投稿小説
『ユリエのバーチャルワールド』
作;青空和美
8.マイワールド
数日後、タロウから連絡が入ったのでバーチャル世界に入った。
すると豪華な部屋にいることに気がついた。
タロウがやって来た。
「ここはお城の一室、ユーリーは女王様だよ」
「でも住民はいないんでしょう」
「モニターを100人新規に追加して、この世界に入れたんだって。モニターに飽きられないようにいろいろと工夫しようね」
「でも、また悪い人が来たら、あの世界と同じになっちゃう」
「新しいモニターは、身上調査して入れたってさ。
それに、あの世界よりセキュリティーを強化したから悪者は入って来れないようになっているってさ」
「じゃあ安心していいのね」
「安心していいはずだよ。どんな王国にしようか」
「自然がいっぱいで、小動物が沢山いて湖や山があるの。小鳥やお魚もいる世界にしたいな」
「それじゃ退屈する人も出るかもしれないね。
映画館で主人公の視線で、物語が立体的に進むのはどうかな」
「どういうこと?」
「例えばガリバー旅行記なら、自分がガリバーの視線になって、物語りが進むんだよ。
小人も実際にいるような感じでさ」
「いいわね。でも出来るの?」
「僕がプログラミングするよ」
「じゃあ任せる。
お願い。ハラハラどきどきするのも、いいわね」
「そう言えば女王様がウサギの顔をしていては、おかしいね。もっといいのないかな」
「そうねえ。壁のお面見てみようか。アッ、これ漫画で見た白雪姫みたいな顔。これにしようかな?」
「いいねえ、賛成。じゃあ、僕も替えようかな」
「タロウは犬の顔が親しみやすくていいわ。そのままでいなさいよ」
「そうか。分かったよ」
しばらく平和な日々が続いた。
住民も増えてきた。
しかし、ある日ユリエが森の中で遊んでいると、突然男達が現れた。
「ユーリー女王様は、いつ見ても美しいですな。
俺達はサタン軍団と言います。女王様、服を脱いでくれますか?」
「何を無礼な」
「そうですな。女王様だものな。脱がしてさしあげなくちゃね」
ユリエは監視者を呼ぼうとした。しかし、タロウもビビも現れなかった。
男達がユリエの衣類をビリビリに破って裸にした。
「こんな事を続けると、バーチャルワールドそのものが閉鎖されてしまうわ。それでもいいの?」
「構わないね。それまで自由にさせてもらうよ」
「どうして?この世界で楽しんでいる人がいるのに・・・」
「俺達がやらなくても誰かが悪さするさ。不完全なセキュリティーだからさ。それより、お前いい体してるな」
「見ないでよ。助けて」
「誰も助けに来ないさ。どうしてかなあ」
「どうして来ないの?」
「ちょっとプログラムをいじって、周りに聞こえないようにしてあるのさ」
「どうしてそんなことができるの?」
「それは俺達が頭いいからさ」
「どうしてこんなことするの?」
「さあね」
そして男達は、ユリエを後ろ手に縛って街に引き立てて行った。
「私は女王よ。裸なんて住民に見せたくないわ。
許して」
「女王様はサタン軍団に、お城を我々に乗っ取られるのさ。そして、断頭台で首を跳ねられることになっているのさ」
「どうして」
「その方が面白いからな」
街に着くと住民達が驚いてユリエ達を見た。
「どうしたの。ユーリー女王様、どうして裸で引き立てられているの?」
「監視者はいないの?」
「お願い。監視者を呼んで」
「無駄だよ。監視者は現れないよ。俺様が現れないようにしたのさ」
「助けて」
お城の前に着いた。
お城の前には断頭台が置いてあった。
ユリエは裸のまま断頭台に縛り付けられた。
サタン軍団の団長がユリエに言った。
「これから、女王様の首を刎ねるよ」
「どうして私をこんな目に合わせるの?」
「どうしてかな?」
「ねえ、やめてよ」
住民がユリエの裸を見ている。
「見ないで。お願い」
「かわいそう。監視者は来ないの?」
「誰か助けて。タロウを呼んできて」
「無駄だね。監視者もタロウも寝てるよ」
「じゃあ、早速刑の執行といくか」
「どうして、どうして私達が首を切られるのよ。
私は首を切られるような事してないわ」
「どうしてもだよ。この国を治めて来たのだろ。
占領されれば、王様は首を切られるのさ」
「この国あげるわ。だから許して」
「お前の首を切り落としたいのさ。だから言っても無駄だよ。でも現実に死ぬわけではないのだから安心しな」
「でも、いやよう」
「じゃあ、首を切る前にちょっと楽しもうか」
「そうだな。お尻が入れてくれと言ってるしな」
「きれいな、お尻だね」
「やめて、見ないで」
「噛み付きたいくらいだね」
男がお尻にかぶりついた。
「痛い」
「じゃあ、犯してみるか」
男達が交代でユリエの蜜壷を犯した。
「エイ、エイ、エイ」
「やめて」
住民達が騒いでいる。
「止めなよ。女王様に手を出さないで」
「お前も、後でやらしてあげるよ」
「女王様を犯すなんて出来ません」
ユリエは感じ始めてきた。
「アッ、アッ、アッ、アッ、ウン、ウン、ウン」
「オマンコは気持ちいいって言ってるよ。ビショビショだものな」
「そんなことないわ」
一通り男達が突っ込み終わると
「住民諸君、女王様のあそこに突っ込みたい奴はいないか?」
ユリエはまさか、いないと思った。
しかし、「俺も入れていいかな?」と声がした。
別の住民が言った。
「女王様になんてこと言うんだ」
「構わないだろ。サタン軍団が、やっていいと言うんだから」
「駄目だ」
「お前に止めさせる権限はないね。お金払って、この世界に入ったんだから」
「えっ、モニターは無料じゃないの」
「い、いやー。勘違いだよ。忘れてくれ」
「お尻の穴もいいかな?」
「どうぞどうぞ、構わんよ」
「やめてよ」
どうして?まさか住民がそんなことするなんて・・・。
男の声がした。
「いいぞ、お尻の穴でもどこでも入れろ」
住民達が我先にユリエの体をなぶり始めた。
オッパイや蜜壷やお尻の穴がいたぶられた。
(アアーン、どうして?)
