」
「分った。おまえの部屋に連れてけ」
ユリエは後ろ手に縛られたまま部屋に向かって歩いた。
カメラを持ったおとこがユリエのお尻を触ろうとすると刺青の男が言った。
「おい、今日はおまえ写真係だ。後で思いっきり抱かせしてやるから今は写真だけ撮ってろよ。高く売れたらお金も少し回してやるからよ」
「やめてよ、写真なんか撮らないで。それに裸で後ろ手に縛られたまま歩いてるとこ見られたら変に思われるわ。早く部屋に連れてって」
「ハダカで俺達に命令するなよ。お前のような変態は写真モデルになって男を満足させたらいいのさ。俺が売り出してやるよ」
パシッ、パシッ、パシッ、パシッ、パシッ。
「やめてよ。お願い。こんな写真が出まわったら外を歩けないわ」
「外を歩かなくてもいいぜ。俺達が囲ってやるぜ。それよりいい身体してるな」
「相当、欲求不満だったんだな、あそこもビショビショだしな」
やっと部屋に着いた。
「さっきは、従業員に言いつけるとか警察に言いつけるとか言いたいこと言いやがったな」
「ごめんなさい」
「謝れば済む問題じゃないぜ。ヒーヒー言わして満足させてやるぜ」
男の一人はユリエの乳房をタプンタプンと揉み始めた。
もう一人の男は尻たぼに爪を食い込ませながら蜜壷に鎌首を突っ込み抜き差しを始めた。
「お汁が出てちょうどいいぜ」
ユリエは興奮してきた。下半身が痙攣を始めた。
ユリエは髪を振り乱しながら我を忘れて叫んだ。
「ひい、イクイクー」
「いったところで悪いけどよ。名前と住所教えろよ」
「そんな、これっきりにして」
「甘えた事言うなよ。ちょっと縛ってみようぜ。風呂場からバスタオル持って来い」
バスタオルで鴨居に両手と右足を吊るされた。
「いい眺めだぜ。穴がばっちり見えるぜ。このまま犯るのもいいな」
「写真いっぱい撮ったか。ケツの穴もばっちりだぜ。高く売れそうだゼ」
ユリエの卑猥な恥かしい写真をたくさん撮られた。
「おう、もう八時半だ。名前教えろよ。東京から来たのか?」
(逃げなくては。名前だけは明かせられないわ。そうしたらこれからの人生めちゃくちゃになるわ。本当にストリップ劇場に売り飛ばされるかもしれない)
「言えないわ。本当にこれっきりにして下さい」
「おい、カバンを開けて見ろ。中を見れば黙っていても分るぜ」
ユリエはバイブレーターと浣腸器がカバンの底に入っていることを思い出した。
「いや、カバンの中は止めて」
「ダメだね。そんなこと言われると、余計に見たくなっちゃった」
「いや、やめてよ」
男達はカバンの中身を出して調べ始めた。
「おい、着てきた物はワンピースだけか?ブラもパンティも入ってないぜ。相当な露出狂だな。おっ、変な物が入っているな。浣腸器とバイブレーターだぜ。変態だな」
ユリエは恥かしくてうつむいて黙っていた。
「名前も住所も書いてあるものはないぜ。やっぱりおまえの口から名前と住所教えろよ」
「本当に堪忍して」
「さっきストリップに売り飛ばすって言ったのは冗談だよ。名前教えたら写真も廃棄してやるぜ」
「いやよ、信用できないわ」
「本当だよ、教えたら写真始末してやるからよ」
「言ったって売るつもりのくせに」
「言ったら売らないよ。信用しろよ」
「だめよ、信用できない」
「分ったよ。しゃべらないなら、しゃべりたくなるようにしてやる」
バイブレーターを使って蜜壷を犯し始めた。ユリエが我慢しているとバスタオルを濡らしてきて、ムチ変わりにユリエの体をたたき始めた。
「ああん。痛い。止めてよ」
「嫌だね名前と住所教えるまで止めないよ」
今度はお尻の穴にバイブレーターを無理やり押し込んだ。
「ああーん。感じちゃう」
ユリエは下半身が痙攣を始めた。
「変態の露出狂には、虐められても快感を満足させるだけか」
(そんなんじゃないわ。こんな男達に教えたら本当に大変なことになるわ)
「ちょっと、やり方変えよう。おまえ、その浣腸器に石鹸水入れて来い」
「やめて、浣腸なんてしないで」
