『IN−GOパブ ハッサン』(前編)


                                     作;ベル

        1

「ねえ、試験受かったんだって?良かったじゃない」
先輩はまっすぐに私の席に掛け寄り
部屋中の人が振りかえるほど大きな声で祝福してくれた。
先日、発表があったばかりの私の公的資格合格を
自分の事のように喜んでくれる先輩は、
不景気にもかかわらず自腹で後輩におごってくれる
『姐御(あねご)気質』の人気者だ。
以前、先輩が取引先との資料を紛失した時に
偶然私がその資料を見つけて届けて以来
何かと世話を焼いてくれるようになった。
人よりおとなしい私を積極的に誘ってくれるのは先輩だけなので
いつしか私たちは姉妹のように仲良くなっていた。

「よし、お祝いしなくちゃね。今夜はどう?」
「そんな。いつもご馳走になってばかりだし・・・」
「何言ってるのよ。こんな時こそ遠慮なく祝ってもらえばいいのよ。
何が食べたい?フレンチ?イタリアン?和食もいいわね」
「いえいえ、本当に。お気持ちだけで・・・」
「そうね。駅ビルの展望ラウンジは改装中だったし
2丁目の地下街はこの前行ったし、どこが良いかな?」
遠慮したつもりだったが、先輩には断ったように聞こえてないらしい。

「・・・そうだ。ずいぶん長い間試験勉強していたし
ストレスも溜まっているでしょう?
せっかくだから今回は、あなたが自分では行かないような
誰にも秘密のお店に連れて行ってあげる。
完全予約制だから、日にちが決まったら教えるわね(笑)」
先輩は意味深な言葉を残して去って行った。

***** ***** ***** ***** *****

数日後、出社したばかりの私に先輩が声を掛けてきた。
「キャンセルが出たらしくて急に予約が取れたの。今夜だけど大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ今夜ね。すごいお店だから期待していいわよ(笑)」
先輩は笑顔でガッツポーズをしてみせた。



        2

その日の夜、私は先輩と一緒に会社を出た。
夕食は会社の最寄り駅で軽く済ませ
いつもは使わない路線の電車に乗った。
「どんなお店何ですか?」
「女性専用のパブなの。まあ、それだけじゃないんだけど」
「隠れ家的な?」
「それは着いてからのお楽しみよ(笑)」
先輩は微笑みながらも、肝心な事は教えてくれなかった。

数駅先の駅で降り、繁華街を数分歩くと
路地を入った先に淡い水色の照明看板が見えた。
『女性専用IN−GOパブ ハッサン』と書かれた看板には
地下に続く階段を下りるよう、矢印が描かれていた。
「女性専用っていうのは分かりますけど『IN−GO』って何ですか?
中に入って行きなさい、寄ってらっしゃいって意味なんでしょうか?」
「実はダジャレなんだけど、その意味は後で分かるわよ」
先輩はそう言いながら、地下に続く薄暗い階段を下り
イスラム寺院の屋根の様なデザインの扉を押した。

***** ***** ***** ***** *****

店内に入ると、その内装の見事さに驚かされた。
天井や窓に掛かる白いカーテンと白塗りの壁。
アラベスク柄の大きなタペストリー。
イスラム文様のタイルを貼ったモザイクテーブル。
曲線デザインのアイアン家具。
独特なフォルムのガラスランプ。
店内はモロッコ風の内装で統一され、どれも高価な物に見えた。
先輩は案内も待たずにどんどん店の奥に進み
カラオケ用ステージ正面の席に座った。
まだ開店したばかりなのか、私たちが最初のお客だったらしい。

「ココのコンセプトはモロッコの王宮。そして私たちは王族のお姫様なの」
先輩はそう言いながらテーブルに置かれたスカーフを頭に巻いた。
「それで店名が『ハッサン』なんですね」
「オーナーがモロッコに所縁(ゆかり)のある人なのか
モロッコ風の内装が好きだったのかは知らないけれど、
単にストレスの『発散』に掛けたダジャレを思い付いたダケかも(笑)」
手渡されたスカーフはあらかじめ数箇所が縫い付けられており
被るだけで形が整うように作られていた。
「目の部分以外を全部隠すのかと思ったら、顔は出ているんですね」
「コレは『へジャブ』というヘッドスカーフよ。髪・耳・首を覆うだけなの。
あなたがイメージしている『ニカブ』よりも
イスラム圏ではこっちの方が一般的だって聞いた事が・・・」
説明の途中で、ようやく店員がやって来た。