しばらくして、ようやく一段落した。
「満足したか。さすが女王様、住民に人気だねぇ。じゃあ、刑を執行しろ」
「やっちまえ」
「いいぞ、いいぞ」掛け声がした。
どうして、どうして住民まで賛成するの?
「じゃあ、刑を執行する」
「やれ」
斧が首を目がけて落ちて来る音がした。
ガガガガガーガシャーン!
自分の首が宙を飛ぶのを感じた。
そこで実世界に戻った。
心臓がドキドキしていた。
「どうして私ばかり酷い目に合わされるの?
新しいバーチャルワールドには、悪人は入れないって言ってたのに・・・」
次の日、バーチャルワールドに恐る恐る戻ってみた。
元の体に戻っていた。
ユリエはタロウとビビを呼び出した。
「ビビ、どうして現れなかったの?サタン軍団と名乗る悪者に、首を跳ねられたわ」
「本当かい?」
「私が呼んだの、聞こえなかったの?」
「全然聞こえなかった」
「そう言えばサタン軍団が、プログラミングをいじって聞こえないようにしたって言ってた」
「これからは監視者と一緒に、女王様の傍にいるようにしよう。だから大丈夫だと思います。住民にも傍にいてもらいましょう」
「住民も私を犯したわ」
「そんなこと・・・。一部の住民だけだろう。大部分の住民はユーリー女王様の味方だと思うけど」
「分かったわ。そうね、じゃあ住民にも声を掛けましょう」
「住民の皆様。バーチャルワールドの壊滅の危機です。護衛をお願いします」
「勿論、護衛するよ。女王様をいたぶった住民がいるなんて信じられない」
「私も女王様を尊敬しています。でも近頃、振る舞いの悪い住民が沢山います」
「どうしてかな。厳正に選ばれた住民しかいないはずなんだけど」
「じゃあ、私の護衛をお願いします」
それからは、ビビと監視者とタロウと大勢の住民達がユリエの周りを守ることにした。
何日かして、またサタン軍団が現れた。
みんなはサタン軍団に向かっていった。
しかし、サタン軍団にあと10メートルの所でビビと監視者達は掻き消えた。
それでも、住民達とタロウは槍や刀を持って、サタン軍団に向かって行った。
しかし、住民やタロウの武器はサタン軍団に近づくと消えてしまった。
「どうして武器が消えたの?」
「我々は自分に都合の良いようにプログラムを書き換えられるからな」
「俺達に刃向かう奴は、こうしてくれる」
サタン軍団は住民達の手足を刀で切り倒していった。
タロウは姿を消して、サタン軍団の刀を奪った。
それを住民の一人に手渡した。
2回成功したが、3人目の敵の武器を取ろうとした時に、刀を奪った腕を切り落とされてしまった。
そのショックで姿を現したところを胴体まで横殴りに切られてしまった。
「あっ、失敗した。かっこ悪いな」タロウが言った。
「そんなことないわ。精一杯抵抗したんだもの」
「助けられなくてごめん」
「仕方ないわ」
刀を持った住民も全てきり倒されてしまった。
「さて俺達の勝ちだな。今日はどうやって遊ぼうか?」
「やめてよ」
「女王様を苛めないで」
「やかましい。女王様をいたぶりたいのさ」
「そんなことしたら本当にこの世界がなくなっちゃうわよ。みんなが悲しむわよ」
「うるさい、そんなこと知ったことか」
ユリエは空を飛んで逃げようとしたが、敵も飛んで追いかけてきて、すぐに捕まってしまった。
「逃げられるわけ無いだろう。じゃあ、今日もお前の服を脱がしてやろう」
ユリエは服をビリビリに破られてしまった。
そして男達はユリエ達を後ろ手に縛った。
そして裸のまま、お城の前まで引き連れて来た。
住民が騒いでいる。
「また、女王さま達が捕まった」
「裸だ、裸だ」
「他の住民達はどうしたの?」
「手足を切られてしまったの」
「じゃ、磔にするか」
お城の前には十字架が立てられていた。
ユリエは開脚縛りに縛り付けられてしまった。
「オマンコ丸見えだなあ」
住民達が騒いでいる。
「女王様が捕まった。監視者はどうしたの?」
「監視者は来ないぜ」
「女王様は、いい体してるな」
「そんなこと言うのは、不謹慎だよ」
「お前も女王様のストリップをよく見てろ。前後の穴がよく見えるだろう」
「見ないで」
「感じさせてやる」
男の一人がユリエのおっぱいを揉んだ。
感じるもんかと思った。
おっぱいを吸った。
蜜壷に指を入れてきた。
ビクッとした。
太い棒を蜜壷に突っ込んできた。
「やめて」
太い棒を出し入れした。
負けないと思ったが、ついに感じてしまった。
ユリエはオーガズムを感じ始めた。
「やめてよ」
「女王様が感じてやがる」
「今度は刀で首を刎ねるか」
「やめて。お願い。首を刎ねるのはやめて。
本当に嫌な感じだったわ」
「じゃあ、首は刎ねないでおいてやろう。
その代わり、磔状態は長く続くがな」
「その、綺麗な裸を住民達に思う存分見てもらえ」
「誰かが助けに来るまで、そのままでいろ」
「じゃあな」と悪人達は消えた。
ユリエは全裸の開脚縛りのままで残された。
「恥ずかしいわ。誰か助けて」
「女王様を助けなくちゃ」
住民達が助けようとするが、ユリエの周り1mくらいにバリアーがあるようだった。
住民達はある程度以上は近づけなかった。
もうすぐ戻る時間が来るわ。それまでの辛抱ね。
しかし、ユリエはいつまで経っても実世界に戻れなかった。
(もう戻れる時間が、過ぎてるはずなのに・・・)
バーチャルワールドでは夜が無いため、何日経ったか分からないが、住民の増減で深夜とかが推測できた。
もう深夜のはずだわ。住民がほとんどいなくなったもの。夜10時に戻れるようにセットしたのに、どうして戻れないの?