「やめてと言いながら期待しているんだろう。超変態だからな」
男の一人が浣腸器に石鹸水を入れて持ってきた。
「じゃあ、このかわいいお尻の穴に入れるぜ。おまえの欲求を満足させてやるからよ」
「浣腸の趣味なんかありません」
「どうだか」
男はお尻の穴に浣腸器を挿入した。
「アアン。やめてよ」
「じゃあ一気に入れるぜ」
男はピストンを一気に押した。
「アアー」
しばらくすると、ユリエは便意が我慢できなくなってきた。
「漏れそう。トイレに連れて行って」
「じゃあ、名前教えろよ」
「漏れそうなの。我慢できないの。部屋を汚してしまうわ」
「おい、本当に漏らしてしまうぜ。俺、洗面器持ってくる」
「ああ、我慢出来ない」
「もう少しだ。洗面器持ってくるまで我慢しろ」
男は肛門に指を突っ込んで蓋をした。
「ああ、早くして」
男が洗面器を持ってくると一気に噴射した。
「ああ、臭い、臭い」
「お腹もきれいになったところで、肛門セックスしてやるぜ」
「そんな、肛門セックスなんて止めてください」
「やめて、やめても好きのうちっと」
男は肛門に亀頭を無理やり押し付けてきた。
「痛い、痛い、止めて」
「マゾには、この痛みが好きなんだよな」
「好きじゃないわ。本当に止めて下さい」
「じゃあ、名前と住所教えろよ。そうしたらいつでも止めてやるぜ」
ユリエが教えないので三人の男達が交代で肛門を犯した。
もう一人の男は盛んに写真を撮っている。
「ああっ、ああっ、変になるー」何度も下半身が痙攣した。
「相当、感じてやがる」
四人が終わるとユリエは、ぼろ布のようにぐったりとなった。
「ああ、もうチェックアウトの時間が迫ってきた。満足したろう、名前教えてくれや」
ユリエが黙っていると、男は時計を見ながら言った。
「頑固なやつ。裸で帰りたくなければ十時にロビーに来い。それまでカバンを預かっておいてやるぜ。ああ、清算しなけりゃならないな。財布とキーは置いてってやるぜ。
裸で清算しろよな。十時過ぎたら、俺ら本当に帰っちゃうからな」
男達は鴨居からユリエを下ろすとワンピースも浴衣も持って出て行った。
ユリエは部屋でぐったりしていた。
(どうしよう。名前どうしようか。本当のこと言ったら人生めちゃくちゃだわ。でも裸のままじゃ、どうしようもないわ)
十時になった。ユリエは勇気を奮い起こして廊下に出た。
急いでカウンターまで走った。男達が待っていた。
「お客さん。どうしたんですか。裸のままで…。」
「私、露出狂なんです。だからいいんです」
男の一人が女将さんに言った。
「いいんですよ。変態女なんですよ。少し歩いて満足したら服を着させますから」
「そう、変態なの。でも、そんな格好しているのを見られたら騒ぎになるわ。迷惑ですから早く出て行ってちょうだい」
ユリエは真っ裸のまま男達と玄関を出て駅に向かって歩き出した。
「ねえ、こんな格好で歩けないわ。許してちょうだい」
「だめだね。名前と住所を言ったら許してやるよ。俺達もお前の露出の趣味に付き合ってるんだぜ」
坂道を歩いて下って行くと自動車が止まった。男が降りて来た。
「おい、どうしたんだ!裸で歩いて」
「ああ、この女、変態の露出狂なんだよ。仕方ないだろ」
「あんたらに聞いていない。女に聞いているんだ」
(この人に助けを求めたら逃げられるかしら。でも確実に逃げられるチャンスを掴まなくちゃ)
「そのとおりです。裸で外を歩くのが快感なんです」
「本当か。確かめていいか?」
「ええ、いいです」
男は蜜壷を触ってみた。しとどに濡れていた。クリトリスを摘んでみた。
ユリエは痙攣が走ったようにビクっとした。
「本当に変態女らしいな。すごい美人のくせにな。うらやましいな」
車は行ってしまった。駅に近付くにつれ人が増えてきた。
「おい、裸で歩いてどうしたんだい」
「わたし、変態の露出狂なんです。ほっておいてください」