「お久しぶりですね。来て下さってうれしいです」
振り向いた私はその店員の姿に目を奪われた。
彼女は黒いニカブを被り、全身を黒いマントで覆い隠していたが
その生地はガーゼのように薄く
しかも彼女は極小の下着しか着けていないのが透けて見えたからだ。
「せ、先輩!」
「期待通りの反応で嬉しくなっちゃうわ。
そうよね。こんな姿を見せられたら普通の人は驚くわよね(笑)」
「でも透けているのはマントだけですよ。
ニカブの生地は目元しか透けていないから
顔はほとんど分からないでしょう?」
彼女はそう言って、その場でゆっくりと回ってみせた。

「初めての人は私の姿に驚くけれど、こんなの序の口なんですよ。
このお店にはもっとすごいお客様が集まるんですから。
それよりご注文をどうぞ」
私は手渡されたメニューを見て、再び目を丸くした。
そこには普通の女性なら口にした事もないような
恥ずかしい言葉で形容された品名が並んでいたのだ。

「えーと私は、そうねぇ・・・。
飲み物は『試着室では必ず素っ裸になる露出狂ハイサワー』にするわ。
それから『太くて硬い右曲がりのペニスソーセージ』と
『淫らな女の濡れ濡れオマンコサラダ』を『濃厚ザーメンドレッシング』で。
あなたは何にする?」
おそらくこの店に来なければ一生口にする事がないような言葉を
先輩はハッキリとした口調で店員に告げた。

「先輩、恥ずかしくないんですか?」
「この店ではコレでいいのよ。
店名にあった『IN−GO』の意味は、漢字に書き直せば『淫語』
つまり『淫らな言葉を話す女性専用パブ』なの。ねっ?」
「このお店は日頃のストレス発散を目的にした女性のオアシス。
普段言えない淫語を遠慮なく口にして
仲間同士楽しく飲んで歌いましょう、っていうお店なんです。
皆さんオチンポ、きんたま、ペニスなんて当たり前のように言いますよ」
先輩の問いに店員は大きく頷(うなづ)いて答えた。

「あなたは真面目だからこんな店に来た事ないでしょう(笑)?」
「もちろん、こんな店があるなんて思いもしませんでした」
「この店のルールでは、注文はしっかり告げないと作ってもらえないの。
女性同士なんだし遠慮しないで、大きな声で注文しなさい。
コレなんかオススメよ(笑)」
そう言いながら先輩が指差したメニューは
『素っ裸になるまで野球拳をやめようとしない露出狂ハイサワー』と
『痴漢のなすがまま逆らえなくなる愛撫依存症串焼きの盛合せ』だった。

「・・・じゃあ私はコレをお願いします」
私はメニューを指差して店員に示したが、彼女は意地悪く問い返した。
「コレ、とはどれでしょうか?
『集合写真で一人だけ素っ裸になりたくなる露出狂ハイサワー』と
『銅像のフリをして全裸姿で公園に立つパントマイム唐揚げ』ですか?」
次々と聞かされる淫語が恥ずかしくて
私は顔を上げて注文を正す事が出来なかった。

「ずいぶんとウブな方ですね。この店に連れて来て良かったんですか?」
「まだ戸惑っているだけよ。お酒が入れば私より凄いかも知れないわ(笑)」
「あ、あの・・・ちょっとトイレに」
私は少しで良いから今すぐこの場を離れたかった。
「この先の左側です。足元に段差があるので・・・」
店員の説明も聞かずに席を立った私は
逃げ出すようにトイレに駆け込んだが、そこでも再び目を丸くした。
なぜなら普通の女性なら口にした事もないような『恥ずかしい願望』が
壁の至る所に手書きで書きこまれていたのだ。