コンピューターが壊れたのかしら。
朝が来たみたいだわ。住民が増えてきたわ。
住民はユリエをジロジロ見る人、助けようと近づいてきてバリアーとぶつかる人さまざまだった。
夜が近づくと住民は急に増えてきた。
「まだ、縛られたままだ。消えないねぇ」
「どうしたんだろうか。時間が来れば現実世界に戻れるはずなのに」
「現実の世界の体、大丈夫だろうか。もうずっと飲まず食わずだろう」
「でも綺麗な体ねぇ。さすが女王様」
ユリエは磔にされたまま、長い時間が経った。
(もう3日経っているはずだわ、どうして戻れないの?)
そうこうしているとタロウが現れた。
「タロウ助けて」
「すぐに助けるよ」
「どうして早く来てくれなかったの」
「実世界に戻ったんだけど、どうしてもここに戻れなかったんだ。プログラムをいじってやっと戻れたんだ」
「何日経ってるの?」
「もう3日経ってる」
「やっぱりそう。早く助けて」
タロウはユリエに近づこうとした。
しかしバリアーが邪魔をした。
いろいろな道具を準備して助けようとしても、どうしてもユリエに近づけなかった。
「バリアーがどうしても破れない」
「どうすればいいの?」
「そうだな。実世界に戻れるように、コンピューターをいじってみる。ユーリーの実世界の住所は?」
「・・・」
「分かった。行ってくる」
タロウは消えた。
タロウはユリエの部屋に着いた。
ドアに鍵が掛かっていた。
窓を割って入った。
するとユリエは裸のまま寝かされていた。
腕には栄養補給のための点滴が、なされていた。
「どういうことだ」
パソコンを操作してユリエを実世界に戻した。
ユリエの意識が戻った。
「私、裸だったの?確かバーチャルワールドに入った時は服を着ていたはずなのに」
タロウに気がついた。
「あなたがタロウ?」
「そ、そうだよ」
「助けてくれてありがとう。でもどうして裸なの?恥ずかしいわ」
「ぼ、僕は何もしてないよ」
「疑ってなんかいないから安心して」
「ほ、本当に来たら、あなたが裸だったんだ」
「そうなの?タロウには本当に感謝しているわ」
「ど、どういたしまして」
「それより何か着させて」
ユリエの服はどこにもなかった。
「ぼ、僕の服着れば」とタロウはズボンと上着を脱いで下着姿になった。
「ありがとう。それにお腹が空いたわ」
「すぐに買ってくる」
タロウは部屋を出ようとした。
「あっ、待ってよ。この部屋で一人じゃ怖いわ」
「でも、僕の家といっても、ちょっと遠いしなあ」
「タロウが下着姿で私が男物を着てると、おかしいわね。私、近くの公園で隠れているから、私の服買ってきて」
「分かった」
二人は公園に行き、公園のトイレに入った。
ユリエは服を脱いで、タロウに服を返した。
「い。いいのかい?」
「あなたが下着姿で女物の衣服を買っていたら変に思われるでしょう」
「そ、そうだね」
ユリエは裸のままトイレの個室に隠れた。
「早く戻ってきて」
「すぐに戻ってくる」
タロウは、ズボンと上着を着て走っていった。
ユリエはトイレの中で震えていた。
(どうなったの?私。今、裸のままトイレにいる。
タロウが戻って来なかったらどうしよう?)