ユリエは始めのうちはそう言ってすましてきたが、人が増えるにしたがってそうもいかなくなくなってきた。
「ねえ、名前教えますから服を着させて下さい。名前は加藤よしえ。東京から来たんです」
「ウソじゃないだろうな。確認するぜ。おまえの電話番号は」
ユリエが教えると電話を掛けた。留守電が入った。
「はい、加藤です。ただいま留守にしております」
「間違いなさそうだな」
(加藤さんごめんなさい。名前借りちゃった。でも彼女が海外旅行に行ってるの知ってて良かったわ)大学時代からの友人の名前だった。
ユリエはやっとワンピースを着させてもらえた。
駅に着いた。
「帰りは各駅停車で行くぜ。ちょっと面白い事やりたいのでね」
各駅停車に乗り込むと刺青の男が大きな声で言った。
「皆さん、ちょっと迷惑だろうけど、この女の撮影会をしたいので我慢してくれや。
この女は加藤よしえといって半年くらい先にグラビアを売り出すからよ、買ってくれや。ちょっと電車のなかを裸で歩きまわるけど、触ってもいいぜ。それに、おまえ達もカメラ持っていたら映していいぜ。」
と言ってユリエのワンピースを無理やり脱がして裸にした。
「名前を言ったら写真廃棄してくれるって言ったじゃない」
「そんなの嘘に決まっているだろう。おまえだって信用しなかったじゃないか。それよりしゃんとして車両の端まで行って来い。行ってこないと浣腸するぜ」と命令した。
ユリエは仕方なく裸のままで車両の端まで行った。
乗客がみんな自分を見ている。ぞくぞくしてきた。
「おまえ、美人だな。触ってもいいんだな」と言って次々にお尻やオッパイを掴まれた。
戻ってくると、今度はユリエの両手をつり革に縛り、右足を上げられ、つり革の輪の中に突っ込んで縛られた。
「おう、穴が良く見えるぜ」
乗客も寄って来て一緒に見出した。
「おう、綺麗なもんだな。あんまり使ってないようだな」
刺青の男がバイブレーターをお尻の穴に突っ込もうとした。
乗客がユリエの周りに集まってきた。
「やめて下さい。お尻の穴にそんなもの突っ込まないで下さい。恥かしい」
「バイブをカバンに入れておいて恥かしいも何もあったもんじゃない。それに、おまんこに突っ込んでも面白くないからな」
刺青の男は無理やり突っ込んだ。
「痛い、痛い」
三センチくらい頭を覗かしてバイブがお尻の穴に収まった。
「刺激的だな」
「先輩、メモリーがいっぱいになってしまいました」
「ええー。いい写真が撮れたのに。そうか、残念。じゃあ撮影会終わるか」
ユリエはバイブレーターをお尻の穴に突っ込んだままワンピースを着せてもらった。
東京駅に着くと男二人に両腕を掴まれ、ワンピースの首筋をもう一人の男に掴まれていた。派出所が見え警察官が二人いた。
(これが最後のチャンスだわ。恥かしいけど、やるしかないわ)
ユリエは両腕を上に持ち上げ手を振り解いた、と同時に思いっきりかがんだ。
するとワンピースが脱げ真っ裸になって開放された。
ユリエは真っ裸にバイブをお尻の穴から出したまま叫びながら派出所めがけて走っていた。
「助けてー、助けてー、助けてー」派出所に着いた。
派出所の前には野次馬の人だかりだった。
「裸の女だぜ。それに何かお尻の穴に突っ込んである」
男達が派出所に着いた。
「この女、露出狂でね。困るんだよね」
警察が「そのワンピース、この女の物か」と聞いた。
「そうです。露出狂でワンピースを脱ぎたがるのですよ」
ユリエは言った。
「この男達に強引に裸にされたのです。逃がしてください」
「まあ、話す前にそのワンピースを着て。こんな所で裸だと困るんだよ」
ユリエは周りに野次馬が自分を見ていることに初めて気が付いて恥ずかしくなった。
急いでワンピースを受け取り着た。
「で、どうしたんだ」
「強引に裸にしたんじゃないぜ。この女露出狂でね…」
男達は口々にユリエの変態ぶりを説明し始めた。
そして「そうだよな」とユリエに念を押した。
ユリエは仕方なく「そのとうりです」と消え入りそうな様子で答えた。
