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遅刻の罰は……(後編)

作:ベンジー   


 まきはその恥ずかしさに耐えきれず教室から逃げ出しました。でもすぐに何かにぶつかって廊下に倒れました。
 まきがぶつかったのは校長先生でした。
「また君か。困ったものだ」
 校長先生は前原先生にまきを校長室に連れてくるようにと言いました。教室ではブーイングの嵐でしたが、まきはとりあえずクラスメイトの前でのストリップは避けられたようです。
 昨日と同じ校長室。
 まきは早速ハダカになるように言われました。
「どうしたのかね。教室で男子生徒に見られながらの方が良いのかな」
 校長先生はそう言ってまきを脅すんです。ここだけで済むのならと一縷の望みを繋いで、まきはハダカになることにしました。男性ふたりに見守られての脱衣はつらかったのですが、教室で脱ぐことを思えばずっとましに思えました。
 スリップを脱ぎました。
「これで勘弁してください」
 まきは言いました。無駄だとわかっていても言わずにはいられなかったのです。
「何を言っているんだね。君には逃げ出そうとした罰も加わっているんだよ。とりあえず素っ裸になって貰わないと先に進めないじゃないか」
「とりあえずって……」
 どういうことですか、と聞こうとしましたが怖くなってやめました。でも、本当にどうするつもりでしょう、とりあえず素っ裸にしたまきを。
「早くしないか」
 前原先生が急かします。口調とは裏腹に顔が緩んで見えるのは気のせいでしょうか。
「まあ、待ちたまえ。最後のチャンスをやろうじゃないか」
 校長先生がまた何か考えたようです。今まではろくなことが無かったのですけど、下着を脱がなくて良いならと期待してしまうまきでした。
「ズボンの下でせがれが窮屈そうでなあ。こいつを鎮めてくれたら下着は勘弁してやっても良いが、フェラチオなんてできるかな」
 校長先生はそう言いながら怒張した逸物をまきに突きつけました。
「目をそらしてどうするんだ。せっかくの厚意を無にするのか」
 前原先生がどなります。でもまきにはどうしたら良いのかわかりません。
「ど、どうすれば良いのですか」
「やはり知らんか。まあ、無理もないが……」
「こいつを口にくわえてなめ回すんだよ」
 校長先生のそれは、小さい時に見たお父さんのそれよりずっと大きいんです。それがぐうんと反って今にも飛びかかってきそうでした。
「そんな……、私、できません」
「なら大人しく素っ裸になって教室に戻るんだな」
 下着姿でいるだけでもこんなに恥ずかしいのに、この上ブラもパンティを脱いで男子生徒が待つ教室に戻るなんて……まきは校長先生の前に進んで膝を付きました。逸物が目の高さにあります。これを口に入れるのです。
「前原先生、時間を計ってください。五分以内に射精させられない時はこの話は無かったことにしますからね」
 しゃせい……ってなんだろう。今日はまきの知らない単語ばかりです。きっと早くやれと言っているのだと思いました。
 まきの指先が校長先生の逸物に触れると、それはビクッとより大きくなりました。思わず手を引っ込めてしまうまきでしたが時間を切られているのです。怖がっている場合ではありません。口をそっと近づけていきました。でもこんなに大きいの、まきのお口に入るのでしょうか。
 唇が逸物の先に触れました。またビクッと反応します。まきはためらわずにはいられません。顔を離そうとするまきの後頭部を校長先生に押さえられました。
「口を付けているだけじゃダメだよ。アイスキャンディーをしゃぶるようにやってごらん」
 逸物の裏の筋に沿って舌を這わせろとか、球袋の付け根をなめ回せだとか、舌の先を先端の縦割れに入れてみろだとか。言葉はやさしいのですが注文が多くて……
 まきは言われるままに一生懸命やりました。五分間の我慢だと思っていましたから。その内に校長先生の口数が減っていきました。息使いも荒くなっています。
 次にまきの口が逸物の先端に回った時、校長先生はまきの頭をぐっと自分に押しつけました。まきの口の奥まで逸物が侵入してきてまきはむせそうになりました。それでも校長先生は離してくれません。
「うっ、ううー」
 そう息を漏らしたかと思うと、まきの口の中に熱いものを吐き出したのです。
(いっ、いやっ。早く離して)