トイレに入る人の音がする度にドキドキした。
ノックされた。
ユリエはノックで返した。
長い時間が感じられた。
「ユーリー、買ってきたよ」とタロウの声がした。
ユリエは急いで鍵を開けた。
タロウが入って来ると、タロウに飛びついた。
タロウは裸の女性に抱きつかれてパニックになった。
「あ、あの・・・ユーリーに抱き着かれて嬉しいんだけど、困っちゃうな」
「あ、ごめんなさい。心細かったから。はしたない女と思った?」
「い、いえ。そんなことないです」
ユリエは服を着てベンチに行き、タロウが買ってきたおにぎりを美味しそうに食べた。
「ご、ごめんね。そんなのしか買って来なくて。
バ、バーチャルワールドではもっとずっと美味しいもの食べたのに」
「そんなことないわ。これ美味しいわ」
「よ、良かったあ」
お腹が満足してユリエはタロウに言った。
「どうしたの、バーチャルワールドでは普通に話していたのに、自信がない話し方だわね」
「そ、それはゲームの世界では現実じゃないと思っていたからから、うまく話せたんだ。ほ、本当の世界だと思うと、う、うまく話せなくなっちゃうんだ。
じ、実世界では女性に対して、い、言いたいこと言えないんだ。ぼ、僕は本当は、気が小さいんだ」
「でもバーチャルワールドの犬の顔より、ずっと素敵な顔じゃない」
「そ、そうですか。あ、ありがとう」
「どうして、そんなに気が小さいの?」
「そ、それは以前つきあっていた人に嫌われたからかな」
「どうして嫌われたの?」
「ぼ、僕は面白くないって」
「うーん。バーチャルワールドでは、面白いところもあったわ」
「な、何を決めるのも、はっきりしないって」
「例えば?」
「そ、そうだな。た、例えばレストランでも、いちいち私の好みを聞かないでよって。りょ、料理を選ぶのに頭を使うの疲れるって」
「分かったわ。あなた、いつも相手に気を使って、自分で勧めずに、相手に好きな料理を選んでもらおうとしていたんでしょう。相手が何を欲しているか分からないから、相手の意見を聞こうとしたのね」
「そ、それが・・・ど、どうして嫌われるの?」
「男の人に決めてもらえば、女性はいちいち考える必要ないでしょ。それを何でも、何がいいって聞かれたら面倒になるわよ」
「そ、そうですか?」
「でも、もう少し付き合えば相手の好みが分かってツーといえばカーという仲になるのにね」
「そ、そうですよね」
「私の以前付き合っていた人は、自分でいいと思ったら、強引に相手にも押し付ける性格だったわ。
今思えば、結婚してからも亭主関白で、私の意見を聞かずに突き進んだでしょうね。
もしかすると相手の強引さに、私はだんだんと不満がたまって、結婚してもうまく行かなかったかもしれないわね。だから、長い目で見ると、あなたのように相手の意見を尊重する人の方が、いいかもしれないわ」
「そ、そうですか?」
「そうよ、もっと自分の性格に自信を持って」
「あ、ありがとうございます」
「でも、あなたバーチャルワールドでは、普通に話していたのに、この実世界では、おどおどせずに話せないの?」
「そ、そうですね。実世界と思うと・・・」
「そうだわ、実世界でもゲームは進んでいるのよ」
「ど、どういうことですか?」
「実世界だと思うからいけないのよ。あなたは実世界でもゲームの主人公なの。ここもゲームの中と考えればいいのよ。そして、私はヒロイン。あなたは私を何とかして助けなければ、ゲームは進まないの。
今、あなたがゲームを進めるためには、あなたのプログラミングの天才的な頭と、潟Jキコをどう使うかにかかっているのだわ」
「そ、そうだね。実世界でもゲームのつもりで行けばいいんだ。そう考えると、何だか自信ついたぞ」
「そうよ。自信が付いたところで、今の状態を教えて?」
「そう言えば、バーチャルワールドに戻れなかったので潟Jキコに行ったんだ。そして状況を説明してバーチャルワールドの住民を調べてもらったんだ。そしたら、潟Jキコがモニターに選んだ人じゃない人が沢山いたんだ」
「どうしてなの?」
「それで、その住民の一人を呼び出して事情を聞いたところ、サタン軍団が住民を募集をして1人につき1ヶ月当たり2万円でバーチャルワールドに入れていたそうなんだ」
「そんなこと出来るの?」
「出来ないようにセキュリティーをかけていたんだけれど、それを破って出来たらしいんだ」
「そんな住民、何人くらいいるの?」
「ユーリーのワールドだけでも100人くらいいたんだ」
「それで分かったわ。振る舞いの悪い住民が多くなったって言ってたもの」
「これからどうしようか。現実の世界のユーリーをこんな目に合わせたということは、この場所をサタン軍団は知っているということだもんな」
「怖いわ。どうすればいいの?」
「ユーリー、すぐに引っ越した方がいい。しばらく、僕のマンションに来た方がいいと思う」
「行くわ」
「家財道具どうしようか?」
「手荷物だけ持って行って、他のものはこのまま置いていくわ」
「分かった。じゃあ、早速おいでよ」
「私、一人になるの怖い。あなたに一日中、家にいて欲しいわ」
「と言っても明日会社があるし・・・」
「会社なんて辞めてもいいと思うわ。
私の給料で、あなた一人ぐらいなら面倒見れるわ」
「そんな、会社辞められないよ」
「あなた、会社ではどうだったの?」
「そうだな。忙しい時はアルバイトを沢山雇って、1日15時間くらい仕事をさせられたこともあるけど、今は仕事を海外に奪われてしまって大して忙しくないよ。今ではアルバイトを全員辞めさせちゃったのに、本業は1日5時間くらいで終わる仕事量さ。
そして空いた時間は、新しいソフトを開発せよと、上司がうるさいんだ」
「15時間も働いていたことあるの?」
「そうだよ」
「寝る時間も、十分に取れないわね」
「そうだね。その頃はうつ病みたいになって、自殺を考えたくらいだった。でも、今では上司には新しいプログラムを早く考えないと、リストラすると脅される毎日さ・・・」