「これが証拠ですよ」と、ユリエのスカートを捲ってパイパンの下半身とバイブレーターが突っ込んであるお尻を警察官に見せた。
警察官はこんな綺麗な女がそんな事をするのかという顔をしてユリエの顔を見た。
「でも、無理やり、この男達から犯されたのです。それに写真も撮られて」
「どんな写真だ」
「デジカメで撮ったのだから今すぐ見れます。早く消して下さい」
「待ってくれよう。せっかくの写真だから消すのだけはやめてくれ」
「どんな写真なんだ」
警察官は写真を見てつぶやいた。
「本当に、えげつない写真だな。この女の言うとおり無理やり撮られたとしか思えないぜ」
「違うよ。合意で撮ったんだから」
「合意じゃないわ。無理やりよ」
「じゃあ、無理やりだったら訴えるかね」
「いえ、消してくれて、この男達から逃げられたらそれでいいです」
警察官はしばらく考えていて話し出した。
「じゃあ、この男達をしばらく足止めしておいてやるから早く行きなさい。写真も消しておいてやるよ。あんたもこれが調書に載ったら恥かしいだろうから事件としては不問にしておくよ。これに懲りて変な事はしないようにね」
ユリエは何度もお礼を言って駆け足で逃げて行った。
(ああ良かった。もう、これに懲りてこんなことは本当にやめよう)
始業式の日は、膝が隠れる長さの落ち着いたスカートを履いて学校に出かけた。
ユリエが職員室に入ると、男性教師は一斉にユリエを振り返った。
しかし清楚な感じの服装を見て、がっかりした様子だった。
「おはようございます!」ユリエは大きな声で挨拶した。
「おはよう!」返事が返って来た。
(順調だわ。もう大丈夫)
始業のベルが鳴り、教室に行った。
教室に入ると生徒達もユリエの服装を見てがっかりした顔をした。
(今までの服装が異常だったのよ。何を期待していたの?これからはちゃんとした服装で授業をするわ)
「おはようございます。今日から二学期よ。夏休みは楽しめた?」
「ハーイ!楽しかったです」生徒達から声が返って来た。
授業は順調に進んだが、ユリエは前のようなゾクゾクする感じがなく物足りなさを感じた。
下校の時間になった。
「じゃあ、気を付けて帰ってね。また明日!」
生徒達が帰り始めるとタカ子とレイ子が教壇にやって来た。
「先生、ちょっとお話があるの。屋上まで来て!」
「何の用。もう、あなた達の言う通りにはならないわよ」
ユリエはドキドキした。
「あなた達、もう写真持ってないはずよね」
「持ってないわ。ヤクザみたいな男達に脅されて全部渡してしまったわ。残念だけど…」
「じゃあ、屋上なんかに行かないわ。用事があったらここで話して」
「ルミさんから預かった物があるの。ちょっとだけ屋上に来て下さい」
(何だろう。預かった物って…)
「いいわ、分かったわ。でも、わたしのお尻触ったりしないでね」
「約束するわ」
屋上に着くとタカ子が言った。
「これ、何だか分かる?」
「あっ、それは!」
タカ子がいきなり笛を吹いた。
「ああー。やめて!」
ユリエは、体中が痛くてたまらなくなり、ブラウスとスカートを脱ぎ、ストッキングを急いで脱いだ。少し躊躇したが痛さにたまらずブラジャーとパンティも脱いで全裸になった。
「ルミさんが言ったこと本当だったんだ。まさか笛を吹いただけで全部脱ぐなんて思ってなかったけど…。ユリエ先生、今日もノーパン・ノーブラだと思っていたのに、下着を着ていたんだ。」
「アアン、どうしてその笛を持っているの?」
「ユリエ先生、ルミさんを怒らせたでしょう。だからルミさんがあたし達にくれたの」
「そんな、怒らせたりしていないわ」
「これから二時間は服を着れないんだってね。教室の人達を連れてこようかしら」
「やめて!そんなことしたら、これから学校にいられなくなるわ」
「じゃあ、その代わり、これからもあたし達の奴隷になる?」
(ああ、もうダメだわ。こんな生活が続くの耐えられないわ!)