『お花見で酔った振りをして素っ裸になり、公園を歩き回りたい』
『裸エプロンで商店街に行き、馴染みの店で裸のまま買い物をしたい』
『最寄駅の駅前で服を脱ぎ、大勢の人に裸を見られながら歩きたい』
『同窓会で露出願望を告白し、同級生の手で素っ裸にされたい』
『満員電車で痴漢に衣服を剥ぎ取られ、素っ裸でホームに降ろされたい』
『職場での全裸を義務付けられ、上司の淫靡な視線を全身で浴びたい』
『就活中の学生相手に面接係として素っ裸で面談をしたい』
『全裸で宅配するピザ屋で働き、いろんなお客様に素っ裸で届けたい』

中には女性がオチンチンを咥えている絵(それもかなり上手い)や
『何人もの男たちから同時に愛撫責めされ、何度もイかされたい』
『社員旅行先の温泉宿で上司や同僚に何度も輪姦されたい』
『体育会系の部室に連れ込まれ、何人もの男に無理やり犯されたい』
など、強姦願望のような過激な書込みもあったが
ほとんどの書込みは露出願望が大半を占めていた。
『休日に一人で出社して、自分の職場で全裸になりました』
という告白の様な書込みには
『私もやりたい』『私もやった事がある』『この店の常連なら初級レベル』
などと、応答とも取れるコメントが添えられていた。

その中で、見覚えのある字で書かれた書込みに目が留まった。
『混浴露天温泉に行って、知らない男性に裸になった姿を見られたい』
「これって先輩の字?先輩にもそんな願望があったの?」
私はこれらの書込みが『現実女性が書いた願望』なのだと感じて
急にドキドキし始めた。
「どれもこれも現実的じゃないわ。
どんなに酔ったからって素っ裸になんかならないし
知っている人ばかりの会社で裸になるなんて有り得ない」
そう思いながらも、書込みの内容が頭から離れなくなっていた。



        3

私がトイレから戻ると、新たに数人のお客が来店していた。
「とりあえず『自分の職場で素っ裸になりたくなる露出狂生ビール』と
『取引先の応接室で素っ裸になりたくなる露出狂枝豆』のセットを2つ。
『仲間と一緒に全裸になって撮るプリクラフライドポテト』もお願いします」
相変わらず店内で交わされる淫語が聞こえる度に
私の理性も次第にマヒし始めている気がした。

「その様子だとトイレの書込みをたくさん読んできたみたいね。
びっくりした?自分の願望と同じ書込みはあった?」
先輩はニヤニヤしながら私の反応を楽しんでいた。
「そんな事、たとえ先輩にだって教えません」
私は怒ったフリをして答えなかったが
先輩の注文しかテーブルにない事に気が付いた。
「ごめんね。この店のルールだから作ってもらえなかったの。
別に実行しなくちゃいけない訳じゃないし、もう一度自分で注文しなさい」
「分かりました。私も今夜は弾けちゃいますから」
私はスケスケマントの店員を呼び
『真夏の砂浜で素っ裸になって日焼けしたくなる露出狂ハイサワー』と
『芸術のためならどんなポーズでもするヌードモデルピザ』を注文した。

「じゃあ、あらためて乾杯しましょう。試験合格、おめでとう!」
「あっ、そうでしたね。ありがとうございます」
「何よ。お店が気になり過ぎて、合格の喜びは失せちゃったの(笑)?」
先輩は相変わらずニヤニヤしながら私の反応を楽しんでいた。
確かに奥手である事は自分でも認めるけれど、処女という訳ではない。
それでも今までの店では考えられない雰囲気に戸惑いを隠せなかった。
さっきとは別の3人組のお客は
乾杯の代わりに「オチンポぉー!」と歓声を上げているし、
コンデンスミルクを掛けたチョコバナナを
疑似フェラのように舐めて続けているお客もいた。

「注文の他にもこの店のルールがあるんですか?」
「お客さんは露出願望の人が多いけど、店内での写メは禁止なの。
最近は画像が流出する心配があるじゃない?
どうしても記念写真を撮りたいならポラロイド写真のサービスがあるわ。
それから・・・。ねえ、あとはどんなのがあったっけ?」
先輩は顔見知りと思われる隣の席のお客に話し掛けた。
「お店のルール?お友達は今日が初めてなの?
そうねぇ・・・。『脱衣ルール』はもう話した?
カラオケ採点結果以外で服を脱ぐのは禁止ってルール」
「禁止?脱ぐのが?自分で脱ぐ人なんているんですか?」
私は思わず問い返した。