「じゃあ、辞めれるじゃない。辞めて、何かいい方法を考えてちょうだい」
「分かった。明日会社に辞表出すよ」
翌日、タロウが会社から帰って来て言った。
「会社辞めてきたよ。辞表を出したら、辞められたら困る。係長にして給料2倍出すって言ってたけどね」
「そう、タロウは優秀だったんだ。その上、安全パイと思われていたのね。だから安月給でも、辞めないでこき使えると会社は考えていたのね」
「今、思えばいい気味だね」
「じゃあ、また平和なバーチャルワールド取り戻したいから、サタン軍団をやっつける方法考えてね」
タロウは潟Jキコに行って、社長に話した。
「現在のバーチャルワールドは危険が多すぎます。セキュリティーを強化した方がいいです」
社長は言った。
「分かってる。だが現時点では、これ以上のセキュリティーは考えつかない」
「セキュリティーはこれ以上強化できないと?」
「うん、今の段階ではこれ以上考えつかない。
残念だが、新しい防御方法が見つかるまで閉鎖するしかない。こうなっては仕方が無い」
タロウはユリエにバーチャルワールドを閉鎖することを話した。
「残念ね。でも仕方がないわね」
ユリエとタロウはバーチャルワールドに戻った。
住民を集めて話した。
「今のバーチャルワールドに、セキュリティーの不備が見つかりました。セキュリティーを強化する間、しばらく閉鎖します。また会える日を楽しみにしています」
潟Jキコはバーチャルワールドを閉鎖した。
9.実世界
実世界ではしばらく何事も無い日が続いた。
しかし1週間後ユリエが学校から帰ってくると、タロウは留守で、男達が部屋の中で待っていた。
「しばらくぶりだな。サタン軍団だよ。裏社会でお前はスターだったんだよ。被虐のヒロインとしてな。
客を沢山呼び込んで楽しませてもらったのに、バーチャルワールドが閉鎖になってしまった」
「そんな、閉鎖になったのは、あなた方のせいよ」
「我々には収入原が無くなってしまったんだよ。
だから、しばらく現実の世界でお前の恥態をディスクに撮ろうと思ってるのさ」
「しばらくって?」
「エロバーチャルワールドを立ちあげるまでな」
「エロバーチャルワールドって何?」
「うーん。本当は今のところ秘密なんだが、お前の状況を理解してもらうために話してやろう」
「聞かせて?」
「あと2〜3ヶ月でエロバーチャルワールドのプログラミングが完成するのさ。その世界ではお前が主人公なのさ。悲劇のな。お前のコピーを沢山作り、各世界に入れて住民にいたぶってもらうのさ」
「そんな・・・。私がそんな世界で使われたら現実の世界で暮らせないじゃないの」
「そんなこと知るか。我々の利益のために一人くらい犠牲が出ても知ったことか」
「利益って?」
「そうだな、エロバーチャルワールドに100万人が応募すると予測しているのさ」
「そんな、エロバーチャルワールドなんて警察に取り締まられるわよ」
「それも考えたのさ。しかし3ヶ月は持つだろう。
そうすると一人1ヶ月の会費2万円とすると、2万円×100万人×3ヶ月で600億円さ。10人で分けても十分さ」
「私はどうなるのよ」
「1億円くらいやるよ。それで満足しな」
「私の人生がめちゃくちゃになるわ。現実にいない人をヒロインにすればいいじゃない」
「どんな?」
「たとえば昔の人とか」
「それも考えたが、現実にいない人をプログラミングするのは大変だから現実にいる人の方がいいという結論になったのさ」
「どうして?」
「顔は感情で変わるだろう。そんな微妙な変化をプログラミングするとしたら大変なんだな」
「そんなこと言ったって、私以外の理想的な人はいないの?」
「考えた中で、お前が最も理想的な体と顔だからヒロインにしようという結論が出たのさ」
「酷いわ」
「まあ、酷いついでに、宣伝の映像を撮りたいので
お前の恥ずかしい姿を撮らしてくれたまえ」
「そんなことしないわ。警察に言うわよ」
「お前は逆らえないね。逆らうとお前の恥ずかしい写真をばら撒くぞ。証拠を見せてやろう」
ユリエのパソコンを開いた。
するとユリエがケンと過ごした頃からの行動が録画されていた。
「ケンはあなたの仲間だったの?」
「そうさ。アリスもな」
「えっ、アリスまで?」
「そうさ、アリスを使ってお前の実世界の、状況を掴んだのさ」
「そうなの?」
「裸で歩くのが趣味らしいな」
「そんな事無いわ」
「この映像が証明してるじゃないか。
こんなのをばら巻かれたら学校にも行けないよな。
お前の実家の近所にも送ってやろう。実家にも帰れないよな」
「脅すの?それは架空の世界の事で、本当の世界の事じゃないわ?」
「そうかね。実世界の映像もあるぜ。アリスに裸にされて、公園を歩き周っていたのもあったぜ」
「そんな、それはアリスのせいよ」
「じゃ構わないな。ばらまいてやる」
「やめて。どうすればいいの?」
「だから現実の世界で、恥ずかしい映像を撮らせて、お客さんを満足させればいい訳よ」
「そんな事しないわ」
「言うこと聞かないとコンピューターを操作して、お前を犯罪者に仕立て上げてやる。お前の知り合いも酷い目にあわせてやる。コンピュータープログラミングは得意だぜ。例えば以前、修学旅行を断ったのに、参加になっていたよな」
「あなた達が仕組んだとでも言うの?」
「そうだよ。簡単だったな」
「どうしてそんなことできるの?」
「簡単さ。プログラミングの天才がいるからな」
「どうすればいいの?」
「まず服を脱いでもらおうかな」
「いやだわ」
「じゃあ脱がしてやろう」
ユリエは男達に無理やり脱がされ、裸になった。
「お前、実世界で見ても、いい体してるなあ」
「おっぱいも形いいなあ。お毛々の生え具合もいいなあ」
「じろじろ見ないでよ」
「じゃあ、外に出よう」
「裸じゃ出られないわ」
「俺達が周りを囲ってやるから、見られないよ」
ユリエを真ん中にして部屋を出た。
人通りの少ない所では一人で歩かされた。
「恥ずかしい。こんなことして、ただで済むと思ってるの?」
「そうだね」
2キロメートル程歩かされて公園に着いた。