 まきの口は逸物にふさがれて声になりません。校長先生は二度、三度と放出を繰り返してからやっとまきを離してくれました。
 まきは口に残った熱い液体を校長室のジュータンに吐き出しました。全部ではありません。すでに喉を通ってしまったものもあります。
「何分経ったかね」
 校長先生は前原先生に聞きました。
「五分二十秒です」
「そうか。残念だったね。やはり脱いでもらうしかないな」
 五分以内に……ってそう言う意味だったんだ。
 まきにもやっとわかりました。気持ち悪いのを我慢してあんなに頑張ったのに、結局何にもならなかったのです。
 まきはとうとう丸裸にされてしまいました。
 お風呂以外の場所でこんな格好になるなんて考えたこともありません。その上、目の前にはふたりの男性がいるのです。恥ずかしい部分を視線から逃そうとしても、何も着ていないまきには二本の手がすべてでした。片手で胸を覆い、もう片方の手を股間に当てて、背中を丸めているしかないのです。このまま消えてしまいたいと思いました。
「今から恥ずかしがっていてどうする」
 前原先生が言いました。そうです。これで終わりでは無いのです。
 校長室の内線電話が鳴りました。
「そうか。わかった」
 校長先生は、受話器を置くと前原先生に言いました。
「磔柱の準備ができたそうだ。全校生徒を校庭に集めてくれたまえ」
 前原先生が出ていきました。まもなく校内放送が流れました。そして大勢の足音がしました。まきは絨毯の上に膝を落とし、両手でしっかりと自分の体を抱きしめました。
「さて、そろそろ行こうか」
 校長先生がまきの二の腕を掴みました。このままの姿で全校生徒の前に連れ出そうと言うのです。そこへ前原先生も戻って来ました。
「おっと、忘れてた」
 校長先生は一度まきの腕を離すと、机の引き出しからロープの束を取り出しました。
「両手は縛らせて貰うよ」
「そ、そんな、まさか。嫌です。ハダカのまま縛られるなんて……」
 前原先生はもうまきの背中に回っていました。丸裸のままでは廊下へ逃げ出すこともできず、まきは簡単に押さえられて後ろ手にねじ上げられました。
「磔に引き回しは付き物だからな」
 縄止めを済ませると前原先生は満足そうにまきの姿を眺めました。同じハダカなのに、縛られる前よりずっとせつなく、恥ずかしいのです。
「ほら、きちっと歩けよ」
 前原先生が縄じりを持って引っ張ります。まきはすっかり罪人でした。二の腕にもロープが回されています。着る物も奪われ両手の自由も奪われた惨めな罪人、それが今のまき。そんな姿で全校生徒の待つ校庭に出されたのです。
 号令が掛かりました。まきの姿に驚いていた生徒達も慌てて列を作ります。まきはその正面の台に上げられました。
 台の脇には白木の十字架が立てられています。なんだろうと思って十字架を見ていた生徒達も、今は台上のまきに視線を集めています。ここから全校生徒が見渡せると言うことは、向こうからもこちらが見えていると言うことで……
「……によりまして、今後このようなことが起きませぬよう、彼女をこのままの姿で磔とし、見せしめにとなって頂きます」
 うおおおーーーーー
 まきの磔が宣言されました。歓声が校庭を包みます。
「いやあー、磔なんていやあー」
 誰もまきの言葉など聞いていません。回りにいた男性教師達も一緒になってまきのロープをほどき、十字架へと導きました。
「あーん。もうだめぇー」
 まきの断末魔が悲しく響きました。一糸纏わぬ姿を十字架に縛り付けられたまきは、全校生徒、教職員の視姦に任せるしかありません。
(見ないで。お願い、私を見ないで)
 すでに声になっていないのにも気づかず、まきは唱え続けたのです。

「校長先生、やっと念願が叶いましたね」
 磔になったまきの全裸を一番近くで見上げているのが、校長先生と前原先生でした。
「うむ。この学校は、勉強はできるが女性としての魅力に欠ける娘しか入って来ない。この子のお陰で私も校長になった甲斐があると言うものだ」
「京子君がよくやってくれましたから。ところで次はどうします」
「そうだな。あそこの毛を剃ってストリーキングでもさせるか」
「校外に出すのですか。それはちょっと……」
「反対かね」
「いや、是非やらしてください」
「君も悪い男だ」
 遅刻の罰は、終わりを知らないようです。
(おわり)



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