「そうよ。この店は女性専用だし、ストレス発散が目的で集まる店だから
ルールがないと自分から脱ぎたがる人も結構いるのよ。
私もその一人だけど(笑)」
隣の席のお客は笑いながら答えた。
「細かく説明するより定番曲入れてみようか?」
彼女はカウンターに出向いて曲名を告げ、マイクを受け取った。
「せ、先輩!」
「またも期待通りの反応で嬉しいわ。でもアレ、本物のマイクなのよ(笑)」
隣の席のお客が店員から受取ったマイクは
どう見ても男性器を模したディルド〔張形〕だった。
間もなく、誰もが知っている演歌のイントロが流れてきた。

『1:♪お酒に酔ったみたいだと 言い訳しながら脱ぎ出した
  ♪あの人どうしているかしら みんなが見ている目の前で
  ♪残らず服を脱ぎ捨てた
2;♪裸になったその後も 身体を隠さず見せていた
  ♪「あなたも一緒に脱ぎましょう」 何度も何度もせがまれて
  ♪私も服を脱いでみた
3;♪裸になって分かったの 見られることの気持ち良さ
  ♪男の人も見てるけど 今さら隠しはしないから
  ♪このままずっと見て欲しい』
〔原曲:小林幸子 おもいで酒〕

曲が始まると、店内の液晶画面には
居酒屋の宴会用個室で全裸姿になったOL風の女性客のヌード写真と
替え歌に書き直された歌詞が映し出された。
隣の席のお客は歌いながらディルド型のマイクをシゴくように動かしたり
フェラチオのように舐めるような仕草までしてみせた。
周りの人も曲に合わせて手拍子しながら熱唱し、最後は口々に
「オマンコーっ」「オチンポーっ」「素っ裸最高ーっ」「露出っ子最強ーっ」
などと淫語を連呼しながら拍手した。

やがてカラオケで良く見る採点が始まった。結果は93点。
「90点以上なら3枚。80点以上なら2枚。それ以下なら1枚脱ぐのが
この店の脱衣ルールよ。もっとも帽子や手袋は例外だけど」
そう言いながら彼女はステージの上で
カーディガンとブラウスとブラを脱ぎ始め、大きな乳房を露わにした。
「私は歌が得意だから3曲もあれば素っ裸になれるけど
歌が下手な人でも何曲も歌えば素っ裸になる事が出来るわよ」
彼女は続けて私にも歌うようにディルド型のマイクを手渡した。



        4

ちょうどそこへ大きな帽子と黒いコートを着た女性が店に入って来た。
「お姉サマ!」「メーテルのお姉サマぁ!」
店員はもちろん周りの客までもが、その女性の来店を歓迎した。
「誰です、あの人は?」
「常連中の常連、この店のシンボル的な存在とでも言えば良いかしら。
彼女が来る日に予約が取れたなんて、ラッキーだわ」
あだ名の通り、銀河鉄道999のメーテルのような細い身体と長い髪。
穏やかな顔立ちと物静かな動作から、育ちの良さを感じさせた。
年は明らかに私たちより上なのだが
女性らしさというか、大人の魅力をまとっているかのようだった。
「この人が常連?露出願望のある女性が集まるこの店の?」
私は先輩の言葉が信じられなかったが
周りの客の反応は先輩の説明を裏付けるかの様だった。

「その気にさせておいて悪いんだけど
お姉サマに先に歌ってもらっていいかしら?」
隣の席のお客は私からディルド型のマイクを取り上げる様に受け取ると
乳房を揺らしながらお姉サマの席に駆け寄った。
「あら、いけないわ。この店は女性のオアシス。
仲間同士楽しく飲んで歌いましょう、っていうお店よ。
あなたの気持ちは嬉しいけれど、まだ着いたばかりだし
私は皆さんのあとでよろしくってよ」
上品な話し方だったが、オッパイを丸出しにした女性に対し
お姉サマは少しも動じた様子はなかった。