公園では何人もの人がいた。
木陰に連れて行かれた。
「さて今日はこれで解放してやるか。次回どんなことさせるか考えておく」
「解放してくれるのなら、服を着させて」
「裸じゃ、帰れないか?」
「帰れるわけ無いでしょう」
「じゃあ、こうしよう。ここにお前のワンピースがある。これを、あそこのゴミ箱に入れといてやる。
人が居なくなったら取りに行けばいい」
「どうしてこんな事するの?」
「さっき話しただろう。お前はスターなのだよ。
あっそうだ、仲間がお前の行動を撮影しているからな。近くに人がいないからと安心するなよ。100メートル以上の距離からでも撮影できるからな」
「そんな酷すぎるわ」
「じゃあ、俺達も暇じゃないからな。帰るよ。お前を縛って放置してやるからな」
ユリエは紐で後ろ手に縛られた。
「じゃあな」
男達は行ってしまった。
(どうしよう。早く縄を解かなくちゃ)
ユリエは傍の石の角でゴシゴシ縄を削った。
人が近づいてきた。
隠れなくちゃ。草むらに横になった。
(見つかりませんように)
行ってしまった。
今度は放し飼いの犬がやって来た。
クンクン、ユリエの匂いを嗅いでいる。
飼い主が近づいてきた。
マズイ、どうしよう。
後ろ手で棒を持ち犬を叩いた。
「キャン」犬は行ってしまった。
そうこうしているうちに、やっと縄を解くことが出来た。
でも、公園には何人もの人がいた。
何時間か草むらに隠れて夜を待った。
すると、浮浪者がゴミ箱を漁っているのが見えた。
何をしているのだろうと見ていると、弁当の残りなどを漁っていた。
ユリエの服が入っているゴミ箱に着いた。
ユリエの服を取り出した。
(やめて、持っていかないで)
しかし、男はユリエの服を持って行ってしまった。
(どうすればいいの?)ユリエは絶望感に襲われた。
夜を待つことにした。
夜が遅くなって、やっと人が居なくなった。
ちょっと走っては、様子を伺いながら物陰に隠れた。
車の多い大きな道路に着いた。
道路を横断しなければならなかった。
車が切れるのを待って走った。
急にライトで照らされた。
アーン、裸を見られてしまった。
捕まったらどうしよう。
必死で走った。
1時間以上もかかって、ようやくタロウの部屋に着いた。
「ねえ、開けて。裸なの」
タロウが部屋の扉を開けた。
「どうしたの、早く中へ入って」
「サタン軍団が部屋まで押しかけてきたの。
それより何か着させて」
タロウはパジャマを渡した。
ユリエは今までの出来事を詳しく話した。
「うーん。エロバーチャルワールドが出来る前に、サタン軍団をやっつける方法を考え付かないとな」
「そうよ、考えてよ」
「うーん。そうは言っても難しいな」
「ねえ、あなたは実世界でもヒーローなのよ。
ゲームだから何か方法があるはずよ」
「そうだね、ゲームだものね。どうすればいいか一晩考えさせて」
翌日
そうだ、いい考えを思いついた。潟Jキコのプログラマーと共同でやれば、成功するかもしれない。
翌日、タロウは潟Jキコの社長に会いに行って事情を説明した。
社長が言った。
「そんな事態が進んでいるのか。それで、あなたは何かいい方法を考えついたのですか?」
「ええ、サタン軍団をつぶす罠のプログラミングを考えつきました。ちょっと法律を破るし、他の企業に迷惑をかけますが、こんな方法どうでしょうか?」
作戦を話した。
「うーん、社会的な影響甚大だな。でもそんなこと出来るのかい」
「出来ます。プログラムは考え付きましたから」
「そうか、我が社が絡んでいることがばれたら大変なことになるな」
「分からないように出来ます」
「本当に分からないように出来るのなら協力しよう。どんな協力が必要かい?」
「私一人で完成させるには何年もかかります。
だから多くのプログラマーを助手につけてほしいのです。お願いします」
「じゃあ協力させてもらう。会社としてもバーチャルワールドに莫大な資金をつぎ込んだのだから早く再開したいからなあ。そうだなあ。20名のプログラマーをお手伝いに着けましょう」
「ありがとうございます。20人もいれば1ヶ月でできます。それと、バーチャルワールドのプログラミングに携わっていない人をお願いします」
「そうだな。エロバーチャルワールドを考え付いたということは、バーチャルワールドのプログラミングに携わった人間だということになるものね」
「そうです」
「じゃあ、サイバー攻撃対策室の室長としてあなたを任命しますので、すぐに始めて下さい」
帰ってユリエにいきさつを話した。
「明日から逆襲のためのプログラミングを始める。
1ヶ月はかからないと思うよ。それまで何があっても我慢してね」
「我慢するわ」
ユリエとタロウは部屋に戻った。
「私、一人になるの怖い」
「急いでプログラミングするから、それまで我慢してほしいんだけど」
「仕方がないわね」
翌日、タロウが潟Jキコに行くと、さっそく部屋に案内された。そこには20名のプログラマーが集まっていた。「よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
一方、ユリエはタロウの家で待っていたが、夕方また男達が現れた。
「今日は電車に裸で乗ってもらうよ。
捕まっても強制されたと言うなよ。
自発的に裸になったと言え」
イヤホーンを渡され命令に従うように言われた。
下着なしのワンピース1枚でユリエは駅まで歩かされた。
駅のホームで服を脱いでゴミ箱に捨てて電車に乗るように言われた。
ゴミ箱の前で躊躇していると、イヤホーンから「早く脱げ」と言われた。
(そんな、ここは現実世界よ。裸になれるはずないわ)
「何を躊躇している。早く脱げ」
(1ヶ月待てばタロウが何かやってくれるわ。
それまでの辛抱よ)
ユリエは意を決してワンピースを脱いで裸になった。
前と胸を隠して電車に乗った。
ギョッと周りの人達がユリエを見た。
(恥ずかしい。現実の世界で裸なのだわ)
客達が騒いでいる。
(見られている。どうすればいいの?)