ユリエは発作的に金網を越えた。
「ユリエ先生、何をするの!」
「もうだめ!死ぬしかないの」
タカ子とレイ子は慌てた。
「どうして?あたし、ユリエ先生のこと大好きなの!死なないで!」
レイ子が言った。
「ユリエ先生!もしそんな姿で飛び降り自殺なんてしたら新聞や週刊誌で騒がれるわよ。ユリエ先生の写真付きで、『女性教師が全裸で学校の屋上から飛び降り自殺』って。
そうしたら死んでも恥を残すことになるわよ。
それに学校の先生方みんなが迷惑してユリエ先生を恨むわよ。それでもいいの?」
(そんな…。そんなのイヤよ!)
「そうね、レイ子の言うとおりね。服を着てないと学校のみんなに迷惑かけるわね」
ユリエは再び金網を上って戻ると服を掴んだ。
タカ子とレイ子はユリエを捕まえようとしたが、それを振り切って金網の外に戻った。
「だめよ!ユリエ先生が自殺するなんてだめよ。先生はまだ二十四才でしょ。これから、いい事が沢山あるわよ。だから死んじゃだめ。それに私、ユリエ先生のこと好きなの!」
「わたしね、少女趣味かもしれないけど優しい人と結婚して、かわいい赤ちゃんを生んで平凡な生活をしたいなって夢見ていたの。
でも、ここ数ヶ月いろいろな事があって本当に露出狂になってしまったの。
本当に自分を抑えられなくなってしまったの。
こんな堕落していく自分が嫌になってしまったの。
こんな自分、誰も結婚してくれないわ。
もう破滅と絶望しか残ってない自分に気が付いたの。だからもう死ぬしかないわ」
「レイ子、早く鈴木先生を呼んできて。
ただし屋上に来るときにはパンツだけになって上がってくるように言ってね」
「そうか、鈴木先生はユリエ先生に夢中だったわね。タカ子は頭いいね。
でも…どう考えたって鈴木先生じゃあユリエ先生と釣合いが取れないわよ」
「この際どうだっていいじゃない。とにかく鈴木先生はユリエ先生に夢中でしょ。
だから鈴木先生なら何とかしてくれると思うの。早く呼んできて」
「分かった」レイ子は鈴木先生を呼びに職員室に向かった。
「鈴木先生、ちょっと来て」
「ああ、レイ子か。何の用だ?」
「早く来て!急ぎの用があるの」
鈴木先生が職員室から出て来た。
「着いて来て!」
「一体、何の用だよ」
「いいから早く!先生はユリエ先生のこと大好きよね。結婚したいと思っているわよね?」
「まあ…な。でも全然相手にされてないよ。結婚なんて無理さ。あこがれているだけだよ。
どうして急に、そんなこと聞くんだよ」
「ユリエ先生のためだったら何でも出来る?」
「そりゃあユリエ先生のためだったら何でもするよ。たとえ火の中、水の中」
「じゃあ、急いで着いて来て!」
屋上の扉の前に着いた。
「ここで服を脱いでちょうだい。パンツ一枚になって!」
「どうしてだよ?どうして俺が服を脱がなければならないんだよ」
「冷静に聞いてね!ユリエ先生が今、ハダカで屋上にいるの。
だからユリエ先生を刺激しないためにも、先生もハダカにならなければいけないの。
そうじゃないとユリエ先生が自殺してしまうわ」