だが店員も気を利かせたのか、予約されていた曲は全てキャンセルとなり
イメージ通りのあの曲のイントロが流れてきた。
「もう、しょうがないわねぇ」
お姉サマは濃紺のへジャブを被ると、
差し出されたディルド型のマイクを受け取り
スポットライトに照らされたステージに上がった。

『1:♪さあ行くんだその服を脱いで 新しい風に身体を洗おう
  ♪常識など置いて行くがいい ふたたび始まるドラマのために
  ♪あの人はもう思い出だけど 君を遠くで見つめてる
  ♪The Flasher Pub Hassan
  ♪Will take you on journey
  ♪A never ending journey
  ♪A journey to the nude
   〔和訳〕露出狂パブ・ハッサンはあなたを旅に連れて行くでしょう
       永遠の旅 裸への旅
2:♪そうさ君は気付いてしまった 安らぎよりも素晴らしいものに
  ♪コチラを向き開く瞳には いつしかまぶしい女の裸
  ♪あの人の目がうなずいていたよ 露出も愛の一つだと
  ♪(繰り返し*2)』
〔原曲:ゴダイゴ 銀河鉄道999〕

液晶画面には全裸姿で線路の上を歩く女性のヌード写真と
替え歌に書き直された歌詞が映し出された。
周りの人はさっきと同じく曲に合わせて手拍子しながら熱唱し
「オマンコーっ」「オチンポーっ」「お姉サマ最高ーっ」「全裸最強ーっ」
などと淫語を連呼しながら拍手した。

やがてカラオケの採点が始まった。結果は79点。
下手ではなかったので、声が小さかったせいかも知れない。
「80点以下なら脱ぐのは1枚だけというルールでしたよね?」
「いいからお姉サマを見ていなさい」
先輩に言われるままステージを見つめていると
お姉サマはステージの中央で正面に向き直した。
そしてボタンに手を掛けてコートを脱ぎ落すと
お姉サマはいきなり素っ裸になった。
「お姉サマ最高ーっ」「全裸コート最強ーっ」
同時に周りの人が歓声を上げて彼女を称えた。

「えっ?何、どうして?」
「お姉サマはいつもコートの下は全裸でお店に来るの。
だから1曲でも歌えれば採点結果はどうでも良いのよ(笑)」
「下着すら着けないでお店まで来たんですか?そんな事って・・・」
そんな事をする人が本当にいるなんて
目の前で起きた事なのに信じられなかった。

「あなた、初めてお会いするわね?このお店は気に入った?」
自分の席に戻る途中、お姉サマは私に気付いて声を掛けた。
「い、いえ・・・まだ良く分かりません」
私は初対面の女性が裸のまま話し掛けてきた事に戸惑ってしまい
思わず目を逸らした。
「この店は女性のオアシス。きっとあなたも気にいると思うわ。
ねえ、こっちを向いて。私、裸を見られたくて身体も鍛えているのよ」
お姉サマの身体は細いだけじゃなく、クビレもあって引き締まっていた。
オッパイは小振りだったが形は良く
年上と思えない程キメの細かい白い肌をしていた。

「どうして裸になるのが好きになったんですか?」
私はお姉サマに聞いてみた。
「それは裸を見られた事がある人にしか分からないかも知れないわね」
お姉サマはまだ何も服を脱いでいない先輩と私の間に座り
店員に合図して3人並んだポラロイド写真を撮った。
「コレは記念に差し上げるわ。
今度は3人とも裸になった写真を撮りましょう」
お姉サマはそう言って自分の席に戻って行った。

「羨ましいわ。お姉サマは自分から声を掛けた人としか
写真を撮って下さらないのよ。良かったわね、あなたたち」
脱衣ルールを説明してくれた隣の席のお客は
写真を見ながら本当に羨ましそうに言った。
3人並んだ写真は不思議な雰囲気を持っていた。
「よーし。私たちも歌うわよぉ!すみませーん、ハイサワーお代わり」
お姉サマに刺激を受けたのか、先輩はカラオケに曲を入力すると
ペニスソーセージの先にかぶり付いた。
【つづく】