ドアを前にお尻を手で覆ってじっとしていた。
「あのおねえちゃん裸だよ」
「シー、見ないの」
「ほんとだ、あの女の人裸だわ。アダルトビデオの撮影でもやってるのかしら?」
「でも、ビデオカメラ見当たらないぜ」
「露出狂だわ!車掌さんを呼んでくるわ」
「いい体してるなあ。お尻隠すなよ」
「こちらを向けよ」
イヤホーンから「お客さんの方を向け」と言われた。
ユリエは仕方なく客の方を向いた。
「おっ、すっごい、かわいい顔してるじゃないか。
裸、見て欲しいのだろう。胸とオマンコ隠すなよ」
イヤホーンから「手で隠すのはやめろ」と言われた。ユリエは指示に従い、両手で吊革を持った。
「いい体してるなあ。やらせろよ」
50歳くらいの男が寄ってきた。
おっぱいを掴んだ。
「弾力があるなあ。俺、露出狂大好きさ」
「嫌です。触らないで下さい」
「裸でこんなところに居るのに触らないで下さいはないだろう。それとも苛めて欲しいのかい?」
「そんな、やめて下さい」
「へへーん。苛めて欲しいんだな」
男は、ズボンのベルトを外すとユリエの足に巻きつけた。それを吊革に縛り付けた。
ユリエの足が高く吊り上げられてオマンコが丸見えになった。
「こうして欲しかったんだろう。あそこもビショビショじゃないか」とクリトリスを指で摘んだ。
「アアー、止めて」
ユリエはビクビクと体が震えた。
オマンコに指を突っ込んできた。
「おっ、濡れてる、濡れてる。いい感じじゃないか。ホテルに行こうか」
車掌がやって来た。
ユリエは(もうお終いだわ。警察に連れて行かれて私の人生終わりだわ)と思った。
「ああ、ひどい格好だなあ。この女の連れ合いかい」
「いや、知らない女だよ」
「あんた、かわいい顔して大胆だね。丸見えじゃないか。困るなあ、迷惑なんだよ」
と言いながらしばらく見ていたが、他の客の手前意を決して車掌はベルトを外すと「着いてきたまえ」と言ってユリエを裸のまま車掌室に連れて行った。
車掌室に着くまで驚きの声があちこちで起こった。
「なぜ裸なんだ。露出狂か?」
「きれいな体してるなあ」
「ストリッパーの宣伝かい。どこに出てているんだ。
俺、行くから教えてよ」
車掌室に着いた。
車掌は物欲しそうに上から下までユリエを眺めていたが、気持ちを切り替えて言った。
「あんた、困るよ。破廉恥罪だよ。
きれいな顔してるんだから、ストリップ劇場ででもやりなよ。どうしてこんな所で裸になったの?」
「ごめんなさい。どうして、こんなことしたのか分かりません」
「恋人にでも振られて、やけになったの?」
「そんなんじゃありません」
「着るもの置いてないから、駅に着くまで裸で我慢してね」
「はい」
窓越しに、大勢の客が車掌室のユリエを、物欲しそうに眺めていた。
駅に着き、駅長室に連れて行かれた。
駅長と二人きりになった。
テーブルを挟んで対座した。
駅長はユリエの裸に興奮したが、誰かに見つかったらまずいと思い我慢した。
「裸でまずいよな。警察に通報するしかないよな」
「警察には黙っていて下さい」
「土下座でもするかね?」
ユリエはすぐにイスから下りて地面に土下座した。
「お願いです。警察には黙っていて下さい」
駅長は後ろに回り、ユリエのお尻を叩いた。
パーン!駅長も今の音にびっくりして冷静になった。
「本当に反省しているのかね」
「反省しています」
「今日のところは不問にしておくから、こんなことするんじゃないよ。家近いの?」
「隣の駅です。歩いて帰ります」
「じゃあ、もうじき暗くなるから、これを着て帰りなさい。半透明だから明るい所ではまずいよ」
レインコートを渡された。
「はい、ありがとうございます」
ユリエはレインコートを着た。
「まずいなあ、乳首もヘアーももろ見えだ」
「いいです」
ユリエは別室で休んで、暗くなってから出て行った。
なるべく暗い所を歩いていたがイヤホーンから声が聞こえて来た。
「そのレインコートいいよ。明日はそれを着て町を歩こうね。駅長が許可したんだから」
「許可なんかしてないわ」
「まあいい、それを着て帰れ。捨てるなよ」
タロウが帰っていた。
「またサタン軍団に脅されたのかい?ごめんね。早くプログラミングが出来なくて。」
「いいわ。あなたに感謝するわ。でも私、このままでは本当に露出狂になってしまいそう。嫌いにならないでね」
「嫌いになるわけないだろう。ぼくはユリエを世界一好きだよ。心配しないで」
10.浣腸
次の日、レインコートを着て指示のとおり、町を歩くように言われた。