「えっ、おまえ何て言った?ユリエ先生が自殺するって言ったのか?」
「そう、だから鈴木先生もハダカになって説得して欲しいの。」
「分かった。だけど、どうして自殺なんてするんだ?」
「理由なんて説明する暇はないわ。早くして!」
鈴木先生はトランクス一枚になり屋上に出た。
「あっ、どうして鈴木先生が?」
ユリエはビックリして鈴木先生の裸を見た。そして可愛いと思った。
(すごい毛むくじゃら。なんか熊さんみたい)
鈴木先生は全裸で金網の外に立っているユリエを見た。
「レイ子に聞いて来たんだ。どうして自殺なんかしようとしているんだ?」
(ユリエ先生のカラダ始めて見たけど、本当にキレイだ…)
「わたし、露出狂みたいになってしまって、もうダメなの」
「露出狂でも何でもいいじゃないか。生きていこうよ。じゃあ俺も全部脱ぐよ!」
鈴木先生はトランクスも脱ぎ真っ裸になった。
「キャーッ!」タカ子とレイ子が叫んだ。
「ねえ、俺のために生きてくれよ」
「ダメなの。もう絶望よ!生きる気力が無くなってしまったの」
「分かった。じゃあ俺も一緒に死ぬよ。ユリエ先生がいない世界なんて意味が無いから」
「どうして?どうして鈴木先生が死ぬの?鈴木先生には将来があるわ。
いいお嫁さんを見つけてよ。幸せな生活が待っているはずよ」
「いや、俺にはユリエ先生しかいない。ユリエ先生と結婚したいと思っていたんだ。
たとえ結婚できなくてもユリエ先生には幸せになってほしいと思っている」
「鈴木先生は、こんな露出狂のわたしと結婚してくれるって言っているの?」
「結婚してほしい。本当に結婚してほしい。自殺なんてやめて下さい」
「本当に、わたしと結婚してくれるの?」
「お願いします。僕と結婚して下さい」
今までユリエは鈴木先生のことは全く眼中になかったが、改めて百八十センチの毛むくじゃらの鈴木先生のカラダを見て、頼もしく思え親しみも湧いてきた。
(この人ならわたしの過去を許してもらえそうに思えるわ)
「じゃあ、そちらに行くわ。待っててね」
金網を登ろうとしたが、コンクリート幅が五十センチしかない。
冷静になると恐怖感が湧いてきた。
「怖い!落ちそう。足がすくんで戻れない!」
「待ってろ!俺が行くから!」ユリエは鈴木先生の体に抱きついた。
「ああ、鈴木先生の体って頼もしい。迷惑掛けてしまってごめんなさい」
「そんなことないよ。でも本当に僕と結婚してもらえるのか」
「わたし露出狂って噂されているわ。それに、自分でもそんな自分が止められないの。
それでも受け入れてもらえるの?」
「当然だよ。ユリエ先生がすることだったら何でも許しちゃうよ」
「そんな、ハダカでイチャイチャしないでよ。あたし達まだ高校生よ」
「あっ、ゴメンゴメン。でもいいじゃないか。今日は大目に見てよ」
その時、内田先生が上がって来た。
「な、何なんだ!どうして二人がハダカで抱き合っているんだ!それに金網の向こうで落ちたら危ないじゃないか!騒がしいと思って来てみたら、露出狂のユリエ先生と…。鈴木先生まで露出狂になったのか!男の露出狂は願い下げだね」
(つづく)
|