しばらく、躊躇していたがイヤホーンからの命令に促されて部屋を出た。
通行人がユリエを見ている。
恥ずかしい。私の体全て見られているのね。
きっと、頭がおかしいと思われているわ。
イヤホーンから、薬局に行くように指示された。
薬局に行くと、浣腸を1ダース買うよう言われた。
男の店員が応対した。
「すみません。浣腸を1ダース下さい」
店員はユリエの顔と胸を交互に見て言った。
「胸、透けて見えていますよ。ブラジャーした方がいいですよ」
「構いません。早く浣腸下さい」
店員はユリエを、ものほしそうに見ていたが浣腸を包んで渡した。
ユリエが店を出て行くところを見て、店員はびっくりした。お尻も丸見えじゃないか。
街を歩く人達はユリエを見てギョッとしていた。
公園に着いた。学生風の男がベンチに座っていた。
イヤホーンの指示で男に言った。
「すみません。浣腸して下さい」
男はびっくりした顔をしていたが、ユリエの体を上から下まで眺めた。
「いいですけど。どうしたんですか。
アダルトビデオでもやっているのですか?
カメラは見当たらないけれど」
「そんなんじゃありません。カメラはありませんからお願いします」
ユリエは浣腸を渡してお尻を捲った。
「へえ、綺麗な人なのに変な趣味があるのですね。
お尻もきれいだ」
男は浣腸を、お尻の穴に差し込んで液を入れた。
「ああー、感じるわ」
「ありがとう」
「もういいの?」
「ええ」と言ってユリエは歩き出した。
次は浮浪者風の男の前に行った。
「すみません。浣腸して下さい」
男はユリエの体を上から下まで眺めた。
浣腸を渡すと黙って受け取った。
お尻を捲ると男は尻の穴に浣腸をした。
「やらしてくれるんだろうな」
「いえ、浣腸だけです」
「じゃあ、もっと浣腸させろよ」
「分かりました」と言って浣腸をもう1個渡した。
次々要求して、5本も浣腸された。
「お腹が痛い。出そう」
「ここで出しなよ。見てやるから」
「もう我慢ができない」
ユリエはしゃがみこんだ。
「座るとウンチ出すところ、見えないだろう。
あの鉄棒を握ってしろよ」
男に引っ張られて鉄棒の所に行った。
野次馬が何人も集まってきた。
男はレインコートをユリエから引き剥がした。
ユリエは鉄棒にぶら下がった。
「恥ずかしい。出るわ、ごめんなさい」ブブブー
ユリエは皆の見ている前で大量の便をしてしまった。
「お尻洗ってやるよ」
男は噴水の所に連れて行き、お尻を洗ってやった。
前を触った。
「おっ、濡れているな。興奮したのかい」
「ええ」
「満足したかい」
「ええ」
「俺は欲求不満だよ。ここ触ってみて」
男は勃起した物をズボンの上から触らせた。
「ごめんなさい。本番は嫌だから」
と言って、ズボンのチャックを開けて口に含んだ。
「おお、感じる。おっおっ出るー」
大量の精液を噴射した。
「ごめんなさい。これで勘弁して」
「おお、満足したよ。ありがとな」
男はユリエの乳房を、もみもみした後で名残惜しそうにレインコートを返した。
ユリエは公園から出た。
何人かの男達が着いてきた。
突然声を掛けたれた。
「ユリエ先生でしょ。何て格好してるの?」
クラスの生徒に会ってしまった。
「事情があるの。他の人には黙っていて。お願い」
「どんな事情?」
「言えないわ」
「でも大胆だね。男達が着いて来てるじゃない」
「そうね。お願い学校には黙っていてね」
「みんなに知られたら学校に居れなくなるものね。
先生が辞めてしまったら寂しいものね。先生を困らせることはしないよ」
「ありがとう」
ユリエは夕食の買い物に、スーパーにも行かされた。
スーパーには女性が多くたちまち非難の的になった。
「ねえ、あんたそんなスケスケのレインコート着て買い物しないでよ。おっぱいもお毛々も透けて見えてるわ」
「あんた、欲求不満なの?綺麗な顔してるのに」
「綺麗な体見せつけようというの。この変態」
と女性の一人がレインコートの上から乳首を抓った。
「痛―い」
「早く出ておいき」
やっと買い物を終えて部屋に戻った。
タロウに言った。
「変態って言われたわ。それに教室の生徒に見つかっちゃった。学校辞めなきゃならないかも・・・」
「成るようになるさ。今は我慢の時だよ」
「でも私本当に露出狂になりそう」
タロウはじっとユリエを抱き締めた。
(つづく)
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